著者
堀内 正樹 大塚 和夫 宇野 昌樹 奥野 克己 清水 芳見 新井 和広 水野 信男
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、アラブ世界の様々な分野の人間関係の現状を分析することによって、社会全体を貫くネットワーク・システムの維持メカニズムを実証的に検証することを目的とした。その際、政治的・経済的・社会的・文化的環境、およびネットワークの内的意味世界の解明を分析の2本の柱とした。まず、ほとんどの調査地域においてこの十年ほどのあいだに急激な社会変化が生じていることが確認できた。政治・経済状況の悪化や社会格差の拡大、そして欧米を基準とした価値指標の浸透がもたらした閉塞感の蔓延などである。そうした現象に対応するように、ネットワークの地理的範囲や人の移動のパターンにも少なからぬ変化が見られたが、人間関係の保ち方自体に変化はほとんどなく、むしろ不安が増している社会状況に対処するために、これまで以上にネットワーク構築の重要性が増大しているという認識を得た。またネットワークの内的意味世界に関しては、同時代の人間関係のみならず、すでに死去した過去の世代の人間も重要なネットワーク・ポイントに組み込まれているという重要な発見をした。ネットワーク構築の適用範囲は現在だけでなく過去へも拡大されているのである。現代の地平へ伸びた人間関係のベクトルと、過去へと伸びたベクトルとがひとつに融合されて、「いま・ここ」という変化の渦中にある生活世界の中で、人間関係が柔軟・多様かつ強靱に機能するというしくみこそが、ネットワーク型社会システムの維持メカニズムの核心を成すとの認識を得た。この知見は、政治学や経済学、社会学といった「現代学」のみならず、過去をすでに終わってしまったものとして扱う歴史学に対しても、その姿勢を根本から問い直す重大な契機となるはずである。
著者
ダニエルス クリスチャン 宮崎 恒二 大塚 和夫 西井 涼子 眞島 一郎 関根 康正 河合 香吏 陶安 あんど
出版者
東京外国語大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本計画研究の最終年度に当たる本年度は、これまでの4年間の研究成果を踏まえて、総まとめと研究成果の公表に重点をおいた。これまでの研究活動においては、三つの基本課題に沿って知識が資源化される過程を検討してきた。第一課題は、知識の所有・占有・共有である。第二課題は、現代における前近代知識の読み直しであり、第三課題は、実体化された知識である。実践の中で生まれてくる知識がどのように資源化されるかが大きなテーマである。本年度は、領域研究全体のr資源」概念の再構成に貢献できるように、上記の三課題を視野に入れながら、資源化メカニズムの解明を継続・研究した。これまでに知識の「資源化」と知識の「商品化」とのあいだに本質的な懸隔のあることを明らかにした。本年度は、資源としての知識が拡散と流動のベクトルをもつのに対し、その商品化は固定と秘匿のベクトルをもつという分析指標から計画研究の総まとめを行った。班員がその立場を取り入れた形で成果論文の執筆に執りかかった。具体的な活動は(1)総括班主催で2006年12月9日-10日に開催した資源人類学国際シンポジウムでの発表、及び(2)2007年秋に刊行する予定の責任編集・全9巻からなる資源人類学成果論文集の1巻をなす第3巻「知識資源の陰と陽』に掲載する論文作成であった。(1)の国際シンポジウムでは、関根はハワイ南アジア系移民社会における伝統知識の再活性化(宗教・呪術の復活)の補充調査をした上で、「On the Shift from Knowledge as a Capital to Knowledge as a Resource」と題する発表を行った。(2)については、班員はそれぞれ上記の三課題を中心に5年間の研究成果を論文にまとめる作業を行った。ダニエルスは、上記の第3巻の責任編集に当たると同時に、雲南における伝統技術の補足調査をした上で成果論文集の第1巻に掲載する伝統技術の資源化過程に関する総論を準備した。
著者
大塚 隆史
出版者
東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻
巻号頁・発行日
2013-03-25 (Released:2013-05-07)

報告番号: ; 学位授与日: 2013-03-25 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(工学) ; 学位記番号: ; 研究科・専攻: 工学系研究科・電気系工学専攻 拡張現実感の環境下において,現実世界に重畳表示した仮想物体とリアルなインタラクションを実現するには,視覚的な提示だけでなく,あたかも仮想物体に触れたかのような力覚フィードバックを提示することが重要である.従来研究では,仮想物体からの力覚フィードバックを実現するために力覚提示デバイスを用いる手法が研究されてきた.しかし,装着型や接地型のデバイスはユーザの行動や動きに制約を課すことが多いという問題がある.筆者らの研究グループでは,視覚と固有受容知覚の情報の不整合によって生じる擬似触覚を利用し,拡張現実感において触覚デバイスを用いることなく仮想物体から力覚フィードバックを得る手法の確立を目指している.本論文では,拡張現実感における擬似触覚の生起の有無と擬似触覚が与える力の大きさや,擬似触覚を効果的に生起させる条件について調査した.被験者実験より拡張現実感においても擬似触覚が生起することと,提示する手の速度変化によって力覚の大きさが異なるという知見が得られた. In order to realize high realistic interactions between a user and virtual objects, it is very important to give a user haptic stimuli in augmented reality as if he touched them. In previous works, a user have to equip or grasp a haptic device simulating haptic feedback from virtual objects. However, equipping or grasping a device prevent a user from moving naturally. Our aim is to realize haptic feedback without a haptic device in augmented reality using pseudo-haptics which is a phenomenon where visuo-haptic sensory conflicts. In this paper, we investigated the occurrence of pseudo-haptics in augmented reality and the condition where we simulate haptic feedback efficiently using pseudo-haptics. Based on subjective experiments, we observed pseudo-haptics occurs in augmented reality and an influence to haptic sense differs depending on a displayed hand speed.
著者
大塚 晴郎
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大學大學院紀要 (ISSN:13442422)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.109-124, 2002-03-01

本論は先に発表した「文化領域にみる芸術の自律性について」(本紀要第28号)に続くものである。芸術の自律性に基づく芸術界特有の秩序を考察することになる。ここでは先に研究した文化的価値が、意味的根拠となり、個人によって内面化され、個人の行為に意味一貫性をもたらすことが期待される。また集団における価値の共有化によって、個人の立場を擁護し、集団の凝集力を高めることが期待される。しかし文化的価値は各領域におけるそれぞれの価値と複雑に関係し、現実的な問題を生じる
著者
松本 淳 久保田 尚之 藤部 文昭 林 泰一 山本 晴彦 財城 真寿美 寺尾 徹 村田 文絵 高橋 幸弘 山下 幸三 赤坂 郁美 遠藤 伸彦 森 修一 釜堀 弘隆 高橋 洋 山根 悠介 大塚 道子 遠藤 洋和
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本を含むアジア諸国における紙媒体や画像での日降水量データや台風経路等をデジタル化したデータセットを作成し、モンスーンアジア域における降雨強度の長期変化を解析した。その結果、日本では1930年以降、東北日本を中心に降雨強度が大きくなっていた。フィリピンでは1950年以降の夏季には強雨の増加傾向が、冬季には西海岸で乾燥の強化傾向がみられた。1940年代以前の傾向はこれらとは異なり、近年の変化傾向は数十年スケールでの変動の一部とみられる事、エルニーニョと地球温暖化の影響の両方の影響を受けている可能性が高い事がわかった。中部ベトナムでも近年の傾向と1940年以前の傾向に違いがみられた。
著者
栗山 哲 友成 治夫 大塚 泰史 大城戸 一郎 細谷 龍男
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.367-371, 2003-05-25 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19

Combination therapy with angiotensin receptor antagonist (ARB) plus angiotensin converting enzyme inhibitor (ACE-I) (ARB/ACE-I) was efficacious in reducing proteinuria in patients with progressive renal disease. However, this therapy may be associated with the worsening of anemia and hyperkalemia. The present study addressed whether or not triple therapy with low dose ARB, low-dose diuretic (D) and calcium channel blocker(CCB) (ARB/D/CCB) is as effective as therapy with low-dose ARB/ACE-I in retarding the progression of overt diabetic nephropathy. In the triple therapy, the patients were initially subjected to monotherapy with CCB for 24 weeks. Low-dose ARB and low-dose D were added to the treatment for an additional 24-week period. In parallel, patients undergoing double therapy were initially treated with low-dose ACE-I alone for 24 weeks, and then low-dose ARB was added for an additional 24-week period. The results were as follows: 1) In the triple therapy, blood pressure was reduced by 9 mmHg in systole and 5 mmHg in diastole (not significant) compared to monotherapy with CCB. There was a significant decline in proteinuria (3.3±1.2 g/day in the CCB-treated period vs. 2.1± 1.0 g/day in the ARB/D/CCB-treated period, n=12, p=0.0143) . Furthermore, a significant improvement in the slope of reciprocal serum creatinine concentration (1/Cr) was found in response to triple therapy (l /Cr : -0.0118±0.0009 in the CCB-treated vs. -0.0035±0.0028 (1/mg/dl/month) in the ARB/D/CCB-treated period, n =12, p <0.001) . There was neither a worsening of anemia nor an increase in the serum potassium (K) concentration. 2) In the double therapy, blood pressure was reduced by 12 mmHg in systole(p=0.0079, n=11) and 6 mmHg in diastole(n=11, p=0.0037) compared to the monotherapy with ACE -I . A significant improvement in the slope of 1/Cr was found in the double therapy (1/Cr : -0.00952±0.0052 in the ACE- I treated period vs. -0.0029±.0028(1/mg/dl/month) in the ARB/ACE-I, n=1 I, p<0.001). In addition, there was a substantial reduction in hematocrit and increase in serum K concentration. The present result suggests that triple therapy consisting of ARB/D/CCB is as efficacious as double therapy with ARB/ACE-I in protecting the kidney from the progression in patients with diabetic overt nephropathy. The former may be expected to have less adverse effects.
著者
嶌田 聡 大塚 作一 伴野 明 新井 雅信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.581, pp.107-113, 1997-03-17
参考文献数
16
被引用文献数
7

圧力センサによる歩行運動分析装置を検討する。複数歩の歩行運動を計測対象とする場合には、足圧データから各足領域を切り出すことが必要である。本論文では、歩き方や歩行速度、さらに、履き物に依存しない歩行運動の特徴として、歩行運動時の足の動き方に着目して足領域の位置を推定し、推定位置の周辺の領域をグルーピングすることにより足領域を自動抽出する方法を提案する。健常者23人の104サンプル、歩行障害患者67人の764サンプルの合計868サンプルを本方法により約98%の精度で切り出せることを確認した。また、処理時間はWSで1秒以下であった。
著者
大塚 愛子 川崎 亮 渡辺 龍三 厳 泰永
出版者
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.220-224, 1998-03-15
参考文献数
7
被引用文献数
3 12

Disk-shaped functionally graded materials of copper/alumina system have been fabricated by spark plasma sintering(SPS process. The graded layer consists of symmetrical compositional transition of Cu/Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>/Cu, which allows to achieve high heat conduction, electrical insulation and excellent in-plane electrical conductivity. The use of the FGMs as a compliant pad of conduction type of thermoelectric power conversion system offers high thermal energy density through the thermoelectric cell, resulting in the increase of the efficiency of thermoelectric energy conversion.<BR>This paper describes the process optimization including densification of metal-ceramic powder mixtures by SPS process, compositionally graded stacking of the mixed powders in a graphite die, the design of the compositional gradient on the basis of one dimensional heat conduction analysis and fabrication of Cu/Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>/Cu FGMs according to the predesigned compositional gradient.
著者
大塚 好古
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.682, pp.100-105,10〜11, 2007-11
著者
大塚 定男 田村 明弘
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.9-18, 1988-12-25
被引用文献数
5

音源に対する態度と騒音評価に関しカラオケ、自動車を対象とした2回の心理実験を試みた。まずモーズレー性格検査とSD法による言葉のイメージプロフィール調査を実施し、カラオケ、自動車に関して好意的・非好意的態度の者を選出し、音のうるささの評定実験を行った。次にカラオケ・自動車に関する好意的・非好意的な教示を与え、再度うるささの評定とイメージ調査を行った。その結果、音源に対して好意的態度か否かはカラオケでは音のうるささの知覚に影響するが自動車では影響しないこと、態度がカラオケでは個人の性格特性、イメージプロフィールと関連するが、自動車では関連が弱いことが明らかとなった。統制された実験ではあるが態度の騒音評価に及ぼす影響の基本的な理解を得ることができた。
著者
大塚 裕之 桑山 龍
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.6, pp.442-458, 2000-06-15
参考文献数
54
被引用文献数
1 6

本研究では, 種子島の西之表市南西部の住吉付近に小分布する形之山部層より発見されたカエル類化石の分類学的位置づけを明確にするため, 九州本土および南西諸島に現生するカエル類と本カエル化石との比較形態学的検討を行った.その結果, 本化石は寛骨や上胸骨の形態などにより, 沖縄本島と奄美大島のみに現生するイシカワガエルに同定されることが判明した.形之山部層の堆積年代は, 同部層最下部の軽石層のF.T.年代測定から1.3±0.2 Maであると推定されている.また, 琉球列島全域は, 地質学的証拠から島尻層群堆積後の鮮新世最末期から琉球層群堆積前の前期更新世にかけて大規模な陸化時期であったことが知られている.これらの事実は, イシカワガエルの祖先が形之山部層の堆積(約130万年前)前の陸化期(鮮新世最末期)に, 現在のトカラ海峡付近に存在していたと考えられる陸橋を渡って, 種子島を含む大隅諸島へ到達した可能性を示している.
著者
藤井 俊勝 平山 和美 深津 玲子 大竹 浩也 大塚 祐司 山鳥 重
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.83-87, 2005-02-01
参考文献数
22

情動は個体の身体内部変化(自律神経活動,内臓活動など)と行動変化を含めた外部へ表出される運動の総体であり,感情は個体の心理的経験の一部である.ヒトの脳損傷後には,個々の道具的認知障害や行為障害を伴わずに,行動レベルでの劇的な変化がみられることがある.本稿では脳損傷後に特異な行動変化を呈した3症例を提示し,これらの症状を情動あるいは感情の障害として捉えた.最初の症例は両側視床・視床下部の脳梗塞後に言動の幼児化を呈した.次の症例は両側前頭葉眼窩部内側の損傷により人格変化を呈した.最後の症例は左被殻出血後に強迫性症状の改善を認めた.これら3症例の行動変化の機序として,情動に関連すると考えられる扁桃体-視床背内側核-前頭葉眼窩皮質-側頭極-扁桃体という基底外側回路,さらに視床下部,大脳基底核との神経回路の異常について考察した.<br>
著者
牛川 憲司 板垣 英二 丸山 雅弘 半田 桂子 大塚 大輔 下山 達宏 関 博之 小澤 幸彦 山口 真哉 滝澤 誠 片平 宏 吉元 勝彦 石田 均
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.74-82, 2005
参考文献数
19
被引用文献数
3

症例は54歳, 男性。平成7年頃に糖尿病と診断されていたが放置していた。平成13年8月末より腰痛を認め, その数日後より右下肢に浮腫が出現した。さらに左下肢にも浮腫を認めるようになったため同年9月20日当科入院となった。身体所見では両下肢の圧痕性浮腫と両側の側腹部に表在静脈の怒張を認めた。胸部〜大腿部造影CTでは, 肝静脈流入部より中枢側ならびに腎門部より末梢側の下大静脈は正常に存在していたが, 肝静脈流入部から腎門部にいたるまでの下大静脈は欠損しており, 著明に拡張した奇静脈および半奇静脈が描出された。なお, 腎門部より末梢の下大静脈は第3腰椎レベルで下行大動脈の背側を横切り半奇静脈に連なっていた。さらに, 両側の大腿静脈, 外腸骨静脈, 総腸骨静脈および腎下部下大静脈, そしてそれに連なる半奇静脈の血管内腔には器質化した血栓が連続性に充満していた。また, 胸腹部MRAでは腹腔内に側副血行路と考えられる無数の静脈が描出された。以上より, 広範な深部静脈血栓症を伴った肝部から腎部におよぶ下大静脈欠損症と診断したが, 本例は側副血行路の著明な発達, 増生により両下肢の浮腫は保存的治療のみで自然に軽快した。下大静脈欠損症では, 血管の走行異常による血流うっ滞をきたす可能性があるにも関わらず実際に静脈血栓症を合併することは稀である。本例において広範な深部静脈血栓症を合併した原因としては, 高度の腰痛により食欲不振をきたし脱水傾向となったことから血液粘稠度が増加し, その状態で臥床状態が続いたこと, それに加えて合併する糖尿病による凝固亢進状態が関与した可能性が考えられた。
著者
渡邊 智 藤原 敏雄 川崎 義巳 大塚 吉則
出版者
日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.235-239, 1997-08-01
参考文献数
13
被引用文献数
2

We investigated the effects of bathing with bath preparation (sodium sulfate, sodium chloride, 30g/200l) on the thermal preservability in healthy volunteers. We also investigated these effects on the antioxidative defense system in patients with vibration syndrome (VS). In these investigations, we measured the activities of erythrocyte superoxide dismutase (SOD). After immersion at 41℃ for 5 min, forearm skin temperature, photoplethysmograph, and transepidermal water loss increased significantly as compared with those after bathing in a plain water. After bathing for 4 weeks at around 40℃ for 10min, activities of erythrocyte SOD increased significantly. These data indicate that bathing with the bath preparation has a stronger effect on thermal preservability in healthy volunteers and activation of the antioxidative defense system in patients with vibration syndrome due to a significant increase in activities of erythrocyte SOD.
著者
有川 順進 石黒 隆之 中村 修 大塚 裕幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.87, pp.9-15, 2000-09-21
参考文献数
5

DoCoMOが開発した「P-link Station」は,1契約の公衆PHS番号で複数の自営PHS端末を公衆PHS網に接続可能とする新しいコンセプトのPHS端末である.本稿では,「P-link Station」の装置概要について説明し,本装置を用いたPHSの新しい利用方法を提案する.NTT DoCoMo developed a brand new concept PHS terminal, "P-link Station". This enables to connect private-mode PHS phones to public PHS network with only one public PHS phone number. In this article, we describe the outline of "P-link Station" and propose a new application for PHS with the terminal.
著者
田村 文誉 水上 美樹 綾野 理加 大塚 義顕 岡野 哲子 高橋 昌人 向井 美惠
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.182-188, 2000-04-30
参考文献数
18
被引用文献数
15

都内某特別養護老人ホームに入居中の要介護高齢者73名を対象とし,「全身状態」「生活環境」「介護状況」の聞き取り調査と,「口腔内診査」「RSST]および「フードテスト」による摂食・嚥下機能評価を行った。それらのうち,上下対合歯による安定した顎位の保持が摂食・嚥下機能に及ぼす影響を明らかにする目的で,「安定した顎位」とRSSTおよびフードテストの結果との関連について検討した結果,以下の知見を得た。1.RSSTの30秒以内の嚥下回数が3回未満の者は,57名中17名(29.8%)であり,安定した顎位との関連では,安定した顎位のとれる者ではとれない者と比較して,1%の危険率で30秒以内の嚥下回数が3回未満の者が有意に少なかった。2.RSSTの初回嚥下までの時間が5秒以上かかった者は,57名中16名(28.1%)であり,安定した顎位との関連では,安定した顎位がとれる者ではとれない者と比較して,初回嚥下までの時間が5秒以上の者がやや少なかったものの,統計学的に有意な差は認められなかった。3.フードテストの口腔内残留がみられた者は,69名中40名(58.0%)であり,安定した顎位との関連では,安定した顎位がとれる者ではとれない者と比較して,1%の危険率で有意に口腔内残留が少なかった。