著者
MATSUMURA S. TAMANUKI K.
出版者
松村 松年
雑誌
INSECTA MATSUMURANA (ISSN:00201804)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.175-177, 1927-05
著者
福田 祐子
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

申請者はこれまで、先行研究をもとに、農園部での労働は過酷で、労働・生活環境は近年改善されつつあるものの必ずしも良好とはいえないとの考察を得た。一方、ILOとSL統計局「こどもの活動調査票」(16000世帯60000人)25%のデータから、民族の違いによりこどもたちの労働や家事従事に違いがあるのか2次分析を行ったところ、少数民族のこどもの方が労働や家事に従事していると思われてきたが、比率的には多数民族シンハラ人のこどもの方が従事しており、その差は統計的に有意であった。しかし、労働しているこどもたちの労働時間をみたところ、少数民族のこどもの方が長時間、労働に従事していた。さらに、都市・農園・農村(小規模農家以外)・小規模農家の4セクターに分け、違いをみたところ、労働に従事しているこどもの比率は農村家庭のこどもが多かったが、労働しているこどもたちの中で、長時間労働に従事しているこどもの比率が高かったのは農園部であった。先行研究及び2次分析から明らかになったのは、労働や家事に従事しているこどもの状況は民族の違いだけでなく、居住地域と経営形態(プランテーション農園、小規模農家、その他の農村)の違いに影響を受けていることであった。また、民族という視点から「こどもの在籍状況」を2次分析したところ、SL全体では民族により違いがあるが、居住地域ごとでは都市以外の3地域では民族による違いがみられず、先行研究とは異なる知見が明らかとなった。上記の2次分析に加え、2014年7月及び12月にスリランカのデニヤヤ・モロワカ地域を訪問し、働き手にインタビューするとともに、村役場職員・保健婦・学校長も訪問し、インタビューを行った。
著者
松山 郁夫
出版者
佐賀大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究により、①自閉症児者の家族は、自閉症があると社会適応が困難で支援体制が不十分と捉えていること、②障害者支援施設の生活支援員は、自閉症児者の状態に応じた支援が必要と認識していること、③発達障害者支援センターの相談支援者は、自閉症児者の状況把握の困難さ、障害の特性、適応行為の困難さを問題視していること、④地域の支援者は、自閉症児者に対する自立生活と余暇生活に対する支援を重視していること、以上が明らかになった。これらのことは、青年期・成人期の自閉症者に対する地域包括支援を行う上で重視すべき視点と考察した。
著者
飛龍 志津子
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,コウモリもつ高度に発達した超音波センシングの実態解明を目的とし,室内及び野外においてコウモリの音響行動を計測した.まず室内での障害物回避や標的捕獲中のエコーロケーション行動から,①超音波のビーム幅を状況に応じてアクティブに変化,②ビーム幅の狭いコウモリは視野を補償するためより頻繁に放射方向のシフトを行う,③重要な障害物の方向にパルスを放射する,などがわかった.野生コウモリの採餌飛行では,①コウモリが直近の獲物だけでなく,その次の獲物も視野に捉えていること,また②flight attentionも先を予測する方向に向けられていること,などを見出した.
著者
筒口 拳 デュッペンターラー マーク 小島 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.23, pp.41-44, 2011-06-13
被引用文献数
1

動画像のベクトル化を実現する手法を提案する.初期フレームを静止画像としてBezierパッチによるベクトル化を行い,Bezierパッチを構成する頂点/制御点を以降のフレームで追跡し,各パッチおよびその時間変化を,空間座標値と時間座標値,および色値を持つ4次元空間上のBezier立体として表現する.隠蔽のない被写体を撮影した動画像に対し本手法を適用した結果を示す.
著者
長田弘著
出版者
晶文社
巻号頁・発行日
1984
著者
和田 琢 秋山 雄次 横田 和浩 佐藤 浩二郎 舟久保 ゆう 三村 俊英
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.433-438, 2012 (Released:2012-10-31)
参考文献数
22
被引用文献数
6 28

アバタセプト(ABT)を投与後に肺間質影の増悪がみられた関節リウマチ(RA)の1例について報告する.55歳時にRAおよび間質性肺炎を発症した.間質性肺炎は副腎皮質ステロイド大量療法で改善した.RAは多種の疾患修飾性抗リウマチ薬およびインフリキシマブに対して抵抗性であった.タクロリムス(TAC)が有効であったが難治性の掻痒感と下痢のため中止となった.2ヶ月後,関節炎が増悪したためABTの国内第III相試験に参加した.ABT投与2日目から白色痰が出現.痰培養は陰性であり投与13日後に胸部CTを施行した.2ヶ月前に比して間質影の増悪がみられたため,臨床試験は中止された.関節炎に対しABT投与27日後にプレドニゾロンを2 mg/日から10 mg/日に増量した.ABT投与44日後に胸部CTを再検した結果,間質影は改善傾向を示した.本例の発症機序については,ABTによる間質性肺炎の増悪以外に,TAC中止による間質性肺炎の増悪,RA増悪による間質性肺炎の悪化,ウイルス感染の関与なども考えられた.新規抗リウマチ生物学的製剤であるABT投与後に間質性肺炎が増悪した症例は未だ報告されておらず,これが最初の症例報告である.ABTと間質性肺炎増悪の因果関係は不明であり,このような症例の蓄積が必要であると考える.
著者
上田 麻紀 立石 貴久 重藤 寛史 山崎 亮 大八木 保政 吉良 潤一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.461-466, 2010 (Released:2010-07-29)
参考文献数
16
被引用文献数
3 12 4

症例は31歳女性である.クローン病に対してインフリキシマブ投与開始11カ月後に無菌性髄膜炎を発症し一時軽快したが,その後に体幹失調や球麻痺が出現した.髄液検査では単核球優位の細胞数増多,ミエリン塩基性蛋白とIgG indexが上昇しており血清のEpstein-Barrウイルス(EBV)抗体は既感染パターンを示し,髄液・血液PCRにてEBV-DNAを検出した.MRIにて脳幹,大脳皮質下白質,頸髄に散在性にT2高信号病変をみとめ急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.各種免疫治療に抵抗性であったが,ステロイドパルス療法を反復し症状は改善した.抗TNF-α抗体製剤の副作用による脱髄が報告されているが,本症例は抗TNF-α抗体製剤投与中のEBV再活性化によって惹起されたADEMと考えられた.
著者
伊藤 玲子 小林 朋子 古川 典子 関山 忠孝 大木 隆史 平沼 久人 山口 賢二 服部 知洋 林 伸一 橋本 修
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.58-61, 2010-02-01 (Released:2010-06-14)
参考文献数
11

71 歳,関節リウマチ (RA) にて加療中の男性が発熱,呼吸困難のため入院となった.患者は infliximab (IFX) (260 mg) を毎月 1 回,約 1 年間投与されていた.胸部 X 線にて,両側性の浸潤影を認め, 入院時より重症の低酸素血症のため人工換気を要した.血清中 β -D グルカン値上昇と胸部 CT における全肺野に及ぶ地図状のすりガラス陰影の出現により,Pneumocystis pneumonia (PCP) と診断した.ST 合剤投与により速やかに臨床症状の改善を認めた.MTX, IFX 治療を行い免疫抑制状態となった患者にしばしば感染性肺炎や薬剤性肺炎による急性肺障害が発症する.長期に免疫抑制治療を行っている高リスク患者においては,鑑別診断として PCP を念頭に置く必要がある.また,発症予防としての ST 合剤の投与も検討すべきである.
著者
磯部錦司著
出版者
一藝社
巻号頁・発行日
2006
著者
今釜 崇 田中 浩 徳重 厚典 伊達 亮 田口 敏彦
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.204-207, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
11

関節リウマチに対しインフリキシマブ(IFX)投与により臨床的寛解が得られ,投与を中止した症例の経過,特徴を検討した.IFX投与を行った93例中,DAS28の基準で寛解が6カ月以上維持され,患者の同意を得てIFX投与を中止し,1年以上経過観察を行った6例を対象とした.Bio free remissionを1年以上維持できた症例は3例で,3年以上の長期寛解例2例はいずれもSteinbrocker stage II,罹病期間も比較的短い症例で,IFX投与1回目から寛解を獲得していた.またIFX中止前に,Booleanの寛解基準を6カ月以上満たしていたものもこの2例のみであった.長期にBio free remisionを継続する要因として,発症早期で,骨破壊の進行がなく,DASよりも厳格なBooleanの寛解基準を満たすIFXの著効例であることが示唆された.
著者
山口 智之 片岡 直己 冨田 雅史 坂本 一喜 新保 雅也 牧本 伸一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.1722-1726, 2012 (Released:2013-01-25)
参考文献数
11

症例は55歳,女性.慢性関節リウマチに対しインフリキシマブの投与を受けていた.全身倦怠感と採血上の貧血の進行を認め,下部消化管内視鏡検査を受けたところ,回腸末端の潰瘍性病変を認め,生検の結果腸結核の診断となった.胸部CT検査では全肺野に小粒状陰影を認め粟粒結核と診断され,喀痰TB-PCR陽性,塗末で抗酸菌陽性であり,腸結核,粟粒結核の診断となり結核専門病院へ紹介入院となった.このころから腹痛と頻回の下痢を認めていた.結核専門病院を退院後,腹痛が増強したため受診し,CT検査上回盲部の狭窄像と回腸直腸瘻を認めたため外科紹介となった.回盲部切除術と直腸瘻孔部の縫合閉鎖を行った.術後は正常便となり特に合併症なく17日目に退院となった.インフリキシマブが結核発症の危険因子であるのは周知の事実であるが,腸瘻を形成する症例は極めて稀であるので文献的考察を加え報告する.
著者
太田 和敬
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.11-36, 2013-03-01

Through re-consideration of disciplinary education and punishment at school is urgently needed in order to resolve the serious problems that Japanese schools are facing such as suicides due to bullying. Although school principals and teachers are granted the right to discipline and punish students in Japan, few schools have clear guidelines on punishment, and principals tend to be hesitant to punish students.Teachers, however, often penalize students for their misbehavior instead of properly instructing them from an educational viewpoint . Such discipline is ineffective at improving their behavior in many cases. In order to provide order in the classroom, punishment for infringing on other pupils' right to learn must be differentiated from out-of-school discipline to guide behavior. In addition, a teacher's right to penalize students should be banned; punishment should be inflicted only with adequate discipline and with the principal's approval in the case of violence and infringement on learning. Even then, it should be carried out according to proper procedures. To help students better understand, they should given the opportunity to learn about laws regarding the right to learn, discipline, and punishment.
著者
蓮井 誠一郎
出版者
茨城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、ラオスでのクラスター爆弾に特徴づけられる不発弾(UXO)汚染の問題を現地調査を用いて調査した。本研究では、ラオス北部シェンクワン、ルアンパバーン、中部ロンチェン、南部セコンを中心に調査した。調査によって、(1)ラオスでの深刻なクラスター爆弾の汚染状況、(2)地域開発や貧富の格差とUXOの関係、(3)気候変動による洪水とUXOの関係、(4)処理活動における政策上の課題が明らかになった。また、同様にUXOに汚染されている沖縄、茨城の問題を明らかにし、「3.11」後の放射能汚染についてもUXO問題との重要な類似点を明らかにすることができた。