著者
鈴木 康弘 杉戸 信彦 坂上 寛之 内田 主税 渡辺 満久 澤 祥 松多 信尚 田力 正好 廣内 大助 谷口 薫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-46, 2009 (Released:2010-02-24)
参考文献数
16

活断層の詳細位置・変位地形の形状・平均変位速度といった地理情報は,地震発生予測のみならず,土地利用上の配慮により被害軽減を計るためにも有効な情報である.筆者らは糸魚川-静岡構造線活断層帯に関する基礎データと,活断層と変位地形の関係をビジュアルに表現したグラフィクスとをwebGIS上に取りまとめ,「糸魚川-静岡構造線活断層情報ステーション」としてインターネット公開した.本論文は,被害軽減に資する活断層情報提供システムの構築方法を提示する.これまでに糸魚川-静岡構造線北部および中部について,平均変位速度の詳細な分布を明らかにした.この情報は,断層の地震時挙動の推定や強震動予測を可能にする可能性がある.さらに縮尺1.5万分の1の航空写真を用いた写真測量により,高密度・高解像度DEMを作成した.人工改変により消失している変位地形については,1940年代や1960年代に撮影された航空写真の写真測量により再現し,その形状を計測した.写真測量システムを用いた地形解析によって,断層変位地形に関する高密度な解析が可能となり,数値情報として整備された.
著者
石毛 達也 早崎 知幸 鈴木 邦彦 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.73-78, 2014 (Released:2014-10-17)
参考文献数
32
被引用文献数
1

胸背部痛に栝楼薤白白酒湯と栝楼薤白半夏湯が奏効した二症例を報告する。症例1は67歳の男性で大腸癌肝転移で化学療法2カ月後に左胸背部痛が出現した。骨転移を疑い骨シンチなど精査を行ったが原因不明であった。栝楼薤白白酒湯を処方したところ,内服2週間で胸背部痛は軽減し,内服3カ月で消失した。症例2は40歳,男性。右胸背部痛を自覚し,CT や内視鏡検査など精査を受けたが原因不明で,鎮痛剤の処方を受けたが改善しなかった。栝楼薤白半夏湯を処方したところ,内服1カ月で胸背部痛は改善した。本二症例では,『金匱要略』の記述にそれぞ れ「胸背痛」「心痛徹背者」とあり,これらの胸痛の性状を主目標として処方し,短期間に症状が改善した。本症例の経験から現代医学的検索でも診断のつかない胸痛症例に対しても本方が奏効する可能性があるものと考える。さらに構成生薬の効能や酒煎の効果が胸痛に対する即効性に関与するものと考える。
著者
新藤 義昭 松田 洋 鈴木 誠史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2782-2796, 2002-08-15
被引用文献数
6

情報処理演習室での質疑応答コミュニケーション用に開発したCyber Teaching Assistant(CTA)というCG-Animationシステムと,そのシナリオを記述するハイパーテキスト言語CPSL(Cyber Person Scenario Language)について述べる.CTAは,受講者からの質問が殺到したとき,人間型3DCGモデル(Cyber Person)を回答代行者としたCG-Animationを提示するシステムで,CPSL BrowserとCTA Starterで構成される.CPSL Browserは各々の受講者側PCで別個に動作する.CTAのシナリオはCPSLで記述し,ネットワークサーバに格納する.講師は受講者の画面を見て,CTAのシナリオで質問に回答できると判断したときは,シナリオを指定して質問者のCTAを遠隔起動する.CTAは,シナリオに従って必要な舞台や小道具を設定し,顔表情を変えたり体演技したりしながら台詞を音声合成で読み上げて質問に回答する.CPSLは,非専門家でも低コストでCG-Animationを制作できることを目標に開発したハイパーテキスト言語で,HTML言語に類似した文法と簡単な平文表記で制作できる.本論文では,CPSLの機能とCTAのシナリオの制作技法を述べ,従来の技法によるCG-Animationの制作コストとの比較実験を行いCPSLの有効性を確認した.This Paper describes CG-Animation system named Cyber Teaching Assistant (CTA), developed for new type communication between Teacher and Students in the Computer Seminar Room and Animation Scenario Language named CPSL (Cyber Person Scenario Language). CTA is a Cyber Person Animation system based on 3DCG technology, which includes CPSL Browser and CTA Starter. CPSL Browser is installed in each student's PC. CTA's Scenario files are written by CPSL and they are saved in the network file server. When teacher detects the student's question or help request and if student's difficult situation would be resolved by the CTA Scenario, he can start the CTA with appropriate scenario by using CTA Starter. CTA sets up the stage and properties and reads aloud the Japanese text by Voice Synthesizer with Facial Expression and plays specified body Action according to the Animation Scenario. CPSL is a Script Language similar to the HTML Language to produce the Animation Scenario by a low cost even for a non-expert. This paper describes a function of CPSL and production technique of a scenario of CTA. In addition, we did a comparison experiment with a production cost of CG Animation by conventional technique and confirmed the effectiveness of CPSL.
著者
鈴木 学 加藤 仁志 仲保 徹 木村 朗
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.485-489, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

〔目的〕学生の性格とPBLテュートリアルに対する取り組み状況との関係について検討した.〔対象〕A大学理学療法学科の3年生55名とした.〔方法〕PBL実施後,KT性格検査による学生の性格判定およびPBLの取り組み状況に関するアンケートを実施した.〔結果〕5つの性格の程度は7.85~11.71であった.主たる性格によるPBLの取り組み状況には差異はなかった.各タイプの傾向とPBLの取り組み状況との関係は,臨床思考は「信念確信型」との間で有意な正の相関,「繊細型」との間で負の相関,協調性は「自己開放型」との間で有意な正の相関がみられた.〔結語〕取り組み状況の要因の1つとして各性格の程度が関係していることが示唆された.
著者
山脇 一郎 鈴木 雅博 小川 和男
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.963-971, 1994-04-15

Piperazinealkanol ester derivatives of indomethacin were prepared and tested for inhibitory activities against 5-lipoxygenase (5-LO) and cyclooxygenase (CO). They inhibited 5-hydroxyeicosatetraenoic acid (5-HETE) formation by the cytosol of guinea pig polymorphonuclear leukocytes and thromboxane B_2 (TXB_2) formation by washed rabit platelet suspension. Of the test compounds, 2-[4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazinyl]-1-phenylethyl 1-(4-chlorobenzoyl)-5-methoxy-2-methyl-3-indolylacetate dimaleate (II-8) was found to be the most active dual inhibitor of 5-LO and CO, and its inhibitory potency was higher than that of 2-[4-(3-hydroxypropyl)-1-piperazinyl]-ethyl [1-(4-chlorobenzoyl)-5-methoxy-2-methyl]-3-indolylacetate (CR-1015) (I), the lead compound.
著者
鈴木 雅博 田中 博道 宮坂 貞
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.4056-4063, 1987-10-25

Several 5-carbon-substituted 1-β-D-ribofuranosylimidazole-4-carboxamides were synthesized via the direct C-5 lithiation of a protected 4-carboxamide derivative as the key reaction step. Wittig reaction of a 5-formyl derivative was also examined.
著者
亀谷 哲治 鈴木 幸夫 伴 千恵子 三沢 薫 高田 信子 叶田 清 本多 利雄
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.63-70, 1987

Chiral cyclopentane derivatives have widely been employed as important starting materials in the syntheses of naturally occurring compounds. Development of an efficient preparation of a chiral cyclopentane derivative from readly available substances with both (+)- and (-)-forms is therefore desirable. We have established an efficient procedure for the preparation of chiral 2-isopropeny1-5-methyl-4-oxocyclo-pentane-1-carboxylate(1) and (2), whose substituents would be transformed into variety of functional groups, from readily avairable (-)- and (+)-carvone. First, the (-)-isomer(1) was employed in the synthesis of (+)-tecomanine (7), an antipodal form of hypoglycemic monoterpene alkaloid, where the aminylium ion-induced cyclization played an important role. Whereas, N-acetyl-L-acosamine (32), found as a structural component of glycosidic antibiotic, was also derived from the (+)-isomer (2) by utilizing the Beckmann rearrangement and Baeyer-Villiger oxidation as key reactions. Finally, Melillo's lactone(34), a key intermediate for the synthesis of carbapenem antibiotic (+)-thienamycin, was prepared from (-)-isomer(1) by manipulation of its substituents in reasonably high-yield.
著者
鈴木 毅彦
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.1-25, 2000
参考文献数
81
被引用文献数
15 11

飛騨山脈南西部の貝塩給源火道から噴出した貝塩上宝テフラ (KMT) は,大規模火砕流堆積物と中部~東北南部を覆った降下テフラからなる大規模テフラである.本稿ではその特性・分布・年代を示し,噴出前後に形成された地形面の編年・古地理について論じた.KMTの認定においては,黒雲母・石英・高ウラン濃度ジルコンの存在,火山ガラス・チタン磁鉄鉱の化学組成を指標とした.従来の放射年代値と房総半島上総層群中での層位から,KMTは海洋酸素同位体ステージ (MIS) 17.3~15.2に降下し,その年代は0.58~0.69Maの間と判断された. KMTは関東の狭山面・阿須山面・喜連川丘陵上位面,松本盆地の梨ノ木礫層堆積面形成後まもなく降下した.これら地形面はMIS17~16に形成されたと推定され,当時は扇状地面を広く発達させる地形形成環境があったとみられる.また, KMT噴出時,飛騨山脈中軸部がすでにかなりの高度を有していた可能性を指摘し,阿武隈山地に発達する小起伏面群の形成年代の上限を示した.
著者
入澤 千晶 石郷岡 学 渡辺 博幸 石井 延久 鈴木 騏一 菊地 悦啓
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.1193-1196, 1990-10

We have experienced 2 cases of intracavernous induration after injuries to the external genital parts caused by a motorcycle tank. Case 1. A 28-year-old male was admitted to our department complaining of painless indurations of the penile radix. Cavernosography showed segmental filling defect in left corpus cavernosum. Because erectile disturbance was noted, resection of the induration was carried out. Microscopic section of the excised tissue showed only fibrosis. Case 2. A 20-year-old male visited our clinic with chief complaints of induration of the penile radix and erectile disturbance. Corpus cavernosography demonstrated filling defect in bilateral corpus cavernosum. We recommended the resection of the indurations, but the patient refused. A brief review on etiology and therapy of intracavernous fibrosis was made.
著者
鈴木 雄一 玉井 克哉 村上 愛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-8, 2013-11-14

近年、欧州において、その豊かな歴史に育まれた文化的資産を保存するだけでなく経済発展に結び付けようとする試みがなされている。こうした試みは、電子図書館構想として、文化的資産を次世代に引き継ぎ、かつ、かかる資産の欧州全域からの一元的な利用を促進することを念頭に進められてきた。電子図書館という新しい形態の図書館を創設するにあたり、新たな課題として浮き彫りにされつつある法的問題も存在する。本稿では、こうした法的問題のうち、特に孤児著作物 (orphan works) に関する問題にふれながら、EU での審議過程を振り返ることによって、電子図書館構想における EU の著作権政策を概観する。This paper analyzes arguments on the establishment of the digital library in EU, called Europeana, in the context of copyright, especially orphan works.
著者
永原 陽子 浅田 進史 網中 昭世 粟屋 利江 石川 博樹 今泉 裕美子 大久保 由理 愼 蒼宇 鈴木 茂 難波 ちづる 中野 聡 眞城 百華 溝辺 泰雄 飯島 みどり 松田 素二 上杉 妙子 丸山 淳子 小川 了 ジェッピー シャーミル サネ ピエール テケステ ネガシュ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、20世紀の戦争において植民地と他の植民地との間を移動した人々(兵士・軍夫、軍に関連する労働者、「売春婦」等の女性)に着目し、とくに世紀転換期から第一次世界大戦期を中心に、これらの人々の移動のメカニズム、移動先での業務と生活の実態、様々な出自の人々との接触の内容、移動の経験が帰還後の出身地社会においてもった意味、などについて検討した。その結果、植民地の場における労働と戦争動員との連続性(「平時」と「戦時」の連続性)、兵士の動員と不可分の関係にある女性の自発的・強制的な移動の事実、さらに従来の研究の中心であった知識層の経験とは大きく異なる一般労働者・女性の経験が明らかになった。
著者
鈴木 文菜 吉田 泰将 村山 光義 内山 孝憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.98, pp.11-16, 2008-06-13

本研究は,3軸加速度センサを剣道で使用する竹刀の先端部に取り付け,剣道の熟練者と初心者の素振りの違いを定量化し,初心者や技術の向上を目指す人のための練習支援システムを開発することを目的とする.現在,運動解析は主に,画像解析によって行われている.しかし,多数の高速度カメラを必要とし,専用の施設で計測する必要がある.また,データ処理に膨大な時間を必要とする.それに対して,本システムは,加速度センサを用いることにより,短時間で処理出来るため,実際の指導現場において有用な運動解析法であると考えられる.画像解析による結果を比較することにより,本研究は,振り降ろし方向の加速度が10%から90%に変化する時間(評価指標:T_2)と躍度(評価指標:Jerk)が,熟達度を評価出来る指標であることを示した.
著者
鈴木 昌和 池田 秀人 飯高 茂 玉利 文和 大友 正英 菅沼 明
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

1.本研究では、数式を含む日本語のLaTeX文書の自動点訳システムの構築した。(1)Extraによる日本語のひらがな変換と分かち書き処理(2)平仮名化されたLaTeX文書の点字への変換と、点字文書としてのレイアウト整形(3)点訳結果の校正(ビューアとエディタ)これらの作業を統合された環境で行えるWindows95上のアプリケーションとして構築した。更に、約7000語の数学用語の点字による読みと分かち書きの位置及び品詞コードを記した辞書を作成した。これにより、2.の処理が数学の専門書に対しても高精度で行えるよになった。2.自動点訳における数式入力の負担を軽減する為に、数式を含む文書の光学読取りシステムの研究を行った。Texで印刷した文書については非常に高い精度認識が出来ることを実験で示した。但し、現時点では行列には対応できていない。3.Texのバ-ジョンによる差や複雑なユーザーマクロによる記述などの根本的解決の為、Texが出力するDviファイルから標準的なTexコマンドのみを用いたTEX形式のソースファイルを再構成する研究を行った。章節や定理、箇条書きなどの構造への対応も可能なアルゴリズムを求めた。数式記述部分については上記2.の数式認識アルゴリズムを適用して、非常に高い精度で再現が可能であること確認した。
著者
南部 暁生 稲垣 静枝 小澤 伸介 鈴木 由香 井龍 康文
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.109, no.11, pp.617-634, 2003-11-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
54
被引用文献数
2 5 3

北大東島の礁性堆積物は,大東層と海軍棒層からなる.大東層は3つのユニットに区分される.ユニット1は主にframestoneよりなり,中央盆地に分布する.ユニット2はユニット1を不整合に覆い,2つのサブユニットから構成される.下位のサブユニット2aは,島外縁の環状丘陵地の主体をなし,主にframestoneよりなる礁芯相と,中央盆地縁辺部の急崖に露出しmdstoneの卓越する背礁相からなる.上位のサブユニット2bは,島の最高所付近に露出するframestoneとpackstoneからなる.ユニット3は東海岸に点在し,斜交層理の発達したoackstoneよりなり,下位層を不整合に覆う.海軍棒層は東海岸の標高10m以下に分布し,framestoneからなる.ユニット1は卓礁の堆積物である.サブユニット2a堆積時には,厚い環礁堆積物が形成されたが,その後,礁は著しく減退した.ユニット3堆積時,島の東部に浅瀬や造礁サンゴのパッチが広かった.海軍棒層は小規模な裾礁の堆積物である.
著者
平澤 一浩 大塚 康司 伊藤 博之 上田 百合 白井 杏湖 鈴木 衞 永井 義幸 加藤 紀和 櫻井 衛
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.107, no.7, pp.529-533, 2014 (Released:2014-07-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3

Intranasal steroids are widely used to treat olfactory disorder, and are known to have fewer side effects than systemic steroids. However, there are some reports that intranasal steroids have induced adrenal insufficiency, even when the steroid dosage is appropriate. We encountered a case of secondary adrenal insufficiency after using intranasal betamethasone for olfactory disorder within the usual dosage. In this case, we were not aware of instructing the patient not to swallow the steroid which had dripped into her pharynx. Thus, a large amount of steroids which had passed through her nasal cavity might have been absorbed in the oropharyngeal mucosa and also ingested. That is possibly the main cause of developing adrenal insufficiency. Recently, Toki-shakuyaku-san, a traditional Chinese medicine, has started to be used for olfactory disorder after a cold. Because of its minimum side effects, it may be safely used for patients with the risk associated with steroid use.
著者
鈴木和男
雑誌
日法医誌
巻号頁・発行日
vol.40, 1986
被引用文献数
1