著者
山田 洋士
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

今年度の計画では、発展的な学習を促す教材仕様の明確化と実現を目的としていた。また、昨年度までの研究実施においては、使用する無線信号用インタフェースの時間同期精度が十分でないことが、大きな制約事項となっていた。そこで、発展的な学習を促す教材の例として、ソフトウェア無線実験環境を活用して、無線伝送路のインパルス応答測定を可能とすることを目指した。実用面での検討が進むmultiple-input and multiple-output(MIMO)通信方式においては、無線伝送路特性を定量的に把握することが必要である。しかし、高専や大学などの高等教育機関で現実的に準備が可能な設備を用いて無線伝送路特性の実測を行うことは、容易ではない。パソコン(PC)とソフトウェア無線(software-defined radio:SDR)装置を組み合わせた種類のソフトウェア無線実験環境(PC-SDR)により無線伝送路のインパルス応答特性を実現できれば、基礎的事項の習得に有効であるとともに、PC-SDRの利用範囲を拡大する事例となる。PC-SDRでは、PC上でのソフトウェアによる信号処理及びPCとSDR装置間でのデータ伝送に伴う処理遅延がそれぞれ存在し、遅延時間が変動することも多い。処理遅延の影響を考慮せずに測定を行った場合には、測定結果には信頼性がない。この問題はPC-SDRを計測に使用する際の妨げとなっている。報告者は、M系列を用いて送信用ベースバンド信号と復調信号の相互相関値のピークに基づき送受信信号間で時間的な同期を確立する手法の利用を検討した。音響系のインパルス応答測定で実績のあるTSP(time stretched pulse)信号を用いて920MHz帯で測定対象のインパルス応答算出を行い、その結果の検証を行った。その結果、正当な結果が得られたことを確認した。
著者
永井 宏達 市橋 則明 山田 実 竹岡 亨 井上 拓也 太田 恵 小栢 進也 佐久間 香 塚越 累 福元 喜啓 立松 典篤 今野 亜希子 池添 冬芽 坪山 直生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E2S2007, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】加齢に伴い、筋力、バランス機能、柔軟性、敏捷性といった運動機能の低下がみられ、特に、バランス機能は加齢による低下が顕著であるとされている.近年、高齢者に対するバランストレーニング効果に関する報告が散見されるが、ゆっくりとした動きでのバランストレーニングと素早い動きでのバランストレーニングのどちらの動作速度でのバランストレーニングが効果的であるかは明らかではない.そこで本研究は、施設入所高齢者に対して素早い動きのバランストレーニング(RBT)と、ゆっくりとした動きのバランストレーニング(SBT)の二種類を実施し、その効果の違いを明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象はケアハウスに入所している高齢者41名(男性5名、女性36名、平均年齢:81.9±6.8歳)とし、RBT群(17名:80.8±7.0歳)とSBT群(24名:82.5±6.7歳)に対象者を分類した.なお、対象者には研究についての説明を行い、同意を得た.バランストレーニングとして、片脚立位、前方・左右へのステップ動作、椅子からの立ち上がりなどからなる20分程度の運動プログラムを週2回、8週間実施した.これらのトレーニングを、RBT群には、バランスを保ちながらできるだけ素早く特定の姿勢をとらせ、その後姿勢を保持するようにし、SBT群にはゆっくりとした動きで特定の姿勢まで移行させるように指導した.なお、2群のそれぞれの運動回数および運動時間は統一した.バランス能力の評価として、開眼・閉眼片脚立位保持時間、立位ステッピングテスト(5秒間での最大ステップ回数)、静止立位時の重心動揺面積(RMS)、前後・左右方向の最大随意重心移動距離をトレーニング前後に測定した.2群間のトレーニング効果を比較するために、反復測定二元配置分散分析を行った.【結果と考察】2群間のベースラインのバランス機能に有意差はみられなかった.二元配置分散分析の結果より、トレーニング前後で主効果がみられたバランス項目は、立位ステッピングテストであった(p<.05).このことから、立位でのステップ動作は、バランストレーニングを行う動作速度にかかわらず改善することが明らかになった.また、前後方向の最大随意重心移動距離に交互作用がみられたため (p<.05)、RBT群、SBT群それそれで対応のあるt検定を行った結果、RBT群においてはトレーニング後に前後方向の最大随意重心移動距離の有意な改善がみられたが(p<.05)、SBT群では変化がみられなかった.本研究の結果より、施設入所高齢者においては、素早い動きを伴うようなバランストレーニングを行う方がより多くのバランス機能を改善させる可能性が示唆された.【結語】施設入所高齢者におけるバランス機能向上には、素早い動きのトレーニングが有用である可能性が示唆された.
著者
末次 大輔 東野 陽子 山田 功夫 深尾 良夫 坪井 誠司 大林 政行 竹内 希 田中 聡 深尾 良夫 坪井 誠司 大林 政行 竹内 希 石原 靖 田中 聡 吉光 淳子
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本特定領域研究により得られた海底・陸上地震観測データと既存観測データにより、西太平洋マントル遷移層に滞留するスラブの鮮明なP波、S波速度イメージや相転移面の深さ分布を推定した。その結果、スラブが滞留する前に断裂していること;沈み込むスラブ内部にはプレート生成時の異方性が保存されているが、滞留スラブではそれが見られないこと;滞留スラブの主要部分の温度は周囲より500度低く、水はほとんど含まれていないこと、などが明らかになった。
著者
山田 淳 櫻井 高太郎 栗田 紹子 山中 啓義 賀古 勇輝 嶋中 昭二 浅野 裕
出版者
市立室蘭総合病院
雑誌
市立室蘭総合病院医誌 = Journal of Muroran City General Hospital (ISSN:02892774)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-20, 2003-03

統合失調症は、患者の社会生活にも大きな影響を与えてしまうことの多い疾患であるが、その具体的な状況に関して調査した報告は少ない。今回は、平成14年6月の時点で当科で治療中の統合失調症患者の病状・経過・生活状況などについて調査した。協力が得られたのは474人で、男性242人、女性が232人であった.治療形態としては外来が376人、入院が98人であった.調査結果からは、統合失調症は10歳代半ばから30歳代半ばまでに好発して就学の妨げとなり、その後も再発を繰り返して複数回、長期の入院を必要とし、そして病状が落ち着いたとしても残遺症状を残し、就労、結婚の大きな障壁になっていることが改めて確認された。このような状況を改善する為には、退院や就労を支援する社会的資源の充実など、行政レベルでなければ解決できないと思われる面も多かった。平成14年12月24日に障害者基本計画が閣議決定され、それに沿って障害者施策推進本部が定めた重点施策実施5カ年計画では、精神障害者に対するホームヘルパー、共同住居、授産施設などを充実させていく事がもりこまれている。今回の、当院にて治療中の統合失調症患者の調査結果から導き出された課題に合致する点も多く、これらの計画が実行されることにより、統合失調症患者のハンディキャップが少しでも緩和されることを期待したい。
著者
山田 直輝 原 祐樹 川島 誠 浅井 幸江 井藤 聡美 深見 晴江 伊藤 守
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.307-313, 2018

<p>通常血液培養から細菌を同定する場合,最低3日必要であるが,質量分析器を用いれば最低2日で菌名の同定が可能になった。また,MALDIセプシタイパー血液培養抽出キット(ブルカー・ダルトニクス)(以下,セプシタイパー法)が開発され,血液培養検体から直接質量分析測定を行えるようになり,当日に菌名同定が可能になった。しかしセプシタイパー法を用いて測定を行った場合,1検体当たりのコストが高い。そこで,より安く測定できる方法(以下,直接法)を考案し,検討を行った。当院で血液培養陽性となった検体から無作為に抽出した100件を対象として検討を行った結果,全体の同定率は,直接法では菌種レベルまで可能であったのが67%(67/100)セプシタイパー法では66%(66/100)であった。グラム陽性球菌における直接法の同定率は,菌種レベルまで可能であったのが40%(17/42),セプシタイパー法では45%(19/42)であった。グラム陰性桿菌では直接法は92%(48/52),セプシタイパー法では87%(45/52)であった。作業時間もほぼ変わらないだけでなく,特殊な試薬を用いず,セプシタイパー法と同等の結果を得られることから有用な方法であると考えられた。しかし,グラム陽性球菌の同定成績が低く,改善の余地があると考えられたため,今後改良法についても検討を進めていきたい。</p>
著者
山田 月男
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Gb1448, 2012

【はじめに】 平成19年、日本整形外科学会はロコモティブシンドローム(運動器症候群、以下、ロコモとする)を提唱した。ロコモは高齢世代のみではなく、その予備軍(中高年世代)の問題でもあると進言されている。その予備軍に対する予防も重要な因子であると考える。しかし、その予防に対する施策・具体的方法は未だ不十分と考える。ただし、予防を提供する側のみならず提供を受ける側の意識も重要な因子と考える。アンケートによりその予防に対する意識を実際の有病者に確認した。8割の患者が予防に関する意識があったが2割の患者は意識が低かった。また世代間で予防に関する認識の違いがわずかながらも存在すると考えられた。今回の調査から見られた予防に対する世代間の特徴を述べ、若干の知見と見解を踏まえ報告する。【方法】 対象は運動器疾患の確定診断を受け本院リハビリテーション科通院中で本題について了解を得た外来患者27名(男性10名、女性17名、43歳から85歳、平均年齢65.6歳)。方法はアンケートによる質問紙法とした。アンケート内容は、1、予防リハ(仮称)を受ける機会があれば受けるか受けないか、2、受ける理由、受けない理由を可能な限り具体的に明記する、3、予防リハとして希望する内容を提示し複数回答可として選択(筋力・可動域・骨密度などの測定計測、予防体操・運動方法の説明・提示、予防に有効な食事・副用薬の説明等とした。【説明と同意】 アンケート実施前に書面にて実施することを告知した。各患者に質問紙を提示し説明、協力を依頼、また学会等で報告することに承諾を得た上で実施した。【結果】 アンケートに承諾を得て実施できた27名中、予防リハを受けると回答したのは22名(81%)、受けないと回答したのは5名(19%)であった。予防リハを受けると回答した40歳から50歳代の内容を提示する。「年齢と共に衰えを実感する場面が少なくないので時間が取れれば受けてみたい」、「悪い股関節の負担を減らすために他の部位を強化、ケアしてできるだけ人工股関節になる日を遅らせたい」、「予防になるなら受けたほうがよい」、「症状がひどくなる前のリハビリなので悪化前に良くできるのであれば受ける」という内容であった。同様に予防リハを受けると回答した60歳~80歳代の内容を提示する。「悪くならないように」、「理由は特にありませんが心配が少しでもなくなるのであればという程度です」、「アンチエイジングの一つとして」、「ひどくなると困るから」等の内容であった。予防リハを受けないと回答した内容は「必要にせまられないとリハビリを受けようとする意欲がわかないと思う」、「自分の知識の範囲内でやってみます」、「事前に病気の種類により予防を行うときは受けることもある」、等であった。【考察】 予防リハを受けない具体的な回答から理学療法が予防としての役割、認識が不十分であると患者側にも印象として持たれていることが示唆された。中高年世代の予防に対する意識はポジティブな意見と考える。この世代は自身の体に対して衰えやケア、また悪化させないなどの問題・項目などを自ら真剣に考える意識があると伺えた。これを「予防に対する能動的な意識」と解釈したい。高齢と呼ばれる世代は予防に対する意識はネガティブな要素が強いと考える。転倒や寝たきりなど将来的な問題の因子を発生させる運動器疾患の予防ということに真剣に考える世代と思われたがあまり真剣に意識していないことも伺えた。このように予防に対する意識の低い状態、また受身的な場合は「予防に対する受動的な意識」と解釈したい。この場合、予防を積極的に意識せず実行することも消極的と考える。【理学療法学研究としての意義】 理学療法分野が今後、予防分野に本格参入する場合、「その対象者を把握する」という意味では、本報告が若干の参考資料となると考える。
著者
山田 明広
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Naragakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.97-109, 2017-09-29

台湾道教の死者救済・追善供養の儀礼(=功徳儀礼)を構成する儀式の一つに、「打城」という儀式がある。この儀式は、亡魂を地獄より直接的に救い出すことを目的として行われ、その中では、道士が実力行使により地獄の中にある城門を打ち破り、そこから亡魂を救出するということが演劇的に表現される。本稿は、このような台湾道教の「打城科儀」の実施される条件や使用される糊紙製の地獄の城、科儀の内容、構成といった基礎的事項について、台南地域のものと高雄・屏東地域のものを相互に比較することで地域的差異にも留意しつつ考察したものである。本稿における考察により、現代の台湾南部地域で見られる打城科儀の具体像および台南地域と高雄・屏東地域の打城科儀の共通点や相違点が明らかとなった。
著者
大屋 祐太 北野 慈和 グエン レ ズン 山田 朋人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_43-I_48, 2018

北海道において線状降水帯による豪雨災害は近年増加しており,代表的な例として2014年9月に同地域で初めて大雨特別警報が発生した事例が挙げられる.本研究では,線状降水帯を形成する複数の積乱雲内の風速場を詳細に解析するため,上記事例にドップラーレーダのドップラー速度を用いた三次元風速場推定手法(the Multiple-doppler Synthesis and Conitinuity Adjustment Technique, MUSCAT法)を適用した.線状降水帯の一部では高さ6km付近において線状降水帯に直交する流入風による鉛直循環構造が見られ,流入風の風下側では強い反射強度が対流圏上層まで到達するという特徴を得た.これらの特徴は,2015年9月に鬼怒川流域で発生した平成27年の関東・東北豪雨の線状降水帯においても観察された.
著者
山田 惠子 山田 正二
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
no.3, pp.11-17, 2000-03

動物も植物もコバラミン(以下Cbl )を生合成することができないので、我々はこのビタミンを食餌から摂取しなければならない。Cbl は殆どの場合、動物性食品にのみ含まれるビタミンである。そのため菜食主義者や高齢者、ダイエット中の若い女性などにおいてCbl 不足が問題となる。特に厳格な菜食主義者が多い欧米で、Cbl の不足は深刻な問題であり、Cbl が含まれる植物性食品についての研究が多くなされている。海藻には微生物が合成したCblが豊富に含まれている場合があり、海藻をよく食べる菜食主義者はCbl 欠乏になりにくいことが知られている。しかし一方で、海藻の摂取によってCbl 欠乏状態がかえって悪化したという報告もあり、Cbl 供給源としての海藻の評価が一定していない。本総説では、我々の研究を含めて、海藻のCbl 供給源としての有効性についての研究を紹介する。Cobalamin(Cbl) is synthesized exclusively by bacteria. We ingest it by eating animal tissues such as liver, in which bacteria-synthesized Cbl accumulates. Plant foods are usually not sources of Cbl except when they are contaminated with Cbl-producing bacteria. The Cbl status is compromised in those who adhere to a strict, uncooked vegan diet for a long time, the young dieter or old people who eat less meat. There are an increasing number of reports about vegetable food containing Cbl. It is known that some species of seaweed contain bacteria-synthesized Cbl and the consumption of seeweeds may protect vegans from Cbl deficiency. On the other hand, some investigators have reported that the Cbl nutriture of vegetarians deteriorated after they were given seaweeds as a Cbl source. This paper reviews the bioavailability of seeweeds along with our previous published studies.
著者
渡部 哲史 山田 真史 吉田 奈津妃 佐々木 織江 神谷 秀明 田中 智大 丸谷 靖幸 峠 嘉哉 木村 匡臣 田上 雅浩 木下 陽平 林 義晃 池内 寛明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.260-265, 2017
被引用文献数
1

&emsp;平成29年2月18,19日に東京大学本郷キャンパスにおいて,合計16名の参加者により第6回目となるWACCA (Water-Associated Community toward Collaborative Achievements)meetingを開催した.第6回となる今回は各自の研究内容を理解し,多様なスケールで展開される様々な水関連研究の現状やそれぞれが抱える課題,それらを克服するために必要なブレークスルーについて考える機会を設けた.各自の研究発表を基に,様々な研究分野に共通する課題やブレークスルーなど研究に関する議論や,アウトリーチのような活動に関する情報共有,その他研究を進める上で感じていること等の意見交換を行った.本報告ではそれらの議論の概要について記す.
著者
山口 芳雄 グラブ シング 山田 寛喜 Yamaguchi Yoshio Gulab Singh Yamada Hiroyoshi
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.101, no.9, pp.638-647, 2018-09

災害監視や地球環境観測に偏波合成開口レーダ(PolSAR)が大きな役割を果たしつつある.PolSARから導かれる偏波データのCoherency行列には9個の2次統計量が含まれている.その利用法の一つに散乱メカニズムに基づいた散乱電力分解がある.Coherency行列を散乱モデル行列で展開することにより,各散乱電力を求める手法である.各散乱電力に基づいたカラー画像が作成できるので,理解しやすく,多くの手法が提案されてきた.本文では,その進展とともに最新の6成分分解手法について述べる.
著者
山田 善大 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.72, pp.73-78, 1997-07-25
参考文献数
4

モーバイル環境にて利用されることを前提とした電子会議システムとしてPARCAE[1]が提案されている。これは、部分非同期会議を行うためのシステムであり、リアルタイムに会議発言を行う同期ユーザと発言情報の参照を主とする非同期ユーザの双方が混合した状態での利用を目的としている。本報告では、モーバイル電子会議サーバに蓄積された発言情報に対して効率的な参照方式を与えることで、非同期的なユーザの同期会議への迅速な参加をうながすことを目的とするダイジェスト情報の抽出・参照方式について述べる。PARCAE (Partial Asynchronous Conference system for wireless AccEss) [1] that tele-conference system for mobile environment was proposed. PARCAE is a system that to do partial asynchronous conference, and aim at mixture of Synchronous-user (realtime-speeching on synchronous conference) and Asynchronous-user (mainly, seeing speeches when he/she accessed to conference). This paper describes the method of extracting and viewing speech-data which was stored by mobile tele-conference server. We think this method will support user's quick joining in synchronous conference.

1 0 0 0 OA 指南車の製作

著者
山崎 次男 川田 良暁 石野 裕二 山田 幸男 塚崎 重多郎
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2004年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.346, 2004-03-16 (Released:2005-03-01)

指南車の紹介や復元が行われている。指南車に関する歴史的な背景や調査等を行ってきた。従来復元されている、リンク-歯車式、差動歯車式などと異なる機構で復元を試みた。遊星歯車方式と内歯車駆動とを組み合わせることによって完成することが出来た。
著者
山田 佳那 松村 佳子
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.61-70, 2006-03-31

This research aims at preventing accidents during experiments in science classes. For the purpose we investigated various accidental instances that happen in past time. And in order to make survey of the kind of accidents that students have met, we sent questionnaires to the students of junior and senior high school, and those of the Nara University of Education. The results indicate that there is a coincidence between the accidents that can potentially happen when performing experiments and the safety guidelines which students suppose to follow. In addition, there are several differences for the students with respect to their grades, because of various surroundings, in the image for science, the safety perception and the dangerous experience. This fact may be due to the conditions which students are living in and the reduction in the science class experiments contents caused by changes in the course curriculums. Considering the current measures taken by the Board of Education and the information gathered about accidents during science experiments, we propose how accidents should be prevented when executing experiments in science classes.
著者
遠藤 忠 飯田 貴広 古谷 暢英 山田 由美子 伊藤 眞人
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Chemical Software (ISSN:09180761)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.81-92, 1999-06-15 (Released:2000-03-28)
参考文献数
43
被引用文献数
2 5

半経験的分子軌道法を用いて、ベンゼン2量体およびベンゼン(PhH)—モノ置換ベンゼン(PhX)対の生成熱を計算することにより、ベンゼン—モノ置換ベンゼン間相互作用のエンタルピーを求めた。ベンゼン2量体の場合について、計算法、初期の分子間距離(rI)などを検討した。PM3法で求めた相互作用エンタルピーと最適化後の配置は、これまでの実験値および計算値と矛盾しない。PhH—PhX系の初期配置としては、1ケの平行(P)と4ケの垂直配置(Vr 、Vp 、VmおよびVb)(図1)を選んだ。VpあるいはVm配置の場合には(この配置では、PhXの置換基Xに対してパラあるいはメタ位にあるH原子がPhH分子の重心の真上に存在する)、計算から求めたPhH—PhX間相互作用エンタルピー(ΔΔHf)は、GLPCから求めた実験値(ΔΔHt)と良い相関関係を示し(図5)、相関係数(ρ)は0.94(rI = 2.75 Å)になった。この相関式から求めたΔΔHtと実験値ΔΔHtとの差は、約0.1 kcal mol-1以下であった。他の配置の場合には(Vp配置を除くと)、ΔΔHfとΔΔHtとの間に相関関係は認められなかった。
著者
河村 葉子 三浦 麻記子 杉田 たき子 山田 隆
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-33, 1997-02-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
7
被引用文献数
9 11

The residue and release of 28 kinds of antioxidants and ultraviolet stabilizers in polyethylene products were investigated. The samples included a total of 36 kinds of kitchenware, e. g., bags, wrapping films, sauce bottles and a chopping board, and a total of 16 food-packages, e. g., bags, cases, nets and a tube. They were analyzed using the simultaneous determination method with HPLC. Most samples contained 1-3 antioxidants, mainly Irganox 1076, Irgafos 168, BHT and Irganox 1010. The residue level was about 50-1, 000μg/g. The migration test was carried out using high-residue samples. No additives were released into water, 20% ethanol or 4% acetic acid at 60°C after 30min, though some additives were released into n-heptane at 25°C after 60min.
著者
稲垣 貴彦 森田 幸代 大川 匡子 辻川 知之 山田 尚登
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.27-32, 2010-01-15

抄録 潰瘍性大腸炎は大腸粘膜の炎症性疾患であるが,粘膜障害の重症度と臨床症状の重症度との間にかい離がみられる場合があり,心理社会的ストレスへの曝露や人格の偏りが臨床症状の重症度や再燃に関与すると考えられている。 我々は,潰瘍性大腸炎の緩解と再燃を繰り返した後に大うつ病性障害を合併し,認知療法を試みたところ,潰瘍性大腸炎の消化器症状の緩解期間の延長が得られた症例を経験した。粘膜病変には変化がないにもかかわらず,それまで再燃を繰り返していた潰瘍性大腸炎が緩解状態を維持していたことから,認知療法的かかわりが潰瘍性大腸炎の消化器症状に対し軽減効果を示したと考えられる。 潰瘍性大腸炎は,併存する精神疾患に対してだけではなく,その身体症状に対しても精神科医が多分に治療的関与するべき疾患であると考えられたので報告する。