著者
石塚 譲 因野 要一 西岡 輝美 出雲 章久 川井 裕史 山田 英嗣 大谷 新太郎 入江 正和 上脇 昭範 庄 澄子 高倉 将士 西田 祐子 大石 武士 安田 亮 おおちやまくじら生産組合 猟友会能勢支部
出版者
大阪府立食とみどりの総合技術センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

野生獣肉(ホンシュウジカ、イノシシ)成分は野生植生の影響を受けていたが、一般成分に捕獲時期の影響は少なかった。成分中では粗脂肪含量が家畜に比して少ないこと、イノシシ肉のα-Toc含量はブタ肉と同等であること、牛肉よりは酸化しやすいことが判った。利用先である西洋料理店は、年間を通じて野生獣肉を利用しており、肉利用にあたり品質や安全性を重視していること、購入価格が高いと考える店が多いことが判った。
著者
宮下 純夫 木村 学 MELINIKOV M. ROZHDESTVENS SERGEYEV K.F 榊原 正幸 石塚 英男 岡村 真 木村 学
出版者
新潟大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

サハリン島は地質学的に日本列島の延長であり,環太平洋造山帯の一部を担っている.本研究では,サハリン南部の詳細な調査をおこない,サハリンにおける沈み込み・付加テクトニクスについて解明するとともに,日本での結果とあわせ,環太平洋造山帯のテクトニクスに迫ることを目的としている.これまでの成果は以下のように要約される.1.アニバ岩体:アニバ湾の北部及び東海岸には白亜紀付加体ーアニバ岩体が露出している.本岩体は緑色岩類が卓越する点で,白亜紀付加体の典型である四万十帯とは異なる.北部海岸の岩体は構造的・岩相的に二つのユニットに区分される.上部ユニットでは玄武岩から陸源砕屑物に至る一連の層序が観察され,下部ユニット上に衝上している.下部ユニットは主に玄武岩とメランジェからなり,石灰岩ブロックもしばしば含まれる.構造は,沈み込み帯における初生的な構造を表していると考えられる.スラストシ-トが繰り返す東フェルゲンツ構造を示す.アニバ湾東海岸ではメランジェが卓越しており,石灰岩のブロックを多数含むという点でやや異なる.構造的には,北部海岸と同様の覆瓦構造を示す.石灰岩とチャ-トの互層の出現は,本地域の付加体が海洋島などから由来していることを示唆している.2.ススナイ帯:本帯は神居古潭帯の延長に位置する高圧変成帯で,サハリン東海岸の50Kmにおよぶ調査により,南へ向かって各々が多数のスラストシ-トからなる5つのドメインが識別された.ドメイン1は緑色片岩ーチャ-トー泥質片岩と緑色片岩の互層から,ドメイン2は玄武岩質岩ーメタチャ-ト,泥質片岩と緑岩片岩ないしメタチャ-トの互層,泥質片岩からなっている.ドメイン3の最下部はメランジェから,上部は砂質岩を伴う泥質片岩からなる.ドメイン4は玄武岩が大量に出現することで特徴づけられ,上位は石灰岩ないしチャ-トを含む玄武岩質堆積岩,黒色頁岩によって覆われている.ドメイン5は黒色頁岩と珪質片岩の互層からなっている.緑色岩やメランジェが出現しない点で異なっている.変形作用は3時相が識別された.D1時相は東ないし北東方向のL1線構造とS1片理面の形成,D2時相は全域に発達する,北東走向の非対称褶曲,シ-ス褶曲,北西方向の線構造などによって示される.センスは南方を示す.D3時相は直立した褶曲軸面をもつ開いた褶曲で,褶曲軸は北東走向で水平に近い.D1ーD2時相はダクタイルな変形であるが,D3時相はブリットルな変形を示している.変成作用は塩基性岩の鉱物組み合わせに基づいて,パンペリ-石ーアクチノ閃石帯(ドメイン3,4,5)とパンペリ-石ーエピド-トーアクチノ閃石帯(ドメイン1,2)の二つに分類される.前者に出沼する青色片岩はNa角閃石ーNa輝石ー緑泥石ーヘマタイト,後者の青色片岩はエピド-トーNa角閃石ーNa輝石ー緑泥石の組み合わせを示す.Na角閃石はマグネシオリ-ベカイトでありNa輝石はジェ-ダイト成分に乏しいエジリン輝石ないしエジリン普通輝石である.最高変成条件は200ー300℃,4ー5Kbarと見積られる.また,変成作用の時期はD2時相と考えられる.3.玄武岩類の岩石学的特徴:主要成分・微量成分分析に基づいて,アニバ岩体とススナイ岩体に大量に出現する玄武岩類には,NーMORB,TーMORB,EーMORB,OIT,アルカリ玄武岩にわたる様々な岩石が存在していることが明かとなった.大局的な傾向としては,アニバ岩体はアルカリ玄武岩とOITが,ススナイ岩体ではTーMORBが卓越しているという特徴がある.これらのことから,アニバ岩体の多くは海山ないし海洋島に,ススナイ岩体は海台に由来する可能性が強い.4.化石年代:アニバ岩体のチャ-トや灰緑色頁岩からチトニアンとコニアシアンを示す放散虫が確認されている.5.今後の展望:現在,化石年代や岩石の放射年代,鉱物分析などが進行しつつある.これらのデ-タが得られて全体的な検討が進むと,海洋地殻物質の付加・上昇過程が解き明かされ,サハリン南部は付加体の形成を解明する世界的な典型となることが期待される.また,そのためにはさらに広域的な調査が求められる.
著者
児玉 哲郎 松本 武夫 高橋 健郎 西山 祥行 西村 光世 山下 真一 石塚 真示 林辺 晃 西脇 裕 阿部 薫
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.507-516, 1992-08-20
被引用文献数
7

過去19年間の杯細胞型肺腺癌切除例29例にっいて, 臨床病理学的に検討した.男性12例, 女性17例で, 発生年令は42才から78才, 平均63.8才であった.自覚症状発見は10例で, 喫煙歴は不明1例を除いて, 喫煙者14例, 非喫煙者14例であった.胸部X線写真及び肉眼所見により, 結節型19例と, びまん型10例とに分類された.原発部位では下葉原発が19例(66%)と多く, ことに右下葉原発は15例(52%)であった.手術は全摘1例, 二葉切除5例, 一葉切除22例, 区域切除1例であった.術後病理病期は, I期14例, IV期15例で, IV期はすべて肺内転移例で, びまん型では10例中9例がIV期であった.多発癌2例を除いた杯細胞型腺癌切除例27例の予後をみると, びまん型9例と結節型18例の5年生存率は各々85.2%と26.7%で, 有意差があった(p<0.01).細胞亜型別にはpure type17例とmixed type10例の5年生存率は各々65.9%と30.0%であったが, 有意差はなかった.杯細胞型腺癌27例と性, 年齢, 病期を一致させたクララ細胞型或いは, 気管支表上皮型腺癌切除例81例の5年生存率は各々57.2%と40.5%で, 杯細胞型腺癌の方が予後がやや良好であったが, 有意差はなかった.杯細胞型腺癌は特異な進展形式と細胞性格を示す腺癌の一亜型である.
著者
田村 純一 石塚 幹夫 手塚 昌宏 飯塚 良子
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.381-382, 2001-06-01

介護老人福祉施設[鷲ヶ峰]は川崎市宮前地区に計画された施設である.周りには桜が敷地を囲むように植樹されており,この付近の桜の名所となっている.自然と暮らしの息吹にあふれたこの立地条件を生かした自然を感じ取れる空間が,今回の施設計画のテーマである.
著者
上島 享 阿部 泰郎 伊藤 聡 石塚 晴通 大槻 信 武内 孝善 阿部 泰郎 伊藤 聡 石塚 晴通 大槻 信 末柄 豊 武内 孝善 近本 謙介 苫米地 誠一 藤原 重雄
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、諸分野の研究者が共同で勧修寺に現存する聖教・文書の調査を進めるとともに、勧修寺を中心に諸寺院間交流という共通テーマを掲げて、研究を行うことが目的である。勧修寺現蔵の聖教と中世文書の目録を完成させ、諸寺院間交流をめぐる諸論考をまとめることができ、本研究の目的は十分に達成されたと考える。
著者
中川 光弘 高橋 浩晃 松島 健 宮町 宏樹 長谷川 健 青山 裕 石塚 吉浩 宮城 洋介
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

カムチャッカのクリチェフスコイ火山において地球物理学的および岩石学的研究を実施した。研究期間中に4点の傾斜計を設置し、既存の地震計を合わせた観測網を構築・維持させることができた。そして2010年の噴火活動中に10~20分の周期でのサイクリックな傾斜変動を観測し、ストロンボリ式噴火モデルを構築した。特に過去3000年間の噴火堆積物の物質科学的解析を行った結果、3000年間で2タイプの初生玄武岩質マグマが存在し、ひとつのタイプから別のタイプへと次第に入れ替わっていることが明らかになった。また最近80年間の噴火では火山直下のマグマ供給系が噴火活動期毎に更新されていることも明らかになった。
著者
太田 岳洋 大久保 貴生 石塚 恒夫 古川 聡 朝戸 裕二 小野 久之 吉見 富洋 雨宮 隆太 小泉 澄彦 長谷川 博
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.602-602, 1994-07-25

第25回消化器病センター例会 1994年1月22日‐23日 東京女子医科大学弥生記念講堂
著者
石塚 英夫
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.585-619, 1967-03-25
著者
石塚 伸一
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

この3年にわたる調査研究、とりわけ、薬物依存に関する治療共同体や米国のドラッグ・コートの調査を通じて、われわれは、日本においても大胆なダイバージョン・プログラムを導入し、依存症回復のためのプログラムを開発する必要があるとの結論に到達した。そのためには、(1)依存症者自身が回復の主体であること、(2)その支援は非政府組織や地域社会を中心に行われるべきこと、そして、(3)再使用は回復のためのステップであることについて、司法、医療および福祉の関係者が前提理解を共有することが必要であること、なども明らかになった。その成果は、『日本版ドラッグ・コート〜処罰から治療へ〜』(日本評論社、2007年)の刊行や国際シンポジウムや学会報告を通じて公表した。この間、刑事施設の運営および社会内処遇の改善のための立法作業が進められていることもあり、われわれの「日本版ドラッグ・コート」構想にも関心が寄せられ、多くの理解者を得ることができた。しかし、この構想を実現するためには、(1)法的諸問題の精緻化、(2)社会的コストの算出、(3)効果的な回復モデルの開発、(4)関係機関・団体のネットワークの構築など、新たな課題も発見された。今後もその実現のための実践的な調査研究活動を継続していく予定である。
著者
三上 正男 長田 和雄 石塚 正秀 清水 厚 田中 泰宙 関山 剛 山田 豊 原 由香里 眞木 貴史
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ダストの気候インパクトの定量的評価を高精度に行うことが出来るダストモデルの開発を、(1)発生過程の観測解析、(2)ダスト輸送途上の解析、(3)ダスト沈着量の観測解析と(4)ダストモデルの高度化のための技術開発により行った。(1)では、粒径別鉛直ダスト輸送量の評価法を確立し、ダスト発生モデルの検証を行い、スキームの最適化を行った。また(2)衛星及び地上ライダーの解析から、アジア域ダストがサハラ等に較べて高高度・長距離にわたって輸送される実態や、輸送中のダストでは粒径分布変化よりも内部混合の進行による形状変化が重要であることを明らかにした。さらに(3)乾性・湿性沈着観測ネットワークによる沈着フラックスの観測データを用いて、全球ダストモデルMASINGARの粒径分布とモデルのダスト発生過程の改良を行うと共に(4)高精度データ同化システムと衛星ライダー観測値を組み合わせ、全球ダスト分布の客観解析値を作成し、東アジアのダスト発生量のモデル誤差推定を行なった。また同同化システムにより、モデルの再現性を大幅に向上することが可能となった。これらにより、発生・輸送・沈着各過程を寄り現実的に再現できるモデルを開発することが出来た。
著者
石塚 英夫
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.529-579, 1968-03-20
著者
石塚 修 今村 哲也
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

臨床的な観点から考えると、膀胱の再生においては、膀胱頚部、つまり尿道括約筋部の再生が、尿失禁の予防には重要である。まず、われわれは、ラビットの大腿骨骨髄より注射針で骨髄由来幹細胞を採取し培養し増殖することを可能とした。その培養細胞を、障害を与えた尿道括約筋に移植し、尿道括約筋部の再生を免疫染色およびRT-PCR法にて組織学的に、また、機能的検査にても確認することができた。