著者
生田 茂 菅野 和恵 江口 勇治 篠原 吉徳 熊谷 恵子
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

「音声や音をドットコード化し, 画像やテキストとともに編集し, カラープリンタで普通紙に印刷する」ソフトウエア技術と, 「印刷されたドットコードをなぞって, 音声や音を取込んだそのままに再生する」ハードウエア技術を活用して, 子どもたちや先生の「生の声」を用いて教材を作成し, 教育実践活動を行った。知的障害児の通う特別支援学校や肢体不自由児の通う特別支援学校, 通常学校に設置された「きこえとことばの教室」などにおいて教育実践活動を行い, 発音を持たない生徒とクラスメイトとの対話を実現し, 教室に居場所を見つけることに成功した
著者
"内山 弘"
出版者
鹿児島大学
雑誌
地域政策科学研究 (ISSN:13490699)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.219-236, (Released:2016-10-28)

"I have collected words and phrases used in 2channel (Ni-channel) and Nikoniko-doga,and divided them into five categories according to their characteristics: (1) grammatical,(2)phonetic,( 3) orthographical,(4 )vocabulary,and (5) style. As a result,I found that the orthographical category (inc1uding pictorial) has the greatest number of expressions,followed by the categories of vocabulary and style. In the orthographical category,there are various expressions influenced by the arrangement of Japanese letters on the key-board,the process of installing Japanese words,the similarity of letter shapes,size of letters,and omission. We find many examples of abbreviations,new words,and change of meaning in the category of vocabulary. It's especially noticeable that the words which were once deconstructed or used as parts of other words and AA (ASCII Art),are rearranged as new words. In style,there are a lot of baby words,euphemisms,and AA,which may help to convey precisely what a writer wants to tell. Based on these analyses,I noticed that there are mainly three motives for producing new Net-words: (1)the writer's desire to differentiate their own words from other writers' words,( 2) the writer's desire to make the work easier,and/or (3) the writer's desire to create novel expressions. I think writers' desires to create novel expressions,or “word neophilia"",is potentially a rich source of new Net-words for the future."
著者
水田 憲志 野入 直美 松田 良孝 松田 ヒロ子 卞 鳳奎
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では以下の成果を得た。(1)日本植民地時代の台湾在住経験をもつ沖縄系移民のエスニシティの多元性について明らかにした。(2)太平洋戦争末期における沖縄県から台湾への疎開と戦争終結後の引き揚げの実態、ならびに台湾沖縄同郷連合会の存在とその役割について明らかにした。(3)戦後初期において石垣島でパインアップルと水牛が普及する過程で台湾系住民が果たした役割について明らかにした。(4)研究成果を地域社会へ還元するために、八重山の地元高校で出前授業を実践した。さらに「八重山の台湾」を学ぶ郷土学習、生涯学習の教材となる図書の出版準備作業を継続中である。
著者
嶋崎 尚子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では1980年前後から職業生活を開始したサラリーマン男女101名分の職業キャリアを中心としたライフコースデータを収集し、職業キャリアに生じた構造的変化を個人水準で観察した。本研究をとおして、サラリーマン男女の働き方が、企業社会における終身雇用制・年功序列制のゆらぎ、男女雇用機会均等法施行、転職労働市場の成立、育児介護休業法等、所属企業の慣行や職場環境、夫婦の働き方や勢力構造、サポートネットワーク、個人の人間行為力Human agencyなど、多元的なコンテクストの影響を受ける動態が明らかとなった。
著者
宮崎 謙一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

提示された音について音高名以外を答えることが求められる課題や, ピアノ音が聞こえてくる中で記憶する課題では, 絶対音感の保有者は, 求められている課題とは関連がない音高からの妨害を受けて, 非保有者にくらべて遂行成績の低下を示した. この結果から, 絶対音感保有者では音高と音高名が自動化のレベルに達していて, 音高の命名化が不可避的に起こることが示唆された. また指定された音高を歌う形の能動的絶対音感と, 事象関連電位を用いて音高と指の対応づけに関する脳過程を調べる実験を行った.
著者
有本 隆彦 前川 聡 藤原 義久 小谷 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.736, pp.159-166, 2002-03-12

前腕皮膚表面上に16チャンネルの電極を4x4のアレイ状に配置し,薬指の等尺性収縮時における双極誘導表面筋電図の計測を行った.各チャンネルの信号が,複数の運動単位を信号源とする筋電位の時空間的な重ね合わせであるという仮定にもとづき,多チャンネルブラインドデコンボリューション法を適用した.その結果,複数の運動単位を推定した.推定された運動単位に対して,出力される際に通されるフィルタのインパルス応答や,発火間隔の分布を調べ,生理学的知見と整合的であることを確かめた.
著者
山本 香代子
出版者
九州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

【目的】妊婦や授乳婦への薬物治療や服薬指導に際しては、医薬品の妊婦授乳婦における安全性や、胎児乳児への影響に関する十分な情報が得られないことが多くあり、服薬可否の判断が困難なケースも少なくない。また、すでに安全性や危険性の根拠が示されている医薬品についても、その情報を正確に入手することは容易でなく、解釈に専門的な知識を要することも多くある。そこで本研究では、妊婦授乳婦への服薬指導の標準化を目的として医薬品情報の収集手順や指導方法の確立を行うと共に、その有用性評価を行った。【方法】1.妊婦授乳婦への医薬品情報を収集する上で有用な情報源やその特徴を一覧表にすると共に、調査に必要な確認事項や検索手順をまとめて「医薬品情報調査ツール(妊婦)」、「医薬品情報調査ツール(授乳婦)」を作成した。2.経験が浅い薬剤師5名を対象として妊婦授乳婦への服薬指導に関する模擬テストを実施し、各「調査ツール」の有用性を評価した。理解度や不安度は、評価スケールへの記入とその尺度を指標とした。【成果】各「調査ツール」の有用性を評価した結果、ツールの使用の有無によって調査時間に有意な差は認められなかったが、調査した資料の数は「調査ツール(妊婦)」の利用により5.4±2.3件から7.6±2.4件へ、「調査ツール(授乳婦)」の利用により5.2±2.3件から9.8±2.1件へと、いずれも有意に増加した(p<0.01)。また、収集した情報や服薬指導について、薬剤師自身の理解度や不安度を評価スケールにて測定した結果、各「調査ツール」の利用により、理解度は約10%から約80%へと上昇し、不安度は約90%から約50%へと減少した。本研究において作成した妊婦授乳婦への「医薬品情報調査ツール」を利用することで、経験の浅い薬剤師においても詳細な情報収集が可能となり、妊婦や授乳婦への服薬指導に有用であることが明らかとなった。
著者
西 哲生 緒方 将人 高橋 規一 NISHI Tetsuo 佐藤 秀則 實松 豊
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究課題では、解の個数に関する一つの結果を与えるとともに、トランジスタ回路を含むより一般の能動回路、すなわち、ニューラルネットワークやCNNのシステム方程式の安定性について検討し、特に安定性に関しては種々の安定条件を求めることが出来た。結果の概要は次の通りである。(以下で発表論文の番号は成果報告書の文献番号を示す)1.トランジスタ回路の解の個数に関しては、トランジスタの中の非線形抵抗特性である単調増加な指数関数及び線形項からなる2元(2変数)の非線形方程式に対して、解の上限がちょうど5個であることを証明している。この結果は、解の個数が高々2の次元数乗ではないかという予想が正しくないことを示したことになる。さらに一般の場合に関して、解の個数の上界を与えている(発表論文4,22)。2.トランジスタを含む能動RC回路に対して、浮遊素子により生じる分母多項式の高次項が負とならないための回路構造上の条件を与えた(発表論文1,12,21)。3.ニューラルネットワークのうち、1次元離散時間CNN(Cellular Neural Network)の安定性を定義し、このもとで、安定であるための必要十分条件を与えた(発表論文2,5,6,9,13,15,16,19)。4.微分方程式で与えられた2次元CNNが大域安定であるための必要十分条件を与えた(発表論文3,8,10,11,13,18,20,23)。
著者
児玉 正憲 中井 達 岩本 誠一 時永 祥三
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

平成5年度の研究においては企業におけるマルチメディア環境の実態調査とマルチメディア理論などの従来の研究成果を収集することに力点を置いた。更に日本企業の活動が国際化している現状から情報通信ネットワークによる日本の本社と海外生産拠点とのデータ伝送の実態についてもアンケート調査などを実施した。これらにデータ収集と平行して理論解析も行ってきた^<(1)、(2)>。この結果基本的な枠組としては種々の要因をもつ社会システムの解析方法として有効である動的システムの理論が適用可能であること情報産業などの影響を分析する数理経済的な方法により生産のネットワークにおけるデータや画像など設計や研究開発に密接に関連した情報の役割を分析できる見通しを得ている。平成6年度は更に多量の実証データを収集することにつとめ豊富化することができた。研究推進の上で生産・物流システムの最適構成の検討が重要であるので平成5年度〜平成6年度の2年間を通じて動的計画法の基礎理論^<(9)、(10)、(11)、(12)>、信頼性・待ち行列システムの解析^<(5)、(6)>、確率システムの最適政策^<(7)、(8)>、および確率的多段決定問題の解析^<(13)、(14)、(15)、(16)>などの理論的研究を行った。またマルチメディア環境における新しいデータ解析法の構築の必要性からニューラルネットワークによる企業倒産予測システムの設計^<(3)>および時系列データの検索・予測の理論的・実証的研究^<(4)>を並行して行った。
著者
伊藤 和貴
出版者
愛媛大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

天然からスクリーニングした3種(563,V1,V2)の木材腐朽菌による2,4,8-トリクロロジベンゾフラン(2,4,8-TCDF)の微生物分解を行った結果,0.25mMの2,4,8-TCDFを添加した場合に30日間の培養で11.9%〜72.8%分解することができた。また,2,4,8-TCDFは培養中,菌体中に取り込まれていたので分解率と菌体への取り込み率を併せて除去率とした。3種の菌によって27〜76%が培養液中から除去された。分解能の最も高かったV2菌からの菌体外粗酵素について部分精製を行った結果,2,4,8-TCDFの分解初期(培養15日以前)にリグニンペルオキシダーゼが関与し,培養後期(培養15日以降)にジオキシゲナーゼが関与していることが示唆された。また,天然からスクリーニングした4種(267,65,E,V2)の木材腐朽菌とPhanerochaete chrysosporium(p.c.)を細胞融合した。0.25mMの2,7-ジクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(2,7-DCDD)を添加した場合,得られた6種の融合菌による30日間の培養で45%〜96%培養液中から除去することができた。得られた6種の中で3種(p.c.×267-1,p.c.×65-1,p.c.×65-2)の融合菌は両親株よりも高い除去率を示した。さらに,汚染土壌中のダイオキシン類の解毒化(バイオレメディエーション)を実施するための基礎的知見を得るために267菌および融合菌(p.c.×267-1)による土壌中の2,7-DCDDの分解についても検討した。1ppmの2,7-DCDDを添加して30日間培養した結果,59〜63%が分解された。これらの結果から,天然からスクリーニングした菌(木材腐朽菌)によってダイオキシン類を分解できることが示唆された。ダイオキシン分解能を有する菌を土壌中に繁殖させてダイオキシン類を分解(バイオレメディエーション)できることも示唆された。今回の2年間の研究によって,天然からスクリーニングした菌によるバイオレメディエーションについて,その有効性,および実現性が示唆された。
著者
渡邊 裕司 鈴鹿 豊明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.323-324, 1996-03-06

動画像は、時刻順に並んだ複数の静止画フレームの集合である。各フレームには、先頭から時刻順に番号が付けられており、この番号はフレーム番号と呼ばれている。再生を開始・終了するフレーム位置をフレーム番号で指定することで動画像の一部分を再生できる。単に動画像を再生するだけであれば、このフレーム番号によるアクセスだけでも十分である。しかし、動画像中に写っているもの(以下、動画オブジェクトと呼ぶ)を表示画面上でマウスを用いて指定し、その指定された動画オブジェクトに関連する情報を検索するというような機能を実現するためには、まず、マウスで指定した位置にどの動画オブジェクトが表示されているのかを知る仕組みか必要となる。しかも、ユーザは任意のフレーム位置で動画オブジェクトを指定する可能性があるので、すべてのフレームに対して、ユーザがマウスで指定した位置にどの動画オブジェクトが表示されているのかを知る必要がある。動画像のすべてのフレームに対して、各動画オブジェクトが写っている領域を逐一入力することは、現実的に不可能であり、以前からさまざまな解決案が提案されている。例えば[1]では、1.動画オブジェクトの動きを代表するフレームを選択し、各フレーム上で動画オブジェクトが写っている領域を入力する。2.その間のフレームに対しては直線で補間する。という方法を採っており、領域を入力する作業の工数を低減させている。しかし、直線補間を用いる方法では、複雑な動きをしている動画オブジェクトに対して、動きを忠実に再現することは難しい。本稿では、複雑な動きをしている動画オブジェクトに対しても適用可能である、動画オブジェクトの動きのモデル化と、それを用いた検索手法について提案する。
著者
前川 功一 小瀧 光博 矢野 順治 椿 康和 宣名眞 勇 北岡 孝義 高林 喜久生
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

3年間に渡たる研究実績は以下の通りである。研究の分野、内容、論文番号、分担者を以下に列記する。文中の番号は、本報告書の項目11「研究発表」に挙げられた論文に付された番号である。(1)理論的研究・単位根の検定方法の提案に関する論文:(論文1,2:前川、久松)・和分過程I(1)に伴う変数を含む回帰モデルの推定・検定問題に関する論文:(論文3,4:前川)非正規性のもとでの回帰モデルの推測に関する論文(論文5:前川)・季節的周期性のある時系列に於けるI(1)変数と構造変化の問題に関する論文(論文6:前川)ヨハンセンの共和分検定に関する論文(論文15:小滝)・ブ-ストラップ法と経済時系列に関する論文(論文16,17:福地)(2)応用的研究・和分共和分分析の金融時系列への応用に関する論文(論文7,8:北岡)・ARCHモデル、共和分モデルなどの時系列モデルの在庫投資理論への応用研究に関する論文(論文9,10:宣名真)・マクロ経済の実証分析への時系列モデルの応用に関する論文(論文13,14:矢野)(3)データベースの研究・経済データのデータベース化に関する研究(論文11,12:椿)
著者
水越 允治
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.961-963, 2009-11-30
著者
池上 重康 砂本 文彦 角 哲 谷村 仰仕 中江 研 安野 彰 崎山 俊雄 辻原 万規彦 木方 十根
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、鉱山実習報文の精査により明らかとなった、鉱業系企業社宅街の成立と変遷を基に、各種統計資料、各鉱山所蔵の資料ならびに各社史の記述を照らし合わせ、住戸と福利施設・都市基盤を含めた社宅街の開発手法の特質ならびにその理念を探るとともに、社宅街の形成過程を明らかにし、鉱業系企業社宅街を、業種別、開発年代、敷地形状、風土的条件の観点から、整理分類を試みた。
著者
横尾 義貫 松岡 理 中村 恒義
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.62, pp.20-24, 1959-07-20

曲げモーメントと捩りモーメントの作用する部材断面の降伏条件についてはHeymann,Hill & SiebelおよびGadon & Nuttallの研究があり、実用上充分な程度まで各種断面形について結果がでている。後の四者の研究によれば、すべての形状の断面について曲げモーメントMと捩りモーメントTを受ける場合の降伏曲線の極めて良好かつ便利な下界曲線は[numerical formula](1・1)で与えられる。ただし、M_0,T_0は夫夫単純曲げおよび単純捩りの場合の降伏モーメントである。たとえば、円形断面の場合の真の降伏曲線は第1図左で示すように、(1.1)の下界曲線からわづかに上にあるだけである。ここでは、次の(1.2)のように近似化した降伏条件を採用する。[numerical formula](1・2)なお、円形断面において、(1.1)と(1.2)の関係を図で示すと第1図右のようになる。(本文Fig. 1.参照)本研究は(1.2)を降伏条件として、等分布横荷重をうける両端固定アーチの載荷能力特性をlimit alnaysisにより求めたものである。えた結果を要約すれば次のようになる。上・下界荷重m_kP,m_sPは一致した。半開角ψの値によつてその表示式はことなるが、上・下界全荷重mP,スパン中央の曲げモーメントM_m,捩りモーメントT_m,両端の曲げモーメントM_e,捩りモーメントT_eは次の値であらわされる。(1)[numerical formula](2)[numerical formula] collapse modeは(1)と(2)でことなる。(2)は両固定端の中心を結ぷ軸のまわりに回転する。(1)のmodeは両固定端を結ぷ軸のまわりの回転と、その軸に垂直、かつアーチ構面に含まれる軸のまわりの回転とが加つたものである。全荷重は(1)、(2)ともにmP=(4M_0/L)ξψsinψであらわされるが、L, M_0を一定とする場合、ψに対するξψsinψの関係を第4図に示す。ψが増加すると載荷能力は単調に減少する。なお、ψを零に近づけた極限として本結果は両端固定梁の降伏全荷重16M_0/Lに一致する。(本文Fig. 4.参照)スパン中央のM_m=cM_0を定めるcとψとの関係を第5図に示す。固定端におけるM_e/M_0,T_e/M_0とψとの関係を第6図に示す。ψ=67.5°でM_e/M_0は最小、T_e/M_0は最大となる。即ち、捩りモーメントは載荷能力にψ=67.5°で最も大きく役立つ、がしかし、M_e/M_0はψの値にかかわらず常に1に近いことを考えると、曲げ抵抗が載荷能力に支配的役割を演じていることを知る。(本文Fig5. Fig. 6.参照)式、図の番号は本文のをそのまま用いた。
著者
竹尾 富貴子 渡辺 ヒサ子 笠原 勇二 金子 晃 浅本 紀子 吉田 裕亮
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、これまで研究していた線形作用素の理論が、非線形作用素にどこまで発展させることができるかを検討し、更に非線形特有の理論であるカオス・フラクタルの特徴を、作用素論、確率論、ポテンシャル論、微分方程式論など様々な角度から研究することを目的で始めた。その成果として、作用素論の立場からは、セルオーマトンの極限集合をある種の遷移規則について、定常的になるもの、周期的なもの、カオス的なものなどのクラス分けを行い、さらにセルオートマトンの極限集合の存在について作用素に対する不変集合の立場から研究した。その際、線形作用素の場合の規則的な性質が非線形にどのように保存され、また非線形になるとどのように変わるかを注目して極限集合の存在などの研究をした。また、weighted function space L^P_PやC_<0,P>上の半群作用素は、発展方程式の解と関係あるが、その半群のカオス性などはスペクトルの性質から特徴づけられている。本研究ではadmissible weight functionの性質からsupercyclic,hypercyclic又はchaoticになる必要かつ十分条件を求めた。これにより、解がカオス性を持つ発展方程式の性質も求めることができる。この半群は、線形な半群作用素でも、カオス的な振る舞いをすることが分かり、興味深いものである。さらに、確率論、ポテンシャル論、微分方程式論などの立場から線形性と非線形性に着目しながら、発表論文に示しているように種々の結果がでている。これまで得られた結果を更に発展させて、線形理論をどこまで非線形な場合に拡張して美しい理論が得られるか、また半群理論の力学系からカオス・フラクタルについてどのような結果が得られるか、非線形解析学の立場から更に研究していく予定である。
著者
千葉 雄司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.3138-3152, 2005-12-15

Java アプリケーションの実行中に,ソフトウェアの脆弱性を利用した攻撃によってメモリが不正に書き換えられても,制御を奪われにくいJava 向け動的コンパイラの可搬な実装方法を提案する.提案する方法は次に示す4 つの要素からなる.(1)動的コンパイル済みコードやディスパッチ表,表引き法による例外処理向けの表を,書き込み不可のページに配置し,攻撃によって書き換えられないようにする.(2)動的コンパイラが生成途中の機械コードを,攻撃によって書き換えられないよう,動的コンパイラを,JavaVM とは別プロセスとして起動する.(3)間接分岐によるメソッド呼び出しの際に制御を奪われないよう,間接分岐の前に,間接分岐先の正当性を検査するコードを挿入する.(4)メソッドからの返戻時に制御を奪われないよう,メソッドごとに返戻先として有効な番地を登録した表を作成し,読み込み専用ページに配置する.そして,メソッドから返戻する際には,表から返戻先番地を求めて間接分岐する.表引きにあたって必要になる,返戻先番地を収めるエントリの番号は呼び出し元が提供する.提案した方法によって生じる定常的オーバヘッドを,SPECjvm98 およびSPECjbb2000 を使って評価した結果,1.59%であることが分かった.This paper shows a portable secure design of a dynamic compiler for Java with following 4 features. (1) To protect method dispatch tables, tables for exception handling and dynamically generated codes, they are placed in read-only pages. (2) To protect codes being generated by the dynamic compiler from overwriting, the dynamic compiler works in its own process. (3) To prevent hijacking in method invocations by indirect call, test code to verify the target address is inserted before indirect call. (4) To prevent hijacking on return, a table that contain valid return address for each method is created and placed in read-only pages. The return code retrieve the table on return, and the index to retrieve the table is given by the caller. Preliminary evaluation using SPECjvm98 and SPECjbb2000 showed overhead by the proposed method is 1.59%.
著者
松山 久義 大野 弘 鈴木 和彦 柘植 義文 山下 善之 橋本 芳宏
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

次のような成果を得た。各項目の番号は,研究報告書の章の番号に対応する。(1)2種類のCUSUM法(Crosier法とHealy法)が多数の外乱に晒されているプロセスの状態監視に有効であることを確かめることができた。(2)故障が致命的な事故を引き起こす恐れがある設備の管理において,次回の保全時期と作業内容を合理的に決定する組合せ論的アルゴリズムを開発した。(3)クラスタリング,ICA技術を利用して,汚れ,腐食の進展を検出するための新たな手法を開発し,故障した設備を取り除く作業手順の合成法を示した。(4)回分式プロセスの安全設計を支援するためのリスク評価システムを開発した。このシステムは,事象の深刻度と発生頻度から定量的にリスクを評価するだけでなく,回分式プロセスにおいて発生する可能性のあるあらゆる事故のシナリオを明確に与えることができる。(5)複合した原因によって発生した異常状態において原因を探索するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは,化学プロセスの状態変数間の因果関係の遅れをデータとして利用することにより高い精度で異常の原因を診断することが可能である。このアルゴリズムの有効性を流動接触分解装置の動的シミュレータを用いて確かめた。(6)異常になったプロセスを正常復帰させる対応措置の自動剛性を行うアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは異常診断システムと連携し,原因の候補集合に共通の対応措置が見いだされた場合には,それ以上候補を絞り込むことを中止する。また,異常診断のために高次統計量を利用する方法をも開発した。(7)統合的設備管理支援システムを構成する,ストレス排除,予防保全,冗長化,運転支援システムなどの合理的な役割分担を決定する方法を開発した。
著者
溝口 孝喜
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集 (ISSN:00290270)
巻号頁・発行日
vol.7, no.26, pp."I-1"-"I-7", 1941-03-20

第1報に於て任意の質量力の作用する場合の二次元應力問題に関する基礎微分方程式(14)′, (27)′を導出した。第2報に於ては二次元歪問題に関する基礎微分方程式(54), (55)を導出し、周囲条件に対する吟味、質量力がポテンシャルを有する特別な場合等に就て論じ、本理論が單に質量力の作用する場合のみでなく外力が平板面内に横たはる場合にはその外力は質量力と看做し二次元應力問題の一般理論が適用出来ることを述べた。本報に於ては、これ等の質量力又は外力の一般的表はし方、及び基礎微分方程式の一般的觧き方につきその方針を論じたものである。尚、式及び図の番号は第1報、第2報より引続き使用する。