著者
杉信 賢一 鈴木 信治 小松 敏憲
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.318-324, 1989-03-31
被引用文献数
1

イタリアンライグラスの採種栽培における耐倒伏性を高める選抜が有効か否かを確認した。供試材料は第1報及び第2報と同じイタリアンライグラスの直立型で耐倒伏性の強いワセアオバと,中間型で耐倒伏性の弱いワセヒカリ,これに加えて,第2報と同様に両品種とも,耐倒伏性・種子収量・耐倒伏性×種子収量・短密穂・直立葉・下垂葉の形質についての6選抜系統であった。選抜系統の後代種子を,1981年9月中旬に採種栽培試験圃場及び生産力検定圃場に播種した。耐倒伏性選抜系統については,ワセアオバ及びワセヒカリとも1983年9月中旬に採種栽培試験圃場及び生産力検定圃場に再度播種して試験した。倒伏調査は,評点法により1982年は5月4日から6月16日まで5回,1984年は5月11日から6月2日まで5回行った。1982年の結果では,選抜系統及び原品種とも開花後10日目から3週間目ころにかけて,倒伏が著しくなった。ワセアオバでは系統間差及び原品種との耐倒伏性の差が顕著で,特に耐倒伏性選抜系統及び直立葉選抜系統の耐倒伏性が優れていた。一方,ワセヒカリでは系統間差及び原品種との耐倒伏性の差は小さく,6月16日の耐倒伏性×種子収量を除くすべての選抜系統の耐倒伏性が原品種より優れていたに留まった。1984年の結果では,両品種とも耐倒伏性選抜系統と原品種との倒伏程度は著しく異なり,耐倒伏性に対する選抜効果は顕著であった。1982年の結果では,両品種ともいずれの選抜系統も原品種との間に種子収量について有意差は認められなかった。しかし1984年の結果では,ワセヒカリの耐倒伏性選抜系統が原品種より有意に多収を示した。生草収量に関する1982年の結果では,ワセアオバ及びワセヒカリとも選抜系統と原品種との間に有意な差は認められなかった。また,1984年に行った耐倒伏性選抜系統と原品種との比較試験結果でも,ワセアオバ及びワセヒカリとも選抜系統と原品種との間に有意差は認められなかった。以上の結果より,耐倒伏性の選抜はワセアオバでは極めて効果的で,ワセヒカリでもかなりの選抜効果が期待できるが,種子収量に対する選抜効果はほとんど認められない。さらに,耐倒伏性及び種子収量に対する選抜は,牧草収量を高める選抜にとって必ずしも不都合ではないことを例示するものである。
著者
近藤 ふさえ 中島 亨 鈴木 麻美 田中 伸一郎 田中 利明 下山 達宏 半田 桂子 浅間 泉 古賀 良彦 石田 均
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.435-443, 2006-09-01

本研究は、T2DMを対象に携帯型身体活動測定器(以後Actigraphと略す)を用いて測定した。睡眠時活動量とPittsburgh睡眠調査票(PSQI)、起床時睡眠調査票AM版(OSA)、およびHbA_<1c> を分析した。その結果、T2DMでは高齢者よりも非活動期(睡眠期)時の活動量(mG)が多く、入眠時の活動と中途覚醒による活動が推察された。HbA_<1c>が高いほどGlobal scoreは高くなる傾向はあるが、有意な差は認めなかった(r=0.30, p=0.304)。また、OSAでは「I起床時眠気」「II入眠と睡眠時間」で平均より低かった。T2DMは「眠れない」と自覚する以前に睡眠障害が出現している可能性が示唆された。
著者
西嶋 尚彦 鈴木 宏哉 大塚 慶輔 田中 秀典 中野 貴博 高橋 信二 田渕 裕崇 山田 庸 加賀谷 淳子 福永 哲夫 久野 譜也 松田 光生
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.213-224, 2003-08-01
参考文献数
37
被引用文献数
3 2

The purpose of this study was to confirm the causal structure model of muscle, motor and living functions utilizing structural equation modeling (SEM). As subjects, 103 community-dwelling older men and women, aged 65.7±6.9 years of age, participated in the study to measure muscle cross-sectional area, maximum voluntary contractions, muscle power, 4 physical performance tests, and 16 questionnaires regarding ability of activities of daily living. The causal structure model of muscle, motor and living functions was hypothesized to be a hierarchical causal structure. The causal structure model of muscle function was hypothesized to be a hierarchical causal structure consisting of 3 sub-domains of muscle mass, muscle strength, and muscle power. Data analysis procedures were as follows : a) testing of construct validity of muscle function variables using confirmatory factor analysis (CFA) in SEM ; b) testing of causal structure using SEM ; c) testing of factor invariance using multi-group analysis for gender. The highest goodness of fit indices was obtained in the causal structure model of muscle, motor and living functions (NFI=.928, CFI=.978, RMSEA =.061). The causal coefficient of muscle function to motor function was. 98 (p<.05), followed by .34 for motor function to living function. From the results of multi-group analysis, the measurement invariance model indicated the highest goodness of fit indices (TLI=.968, CFI=.977). It was concluded that the hierarchical causal relation was among muscle, motor and living functions, and in which muscle function was consisted of 3 sub-domains.
著者
磯貝 英一 明石 重男 寺澤 達雄 赤平 昌文 鈴木 智成 宇野 力
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

研究代表者及び各分担者はこの研究課題に直接的又は間接的に関係する研究成果を得ることができた。代表者の得た主な研究硬果は次のようなものである。1.二乗誤差に標本抽出費用を加えたものを損失関数としたとき、母平均と母分散が未知な正規分布における標準偏差のべきの点推定問題を考えた。損失関数の期待値であるリスクを最小にする標本数で推定するとき、標本数が大きいときの漸近的に最適な標本数には未知母数が含まれる。そこで、逐次推定量を提案し、1標本抽出費用が十分小さいとき、この逐次推定量に対するリスクおよび平均標本数の漸近展開を求めた。この結果はMetrika vol.55,no.3(2002)に掲載された。2.正規分布における未知な尺度母数のべきの点推定問題を考えた。リスクとして平均二乗誤差を考え,このリスクがある与えられた誤差値以下になるような最小の標本数を用いて推定したい。この場合、最小の標本数の近似値は未知な尺度母数を含む。そこで標本抽出を停止する停止規則を定義し、与えられた誤差値が十分小さいときリスクに関する条件がみたされることを示した。また、リスクとして平均2乗誤差と標本抽出にかかる費用の和を用いたとき、指数分布における未知な尺度母数のべきの点推定問題も考えた。本論文で得られた成果はSequential Analysis, vol.22,no.1&2(2003)に掲載された。3.指数分布における未知な尺度母数のべきの有界危険点推定問題を考えた。リスクとして平均二乗誤差を考え、このリスクがある与えられた誤差値以下になるような最小の標本数を用いて推定したい。この場合、最小の標本数の近似値は未知な尺度母数重合むため実際には利用できない。そこで標本抽出を停止する停止規則を与え、与えられた誤差値が十分小さいときリスクに関する条件がみたされることを示した。本論文で得られた成果はScientiae Mathematicae Japonicae, vol.58,no.1(2003)に掲載された。
著者
高木 相 藤木 澄義 谷口 正成 鈴木 伸夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.112, pp.65-72, 2000-11-30
被引用文献数
2

本研究は、交通問題でもっとも重要かつ関心事である交通渋滞の生成と解消の過程を明らかにし、交通信号制御の適正化を計るための交通シミュレータの開発を目的としている。本文では、交差点における車両群の挙動を、車両の時空間特注(t-sダイヤグラム)で定式化する。一つの交差点に着目して、車両群の挙動をt-sダイヤグラムによりモデル化し、車両の挙動を規制するパラメータと交通流の関係をショックウエーブ論から導出する。交差点に入る車両群と出る車両群の入出力関係を定式化して、渋滞の生成、解消の時空間特性を明らかにする。シミュレータ開発のために必要なパラメータ群と必要な関係式を取りまとめて示す。A traffic congestion problem is one of the most annoying things in today's motorizied society. However, since the traffic behaviors are so difficult to analyze, no adequate counter measures have yet been applied to solve it. In this paper, the authors show analytically the behaviors of vehicles passing thorough single intersecting point which is controlled by a traffic signal, for that the time-space (t-s) diagram is used as a model and the shock wave theory is applied. The results of the analytical formulations may become a base to a practical road traffic simulation.
著者
王 青躍 鈴木 美穂 中島 大介 三輪 誠
出版者
埼玉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

近年、黄砂の飛来とスギ花粉飛散ピークと重なって度々出現し、同時にスギ花粉アレルゲン含有粒子の高濃度現象が観測されているため、都市部において、黄砂がスギ花粉と接触し、スギ花粉アレルゲンの放出や修飾影響、アレルギーの増悪など、花粉症罹患への黄砂や汚染物質の複合影響を評価した。特に、スギ花粉アレルゲンの微小粒径への移行は降雨が影響しており、降雨のイオン成分やpHによるスギ花粉アレルゲンの溶出挙動とその活性変化を検討した。
著者
鈴木 誠一 佐々木 厚 吉村 正久 佐々木 あかり 金浜 耕基
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.115-120, 2003-06-15
参考文献数
4

シンテッポウユリを種子親,ヒメサユリを花粉親として育成されたユリの新品種'杜の乙女','杜の精','杜のロマン'の半促成栽培〜超促成栽培の可能性を検討した.これら3品種は,普通栽培では5〜6月に開花する.初めに,新りん茎をプランターに植え付けて自然低温に遭遇させた後,11月1日〜3月1日に加温を開始すると,'杜の乙女'は2月24日〜5月3日,'杜の精'は3月14日〜5月6日,'杜のロマン'は4月1日〜5月10日に開花した.次いで,9月3日に新りん茎を掘り上げて5℃または13℃で4〜8週間低温処理を行ってから温室内に植え付けたところ,'杜の乙女'は12月23日〜1月17日,'杜の精'は1月6日〜1月21日,'杜のロマン'は1月25日〜2月15日に開花した.さらに,新りん茎を7月8〜28日に掘り上げて5℃または13℃で6週間低温処理を行ってから温室内に植え付けたところ,'杜の乙女'は10月16日〜11月11日,'杜の精'は10月17日〜11月15日,'杜のロマン'は11月5日〜12月1日に開花した.
著者
堀池 寛 福田 武司 鈴木 幸子 山岡 信夫 近藤 浩夫 峰原 英介 宮本 斉児 峰原 英介 宮本 斉児 近藤 浩夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ピコ秒パルスを持った高輝度の自由電子レーザーを利用して、原子炉や燃料集合体等の大型構造体の非熱解体技術への適用性を実験的に調べた。軽水炉用燃料被覆管材料であるジルカロイ4等を用いて、市販最新鋭レーザーと切削形状を比較した結果、これら原子炉材料の効率的(狭切削幅)非熱プロセスが実現可能であることを示した。また、ナノ秒パルスレーザーを用い、加工切削形状へ与える基礎的な条件を確認し、厚肉構造材を加工するために必要なレーザー光および導光のための光学系が備えるべき条件を実験的に確認した。
著者
山田 邦夫 乘越 亮 鈴木 克己 西島 隆明 今西 英雄 市村 一雄
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.356-362, 2009 (Released:2009-07-28)
参考文献数
38
被引用文献数
26 38

開花は園芸学的に重要な現象であるにもかかわらず,その形態学的研究に関する報告は限定されている.バラ花弁の成長発達において,いつ細胞分裂が停止し,また細胞の形態がどのように変化するのかなどは明らかとはなっていない.本研究では,バラ花弁の発達にともなう細胞形態の変化を詳細に明らかにすることを目的とした.バラ(Rosa hybrida L. ‘Sonia’)花弁を 6 つの開花ステージごとに採取した.細胞の形態の変化は,花弁横断切片を光学顕微鏡,透過型電子顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて観察し,表皮細胞数はノマルスキー微分干渉顕微鏡を用いて測定した.表皮細胞の数は開花にともない増加したが,背軸側の表皮細胞数の増加速度は向軸側に比べより早い時期から緩やかとなった.表皮細胞の面積は,開花後期のステージで,細胞数の増加と比較して著しく急激に増大していた.これは,開花後期のステージでは花弁成長は主に細胞肥大によるものであることを示唆している.開花にともない,花弁における海綿状組織の細胞は独特の肥大成長によって多くの空隙を作りだしていた.また花弁頂部側の表皮細胞では水平方向への肥大成長が著しく,特に向軸側の表皮細胞では液胞の巨大化がともなう細胞肥大が観察された.細胞肥大のパターンが花弁内の組織によって異なっていることが,バラ花弁の開花に伴う反転に寄与していると思われる.
著者
鈴木 啓助
出版者
信州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

中部山岳地域の八方尾根、西穂高岳、乗鞍岳、木曽駒ヶ岳、御岳、八ヶ岳において積雪全層採取を行い、全層の詳細化学分析を実施中である。なお、乗鞍岳においては、同地点で複数回の採取を行い時間変化を検討する。さらに、特異な濃度変化を示す木曽駒ヶ岳については、尾根から山麓までの多点でのサンプリングを実施した。各採取地点において積雪全層の断面観測を行い、層構造が攪乱されていないことを確認し、積雪全層を3cm間隔で採取した。採取した雪試料は清浄なビニール袋に入れて実験室に持ち帰り、実験室で融解した後ろ過し、pHおよび電導度を測定した。また、イオンクロマトグラフ(DIONEX : DX-500)により主要イオン濃度を測定した。湿性沈着および乾性沈着によって大気から積雪中にもたらされた化学物質は、積雪表面からの融雪水の移動がなければ堆積した時の層に保存される。そのために、積雪全層から雪試料を採取することにより、初冬の積雪開始時から採取時までの積雪層の化学特性が時系列的に解析可能となる。現在までのところ、次のことが明らかになった。1.海塩起源物質であるNa^+やCl^-の濃度は、八方尾根、西穂高岳などの北アルプス北部では高濃度であるが、木曽駒ヶ岳や八ヶ岳などでは比較的低い濃度を示す。2.黄砂が観測された際には積雪中のCa^<2+>やSO_4^<2->の濃度が大きくなる。3.人為起源物質であるNO_3^-やnssSO_4^<2->の濃度は比較的どの地点においても高濃度の場合があり、特に、太平洋に近い地点での降雪では比較的高濃度になる。
著者
鈴木 克彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.509, pp.165-172, 1998
参考文献数
13
被引用文献数
3

The object of this study is to clarify sufferers' views on residential environment planning for disaster prevention by applying the building agreement. From the finding of the survey in the stricken areas by the Hanshin-Awaji great disaster, it was found that in building agreement areas where the damage by earthquake disaster had been big, the building agreement had been placed high evaluation on disaster planning. And, it was further clarified that the sufferers' views on building regulation for disaster prevention have been relevant to environmental conditions of the community before the earthquake disaster.
著者
嶋 昭紘 酒井 一夫 鈴木 捷三 小佐古 敏荘 井尻 憲一
出版者
東京大学
雑誌
核融合特別研究
巻号頁・発行日
1988

1.今年度は昨年度にひきつづきトリチウムシミュレーターのハードウェア部分の最終調整、実用に供せる形でのソフトウェア設備、実地利用、操作方法のマニュアル化等を行った。2.自家開発したメダカ特定座位法により、生殖細胞突然変位の線量率効果を調べた。1000Rを急照射(1000R/10min:100R/min)または緩照射(1000R/24hours:0.694R/min)した野生型雄メダカと、3標識を持ったテスター雌メダカ(b/b gu/gu 1f/1f)を交配し、胚発生過程における死亡と変異形質を検索した。その結果、(1)優性致死率は、精子では緩照射でより高いという逆の線量率効果が認められ、(2)特定座位突然変異頻度の急照射/緩照射の比は、生ずる突然変異に関してはどのステージにおいても1.0より大きく、線量率効果が認められるが、(3)総突然変異については、急照射/緩照射の比が2.13、2.10、0.88(各々精子、精細胞、精原細胞)となり、有意差は精子と精細胞においてのみ認められた(p<0.05)。3.トリチウムシミュレーターを用い、哺乳類培養細胞の細胞死および突然変異が対数的減衰線量率照射と一定線量照射により違いがあるかどうかを調べた。その結果、コロニー形成法でみた細胞死の割合、6TG耐性を指標にした突然変異頻度ともに、対数的減衰線量率で照射した場合の方が効果的であることがわかった。
著者
朴美姫 鈴木 義人 蝶野 真喜子 山口 五十麿
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.36, pp.43-44, 2001-10-09

Gibberellin responsive gene 092 was isolated from cucumber hypocotyls by means increased in hypocotyls of cucumber by GA treatment. The sequence data suggested that the clone encoded an arabinogalactan-protein. The ful1-length cDNA of 092 was introduced into tobacco plants under the control of 35S promoter The AGP was extracted and purified from the transgenic tobacco by reversed-phase-high performance liquid chromatography (RP-HPLC) and gel filtration chromatography (GFC) and analyzed Using β-glucosyl Yariv reagent which binds selectively with AGPs. The transgenic plants gave aβ-Yariv-reactive peak in addition to those present in wild type plants. β-Yariv regent inhibited hypocotyl elongation promoted by GA and IAA treannent in intact cucumber seedling and hypocotyl segments of azuki bean. Together with results using anti-AGP antibodies, the product of 092 was suggested to be an AGP. The transgenic tobacco plants showed earlier flowering than wide ty'pe plants.
著者
鈴木 宏正
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究ではX線CT装置による実体計測技術をベースとした新しいエンジニアリングを実現するためのモデリング技術について研究している。特に、CTデータから物体の表面を表す3次元のポリゴンデータ(メッシュデータ)を生成する。このような処理を等値面抽出というが、平成15年度は、特に多媒質境界抽出手法を開発し、アルミ、鉄、空気の3媒質などの場合の多数の媒質が出会うところの非多様体を生成する手法を開発した。これは、CTデータから面貼りに必要な情報と領域を抽出する3次元の画像処理アルゴリズムと、それに対して面を生成するMarching-Cubeabilityという概念を創案し、新しいアルゴリズムを作った。16年度は薄板のCTデータから、その中立面ポリゴン生成機能を重点的に研究した。この中立面生成機能では、従来の等値面抽出法を適用することができないプレス部品のような板構造を扱う。そのために板の中立面に相当するボクセルからポリゴンを生成する方法を開発した。また、精度評価のための試験用サンプル部品を作成し、実際にCTデータを計測によって求めて、その評価を行った。その結果、我々の手法で作成された中立面は、マーチングキューブによって作成した表面メッシュとほぼ同等の精度を持つことが確認された。一方、薄板部品ではその強度が問題になる。そこで中立面に対して板厚も計算し、薄板の板厚分布を求める手法を提案した。また、より複雑な薄板構造物では、溶接によって複数の板が組み合わされる場合が多い。そのため、溶接部分を認識して、複数の部品に分解する方法を考案した。これによって溶接されている場合でも、それを複数の部材に分解して中立面を求めることができるようになった。
著者
田中 一朗 戸田 保幸 松村 清重 鈴木 敏夫
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1987

船首尾部で発生する3次元剥離の発生機構及びその船型要素との関係を明らかにするとともに、これらの影響を考慮した船体まわりの流場、船体に働く流体力の計算法を開発することを目的とする。以下に調査法とその結果について述べる。1.通常船型を横断面積分布、偏平度分布、へこみ度分布を用いて表し、この船体が斜航する場合の流場の計算法を示した。この結果、剥離渦の強さ及び剥離線はへこみ度分布に強く依存することがわかった。2.上記計算法には剥離渦の発生初期の形状を必要とする。これを得るために、剥離渦を伴う円錐まわりの自己相似流場について調査し、剥離線近傍の剥離渦の形状を摂動法により求めた。この解はレイノルズ数が無限大の時に起きる剥離構造を示すことがわかった。しかし、この解析解は渦の端が無限遠方で渦の巻き込みを表せないため、この解を元に渦の局所的流速を用いて解を大局化させる反復法による計算法を示した。この結果、渦層は円錐からあまり離れず、有限レイノルズ数の渦層形状とはかなり異ることが明らかとなった。3.厚い境界層理論と簡易プロペラ理論を用いてプロペラ作動時の実用船型まわりの流場の計算法を開発した。その結果、プロペラ作動時においても計算結果は実験結果とよい一致を示すことがわかり、また、プロペラ作動時の方が船体表面圧力分布に及ぼす粘性影響が小さいことがわかった。また船体横断面形状をフレアーを持つように変形することで粘性圧力抵抗が軽減されることがわかった。4.船首砕波する流場を低フルード数という仮定で解析的に求めた。その結果、渦を伴っていない局所波は実験で得た波形によく似た形状となることがわかった。
著者
鈴木 敏正 大沼 義彦 宮崎 隆 椎名 恒 木村 純 YOSHIHIKO Ohnuma シャナハン ピーター クィールド ジョン
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

いわゆる「第三の道」をめざしてヨーロッパ諸国の生涯学習政策は、社会的排除を克服し社会的結合を推進しようとし、とくに辺境地域におけるプロジェクトを強化している。本協同研究では、ヨーロッパと日本の辺境である北アイルランドと北海道を対象とした実証的研究をとおして、「社会的に排除された人々とともにある教育」としての「地域社会発展教育または地域づくり教育community development education」の実態と課題を明らかにした。第1に、現段階の日英両国における生涯学習政策の比較検討とイギリス・北アイルランドにおけるその展開、革新的な地域社会教育の国際的・歴史的発展と諸モデル、成人教育の資源としての「社会的資本social capital」の役割を明らかにし、新たなモデルとしての「エンパワーメントのための地域社会発展教育」を提起した。第2に、北アイルランドを中心として、アイルランド北西部で展開されている地域社会発展とそれにかかわる成人教育の実践分析をした。それは、地域社会とアルスター大学のパートナーシップ活動、コミュニティケア、「社会的経済」、女性グループ活動、内発的スポーツ、農村地域社会発展、ヨーロッパ11大学協同による地域活動家・関連諸専門職の教育訓練プロジェクト、の諸領域にわたる。第3に、上記と比較した北海道における地域調査研究であり、不安定就労者・失業者の統計的検討、労働者協同組合活動、市民演劇活動とくに対人関係職員・労働者に対するワークショップ、および市民活動としての環境保護運動の展開過程の分析、そして地域づくりにかかわる大学の役割の解明をした。