著者
咸 行奎 沖津 宏 三好 孝典 先山 正二 近藤 和也 門田 康正
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.341-344, 2003-08-20
被引用文献数
3

背景.肺癌副腎転移は剖検例では高頻度に見られるが,治癒切除可能な症例は少なかった.しかし近年画像診断の進歩により転移発見動機が増加し,外科治療の結果長期生存が得られたとの報告例も散見される.今回,我々は肺癌手術後の副腎転移2例に対し摘出術を行ったので報告する.症例1. 68歳男性.66歳時,右上葉切除術を施行した.pT1N0M0,stage IA であった.1年3ヵ月後の定期的なCT検査にて左副腎腫瘍があり,転移と考えたが本人の希望で経過観察していた.その後他疾患で開腹術の際,同時に副腎摘出術を行った.病理診断で肺癌の転移と診断された.副腎摘出術後3年9ヵ月経過し,再発を認めていない.症例2. 65歳男性.64歳時,右中下葉切除術を施行した.pT1N2M0, stage IIIA であった.1年後,右側腹部痛があり,CTにて右副腎腫瘍を発見した.副腎単独転移と診断,摘出術を施行した.その7ヵ月後,胸部の広範囲に再発,最終的に副腎摘出術から1年3ヵ月後死亡した.結論.副腎単独転移の場合,摘出術によって長期予後が得られることがあり,可能ならば手術も積極的に選択すべきである.(肺癌. 2003;43:341-344)
著者
永瀬 和彦 近藤 和宏 野村 俊明
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.63, no.606, pp.620-627, 1997-02-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

Many trains were derailed and damaged by the earthquake in Kobe on January 17, 1995. At the same time, many railway girder bridges and viaducts were seriously damaged by the quake. It was postulated that serious accidents could occur as a result of trains running at high speeds into these girder bridges or viaducts. Fortunately, no fatal accidents occurred. On investigating such accidents, the authors found that they rarely occur, because a train derailed by the violent shock of a quake is so radically decelerated by the huge running resistance caused by the derailment that it stops just after the quake. On the other hand, it takes some time until the bridges or viaducts collapse after the quake.
著者
近藤 ふさえ 中島 亨 鈴木 麻美 田中 伸一郎 田中 利明 下山 達宏 半田 桂子 浅間 泉 古賀 良彦 石田 均
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.435-443, 2006-09-01

本研究は、T2DMを対象に携帯型身体活動測定器(以後Actigraphと略す)を用いて測定した。睡眠時活動量とPittsburgh睡眠調査票(PSQI)、起床時睡眠調査票AM版(OSA)、およびHbA_<1c> を分析した。その結果、T2DMでは高齢者よりも非活動期(睡眠期)時の活動量(mG)が多く、入眠時の活動と中途覚醒による活動が推察された。HbA_<1c>が高いほどGlobal scoreは高くなる傾向はあるが、有意な差は認めなかった(r=0.30, p=0.304)。また、OSAでは「I起床時眠気」「II入眠と睡眠時間」で平均より低かった。T2DMは「眠れない」と自覚する以前に睡眠障害が出現している可能性が示唆された。
著者
中野 雄介 近藤 悟 森谷 高明 大西 浩行 赤埴 淳一 寺西 裕一 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.5, pp.780-790, 2011-05-01

ネットワーク上の複数PCの計算リソースを用いるグリッドコンピューティングに関する研究が行われてきた.特に,Webブラウザを介して計算リソースを利用することで,より多くのPCの計算リソースを利用できる有効な手法がある.しかし,PCの負荷を考慮せずにリソースを利用するため,ユーザのWeb閲覧を妨げる可能性がある.加えて,計算対象がXMLのような複雑な構造をもち,問題分割の時間を考慮する必要がある場合,効率的に計算できないと考えられる.本論文ではこのような課題を解決する,Web閲覧者のPCの余剰リソースの効率的利用の手法を提案する.本手法はWebブラウザの負荷に応じて計算速度を動的に変化させることで,ブラウザユーザのWebページ閲覧に対する影響を考慮した計算を行う.これにより,Webアプリケーションを提供するために必要なリソースを,Webアプリケーションユーザ自身から収集することが可能となる.また,計算対象問題の分割に掛かる時間を考慮した効率的な問題の分配を実現する.
著者
坂神 洋次 小鹿 一 近藤 竜彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

(1)枯草菌のクオラムセンシングフェロモンComXの構造決定、構造活性相関、in vitro酵素反応を用いて特異な翻訳後修飾機構を解明し、さらに翻訳後修飾の普遍性に関する研究をおこなった。(2)前駆体遺伝子が明らかになっているが、実際に作用している化学構造が不明な植物ペプチドホルモンの化学構造を解明する手法を確立し、シロイヌナズナの成長点(茎頂分裂組織)の機能維持に必須の遺伝子CLV3に由来する生理活性ペプチドとしてMCLV3を、同じくシロイヌナズナの気孔形成を誘導するSTOMAGEN遺伝子に由来するstomagenを同定し、その構造を明らかにした。
著者
堀池 寛 福田 武司 鈴木 幸子 山岡 信夫 近藤 浩夫 峰原 英介 宮本 斉児 峰原 英介 宮本 斉児 近藤 浩夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ピコ秒パルスを持った高輝度の自由電子レーザーを利用して、原子炉や燃料集合体等の大型構造体の非熱解体技術への適用性を実験的に調べた。軽水炉用燃料被覆管材料であるジルカロイ4等を用いて、市販最新鋭レーザーと切削形状を比較した結果、これら原子炉材料の効率的(狭切削幅)非熱プロセスが実現可能であることを示した。また、ナノ秒パルスレーザーを用い、加工切削形状へ与える基礎的な条件を確認し、厚肉構造材を加工するために必要なレーザー光および導光のための光学系が備えるべき条件を実験的に確認した。
著者
広沢 弘七郎 近藤 瑞香 渋谷 実 沼尾 智代子 中村 久子 村崎 芙蓉子 市川 智恵 奥瀬 登代 滝川 道子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.219-219, 1963-05-25

第119回東京女子医科大学学会例会 昭和38年4月26日(金) 東京女子医科大学本部講堂
著者
伊藤 漸 小浜 一弘 近藤 洋一 竹内 利行
出版者
群馬大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

モチリンは消化管粘膜から分泌されるペプチドホルモンで消化・吸収の終了した空腹時に約100分間隔で血流中に放出され、先ず胃・上部十二指腸に一連の強収縮をひきおこし、これが順次下部消化管に伝播して、空腸・回腸に溜った胃液・腸液を大腸の方に押しやる働きをする。モチリンによる消化管平滑筋収縮作用は、動物種によって大きく異なる。例えば、ブタやイヌから抽出したモチリンは、ラット,モルモットの消化管には全く作用しない。イヌに投与すると空腹時強収縮をひきおこし、この作用はアトロピンによって抑制されるので、モチリンの作用はアセチルコリンを介していることが予想される。ところがin vivoのウサギの実験ではこの強収縮は観察できない。しかしウサギ腸管平滑筋条片をマグヌス管につるして筋の収縮を調べるとモチリンによる筋収縮を確認でき、しかもアトロピンでは抑制されず、モチリンの平滑筋への直接作用が考えられる。但し単離筋細胞を用いた培養実験では、アセチルコリンは筋収縮をひきおこすが、モチリンでは筋収縮を確認できていない。我々は、ウサギ平滑筋膜上にモチリン受容体の存在を想定して、膜分画への ^<125>Iーモチリンの結合実験を行った。 ^<125>Iーモチリンは膜の粗分画を用いると結合を認めたが、精製した膜分画を用いると結合が認められなかった。そこで我々は、モチリンが直接平滑筋に働くのではなく、神経に作用しアセチルコリン以外の伝達物質を介して筋に働いている可能性を考慮しているが、同時に、1) ^<125>Iーモチリンの比放射能活性を高める 2)13位のMetをLeuに置換して酸化をうけにくくさせる 3)第7位のTyrを除き、カルボキシル端にTyrを付加したモチリンを合成する,等の工夫により、生物活性がヨ-ド化によっても十分保持できるモチリンの作成を行なった。現在これらの修飾モチリンを用いて平滑筋膜分画との結合実験を継続している。
著者
片山 喬 吉田 豊彦 近藤 洋一郎 奥村 康
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.561-567, 1971-09

A five-year-old boy was admitted because of precocious puberty. He suddenly died while various examinations were going on. Autopsy revealed the intraventricular hemorrhage, which is probably cause of his death, from the pineal teratoma. Discussions were made on the relation between sexual precocity and the pineal tumor.
著者
近藤 晃 林 洋子 山下 裕
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.111-114, 2007-09

患者は50歳の女性。2007年4月5日,高熱,悪寒,全身の筋肉痛,関節痛と咳嗽が数日続くため,他医より紹介されて入院した。入院後,HydrocortisoneおよびPredonisoloneの投与を行って解熱したが,4月16日頃から右前腕および右大腿に浮腫性の紅斑が出現した。経過を通じ,白血球増多,CPR高値,赤沈亢進,LDHの上昇,さらにはムコ蛋白の上昇と軽度の肝機能障害があり,臨床的には発熱と咽頭痛,関節炎と皮疹が認められ,リウマトイド因子や抗核抗体は陰性で,血清フェリチン値も高値を示したことから,成人スチル病と診断した。本例はその経過中に,明らかにインフルエンザAの有意の抗体の上昇を認めたため,成人スチル病にこの感染が併発したものと考えた。ステロイドの長期投与によって,2007年5月末の時点では平熱の状態で,関節痛や皮疹も消失している。
著者
近藤 悟 平井 信博 瀬戸 秀春
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

植物体の生理活性物質であるアブシシン酸(ABA)およびジャスモン酸(JA)は環境ストレスに反応するストレスホルモンとして知られている。一般に6℃以下の低温は熱帯果実において貯蔵期間を延長するものの、果皮の褐色化などいわゆる低温障害の原因となり、著しく商品性を損なう。本研究では低温がABAおよびJA代謝、ABA合成経路の鍵酵素である9-シスエポキシカロチノイドジオキシゲナーゼ(NCED)遺伝子発現に及ぼす影響を検討した。低温ストレスはコントロール区に比較して、ABAの増加を誘導した。ABAおよびその代謝物であるファゼイン酸(PA)、ジヒドロファゼイン酸(DPA)およびそのエピ体であるepi-ジヒドロファゼイン酸(epi-DPA)は貯蔵日数とともに増加した。マンゴー果実において、ABAの主要代謝物はepi-DPAであった。JA濃度もまた、ABAと同様に低温貯蔵中、徐々に増加した。NCEDはカウピーより単離されているNCED遺伝子配列を基にディジェネレートプライマーを設計し、マンゴー果実のcDNAを鋳型として、RT-PCRにより遺伝子のクローニングを行った。本研究では1遺伝子を単離した。マンゴー果実からクローニングしたNCED遺伝子はカウピーおよびブドウ等と高い相同性を示した。低温ストレス下でのマンゴー果実におけるNCED遺伝子の発現を示す。NCEDの転写量はコントロール区の果実に比較し低温ストレス下で増加し、ABAの変化と一致した。以上の結果は低温ストレスは、ストレスシグナル物質としてのABAの増加を誘導するが、これはNCED遺伝子の発現増加に起因するものであることが推定される。
著者
弦間 洋 小松 春喜 伊東 卓爾 中野 幹夫 近藤 悟
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

暖地での高品質果実生産のための指針を得る目的で、果皮着色機構、成熟制御機構並びに分裂果等の障害発生機構の解明を行い、一定の成果が得られた。すなわち、リンゴ及びブドウ果実のアントシアニン生成経路の詳細な調査を基に、暖地産果実の色素発現生理の一部を解明することができた。例えば、ブドウ'巨峰'の場合、適地である長野産はアントシアニン含量が高く、暖地産のものは低含量であったが、熊本産はプロアントシニンやフラポノール含量が高く、前駆体のフラバノノールからアントシアニンに至る経路が高温によって阻害され、一方、和歌山、広島産ではこれらの含量が低く、フラパノノール合成以前の過程で阻害された可能性が推察された。ジャスモン酸アナログのn-プロピルジハイドロジャスモン酸(PDJ)とABA混用処理をベレゾーン以前に行うと、不適環境下での着色改善に効果があった。暖地リンゴの着色に及ぼす環境要因について、紫外線(UV)吸収及び透過フィルムで被袋し、さらに果実温を調節して検討したところ、低温(外気温より3〜4℃低い)によってアントシアニン畜積が認められ、内生ABA含量も増加する傾向にあった。しかし、UVの影響については明らかにし得なかった。リンゴ品種には貯蔵中に果皮に脂発生するものがあり、'つがる'果実で検討したところ暖地産(和歌山、熊本、広島)は'ふじ'同様着色は劣るが、適地産(秋田)に比べ脂上がりが少ないことが認められた。果実成熟にABAが関与することがオウトウ及びブドウ'ピオーネ'における消長から伺えた。すなわち、ブドウでは着色期前にs-ABAのピークが観察され、着色に勝る有核果で明らかに高い含量であった。また、種子で生産されたs-ABAは果皮ABA濃度を上昇させるが、t-ABAへの代謝はないことを明らかにした。モモの着色機構についても、無袋果が有袋果に着色が勝ることから直光型であることを認めた。さらに裂果障害を人為的に再現するため、葉の水ポテンシャルで-3.0MPa程度の乾燥処理を施したが裂果は起こらなかったものの、糖度が向上すること、フェノールの蓄積があることなどを認めた。これらの知見は暖地における品質改善への指針として利用できる。
著者
近藤 和彦 石井 康之 伊藤 浩司 沼口 寛次
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.60, pp.50-53, 1994-03-11
被引用文献数
1

春播き(4月5日播種)および秋播き(1O月1日播種)のベントグラスにおいて,冬期の乾物生長に対する生長調節剤処理の影響について検討した。生長抑制剤バウンティ散布区(B区),蒸散抑制剤ミドリテール散布区(M区)および対照区(C区)を設け,B区は11月中旬に1回のみ,M区は11月中旬より2週間間隔で,春播きは計8回,秋播きは計上0回処理した。地上部乾物重は,処理後4週間目ではB区が最も小さかったが,春播きでは2月11日以降,秋播きでは1月7日以降B区の地上部重が他の2区よりも大きくなった。秋播きの刈株乾物重および葉身重比率は,B区が一貫して他の2区よりも有意に大きかった。茎数は,生長抑制剤処理により増加し,その処理の影響は秋播きの方が大きいことが示された。これは処理開始時までの茎数が,秋播きでは少なく,茎数増加期に相当していたことによると推察された。したがって,地上部重の区間差は、主に茎数の差によっていた。クロロフィル濃度は宇B区の値が他の2区より高く維持された。M区の生長経過はC区に比べて優ることはなかった。以上により,冬期における生長の抑制と葉身の退色を緩和するには,秋における生長抑制剤の散布は有効であると推察された。
著者
中林 智之 佐々木 敬泰 大野 和彦 近藤 利夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.4, pp.646-656, 2011-04-01

近年,モバイル端末等の消費エネルギーの増大が問題となっており,低消費エネルギーと高性能の両立が要求されている.そこで我々は,その要求を満たす手法の一つとしてVSP(Variable Stages Pipeline)を提案している.VSPはパイプライン段数を動的に変化させることで低消費エネルギーと高性能の両立を目指す手法である.また,LDS-cellという特殊なセルを導入することでパイプラインステージ統合によって増加する回路内のグリッチを削減している.しかし,LDS-cellはグリッチを低減するためにクロックを供給する必要があるため,クロックトリーの消費エネルギーが増大する危険性がある.そこで本論文ではLDS-cellの駆動によるオーバヘッドを低減する手法として,LDS-cellへのクロックゲーティング適用と,高性能セミスタティックTSPC DFFをベースとした改良型LDS-cellを提案する.更に,二つの提案手法を併用した場合に発生する問題点を解決する手法も提案する.提案手法を実装し,評価を行ったところ,従来VSPから18%消費エネルギーが低減できた.
著者
近藤 和彦 西川 杉子 鶴島 博和 西沢 呆 小泉 徹 坂下 史 青木 康 秋田 茂 勝田 俊輔 秋田 茂 青木 康 金澤 周作 勝田 俊輔 小泉 徹 西沢 保 坂下 史 鶴島 博和 富田 理恵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は、ブリテン諸島(現イギリス・アイルランド)地域の歴史をヨーロッパおよび大西洋の関係のなかでとらえなおし、古代から今日までの期間について、自然環境から民族、宗教、秩序のなりたちまで含めて考察し、そこに政治社会をなした人々のアイデンティティが複合的で、かつ歴史的に変化した点に注目することによって、旧来のホウィグ史観・イングランド中心主義を一新した、総合的なブリテン諸島通史にむけて確かな礎を構築したことにある。
著者
落合 謙太郎 近藤 恵太郎 北村 晃
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

核融合炉のプラズマ対向壁内のトリチウムは、その多くが表面付近に存在する。この様な表面のトリチウム密度分布を知ることは核融合トリチウムの安全評価の観点から重要である。それゆえ、固体表面のトリチウム保持量の絶対測定法が必要である。核融合炉のプラズマ対向壁表面のトリチウム保持密度深さ分布の高精度な測定法の開発として、DT核反応を利用した核反応分析法(DT-NRA)高精度化を実施した。昨年度課題であった実験室壁等から発生する散乱中性子成分の測定除去としてベリリウム体系による散乱中性子抑制法を検討し、抑制効果の検証実験を原子力機構核融合中性子源施設FNSで実施した。その結果、上記ベリリウム体系を用いることで、核反応分析法をDT核反応の放出粒子である3.5MeVアルファ粒子と14MeV中性子のコインシデンス測定に高精度に行うことが可能となり、NRAの中性子散乱抑制法としてベリリウム等の減速材抑制体系が必要であることが分かった。
著者
大山 将城 名野 響 近藤 信行 清水 尚彦 星野 民夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.477, pp.49-53, 2004-11-24

昨今のSoC開発においてハードウェア,ソフトウェアの協調エミュレーションは盛んに行われている.しかし,エミュレーション環境はベンダツールへの依存度が高いケースが多く標準的といえるものはまだ無い.したがって,構築したエミュレーショシ環境が使用しているベンダツールに縛られているのが現状である.これに対しaccellera[1]は2003年に標準協調エミュレーションモデリングインターフェースSCE-MIを策定した.SCE-MIは披試験デバイス(以下DUT)に対するテストベンチの設計/使用を容易にすることを目的にハードウェア/ソフトウェア間のインターフェース(以下IF)仕様を定義するものである.IFのソフトウェア側はC++のAPIとして,ハードウェア側はTransactorと呼ばれるモジュールとして定義される,ただし,これらの実装仕様については定められておらず実装者に任されている.そこで標準的エミュレーション環境の実装試行として,SCE-MI仕様にのっとったIF開発とFPGAボードへの実装を行った.
著者
近藤 真司
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ボウレイとレイトンはマーシャルの経済学と方法論を学び,当時の重要な研究テーマで彼が十分具体化できなかった応用経済学の分野に業績を残したことを明らかにした。ボウレイとレイトンの研究業績は,マーシャル経済学の現実への応用と経済学における統計的の開拓である。両者の統計学法論を考察することにより,ケンブリッジ学派の創設者として現代の経済理論の基礎を構築したマーシャルとは別の応用経済学に関心を持っていた彼の経済像を明らかにすることができた。