著者
山地 一禎 片岡 俊幸 行木 孝夫 曽根原 登
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.240-248, 2008 (Released:2008-11-15)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

数学や物理学などの分野では,プレプリントの公開により研究成果の先取権が確保される.現在では,印刷物の出版と共に,電子ファイルをインターネット上で公開する方式が主流となっている.今後,電子ファイルのみの公開となった場合,プレプリントの存在と非改ざん性が担保される内容証明が重要になる.本研究では,ボーンディジタル時代におけるこうした問題に対して,電子署名とタイムスタンプから構成される長期署名を適用し,プレプリントをよりセキュアに流通できる学術コンテンツの内容証明システムを開発した.また,長期署名付きコンテンツを入手したユーザが手軽に内容検証をできるように,長期署名検証サーバの構築を行った.
著者
山下 久仁子 曽根 良昭 鶴岡 裕子 山本 佳弘
出版者
Japan Society of Physiological Anthropology
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.15-22, 2000-08-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
15

We studied the effects of an additive flavor on human physiological responses accompanied with normal tea ingestion. In this study, we prepared and used a newly devised cup that gives aroma while subjects are drinking tea. As a result, we observed higher relative power value of α waves[α p/(αp+βp)x100, p : power value] of EEG at Pz position when the subjects drink tea with an additive flavor than when normal tea. In addition, the records of HRV and skin blood flow showed that the additive flavor moderated the level of the increase in the hear rate and the activity of sympathetic nervous system accompanied with normal tea ingestion. These results suggest that the additive flavor enhanced the relaxation of normal tea ingestion.
著者
古城門 靖子 赤沢 雪路 曽根原 純子 武井 麻子 寳田 穂
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.19-28, 2016-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
14

看護師は日常的な感情労働の代償として共感疲労に陥る危険性が高く,職場における自らの感情面での健康状態に気づき,対処する必要がある.そのためには,感情知性(emotional intelligence: EI)と呼ばれる能力が重要であると言われている.そこで本研究では,病棟チームの柱となって働いている中堅看護師を対象として言語による交流を中心としたグループを毎月1回,計10回行い,そこで語ることが中堅看護師のEI育成に有用であることを実証的に明らかにすることにした.研究参加者は総合病院に勤務する実務経験4年以上の中堅看護師7名である.結果として,参加者たちは仕事にまつわる不安や管理者への期待と不満を徐々に語りだし,それが過去の体験とつながりがあることに気づいた.こうして彼らは,グループの中で新たな他者への信頼と自信を取り戻していった.
著者
小木曽 義弘 尾崎 常祐 上田 悠太 脇田 斉 金澤 慈 石川 光映
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J103-C, no.1, pp.61-68, 2020-01-01

通信容量の更なる増大に対応すべく,デジタルコヒーレント光通信においては更なる高ビットレート化が求められており,伝送距離の観点からデバイスの高ボーレート化技術に近年注目が集まっている.本研究では,IQ光変調器高速化のブレークスルー技術として,新たな半導体層構造と電極構造を組み合わせた超広帯域(〜80 GHz)且つ低電圧動作可能な(Vπ:〜1.5 V)光変調素子を提案し,その長期安定性含めた基本動作から100 GBdを超えるIQ光変調動作実証までを行った.更に,ドライバICとの一体集積により光等化処理を行わずに最大128 GBdまでのIQ光変調動作を世界で初めて成功させた.本論文では,その新規構造の特徴について述べるとともに,次世代100 GBd級光送信器に向けた課題等についても議論する.
著者
曽根 文夫(山崎文夫) 岡田 なぎさ
出版者
山口県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は局所冷却時の皮膚血流調節における冷受容体機能の役割と冷え症者の皮膚血流調節の特徴を明らかにすることであった。局所冷却時の皮膚血流量の減少反応は冷受容体刺激剤メントールの局所投与によって影響されなかった。このことは冷受容体機能が局所性皮膚血管収縮に主要な役割を果たしていないことを示唆する。冷え症者の血流量調節システムの特徴として、全身および局所冷却中に下肢末梢部において皮膚血管収縮が顕著に起こること、それには高いアドレナリン感受性が関与していることが示唆された。
著者
吉田 直久 内藤 裕二 小木曽 聖 廣瀬 亮平 稲田 裕 半田 修 小西 英幸 八木 信明 柳澤 昭夫 伊藤 義人
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.3810-3815, 2014 (Released:2014-11-28)
参考文献数
14

【目的】大腸内視鏡検査における高濃度ポリエチレングリコール(PEG)であるモビプレップ®の服用量減少の検討を行った.【方法】対象患者は前日に検査食,ピコスルファートナトリウム20mlを,当日はモビプレップ®1L+水0.5Lを服用した.洗浄時間,内視鏡的洗浄度,服用前後の血液検査を検討した.なお従来PEG服用123名を比較対象とした.【結果】モビプレップ®投与111名において平均洗浄時間は165±53分であり従来PEGの192±72分に比し有意に短時間であった.良好な内視鏡的洗浄度が得られた割合は右側結腸で85.8%であった.血液検査で投与後血清Cl値の有意な低下を認めた.【結語】モビプレップ®は前日の検査食,緩下剤を併用することで服用量を減量しえた.
著者
佐藤 拓哉 木曽 朋顕
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.334-345, 2010-11-25 (Released:2011-01-07)
参考文献数
17

Pressure tests of pressure vessels and piping involve the potential danger of brittle fracture. Especially, pneumatic pressure tests involve the hazard of releasing energy stored in compressed gas. Engineers and designers relating to the pressure facilities have been taking care to minimize the chance of fracture during the pressure tests. The care must be taken into account in materials selection, design, welding and heat treatment, inspection and test procedure. However, the fracture accident could not be eradicated for a long time. Sometimes, this resulted in a fatal accident. It is important to wake the best effort to prevent the accident itself. Considering the difficulty of eradication of the accident, it is also important to protect the human lives during pressure tests. In this paper, several improvements were proposed in order to protect the human lives. The main points are the selection of test method (hydrostatic or pneumatic?) , pressure measurement, inspection during pressure test and exclusion zone. Some of these require the revision of laws, codes or standards.
著者
曽山 毅
雑誌
玉川大学観光学部紀要 (ISSN:21883564)
巻号頁・発行日
no.7, pp.23-35, 2020-03-30

修学旅行は,定説では明治中期に東京師範学校によって創出されたとされる。初期の修学旅行は滞在を含む教育旅行であり,行軍と呼ばれる軍事スタイルの行進と博物観察などを組み合わせたものであった。その後,全国の師範学校と中学校がこのタイプの修学旅行を採用した。やがて,行軍は鉄道旅行に置き換えられ,軍事訓練は修学旅行から分離した。その結果,修学旅行は見学を主体とする観光形態となり,大正および昭和の期間にわたって日本の学校で継続的に実施されるようになる。このように修学旅行が広範に支持された主な要因は,修学旅行が幅広い人々に観光を体験する機会を提供したことであった。
著者
横田 健一 曽根 正勝
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.158-162, 2022-04-25 (Released:2022-06-02)
参考文献数
28

副腎から分泌されるホルモンは加齢に伴い質的・量的な変化を生じ,高齢者における認知機能低下,不眠,フレイル,サルコペニアや糖尿病,高血圧,骨粗鬆症,易感染性など様々な病態に関与していると考えられている.また,副腎の各種疾患においても高齢者特有の所見や経過を示すため診療において配慮が必要である.
著者
片山 久留美 小木曽 智信 中村 壮範
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.89-96, 2018-11-24

国立国語研究所で構築中の『日本語歴史コーパス』に『室町時代編Ⅱキリシタン資料』として『天草版平家物語』『天草版伊曽保物語』の2作品が追加された.これらの資料は原本がポルトガル式ローマ字により表記されており,当時の発音を知ることができる資料として日本語研究上重要な位置を占める.コーパス化にあたっては,ローマ字テキストと和文テキストを用意し両者をアラインメントにより対応付けることで二つのテキストを同時に参照可能にした.その際,仮の和文テキストを作成して形態素解析を行い,付与された形態論情報を利用することによって,均質性の高い独自の和文テキストを自動で出力したほか,ローマ字テキストと和文テキストのアラインメント作業も効率よく行うことが可能となった.
著者
木曽 朗生
出版者
長崎大学教育学部政治学研究室
雑誌
架橋 = KAKYO
巻号頁・発行日
no.6, pp.31-210, 2005-03

本誌未刊
著者
泊 祐子 堀 智晴 曽和 信一 早川 淳 又賀 淳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.2_9-2_18, 1987-06-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
18

本研究は,自宅分娩時代の産婆の仕事を検討することにより,地域で果たしていた役割を明らかにすることを目的とした。 方法は兵庫県但東町にお住まいの大正末期から昭和の初めにかけて開業を始めた3人の産婆からの聴取り調査により行った。 自宅分娩時代は,産婆と産婦との付き合いは長く,産婆は産婦の家などの環境についても良く知っていたし,過去の妊娠歴などの情報も豊富に持っていた。そのため産婦への援助は情報量に対応して個別性が図れた。そして,産婦側でも産婆が自分について知ってくれているので,すぐに相談も可能であり,精神的な安定につながっていたと思われる。 妊娠・出産・育児は決して母親1人に任せることではなく,家族・地域の人達・医療関係者などが協力し合う中でなされることではないだろうか。そのためにも地域の機能の活性化が必要であろう。
著者
阿曽田 悦子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.44-52, 2021 (Released:2021-06-20)

毎年「幼児視聴率調査」を実施し、幼児のテレビ視聴と、録画、DVD、インターネット動画の利用状況を調査している。幼児のメディア利用は、リアルタイムでの視聴だけでなく、様々なメディアでの視聴がみられ、映像コンテンツが多様化している。しかし、現在の測定方式では、視聴形態の異なるコンテンツ視聴を同じ基準で測ることができないのが課題であった。 そこで、昨年度のWEB幼児視聴率調査の結果を、リアルタイム、録画、DVD、インターネット動画の視聴を同じ基準で再集計し、視聴形態の異なるコンテンツが、メディアを超えた形でどのように見られているのか、検証を行うことにした。 今回、まったく新しい指標として、全てのコンテンツを同じ分数で統一して集計し、1週間に見られたコンテンツ視聴の総量を示したものを「幼児視聴パワー」と定義した。また、リアルタイム、録画、DVD、インターネット動画それぞれの幼児視聴パワーを算出し、すべて合算させたものを「幼児トータル視聴パワー」と定義し、コンテンツ全体のパワーを測った。 幼児トータル視聴パワーの上位では、Eテレや民放アニメ番組などのテレビコンテンツが中心であったが、「BabyBus」「Hikakin」などのYouTubeのコンテンツも上位に入った。 今回の集計方法での課題もみえてきたが、リアルタイム以外のコンテンツの視聴傾向をうかがうことができコンテンツ全体の視聴を捉える、一つの指標としてみることができるのではないかと考える。
著者
林 泰資 曽我部 咲 服部 幸雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.323-327, 2011 (Released:2011-12-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2 1

コーヒー飲用によるストレス緩和作用についてはよく知られているが, その揮発性成分の効用に着目した研究は数少ない。本研究では, 焙煎したコーヒー豆の揮発性成分とストレスとの関連性を明らかにするために, マウスを用いて種々の行動薬理学的実験を行い, コーヒー揮発性成分のストレス緩和作用について検討した。高架式十字迷路試験において, コーヒー揮発性成分は自発運動量に影響を及ぼすことなく, オープンアームへの滞在時間および進入回数を増加させた。また, ペントバルビタールによる睡眠時間は, コーヒー揮発性成分の曝露により明らかに延長した。オープンフィールド試験および強制水泳試験では, コーヒー揮発性成分の効果は見られなかった。以上より, 焙煎したコーヒー豆の揮発性成分はマウスの覚醒水準を低下させ, 抗不安様のストレス緩和作用を発揮することが示唆された。
著者
曽我 千亜紀 山本 晃輔 ムナン ジュリアン
出版者
大阪産業大学学会
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
no.18, pp.49-63, 2019

If play-time and real time were traditionally thought as distinct things while thinking about game, these mutual interactions cannot be ignored anymore in discussing gaming activities. Moreover, it can be said we've left the realm of play as soon as the balance between these two aspects disappears. It is important to define the serious gaming activity at the point of balance between work and addiction. Here, in this article, we try to define what the serious gaming is with the intention to preserve the union, as well as the distinction, of reality and fiction world.
著者
曽田 修司
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF MANAGEMENT (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
no.25, pp.27-40, 2018-01

2016年以来、コンサート等のチケット転売問題が、社会的な注目を集めている。このうち、個人の事情に起因する転売のニーズヘの対応は、公式転売サイトの設立によってほぼ解決が可能である。残る課題は、主催者側が依然として抽選制によるチケット販売方式にこだわっているためにファンがチケットを人手しづらい状況を作り出していること、その結果としてネット上のオークションサイトで異常な高値でチケットが転売されていること、さらに、組織的な営利目的の転売業者の大規模な参入により転売の利益が音楽業界以外に流出しているという構造的な問題の解決である。本論考では、これらの複合的な課題を総称してチケット高額転売問題と呼ぶ。音楽業界の収益構造における収入源の主力が、CD・レコードの販売や音楽配信などからライブ・コンサートに移行しつつある現在、チケット高額転売問題は、音楽業界が業界をいかに成り立たせ、新たな才能の発掘や音楽環境の整備など、将来に向けてどのように持続可能性を高めていくかという問題と直結している。これまでのところ、チケット転売を抑えるための方策として「本人確認」を厳格化することがしばしば行われているが、このやり方では、チケット購入者の側の「ルールの遵守」義務が前面に押し出され、もっぱら購入者のモラルが問題とされるのみで本来の課題の所在が明確になっていない傾向が見られる。 本来は、社会における公正とは何かという観点から、供給者(コンサートの主催者)の側で需給のバランスをどう取って極端な需給ギャップが生じないようにするかという視点からの適切な制度設計が望まれる。また、善良な音楽ファンを経済的負担と心理的負担のダブルバインドに陥らせないような効果的方策の導人を業界全体として早急に検討することが必要である。