著者
福田 雅幸 高橋 哲 高野 裕史 永井 宏和 山崎 嘉幸
出版者
東北大学歯学会
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.52-55, 1998-06

野生動物の襲撃は, 時として致命的である。われわれは, 致命的な熊の襲撃を受けた患者の治療を経験したので報告する。患者は, 69歳, 男1生で野生の熊に遭遇し, 刺創および咬創を受け, 当院救急部に担送された。直ちに, 処置が施され, 一命をとりとめることができた。現在, 最終の手術から, 1年6か月が経過したが, 経過は良好である。
著者
高橋 信行 タカハシ ノブユキ Takahashi Nobuyuki
出版者
鹿児島国際大学附置地域総合研究所
雑誌
地域総合研究 = Regional studies (ISSN:09142355)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-17, 2012-09

This study aimed to conduct an analysis based on a survey performed in 4 municipalitieswhich investigated social isolation among elderly persons living alone. This study was conductedas collaborative research between the Minami-Nippon Shimbun and International University ofKagoshima in September 2011, and obtained sample data from 1,000 cases with the support oflocal welfare staff members. Although economic deprivation is often considered the greatest riskfactor for social isolation among elderly persons, this study also focused on differences betweenurban and depopulated areas to analyze the data. As the results, the level of social activities andsense of isolation were particularly affected by the level of income. This was marked in depopulated areas, where infrastructure has not been improved compared to urban areas.
著者
秦 吉弥 矢部 正明 野津 厚 葛西 昭 高橋 良和 松崎 裕 秋山 充良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.63A, pp.265-278, 2017 (Released:2018-06-08)

下記の論文は撤回されました.記秦吉弥,矢部正明,野津厚,葛西昭,高橋良和,松崎裕,秋山充良:臨時余震観測に基づく2016年熊本地震における西原村および南阿蘇村の被災橋梁に作用した地震動の評価,構造工学論文集,Vol. 63A,pp. 265-278,2017.撤回の理由2019年3月15日に大阪大学より公表された研究活動上の特定不正行為に関する調査結果において,本論文に対して第一著者による特定不正行為(ねつ造)が認定されたため,撤回した.
著者
田中 光太郎 高橋 けんし 戸野倉 賢一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.78, no.789, pp.1003-1007, 2012 (Released:2012-05-25)
参考文献数
7

A near-IR laser based spectrometer for continuous measurement of stable carbon isotopes in CO2 has been developed. 12CO2 and 13CO2 are detected with wavelength modulation spectroscopy and a Herriott-type multi-pass cell with a optical path length of 29.9 m using a distributed feedback laser diode in the 2-μm wavelength region. To measure the isotope ratio precisely, the influence of pressure and temperature variation in δ13C was evaluated. The limit of detection for 12CO2 in our system was 16 ± 1 ppbv. The precision in the determination of δ13C was 0.1‰ for 120 seconds signal integration time at ambient concentration levels. We demonstrate that our system enables automated continuous measurements of δ13C of CO2 in ambient air without any complex operation by users.
著者
下田 正弘 蓑輪 顕量 永崎 研宣 大向 一輝 宮崎 泉 納富 信留 Muller Albert 苫米地 等流 藏本 龍介 船山 徹 高橋 晃一 師 茂樹 齋藤 希史 高岸 輝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は「人文学がデジタル時代にいかに遂行されうるか」という次世代の人文学にとって重要なテーマについて、人文学諸分野が参照可能なデジタル知識基盤を仏教学から提供し、人文学全体が共同で未来を開く方法論を検討する〈統合デジタル研究環境〉を形成する。そのため、人文学におけるテキスト、画像、事物、行為等の研究対象の相違と、思想、言語、歴史、行動科学等の研究方法の相違の両者を視野に入れ、両者から生まれる知識の多様性を、デジタル技術を通し効果的に保存し利用する多層的概念モデルを構築し、新大蔵経データベース(新SAT-DB)に実装して提供する。
著者
清水 久央 原谷 浩司 宮崎 将行 掛樋 善明 長見 周平 片浪 雄一 川端 寛樹 高橋 信行
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.495-498, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
9

症例は38歳男性.ダニ刺咬後2ヶ月経過してから片側顔面神経麻痺を呈した.ベル麻痺としてステロイド,アシクロビルを投与し2週間で症状は消失.ライム病の可能性も考慮しドキシサイクリンなどの内服を2週間行った.2ヶ月後に頭痛,発熱などの髄膜炎症状が出現.髄液検査では単核球優位の細胞数上昇を示した.アシクロビルの投与で症状は軽快したが血清ボレリア抗体が陽性でありライム病による髄膜炎と考えた.セフトリアキソンを点滴静注し以後再発はない.抗菌薬を投与したにもかかわらず髄膜炎に進展する症例はまれである.ライム病は本邦では症例が少なく診断が難しい疾患であるが,治療効果の判断にも注意が必要であると思われ報告した.
著者
高橋 範行 大串 健吾
出版者
日本音楽教育学会
雑誌
音楽教育学 (ISSN:02896907)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-11, 2004 (Released:2017-08-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1

ピアノ演奏における熟達者と非熟達者の相違を調べるため, 平易なピアノ曲を演奏楽曲として用い, その演奏から得られたMIDIデータをもとに両者の演奏傾向の定量的な比較を行った。その結果, フレーズ表現におけるダイナミクス, 旋律と伴奏の音量バランス, 楽曲終結部分におけるリタルダンドの有無, レガートにおける連続した音同士の重なり方などの点において両者の間に相違が観察された。さらにこれらが聴取者の演奏評価にどのように影響するのかと調べるために, 両者のデータを反映した演奏を作成して聴取実験を行ったところ, このような非熟達者の演奏の特徴が聴き手の演奏評価に否定的に作用している可能性が示された。
著者
高橋 昭紀
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.47-53, 2014-03-30 (Released:2017-05-19)
参考文献数
56
被引用文献数
3

白亜紀/古第三紀境界(K/Pg境界;約6,600万年前)で生じた、小惑星衝突を引き金とする大量絶滅について、動物の分類群ごとによる絶滅の選択性(絶滅したか、生き延びることができたか)の原因に関してレビューする。同境界において、陸上脊椎動物では非鳥型恐竜類と翼竜類などが絶滅して、鳥類・カメ・ワニ・トカゲ・ヘビや両生類・哺乳類などは絶滅しなかった。その選択性の原因として、(1)衝突後数分から数時間までに、木陰や洞穴、淡水環境に逃避できたか否かという生態や生活様式の違い、(2)生食連鎖か腐食連鎖のどちらに属するかという違い、および(3)体サイズにより必要となる餌やエネルギー量の違い、が挙げられる。これらの複合的な生態の相違によって、大量絶滅時の選択性が左右されたのである。また、アンモナイト類は絶滅したが、オウムガイ類はK/Pg境界を超えて生き延びることができた。この運命を分けた原因は、幼生期に海洋表層でプランクトン生活を送っていたか、それとも深海で棲息していたかという棲息場所の違いである。その結果、衝突後に大量に降ったと推定されている酸性雨からの被害が大きく異なり、両者の運命を分けたと考えられる。長年、白亜紀末の絶滅の生物選択性には多くの疑問が提示されてきたが、以上で挙げたような生態学的要因によって、その多くが説明できると考えられる。
著者
舛田 勇二 國澤 直美 高橋 元次
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.201-208, 2005-09-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
10
被引用文献数
3 11

肌の透明感は美しい肌の大きな要因の一つである。しかし, 現時点では実用的な評価法は美容技術者による視覚評価しかなく, また, どのような皮膚生理特性がいかなる作用で透明感を変化させるかについては明らかになっていない。本研究の目的は, 光学的手法を用いて肌の透明感を客観的に評価する方法を確立することと, 透明感に与える皮膚生理特性の作用機序を明らかにし肌の透明感向上に高い効果のある商品を開発することである。ゴニオメーターの入射光部と受光部に偏光フィルターを組み込むことで反射光を拡散反射成分と鏡面反射成分に分離して計測可能な光学測定機器 (変角偏光反射率測定装置; 偏光ゴニオメーター) を開発した。偏光ゴニオメーターにより計測される鏡面反射光および拡散反射光と透明感との関係を解析した結果, 透明感と拡散反射光の強さには高い正の相関 (r=0.699) があることが判明した。一方, 鏡面反射光とはほとんど相関 (r=0.190) がなかった。透明感と皮膚生理特性間でのPLS解析 (Partial Least Square Analyses) の結果から, 透明感の高い肌はキメが細かく整っており, 角層水分量が多く, メラニン量, ヘモグロビン量が少ないことがわかった。透明感のある肌の皮膚生理要因に対応させて「美白剤」「血行促進剤」「高保湿剤」を配合した美容液を作製し, 一般女性パネルを対象に8週間の連用効果試験を実施した。連用後において偏光ゴニオメーターによる拡散反射光は統計的有意差をもって増加し, 被験者の自己評価においても透明感の向上が認められた。
著者
今井 浩三 中村 卓郎 井上 純一郎 高田 昌彦 山田 泰広 高橋 智 伊川 正人 﨑村 建司 荒木 喜美 八尾 良司 真下 知士 小林 和人 豊國 伸哉 鰐渕 英機 今井田 克己 二口 充 上野 正樹 宮崎 龍彦 神田 浩明 尾藤 晴彦 宮川 剛 高雄 啓三 池田 和隆 虫明 元 清宮 啓之 長田 裕之 旦 慎吾 井本 正哉 川田 学 田原 栄俊 吉田 稔 松浦 正明 牛嶋 大 吉田 進昭
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動 : 前年度立ち上げたホームページ(HP)に改良を加えて公募の円滑化を進めた。モデル動物作製解析の講習や若手研究者の交流促進を推進する技術講習会を開催した。成果ワークショップを開催し本活動の支援成果をアピールした。②モデル動物作製支援活動 : 相同組換えやゲノム編集など支援課題に応じた最適な胚操作技術を用いて、様々な遺伝子改変マウスおよびラットを的確かつ迅速に作製し、学術性の高い個体レベルの研究推進に資する研究リソースとして提供した。件数は昨年度より大幅に増加した。③病理形態解析支援活動 : 昨年より多い35件の病理形態解析支援を7名の班員で実施した。研究の方向性を決定づける多くの成果が得られた。論文の図の作成にもかかわり、論文が受理されるまで支援を行った。その結果、より高いレベルの科学誌にも受理された。④生理機能解析支援活動 : 疾患モデルマウスの行動解析支援を実施するとともに、諸動物モデルでの規制薬物感受性解析、光遺伝学的in vivo細胞操作、意志決定に関与する脳深部機能解析、等の支援を展開した。⑤分子プロファイリング支援活動 : 依頼化合物の分子プロファイリング316件、阻害剤キット配付86枚、RNA干渉キット配付・siRNAデザイン合成83件、バーコードshRNAライブラリーによる化合物の標的経路探索15件、を実施し、より多くの研究者の利便性を図った。
著者
高橋 将文
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.747-752, 2016-04-10 (Released:2017-04-10)
参考文献数
12

免疫は,細菌やウイルスといった病原体などの異物(非自己)を排除する生体反応であり,ヒトの免疫システムは自然免疫と獲得免疫とに分けられる.免疫システムの異常は様々な疾患の病態に関与するが,自己免疫疾患(autoimmune disease)は主に獲得免疫の異常によって引き起こされる.近年,この自己免疫疾患と対比される疾患として,主に自然免疫の異常に起因する自己炎症疾患(autoinflammatory disease)が注目されている.また,単純な免疫システムと考えられてきた自然免疫が,獲得免疫の始動に必要不可欠であるとともに,自己免疫疾患の発症機序においても重要な役割を果たしていることがわかってきた.中でも,病原体由来の核酸を認識する自然免疫のパターン認識受容体(pattern recognition receptor:PRR)が,自己由来の核酸を認識することで炎症・免疫反応を惹起し,代表的な自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の病態に関与することが明らかになってきている.
著者
高橋 征資 公文 悠人 竹田 周平 稲見 昌彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.J39-J45, 2012 (Released:2012-01-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

We propose a remote transmission system of hand clapping from the audience to the performer on live video streaming. This system consists of a collection system for a clapping button and hand clapping machines. The collection system for these buttons is to count the number of clicks they receive on the related website. The hand clapping machine is a mechanical device that imitates hand clapping and works by increasing the number of the clicks to produce a clapping sound and the physical movements of hands at the shooting location. This system is intended to reproduce the simple presence of the audience at the shooting location by transmitting movement and sound of hand clapping in real-time. We consider and evaluate this system by observing the behavior and the evaluation of the performer and audience at performances where this system is used.
著者
辻 洋志 臼田 寛 高橋 由香 河野 公一 玉置 淳子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.63-71, 2016-03-20 (Released:2016-06-07)
参考文献数
40

目的:現在,日本では少子化に伴う労働力不足を補うために外国人を採用する企業が増加している.米国では移民労働者の労働衛生に関する研究が進んでいるが,日本においてはほとんど報告がない.本調査は,米国における移民労働者の労働衛生の現状と課題,および取り組みを明らかにすることを目的とする.方法:米国誌に掲載された移民労働者の労働衛生に関する先行研究論文をレビューし,米国での移民労働者に対する労働衛生の現状と課題,および取り組み事例の調査を行った.結果:米国では移民労働者の労働衛生は主に健康格差という側面で研究されていた.先行研究レビューにより,健康格差に影響を及ぼすもしくは可能性のある因子は7つに分類された.カッコ内は各因子に対するキーワードを示す.1.職業選択(有害業務,業務上負傷,休業,ブルーカラー,低出生体重児)2.教育(学歴,ヘルスリテラシー,衛生教育),3.文化(配慮,コミュニティー人材),4.環境(劣悪環境,地域差,環境変化)5.アクセス(言語,統計,労災補償,医療保険,受診自粛),6.感染症(結核,エイズ,フォローアップ),7.差別(人種,暴行,ハラスメント).また,共通した課題として移民労働者のデータ不足が指摘された.取り組みの事例調査では企業や地域団体が複数の因子に対して組み合わせて対応することが行われていることがわかった.考察:米国では移民労働者の労働衛生研究が多く行われている.しかし,調査対象である移民労働者のデータが不足していることが課題となっている.先行研究レビューの結果,多くの論文が健康格差を取り上げていた.健康格差に影響を及ぼすもしくは可能性のある因子は7つに分類する事ができ,各因子のキーワードに関連した取り組みが求められていると推察された.取り組みの事例調査では企業や地域団体が複数の因子に対して組み合わせて対応することが行われており,社内外の労働衛生従事者は,7つの因子すべてに着目した柔軟な対応が求められている.日本でも健康格差の原因となりうる因子に関するデータの蓄積および研究の推進と共に,企業や地域の取り組みが喫緊の課題である.
著者
岡部 幸祐 高橋 菜奈子 山本 和雄
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.2013, 2018-08-31 (Released:2018-09-08)

創設から2年を経過し,2017年度末には543機関が参加する機関リポジトリコミュニティとなったJPCOARの様々な活動から,オープンアクセスの先端的機能の開発を担うタスクフォースにおける活動と国際会議での発表等,国際的な連携の活動を中心に報告する。このことにより,学術コミュニケーションをめぐる国際的な研究環境の変化の中で,機関リポジトリを核として,大学図書館が果たすべき役割を考察する。