著者
河田 恵昭 岡 二三生 片田 敏孝 福和 伸夫 田村 圭子 鈴木 進吾 今村 文彦 目黒 公郎 牧 紀男 浦川 豪 中林 一樹 永松 伸吾 高橋 智幸
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

本研究では、逆転の発想に基づき、加害側の災害の立場から、南海トラフ巨大地震や首都直下地震によって、過酷事象が発生し、未曽有の被害をもたらすにはどのように“人間社会を攻めればよいのか”を考究して、巨大災害が起こった時の現代社会の様々な弱点を見出し、その中で被害が極端に拡大する可能性のある「最悪の被災シナリオ」被害を軽減するためには、新たに縮災を定義し、減災だけでなく、災害による被害が発生することを前提にして、すみやかに回復するという新たな概念が必要であることを示した。そして、これを実現するには、防災省を創設し、国難災害が起こるという前提に立って、日常的に準備する必要があることを明らかにした。
著者
鈴木 健
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

システム自体が一種のセンサーモーター系をもつようなウェブシステムを構想し、そのシステムが集合知を実現する可能性を検討する。具体的にはソーシャルネットワークを使った民意集約システムについて考える。
著者
畑田 彩 鈴木 まほろ 三橋 弘宗
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.57-61, 2008
被引用文献数
3 2

連載「博物館と生態学」では、毎回生態学と関わりの深い博物館事業をテーマとして取り上げてきた。当初予定した6回が終わったところで、これまでの執筆者を中心に連載によって達成できた点や今後の課題について話し合った。その内容をまとめることで、連載「博物館と生態学」の意義を考えてみたい。
著者
小谷 信司 鈴木 良弥 渡辺 寛望
出版者
山梨大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

発話が不可能で両手両足の自由がきかない重複肢体不自由者に対して、視線を利用したコミュニケーション実現を目指している。過去の研究において、短い語彙入力の場合、有効性が認められたが、長い文章入力の場合で、誤入力が生じると、極端に効率が悪くなることが判明した。そこで、静的属性(知識・経験)、基本属性(時間・空間的情報)、動的属性(周囲・人物情報)を組み合わせて、その状況に応じた予測変換を実現することを目指した。シミュレーション実験と健常者による実験において良好な結果が得られた。現在、支援学校に協力してもらい生徒と一緒に取組を行い、その有効性を検証中である。
著者
鈴木 鉄男 岡本 茂 片木 新作
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.323-328, 1977
被引用文献数
3 1

温州ミカン幼樹を供試して, 5月から8月にかけてチッ素施用量を変えることにより, 葉中N含量に差をつけた場合の, 果実の肥大•品質に及ぼす影響を調査し, 品質向上の面からみた夏秋季の適正なる葉中N含量を明らかにしようとした.<br>1. チッ素施用後, 葉中N含量に変化が現われるのは10~15日後であつた. そして5月下旬以降12月上旬にかけて, 葉中N含量はチッ素施用量をよく反映し, 9月3日の葉分析では, N<sub>0</sub>区2.08%, N<sub>1</sub>区2.78%, N<sub>2</sub>区3.21%, N<sub>3</sub>区3.40%, N<sub>4</sub>区3.73%を示した. K含量はN<sub>0</sub>区で明らかに高く, Nと拮抗的関係がみられた. CaとMg含量は高N区で低い傾向があつた. なお, 9月11日に果実中N含量を分析したところ, 葉分析の結果と全く同じ傾向が得られた.<br>2. 葉色指数に差が現われたのは6月上旬からであり, 7月上旬頃からその差が明確となり, N<sub>0</sub>区は淡緑色で, N<sub>3</sub>, N<sub>4</sub>区は濃緑色を呈した. そして, N<sub>0</sub>区では8月上旬頃から古葉の黄変, 落葉が始まり, 幼果の果皮も淡緑色を呈し, 樹勢は著しく衰弱した. なお, 葉色指数と葉中N含量の間には高い正の相関 (<i>r</i>=0.823**) があり, 葉中N含量とクロロフィル含量の間にもかなり高い正の相関 (<i>r</i>=0.695**)があつた.<br>3. 果実収量はN<sub>3</sub>区が最もすぐれ, N<sub>4</sub>, N<sub>2</sub>区がこれに続き, N<sub>0</sub>区は明らかに劣り, 平均果重でも同様の傾向があつた. 果形指数は区間に差がなかつた. 果皮の着色指数はN<sub>1</sub>, N<sub>2</sub>区で最高を示した. これに反してN<sub>0</sub>区では着色は早くから始まつたが, その後, 次第にチッ素施用区に追いつかれ, 橙色に乏しく, 採収果の着色指数も低かつた. 果皮歩合はN<sub>0</sub>区で低く, チッ素施用量が増すにつれて高くなつた. 果汁中の可溶性固形物含量はN<sub>0</sub>, N<sub>1</sub>区で明らかに高く, N<sub>2</sub>以上では低下するようであつた. クエン酸含量には有意差は認められなかつたが, 傾向としてはN<sub>0</sub>とN<sub>1</sub>区でやや高かつた. 甘味比には差がなつた.<br>以上の結果から, 品質向上の面からみた夏秋季の葉中N含量の適正値は, N<sub>1</sub>区での2.6~2.8%付近にあると考えられる.
著者
平原 敬三 安藤 直子 松石 哲郎 鈴木 信夫 寺尾 俊彦 倉田 宗司
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.108, no.9, pp.p860-866, 1988-09

The addition of sodium oleate to antithrombin III (ATIII) produced complexes of ATIII and oleic acid by varying the acid concentration. During immunoelectrophoresis, ATIII shifted to the anode in the presence of sodium oleate. The reactivity of ATIII with anti human ATIII serum lowered as the sodium oleate level increased. However the reactivity with antibody obtained by immunization of rabbits with the mixture of sodium oleate and ATIII, was not lost on the immunoelectrophoresis. In acrylamide gel electrophoresis, ATIII separated into 6 bands with an increase in sodium oleate. The binding ratio of ATIII to heparin-Sepharose decresed in the presence of sodium oleate. In acrylamide gel isoelectrofocusing, the subtypes of ATIII having pI 5 showed high affinity to oleic acid. These high affinity subtypes also showed high affinity to heparin and thrombin. In fibrinogen agarose electrophoresis, ATIII lost its antithrombin activity depending on the increase of sodium oleate. By the determination of free fatty acids (FFA) in ATIII purified from normal plasma, we found that FFA would bind to ATIII in the normal plasma. Scatchard plot analysis indicated 7.6 binding sites of oleic acid per ATIII molecule. The results suggested that ATIII lost its activity by conformational change or interference in the thrombin binding site, and that the subtype of ATIII having pI 5 could be a significant carrier of plasma FFA.
著者
小原 孝雄 中川 光二 慶松 元興 伊藤 宜人 国田 晴彦 嘉手納 成之 畑 俊一 大滝 幸哉 鈴木 邦治 中川 昌一 深津 亮 松浦 侯夫 大橋 晃
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.906-912, 1976

"Periodic hormonogenesis"を示し,ヒステリー発作を契機に寛解したGushing病,およびreserpine投与下でのmetyrapone試験直後より,急性副腎不全症状を呈し,寛解に到つたCushing病の2症例を報告する.症例1. 16才,女性.軽度の肥満・頬部紅潮・〓瘡・皮膚線条を認めた.尿中17-OHCSは, 4~46mg/日の間を約10日間の周期で変動し,血中corticosteroidsもこれに並行. ACTHには明らかな過剩反応を示したが,他の負荷試験は変動のため判定困難.副腎シンチグラムでは両側過形成像,頭部X線検査でトルコ鞍正常,他臓器に異常なく, periodic hormonogenesisを示すCushing病と診断した.この周期性変動はdexamethasone 8mg/日18日間投与で抑制された.経過中ヒステリー発作を生じ,その直後から尿中17-OHCSは3~8mg/日となり,周期性も消失.その後はACTHには過剰反応を示したが,抑制試験・metyrapone試験は正常となつた.症例2. 21才,女性.無月経で,中心性肥満・満月様顔貌・〓瘡・皮膚線条・高血圧を認めた.尿中17-OHCSは20~40mg/日で血中corticosteridsも高値.抑制試験は少量では非抑制, 8mg/日4日間投与で抑制された. metyraponeには過剩反応,副腎シンチグラムでは両側過形成像. reserpine投与下でのmetyrapone試験直後より副腎不全症状を呈し,尿中17-OHCSは1~5mg/日となり, Cushing病の諸症状改善.寛解後は, ACTHに過剩反応, metyraponeには無反応であつたが,他のホルモン系には障害はなかつた.