著者
鈴木 一平 竹林 純 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.141-145, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
13
被引用文献数
2

複数の化合物から構成される微量のビタミンを,一括して定量する際に微生物学的定量法(microbiological assay, MBA)が広く用いられている.MBAは試料溶液中ビタミン濃度と菌体の生育量の関係が通常シグモイドを描くため,一般的な直線回帰で求めた検量線では定量性に問題が生じる場合がある.そこで,本研究では乳児用調製粉乳中のビタミンB6定量をモデルケースとして,回帰モデルの選択(直線,2次,3次回帰モデルおよび4パラメーターロジスティックモデル(4PLM))が定量結果に及ぼす影響について検討した.その結果,4PLMに基づく検量線を用いることにより,試料溶液中のビタミン濃度が標準溶液の範囲を逸脱した際にある程度妥当な定量値を得ることができることから,信頼性の高いビタミンB6定量が可能となった.同様の結果はナイアシンの定量でも確認できた.以上の結果から,MBAにおいて4PLMに基づく検量線を用いることで,ビタミン定量値の信頼性向上が期待される.
著者
手嶋 勝弥 近藤 人資 鈴木 孝臣 大石 修治
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.113, no.1323, pp.733-735, 2005 (Released:2005-11-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 6

Large ruby crystals, exhibiting the typical transparent-red color, have been successfully synthesized by the evaporation of molybdenum trioxide flux. The grown crystals were up to 3.1×3.0 mm in size. In the case of 99 mass% of flux evaporation, the crystal sizes were dependent on the mixture (solute+flux) amounts. A sixfold increase in the mixture amount (30 to 180 g) resulted in double or higher increase in the average sizes (1.2×1.0 mm to 2.5×2.2 mm). The basic form of the grown crystals was a hexagonal bipyramid which consists of twelve well-developed {1123} faces. Furthermore, {0001} faces were also observed in large crystals, besides {1123} faces.
著者
鈴木 恵美 玉木 雅子 橋詰 直孝
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.26-33, 2018 (Released:2018-02-22)
参考文献数
34

食事摂取パタンと月経に伴う不快症状の関連を明らかにし, その改善について, 食生活, ストレス, 生活習慣, 体格に関する意識などから総合的に検討した.N大学の女子学生276名を対象に, 無記名自記式質問紙調査を実施した (有効回答率64.4%, 172名). 質問項目は, 対象者背景, 回顧的月経随伴症状 (MDQ) 日本語版, 半定量食物摂取頻度調査FFQg調査票, 簡易的ストレス度チェックリスト (桂・村上版) である. MDQ得点と相関関係 (Spearman) が認められた項目を独立変数, MDQ得点を従属変数とした重回帰分析 (強制投入法) を実施した.結果は, 月経に伴う不快症状には, 希望体重, 横またはくつろぐ時間, 洋食型主菜選択が負の, ストレス度得点が正の影響力をもっていた.痩身願望, 休息不足, 魚を除く動物性たんぱく質を摂取する食事選択の傾向が低いこと, 日常的ストレスが大きいことが, 月経に伴う症状を重くしており, 不快症状の改善には, これらの是正や解消が必要である.
著者
鈴木 喜六
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:09154191)
巻号頁・発行日
no.117, pp.92-94, 1999-07

私の友人が、個人立の病院を経営しています。先日、お互いの損益計算書や貸借対照表を比較してみたのですが、項目に幾つかの相違がありました。 しかも、収入はさほど変わらないのに、医業利益は友人の病院の方がはるかに高いこともわかりました。医療法人と個人では、決算書の書式や見方などが異なるのでしょうか。
著者
鈴木 亙 稲垣 健次郎 髙橋 賢一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.195-200, 2018-07-05 (Released:2018-07-05)

C-2輸送機の機体形状は,広い貨物室と大型貨物の搭載,投下を容易にする胴体及び主尾翼配置,高速長距離巡航を実現する主翼と双発ターボファン・エンジン,低速飛行を実現する高揚力装置等を特徴とする.また同時開発したP-1固定翼哨戒機と主尾翼等の一部を共用している点についても本機の特徴である.機体規模の策定段階では,C-2,P-1,双方の設計条件を同時に考慮して,主翼の面積とアスペクト比を決定した.主翼の翼型は超臨界翼型を採用した.高揚力装置は内舷がダブル・スロッテッド・フラップ,外舷がシングル・スロッテッド・フラップを採用し,推進部の配置や取付け角は飛行特性や機体への影響を考慮して決定した.本稿ではこれらの空力設計の概要を中心に,風洞試験等の成果も交えて紹介する.
著者
鈴木 芳彦
出版者
東北医学会
雑誌
東北医学雑誌 (ISSN:00408700)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.291-304, 1954-04
著者
鈴木 直司
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.868-871, 2001-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
3

ピコアンメーターに使用している微少電流測定の方式には,シャント方式,フィードバック方式,積分方式などがあり,それぞれ長所と短所をもっている.また,実際のピコアンメーターでは,誤差要因を低減するためにいろんな技術が使用されている.微少電流を測定する場舎,これらを理解したうえで,測定器の設定,試料との接続などに注意しなくてはならず,ここに簡単に紹介する.
著者
南 雅代 鈴木 和博 中村 俊夫 池田 晃子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

キツネは50年ほど前まで里山の至る所に生息していた最もポピュラーな野生動物であり、愛知県豊田市の市街地から北東に約17 km離れた山間集落である小手沢にも、1960年代初めまでは多くのキツネが生息していた。しかし、キツネは1960年代後半から次第にいなくなり、現在では全く目撃されなくなっている。そこで、本研究では、小手沢集落の旧地蔵堂の解体(2010年1月17日)中に床下から見つかったキツネ遺骸の歯および骨の14C濃度から、それぞれ誕生および死亡年代を求め、キツネが里山から消えた時期を明らかにすることを目的とした。このキツネの遺骸の脇には1971-1983年版のチキンラーメンの袋が見つかっていることから、キツネが消えた時期を解明する鍵になると推察された。本発表においては、14C年代測定の他、C・N・Srの安定同位体比の測定も行ない、キツネの食性を推定することにより、キツネが里山から消えた原因も考察する。
著者
松原 智樹 大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典史 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明 河合 敏昭 本坊 正典 吉田 哲男 内田 徹也 盛 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-38, 2002
参考文献数
7
被引用文献数
2

超高感度・高画質と高信頼性とを両立させたハイビジョンカメラを実現するため、厚さ15μmの新Super-HARP膜でのハイライトきず(強いスポット光が入射したときに生じる白きず)の発生防止に取り組んだ。膜の動作温度ときず発生との関係を調べた実験から、膜の動作温度を従来(約25℃)よりも高温側にシフトさせることでハイライトきずの発生が抑制できることを見い出した。この動作モードでの実用化を目指して耐熱性向上の研究に取り組み、不純物添加濃度の最適化で、きず発生を抑制できる温度での安定動作を可能とした。本膜を適用した超高感度ハイビジョンハンディカメラは信頼性や機動性にも優れ、夜間緊急報道等の放送用途のほか医学研究や科学分野等で活用されている。
著者
渡邊 香 鈴木 秀和
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.44-44, 2011

当研究室が出場している中型リーグは,ロボットが完全に自律しており,カメラなどのセンサのみで環境を認識し,判断・行動している.RoboCupでは年々自己位置同定技術の重要性が高まっており,ボールをゴールに運ぶだけでなく,フリーキックやパスなどの戦術的な面でも注目されている.介護・福祉ロボットやホームロボットなど人間と共生するロボットは人と同様の環境認識・行動判断能力が求められている.自己位置同定技術はこれらのロボットへの応用も期待できる.RoboCupにおけるサッカーフィールド環境では様々なセンサを用いることで,自己位置同定に必要な指標をいくつか得ることができる.これらの指標を大きく二つに分類すると,エンコーダによる移動情報や電子コンパスなどから得られる内部情報と,カメラ画像などから得られる外部(周囲)情報に分けられる.本報告では,これらの情報を用いて自己位置同定の検証を行う.