著者
鈴木 正嗣 梶 光一 和 秀雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.551-556, 1992-06-15
被引用文献数
9

北海道洞爺湖中島のエゾシか個体群について, 精巣ならびに血漿テストステロン濃度の年間変動を調べた. 他の温帯性のシカ類と同様に, エゾシカにおいても, 精巣のサイズや精細管直径, 精細胞の構成や配列, 血漿テストステロン濃度に顕著な季節的変化が認められた. 精子形成は7〜8月頃に開始されると考えられ, 8月末の時点では完成した精子が少数みられた. 洞爺湖中島における交尾期開始時期の10月末になると, 精巣サイズや精細管直径の平均値は最大となり, 精上皮には盛んな精子形成像が認められた. 精巣の退縮はl2月末には始まっており, 2〜3月になると精子形成は終了していた. 以後6月頃まで, 精巣は休止状態にあるものと思われた. 交尾期にあたる10月末と11月初めの血漿テストステロン濃度は, 2月や3月, 6月, 12月に比べると極めて高く, 個体差が大きかった. この個体差は, テストステロンのpulsatile secretionによるものと考えられた.
著者
辻 宏之 大堂 雅之 三浦 龍 丸山 正晃 鈴木 幹雄 笹本 尚史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.671, pp.139-143, 2003-02-26
参考文献数
4

2002年6月から7月にかけて,米国ハワイ州カウアイ島で実施された高度20kmの成層圏に滞空する無人ソーラープレーンを用いた世界初のIMT-2000通信実験が行われた.この実験で約200km離れたオアフ島からの干渉波による通信品質の劣化が観測され通信障害が発生した.本報告では,この干渉波の解析とアレーアンテナを用いた干渉波軽減について報告する.
著者
辻 宏之 大堂 雅之 三浦 龍 丸山 正晃 鈴木 幹雄 笹本 尚史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.677, pp.139-143, 2003-02-26
参考文献数
4

2002年6月から7月にかけて,米国ハワイ州カウアイ島で実施された高度20kmの成層圏に滞空する無人ソーラープレーンを用いた世界初のIMT-2000通信実験が行われた.この実験で約200km離れたオアフ島からの干渉波による通信品質の劣化が観測され通信障害が発生した.本報告では,この干渉波の解析とアレーアンテナを用いた干渉波軽減について報告する.
著者
大岸 智彦 井戸上 彰 加藤 聰彦 鈴木 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.165-166, 1995-03-15

近年、異機種間通信の重要性が高まり、各種のOSI通信システムが開発されている。これらの通信システムは、テスタを用いてシステム内の各層の振る舞いを試験する適合性試験を経て、運用が開始される。しかしながら、運用中においても試験で検出されなかった誤りにより、通信障害が生ずる場合がある。このような誤りを検出するには、通信を長時間観測しデータを解析する必要がある。筆者らは、回線上を流れるデータを監視/解析することにより、通信システムのプロトコル手順に従わない誤り箇所(プロトコル誤り)を検出するインテリジェントOSI7層リンクモニタを提案している。本稿では、本モニタにおいてプロトコル誤りを検出するための方針及び実現方法について述べる。
著者
長田 富香 渡辺 好子 鈴木 ミサ子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.430-430, 1963-09-25

第29回東京女子医科大学学会総会 昭和38年10月6日(日曜日) 東京女子医科大学本部講堂
著者
山口 幸洋 任張 幸子 小幡 博子 大河原 知水 江口 裕伸 黒津 敏嗣 鈴木 敬一郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.7, pp.495-498, 2002-07-01
参考文献数
5
被引用文献数
1

The direct sequencing of PCR products, a bacterial colony (plasmid DNA), or a phage plaque (λDNA) is a very powerful technique in several molecular biological applications. Recently, we reported the successful application of this direct sequencing methodology, called recyclesequencing. Occasionally, however, our sequencing efforts failed due to the presence of agarose gel containing Luria-Bertani (LB) medium. Consequently, we pursued a semiquantitative investigation of the inhibitory effects of agarose and LB medium on the direct sequencing reaction. We found that LB medium concentrations greater than 26.7% inhibited the sequencing reaction. Furthermore, agarose concentrations greater than 0.20% in a reaction mixture also inhibited the sequencing reaction.
著者
北山 兼弘 清野 達之 里村 多香美 相場 慎一郎 長谷川 元洋 鈴木 静男
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

この研究の目的は、樹木多様性がどのように熱帯降雨林生態系の機能を支配しているのかを明らかにすることであり、地域レベルの種多様性が極端に異なるハワイ諸島とマレーシアの比較を行った。4年間に渡り、2地域に設けた土壌発達傾度に沿った複数の森林試験地において毎木調査を行い、木部の肥大成長量を算出した。また、全試験地に設置されたリタートラップからリター回収を2週間から1ヶ月毎に行い、回収したリターの器官別仕分け及び乾重測定を行い、リターの生産速度を明らかにした。ハワイ諸島については過去2年の、マレーシアについては過去4年のリター生産量が明らかになった。肥大成長量にリター生産量を加味して、森林の地上部純一次生産量を算定した。土壌栄養の減少に植物や従属生物がどのように適応しているのかを明らかにするため、特に共生菌根菌に焦点を絞り、マレーシアの代表的なサイトに於ける菌根バイオマスと菌体バイオマスの定量化を行った。各サイトから土壌を採取し、細根、菌根、土壌の3つに仕分けし、エルゴステロールを生化学マーカーとして菌体量の定量分析を行った。また、土壌微生物群集の群集解析を生化学的PLFA法を用いて行った。また、貧栄養に対する樹木の適応を組織解剖学的に明らかにするために、材の通導組織観察と葉の水ポテンシャル測定を行った。以上の結果、地域の種多様性が高いと、土壌栄養塩の減少に対して、組織的、生態生理的により栄養塩利用効率の高い(適応的)種への入れ替わりが起こり、熱帯降雨林の機能は維持されるとの新たな知見が得られた。一方、地域の種多様性が低いと、種の入れ替わりが起こらず、土壌栄養塩量を反映して森林の機能は大きく変化した。この結果により当初の作業仮説は指示された。
著者
芥田 憲夫 鈴木 文孝 川村 祐介 八辻 寛美 瀬崎 ひとみ 鈴木 義之 保坂 哲也 小林 正宏 小林 万利子 荒瀬 康司 池田 健次 熊田 博光
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.450-451, 2006 (Released:2007-01-18)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

We evaluated 130 consecutive Japanese adults of HCV genotype 1b who received treatment with peginterferon (PEG-IFN) plus ribavirin (RBV) for 48 weeks, to investigate the pretreatment predictive factors of early virologic response (EVR) and sustained virological response (SVR). 75% of patients could achieve EVR, and 45% were SVR. Multivariate analysis identified low density lipoprotein cholesterol (LDL-C) (≥86mg/dl) and amino acid (aa) substitutions in HCV core region (Double wild type; arginine at aa 70 and leucine at aa 91) as independent and significant determinants of EVR. Furthermore, multivariate analysis identified LDL-C (≥86mg/dl), aa substitutions in core region (Double wild type), gender (male), ICG R15 (<10%), AST (<60IU/l) as determinants of SVR. In conclusion, LDL-C and aa substitutions in core region are important pretreatment predictors of response to treatment with PEG-IFN plus RBV in Japanese patients infected with genotype 1b.
著者
松井 幸夫 倉持 孝司 柳井 健一 藤田 達朗 松原 幸恵 元山 健 愛敬 浩二 江島 晶子 元山 健 愛敬 浩二 植村 勝慶 江島 晶子 大田 肇 小松 浩 榊原 秀訓 鈴木 眞澄
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

現代の日本の政治改革において参照されたのは、イギリスをモデルとした小選挙区制、二大政党と政治的リーダーシップ、選挙による政権交代等であった。しかし、当のイギリスやその影響下の諸国では、ウエストミンスター・モデルと呼ばれる、このような政治システムの変容や再検討や、そこからの離脱傾向が強まっている。本研究は、このような実態と理論状況を明らかにし、現代立憲民主主義の憲法理論構成の方向性を明らかにする視座を得た。
著者
鈴木 五郞
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.477-497, 0000

余ハ從來死骨片、象牙杆或ヒハ金屬杆等ヲ用ヒラレタル骨折例症ニ向ツテ我國到ル所到ル場合ニ容易ニ得ラレ而カモ極メテ廉價ナル牛角ヲ應用セント欲シ中等大家兎ヲ用ヒテ動物實驗ヲ行ヒ其ノ成績良好ナルヲ認メタリ。余ノ動物實驗ハ彼等ノ運動上最モ必要ナル且ツ最モ轉位ヲ起シ易キ後肢大腿骨ニ人工的骨折ヲ起シ直チニ自ラ作製セル牛角杆ヲ以テ「ボルツング」ヲ施シ特別ノ副木ヲ用ユルコトナク放置シタリ。而シテレントゲン線檢査並ニ組織學的檢査ニヨリ其ノ骨折治癒機轉ニ向テ何等ノ障害ヲ及ボスコトナク完全ニ固定ノ目的ヲ達スルヲ確メタリ。於茲余ハ更ニ臨床ニ應用シタルニ其ノ例末ダ多カラザレ共何レモ化膿ノ徴候ヲダニ呈セルモノナク假骨形成順調ニシテ經過良好ナルヲ認メタリ。新字体抄録: 余ハ従来死骨片、象牙杆或ヒハ金属杆等ヲ用ヒラレタル骨折例症ニ向ツテ我国到ル所到ル場合ニ容易ニ得ラレ而カモ極メテ廉価ナル牛角ヲ応用セント欲シ中等大家兎ヲ用ヒテ動物実験ヲ行ヒ其ノ成績良好ナルヲ認メタリ。余ノ動物実験ハ彼等ノ運動上最モ必要ナル且ツ最モ転位ヲ起シ易キ後肢大腿骨ニ人工的骨折ヲ起シ直チニ自ラ作製セル牛角杆ヲ以テ「ボルツング」ヲ施シ特別ノ副木ヲ用ユルコトナク放置シタリ。而シテレントゲン線検査並ニ組織学的検査ニヨリ其ノ骨折治癒機転ニ向テ何等ノ障害ヲ及ボスコトナク完全ニ固定ノ目的ヲ達スルヲ確メタリ。於茲余ハ更ニ臨床ニ応用シタルニ其ノ例末ダ多カラザレ共何レモ化膿ノ徴候ヲダニ呈セルモノナク仮骨形成順調ニシテ経過良好ナルヲ認メタリ。
著者
磯貝 光雄 熊井 満之 小林 陽一 黒岩 克年 荒川 佳樹 鈴木 龍太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.297-307, 2000-03-25
参考文献数
7
被引用文献数
3

災害時の安否照会のために, モバイルエージェント技術による情報検索システムを構築しその評価を行った.耐災害性と通信負荷の削減を目的としてモバイルエージェントを使用した.災害時には通信回線の障害・遮断・回復などが大規模かつ頻繁に発生する可能性があるが, エージェントソフトウェアはそれらの障害に対し自律的にうかいや待機を行い検索結果を持ち帰る.検索は被災地の外から被災地内に対し行う.検索の方法はモバイルエージェント方式, クライアントサーバ(C / S)方式及びその組合せを使用して実験を行った.実験結果はトラヒック量とレスポンスタイムで評価した.モバイルエージェントによる情報検索は, 耐障害性を有するとともに, 検索件数が多いほど, また巡回する情報サーバが多いほど, C / S方式に比べて端末回線のトラヒック負荷を削減するために有効であることが確かめられた.
著者
小林 芳規 佐々木 勇 沼本 克明 月本 雅幸 鈴木 恵 原 卓志 山本 真吾 西村 浩子 佐藤 利行 山本 秀人 青木 毅 来田 隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

醍醐寺蔵宋版一切経6,104帖の悉皆調査により,角筆の書き入れを調べ,古代東アジアにおける言語文化の交流と影響関係を考察する目的の本研究は,2007~2009年に5回の現地調査を行い,書誌事項と共に角筆の有無を調べ,4,453帖に角筆による漢字と諸符号の書き入れを見出した。その精査は第二次調査を期している。又,東大寺図書館の調査で,唐代写経に角筆の梵唄譜とヲコト点様の単点・複点を発見し,新羅写経に角筆の新羅語の真仮名等と符号を発見して,解読を進めている。
著者
小林 淳子 赤間 明子 大竹 まり子 鈴木 育子 叶谷 由佳 藤村 由希子 右田 周平
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成17年度は,妊娠を契機に禁煙した、あるいは喫煙を継続した女性喫煙者の「たばこに対する思い」を因子探索的に分析した。その結果,出産後まで禁煙を継続した女性では「子どものため,自分のため,他の人のために喫煙はやめるべき」という規範的意職と,「出産後のいたずら喫煙,育児の負担がなければ喫煙しない」という将来の再喫煙を避けるための対策の因子が抽出された。一方,再喫煙した女性では「また吸ってしまうかもしれない」という再喫煙の予感,「止めたいが止められない」という禁煙困難,「禁煙は考えていない」という無関心の因子が抽出された。「子どもと喫煙」に関するラベル数の割合が,禁煙継統群は喫煙再開群よりも明らかに高く,PRECEDEPROCEEDモデルの「実現要因」である喫煙環塊への対策に加えて,「前提要因」である「喫煙による子どもへの影響の認知」を高めるために,「強化要因」である医療関係者の役割の璽要性が示唆された。平成18年度は,地域における禁煙サポート源として看護職者が機能するために,看護職者よる禁煙・防煙支援の実態と関連要因を解明を目的とする質問紙調査を実施した。Y県内の55施設,所属する看護職1414名を分析対象とした。その結果、禁煙・防煙支援が業務としての位置づけられている407名(28.8%)、禁煙・防煙支援の経験あり267名(18.9%)と低率であり、禁煙支援・防煙支援の困難は189名(70.8%)が感じていた。同時に、禁煙・防煙支援の講習会の参加は250名(17.7%)に留まった。業務の位置づけがある群で支援経験ありは38.3%,位置づけが無い群では11.0%,しかし位置づけがあっても支援経験なしが61.7%を占めた。禁煙支援の自己効力感は100点満点で平均14.4(±12.3)点と低かった。以上の結果から,看護職者は禁煙支援・防煙支援を業務として位置づけられていても実施していない割合が高く,支援の自己効力感が低い点が課題であることが明らかとなった。
著者
古川 まき 鈴木 泰博
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

遺伝的アルゴリズムやマルチエージェント系(Ant Colony Optimization)では解探索の高速化のためエリート選別と解候補の多様性の維持が必要であるが、それらを自動調整することは困難であった。本論文はミツバチの採餌行動に着想を得たアルゴリズムによってエリート選別を行う際の閾値を自動調整するモデルを巡回セールスマン問題を対象に作成し、その評価と考察を行う。
著者
湯之上 隆 鈴木 淳 大塚 英二 大友 一雄 保谷 徹 岩井 淳 杉本 史子 横山 伊徳
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

静岡県を調査主体とする江川文庫史料西蔵調査事業と連携して調査研究を進めた。平成24年3月刊行の静岡県文化財調査報告書第63集『江川文庫古文書史料調査報告書』4冊により、約30, 000点の古文書を目録化した。本研究の前提となる第1次調査分の約20, 000点と合わせた約50, 000点にのぼる古文書調査はほぼ完了し、本研究の所期の目的は完遂した。江川文庫研究会を5回開催し、調査研究成果の公表と情報の共有を図った。国文学研究資料館の「伊豆韮山江川家文書データベース」により、調査成果を公開した。
著者
五月女 格 鈴木 啓太郎 小関 成樹 坂本 晋子 竹中 真紀子 小笠原 幸雄 名達 義剛 五十部 誠一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.451-458, 2006-09-15
参考文献数
21
被引用文献数
14 14

115℃のアクアガス,115℃過熱水蒸気ならびに100℃の熱水にてジャガイモの加熱処理を行った.加熱媒体からジャガイモへの熱伝達率を測定した結果,アクアガスの熱伝達率が最も高かったが,加熱処理中のジャガイモ中心部の温度履歴に加熱媒体間の差は見られなかった.また加熱処理によるジャガイモ中のペルオキシダーゼ失活の進行にも加熱媒体間の差は見られなかった.この原因は,いずれの加熱媒体による加熱処理においてもジャガイモ表面における熱伝達は十分に大きく,ジャガイモ内部温度変化はジャガイモ自身の熱拡散係数に律速されていたためであったことが,ジャガイモ内部における熱伝導シミュレーションの結果から確認された.<BR>また,それぞれの加熱媒体により加熱処理されたジャガイモの品質を比較した結果,アクアガスならびに過熱水蒸気により加熱処理されたジャガイモが熱水にて処理されたジャガイモと比較して,硬さも保たれ色彩も良好であった.走査型電子顕微鏡によるジャガイモ微細構造の観察結果,熱水により加熱処理されたジャガイモにおいては熱水への固形成分の溶出が推察された.このことから固形成分の溶出の有無が加熱処理されたジャガイモの品質に影響を及ぼしたと考えられた.またアクアガスによる加熱処理では過熱水蒸気処理と比較して質量減少を抑制することができた.更に,アクアガス処理によりジャガイモ表面に塗布した<I>B. subtilis</I>胞子を死滅させることが可能であった.<BR>以上のことからアクアガスを用いることにより,熱水による加熱処理と比較して良好な品質にて,また過熱水蒸気処理と比較して小さな質量減少にて,ジャガイモのブランチングを行うことが可能であると結論付けられた.またアクアガスを用いて加熱処理されたジャガイモを無菌状態にて保存することにより,高品質なジャガイモの長期間貯蔵が可能になると期待された.今後はジャガイモの酵素失活に必要な加熱温度条件等を詳細に検討し,アクアガスにより加熱処理されたジャガイモの貯蔵性ならびに貯蔵されたジャガイモの品質変化について解明していく予定である.
著者
山本 晴彦 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.167-178, 1997-11-30
参考文献数
15
被引用文献数
2

The typhoons 9210 and 9612 damaged crops and green houses in western parts of Japan, in the early and the middle of August. For the typhoon 9210,the maximum instantaneous wind speed in Makurazaki city was 57.0 m/s, the maximum wind speed was about 15〜33 m/s in middle and southern parts of Kyushu districts. The loss money in the agriculture of Kyushu district by typhoon 9210 exceeded 19.8 billion yen. For the typhoon 9612,the maximum instantaneous wind speed in Kagoshima city was 58.5 m/s, this value was the maximum record since 1940. The precipitation of the Ebino meteorological station in August 14,1996 was 372 mm and many area in western parts of Japan were suffered by strong wind and heavy rainfall. The loss money in the agriculture of Kyushu district by typhoon 9612 exceeded 13.7 billion yen.
著者
戸波 江二 薬師寺 公夫 北村 泰三 建石 真公子 江島 晶子 小畑 郁 鈴木 秀美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

2年間の共同研究では、(1)ヨーロッパ人権裁判所の判例研究、(2)ヨーロッパ人権裁判所の組織、権限に関する研究、(3)ヨーロッパ人権条約締約国の側から見たヨーロッパ人権条約の実施、とくにヨーロッパ人権裁判所判決の執行の研究、のそれぞれについて研究分担者が分担して研究するとともに、(4)ヨーロッパ評議会の組織と活動、およびそれがヨーロッパにおける人権保障の進展において果たしてきた役割についての研究、(5)その他の国際的・地域的人権保障制度に関する研究についても分担して研究を進めた。具体的には、平成16年度より引き続き、各研究分担者が上記各分野について割り当てられた自己の研究テーマについて各自研究を深めるとともに、全体の研究会を開催し(7月30日、31日・明治大学、10月22日・明治大学、1月28日・法政大学)、各自の担当判例および研究テーマについて報告を行い、全員で検討を行った。これらの結果、人権の国際的・地域的保障のあり方、人権保障の国際水準を確保するための裁判所による審査の意義、国際人権裁判所の人権規定の解釈・適用の実際、国際的視点からの各国内での人権保障の実施の促進の方法など、人権の国際的・地域的保障の理論と実践について、より明確な問題意識を共同研究者間に形成することができた。同時に、ヨーロッパ人権裁判所判例集の編集を進めた。掲載判例・解説執筆者を確定するとともに、原稿依頼を行った昨年度に引き続き、今年度は、編集会議を適宜開催し、査読の態勢を整え、現在、提出された原稿の査読の段階に至っている。