著者
野口 聡一 丸山 慎 湯淺 麻紀子 岩本 圭介
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.29-44, 2014-03-01 (Released:2015-02-02)
参考文献数
20
被引用文献数
4

The purpose of the present study is to illustrate how social networking service (SNS) such as “Twitter [twitter.com]” works as a tool enhancing our communication between space and the ground. To do so, by using a text mining technique, we analyzed text data of an astronaut ’s daily reports, short compositions posted by the astronaut on Twitter, and reactions from ground to his tweeting (the primary author is the astro-naut himself. He wrote daily reports during his first space flight and tweeted during his second long duration space flight). In the analysis, we focused on the frequency of the use of some specific words and on changes in the astronaut’s verbal expressions over time. Results suggested that SNS communication had an impact on the astro-naut’s word choice when he narrated his experience in space and also contributed to facilitating interaction between the astronaut and ground. Based on these findings, we speculated that, due to its easiness, promptness and bidirectionality, SNS has great potential for becoming a powerful and fundamental tool to reduce our psychological distance to space, and by this token, contributes to developing scientific interests of general public in space exploration. This implies that, through SNS communication,we have already begun to experience space as a part of our everyday things on Earth.
著者
井関 龍太 川崎 惠里子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第7回大会
巻号頁・発行日
pp.105, 2009 (Released:2009-12-18)

過去の出来事を思い出すときには,自分自身がその場にいて実際に周囲の状況を見ているかのように思い出す場合と(一人称の視点),第三者の立場に立って外部から自分を見つめているかのように思い出す場合(三人称の視点)がある。このような想起の視点は,現在の自己との整合性が低い記憶を想起する場合には三人称になりやすいことが報告されている。このことから考えると,現在からより離れた時点の記憶を想起するときほど,三人称の視点で想起されやすいと思われる。そこで,本研究では,手がかり語のイメージ性を操作して自伝的記憶の想起を求めた。一般に,イメージ性の高い語は,より過去の出来事を想起させることが知られている。実験の結果,高イメージ語は,低イメージ語よりも,より過去の出来事を想起させた。しかし,想起の視点は,手がかり語の違いによって有意には異ならなかった。想起の鮮明性は,高イメージ語の場合に高い傾向が見られた。
著者
池田 龍一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.212-215, 2016-05-20 (Released:2016-12-27)
参考文献数
4

近年,固体でも液体でもない両者の中間的状態が存在することが明らかにされ,その特異な挙動が注目を浴びている。この状態においては,従来の固相,液相の概念からは予想できなかった物性が新たに見出されている。その新たな可能性に興味がもたれ,その応用研究も含めて種々の方面からの研究が行われ,データが蓄積されている。本論文では,種々の中間状態の概略を紹介し,それらの相互の関係について整理し解説する。
著者
有賀 暢迪 橋本 雄太
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.162-164, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
3

国立科学博物館では、科学技術史資料として日本の科学者の個人資料を収集・保存している。こうした「科学者資料」にはノート、原稿、書簡、写真、辞令、身の回り品などが含まれ、展示室内で全体を紹介することが難しい。他方で、近年急速に広まっているIIIF(International Image Interoperability Framework)は、この種の資料をインターネット上で「展示」するための新たな手法をもたらしつつある。本研究では、植物学者・矢田部良吉(1851-1899)の資料を事例とし、資料画像のIIIFでの公開を前提とした上で、これを利用して電子展示を行うシステムを試作した。このシステムでは、自館の所蔵資料に他館からの「借用」資料を組み合わせ、それぞれに「キャプション」を付して、一つのストーリーの下に「展示」できるほか、「展示替え」も容易に行える。本システムは、IIIFを利用することにより、博物館が伝統的に行ってきた展示室での展示と同様のことをインターネット上で実行可能にしたものである。
著者
石橋 忠良 古谷 時春 細川 泰明 山内 俊幸
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.41-52, 1994-12-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

東京駅では長野オリンピック開催に合わせて, 北陸新幹線乗り入れ工事を進めている。これに伴い, 必要なスペースを確保するため, 中央線を上層へ上げる工事を行っている。この工事の高架橋は, 東京の玄関口にふさわしく, 丸の内オフィス街と調和のとれた, そして人に優しい構造物を目指した景観設計を行った。この中ではRC構造とPRC構造縦ばりを組み合わせたラーメン高架橋と, これに鋼構造の縦ばりも加えたラーメン高架橋を採用した。さらに経済的な高流動コンクリート, 高密度配筋コンクリート柱の耐震性能確保, コンクリートの表面仕上げ, プレキャスト部材の採用等の技術開発を行い, その成果を採り入れている。ここでは, この工事の景観設計, 構造設計, 施工について報告する。
著者
米島 万有子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.16, 2014 (Released:2014-10-01)

1.研究背景と目的 終戦後まもなく蚊の発生原因としてみなされていた彦根城堀の一部の埋め立ては,マラリア防疫の偉業として知られている(小林1960).しかし,その埋め立てが実際に蚊の発生を抑制した程度は不確かである.さらに,彦根城堀の埋め立てをめぐり衛生土木事業による歴史的景観を問題視する一部の住民組織と行政が対立した経緯も明らかになっている(米島2011).このような歴史的景観としての堀の環境衛生問題は,過去の出来事に限定されない.京都新聞の記事(2010年5月3日付 二条城が蚊の「大量発生源」?住民指摘、京都市が生息調査)によれば,2009年の秋に二条城北側周辺の住民から「蚊が多い」こと,さらに堀を蚊の発生源と指摘する意見が寄せられ,堀に環境衛生上の問題を懸念する意見が表明された.京都市は蚊の発生調査を実施し,記事が掲載された5月の時点において幼虫は確認できなかったとされている.しかし,住民の蚊の被害実態や堀についての歴史的景観としての評価ならびに環境衛生問題への懸念について明らかにされていない点が多い.そこで,本研究は郵送質問紙調査により,二条城周辺の住民の蚊による被害実態および蚊の発生をめぐって堀に対する意識を明らかにし,堀の景観保全と健康・公衆衛生との関係を検討する.2.研究方法 調査は,二条城北側の住宅地から蚊の発生に対する苦情が寄せられたことから,二条城の北側に位置し,堀川通,千本通,竹屋町通,丸太町通の範囲内にある,京都市上京区の12町を対象とした.調査票の配布対象は,これらの町内にある全住宅および事業所2,853軒である.調査票は,指定した地域のポストが設置されている住宅,事業所全て(郵便の受取拒否をしている場合を除く)に配布できる日本郵便のタウンプラスを用いて,2013年1月下旬に上記の町内全戸に郵送配布し,郵送で回収した.調査票の回収数は882通(30.9%)であり,そのうち自宅752通(85.3%),事業所70通(7.9%),自宅兼事業所47通(5.3%),その他7通(0.8%),無回答6通(0.7%)だった.3.結果 アンケート調査の結果,蚊による吸血被害に「毎日」あるいは「2,3日に1回」の高頻度で遭っている回答者が全体の48.2%を占めた.特に高頻度の吸血被害は,二条城の堀に隣接しない町(42.6%)よりも,堀に隣接する町(54.5%)の居住・勤務者の方が多い.また,自宅ないし事業所敷地内で蚊に刺されることについて,気になるという回答率は71.1%にのぼった.すなわち二条城北側の住宅地,とりわけ堀と隣接する町では,蚊に悩まされていることが明らかになった.京都市が二条城堀において蚊の発生調査を行った結果,蚊の発生は認められなかったことを伝えた上で,堀が蚊の発生源になっていると思うかについて問うたところ,高頻度で蚊の吸血被害を受けている人ほど堀が蚊の発生源と認識している傾向があった. 次に,二条城の堀から蚊が発生する疑いを受け,堀に対してどのような対策をとった方がよいのかについて質問した.ここでは,A:現段階で,堀から蚊が発生する可能性に備える場合,B:将来,堀から蚊の発生が確認された場合,C:将来,堀から発生した蚊からウエストナイル熱ウイルスが確認された場合の3つの状況を設定し,それぞれの好ましいと思う対策について回答を求めた.その結果,Aの蚊の発生がない段階では,将来の蚊の発生を未然に防止する対策には消極的であった.しかし,C堀から発生した蚊からウイルスが検出される状況では,「堀を埋め立てる」べきとの回答数が著しく増加した.他の質問項目と照らしてみると,地域住民は,城(建造物)と堀をひとまとまりとして,歴史的価値ないし観光資源としての価値を認めてはいるものの,感染症という脅威にさらされた場合には,彦根市のマラリア対策と同様に,健康・身の安全を守るためには堀を埋め立てる選択肢もやむを得ないと考える意見も多く示された.4.おわりに 蚊による被害を受けている人ほど堀を蚊の発生源としてみなしている傾向があり,堀の水の衛生環境が悪い印象を与えていることが考えられる.また,堀の景観上の価値を認めつつも,仮に堀が原因で健康に支障が生じる場合には,保全よりも堀の埋め立てを推進する意見がみられることから,彦根の事例と同様に堀の保全と衛生的と思われる環境の形成との間には,潜在的に対立しうる関係が認められる.歴史的景観としての堀の保全には,その景観が「衛生的である」ことにも配慮する必要がある.
著者
西田 亮介
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.39-52, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
19

本稿は,2010年代の自民党の情報発信手法と戦略,ガバナンスの変容について論じている。自民党は2000年代以後,広報戦略と手法を革新し続けてきた。本稿では,(1)2000年代の自民党の広報戦略の変容(2)2013年の第23回参議院議員通常選挙における自民党のネット選挙対策部門トゥルースチームの取り組み(3)2016年の投票年齢引き下げにあたっての自民党の取り組み,という3つの事例を取り上げた。事例の分析を通じて,「標準化」と「オープン化」という特質を持つ「選挙プラットフォーム」と化した自民党の現在の姿を明らかにした。これらは,2000年代における自民党の試行錯誤と創意工夫が結実したものである。そして間接的に2010年代における野党の劣勢と混乱,情報発信手法の革新の停滞が影響し,日本の政党の情報化の取り組みのなかでは,自民党の存在感は確固としたものになっている。本稿は,情報化に適応し,変化する自民党の姿を明らかにするとともに,日本政治の情報化に伴う現状と課題を展望する。
著者
石井 修
出版者
財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.100, pp.35-53,L8, 1992-08-30 (Released:2010-09-01)
参考文献数
56

The major thesis of this article is that the year 1955 marked a watershed in the history of the Cold War, in a sense that by then a fundamental, qualitative change had taken place, and that it set the tone for the future Cold War.By 1955, not only the “easing of tension” but also several changes in the nature of the East-West contest had become discernible. These changes were: (1) relative stability in Europe—the major battleground in the Cold War and also, to a much lesser extent, though, in Asia; (2) a growing awareness on the part of the leaders in Washington, London, and Moscow of the massive destructiveness of a nuclear conflagration, which had made them extremely cautious in their behavior, especially in Europe; and therefore, (3) the super-power rivalry shifting from the major battleground in Europe to the risk-free “Third World”, hence the globalization of the Cold War. Accordingly, the Cold War hereafter took on more of the characteristic of economic and psychological warfare and covert operations.The above-mentioned changes resulted from: (1) the congealment of the two “security spheres” in Europe, and, to a lesser extent, on a global scale; (2) the emergence of thermonuclear weapons, making actual war unbearably costly and difficult.This article basically supports the bipolar stability theory, and yet it contends that bipolarity alone would not guarantee stability, and stresses the “soft, ” human, and psychological aspect of the leadership on both sides.
著者
寺沢 拓敬
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.5-27, 2012-11-30 (Released:2014-02-11)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究の目的は,新制中学校英語科の「事実上の必修化」がいつ,どのように成立したかを検討し,その上で,必修化を促した要因を明らかにすることである。この分析を通して,ある教育内容が「すべての者が学ぶことが自明視される」という意味での《国民教育》の構成要素に,いかに成長していったか検討する。 新制中学発足当初こそ,選択科目であることが当然視されていた英語科だが,既に1950年代には中1の履修率がほぼ100%に近づき,「全員が一度は学ぶ」という意味での事実上の必修化が現出した。60年代になると中3の履修率も上昇し,「全員が3年間学ぶ」という今日的な意味での事実上の必修化が進行した。 同時期に「3年間必修化」を促した主たる要因は,教育内容そのものに関わる内在的な要因よりも,外在的な制度的・構造的要因であった。すなわち,英語の必要性の増大や英語教員の必修化推進運動ではなく,高校入試への英語試験導入,高校進学率の上昇,ベビーブーマー卒業後に生じた人的リソースの余裕など,構造的・制度的な変化の影響のほうが大きかった。なお,当時,自覚的な「運動」こそなかったが,関係者によって「英語の必要性」論への対抗言説が編まれており,これにより英語の《国民教育》としての正当性が高められ,その後の事実上の必修化を条件付けた面もある。以上のように,英語科の《国民教育》化は,種々の要因の複合的な結果として生じたと言える。
著者
Junichi Akita
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
vol.14, no.9, pp.20170154, 2017 (Released:2017-05-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

The pixels in the conventional image sensors are placed at lattice positions, and this causes the jaggies at the edge of the slant line we perceive, which is hard to resolve by pixel size reduction. The author has been proposing the method of reducing the jaggies effect by arranging the photo diode at pseudorandom positions, with keeping the lattice arrangement of pixel boundaries that are compatible with the conventional image sensor architecture. In this paper, the author discusses the design of CMOS image sensor with pseudorandom pixel placement, as well as the preliminary evaluation of the fabricated CMOS image sensor.
著者
松尾 美好
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.3-11, 1999-05-01 (Released:2017-07-05)
参考文献数
31
著者
石井 芳樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.2728-2734, 2014-11-10 (Released:2015-11-10)
参考文献数
9

重症感染症の病態では敗血症から多臓器障害を来たして予後不良であるため,原疾患である感染症に対する適切な抗菌薬の投与以外に,循環・呼吸管理をはじめ血液浄化療法,DIC対策,栄養療法など集学的な治療により全身的管理を行うことが救命するうえで重要となる.
著者
佐野 雅己 玉井 敬一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.463-468, 2018-07-05 (Released:2019-03-12)
参考文献数
16

層流がいつ,どのようにして乱流に遷移するのかは,多くの物理学者を悩ませてきた難問である.この難問に対して最近,統計物理学から新たなメスが入れられている.パイプ流やクエット流などのシア流では,層流状態が線形安定でありながら,有限の擾乱により理論よりも遥かに低いレイノルズ数で乱流化し,時空間欠的な乱れが出現する.この層流乱流転移が有向パーコレーションと呼ばれる臨界現象である可能性が指摘され,実験やシミュレーションが盛んに行われている.本稿ではその概要について解説する.
著者
玉井 敬一 佐野 雅己
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.10-17, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
29

In this article, we review recent progress in the understanding of the transition from laminar to turbulent flow in shear flows. We describe why and how the idea of directed percolation can be applied to these transitions in different flows, and how the idea was tested by experiments and simulations.
著者
林 成多
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.25-35, 2016-04-01 (Released:2017-05-12)
参考文献数
47
被引用文献数
1

日本列島の昆虫相の変遷を解明するため,鮮新世以降の昆虫化石の調査を各地で行った.その結果,鮮新世〜前期更新世には絶滅種と現生種の昆虫が共存していたことが判明した.絶滅種のほとんどは,前期更新世末〜中期更新世初頭には絶滅したと考えられる.特に化石記録の豊富なネクイハムシ亜科(コウチュウ目ハムシ科)について研究を行った結果,現生種の化石記録には,鮮新世〜前期更新世まで遡る「古い現生種」と中期更新世に出現する「新しい現生種」の存在が明らかになった.絶滅種の記録も含め,ネクイハムシ相の変遷を時代ごとに区分した.現在のネクイハムシ相がほぼ完成した時期は中期更新世以降である.また,現生種の化石記録を基に,分子系統樹の時間軸を設定し,分化年代を推定した.
著者
伊藤 嘉余子 石垣 文
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.3-13, 2013-05-31 (Released:2018-07-20)
被引用文献数
1

本研究では,小規模ケアユニットの独立性と職員間の連携や情報共有に対する満足度との関連性に焦点をあてて,児童養護施設小規模ケア下における職員間の連携の実態と課題について明らかにすることを目的として,児童養護施設職員を対象に質問紙調査を実施した.分析の結果,以下の3つの必要性が示唆された.(1)職員間の情報共有内容や意識の標準化を図るための記録様式の統一,(2)職員間の良好な人間関係構築,(3)スーパービジョンを含めたユニットケア担当職員への具体的な支援体制の確立.
著者
田中 薫 大沢 貫寿 本田 博 山本 出
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.75-82, 1981-02-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
20
被引用文献数
38 53

エレクチンはアズキゾウムシの雄の交尾器を突出させて交尾を誘導するフェロモンであり, 単独では活性のない二つの区分の共力作用によるものである. 一つの区分は数種の炭化水素, 具体的には3-メチルペンタコサン, 11-メチルヘプタコサン, 3-メチルヘプタコサン, 11-メチルノナコサン, 13-メチルノナコサン, 11,15-ジメチルノナコサン, 9,13-ジメチルヘントリアコンタンおよび11,15-ジメチルトリトリアコンタンからなり, いま一つの区分は一種のジカルボン酸, (E)-3,7-ジメチル-2-オクテン-1,8-二酸からなる. この交尾フェロモンは雌からも雄からも得られるが, 雄にしか活性を呈しない.
著者
佐々木 掌子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.313-326, 2018-12-30 (Released:2018-12-27)
参考文献数
38
被引用文献数
4

本研究では,性的指向(sexual orientation)や性同一性(gender identity)をはじめとする性の諸要素の多様性を中学校の授業で教育することで,生徒の同性愛やトランスジェンダーに対する嫌悪(以下,嫌悪)が低下するのか否か対照群を設けたデザインで検討した。協力者は,授業実施群が公立中学の生徒397名,対照群が同地域同規模の公立中学の生徒328名である。その結果,交互作用(F(2, 1336)=4.77, p<.01)が有意であったため多重比較を行うと,授業実施群のみ,教科授業後及び道徳授業後に有意に嫌悪の減少が認められた。対照群には得点変化はなく,授業実施群は対照群よりも有意に嫌悪得点が低かった。なお,自尊感情と嫌悪とは無相関であり,どれだけ自尊心が高くなろうとも嫌悪は変わらないことが示唆された。また,男子においては,多様な他者の理解や対等な意識の向上が嫌悪の低減と関連していた。