著者
山本 詩織 秋元 真一郎 迫井 千晶 山田 研 壁谷 英則 杉山 広 髙井 伸二 前田 健 朝倉 宏
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.77-82, 2022-06-30 (Released:2022-07-07)
参考文献数
24

This study examined the thermal kinetics in wild deer and wild boar meats by low temperature cooking process as well as its bactericidal effect. The thermal processing so as to heat the inner-core of the samples at 65℃ for 15 min, 68℃ for 5 min, 75℃ for 1 min in steam convection oven exhibited faster elevation rate of the internal temperature of wild deer meat than wild boar meat, while their sterilization values after the thermal processes were estimated to be almost equal. Naturally contaminated fecal indicator bacteria were not recovered from all samples after the above-mentioned processing. Spike experiment resulted that approximately 6.6–7.8 log CFU/g of STEC O157 and/or Salmonella spp. were not recovered from the wild deer meats after the three types of thermal cooking. Thus, these data indicated aptitude of these low temperature cooking conditions to minimize the microbiological risks in the game meat.
著者
飯岡 由紀子 大場 良子 廣田 千穂 森住 美幸 小菅 由美 真鍋 育子 清崎 浩一 馬場 知子 関谷 大輝 小倉 泰憲 儀賀 理暁 黒澤 永
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-10, 2023 (Released:2023-01-24)
参考文献数
32

【目的】「多職種連携におけるコーディネート力尺度(MCAS)」を開発し,がん医療に携わる医療専門職を対象に信頼性と妥当性を検討することである.【方法】MCAS原案を作成し,医療専門職などを対象に内容妥当性・表面妥当性を検討した.さらに,医療機関に勤務しがん医療に携わる医療専門職者を対象に横断的質問紙調査を行った.探索的因子分析,既知グループ法,α係数算出,併存妥当性を検討した.研究倫理審査の承認を得て行った.【結果】MCASは探索的因子分析により4因子([討議を促進する力][基盤となる関係構築][セルフコントロール][課題解決に向けた取り組み])33項目となった.多職種連携研修会参加有,経験年数が長いほうがMCAS得点は有意に高かった.尺度全体および各因子のα係数は.80以上だった.併存妥当性検討は中程度の相関だった.【結論】MCASは尺度開発段階として信頼性と妥当性が概ね確保された.
著者
小倉 拓也
出版者
日本メルロ=ポンティ・サークル
雑誌
メルロ=ポンティ研究 (ISSN:18845479)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.31-44, 2015-09-27 (Released:2015-09-26)
参考文献数
18

Dans Qu’est-ce que la philosophie?, son dernier travail conjoint avec Guattari, Deleuze envisage le concept merleau-pontien de « chair ». Dans ce livre, il définit l’art – distingué de la philosophie et de la science – comme la création de l’« être de sensation » qui n’est ni représentation ni perception. Dans cette recherche, le philosophe suggère que la chair pourrait révéler cet être. Cependant tout à la fin de son œuvre, il nous laisse une affirmation énigmatique selon laquelle la chair est « trop tendre » pour porter l’être de sensation et que « c’est la chair qui doit être portée ». Il introduit ainsi sa propre logique de la sensation à laquelle la chair merleau-pontienne manque.Dans cet essai, nous explorerons la manière selon laquelle Deleuze élabore sa conception de l’être et de la logique de la senation, en faisant face au « logos du monde sensible » et à l’invention du concept de chair chez Merleau-Ponty. En s’appuyant sur la pensée d’Erwin Straus, à qui les deux philosophes doivent beaucoup dans leurs théories de la sensation, nous traçons la problématique de la sensation qui les pénètre, pour comprendre la raison pour laquelle la chair est « trop tendre » et ce qui pourrait remplacer à celle-ci.
著者
岩田 恵輔 原田 靖彦 吉岡 知輝 倉田 久嗣 平賀 潤二 鏡味 良豊
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.8, pp.1633-1640, 2021-08-10 (Released:2022-08-10)
参考文献数
8

64歳,女性.急性肝・腎不全の精査目的で入院した後,心室細動を繰り返した.尿中M蛋白を認め,骨髄穿刺にて多発性骨髄腫を確認し,組織生検にて糸球体,肝実質,心筋にκ鎖型軽鎖沈着を認め,軽鎖沈着症(light chain deposition disease:LCDD)と診断した.血液透析,除細動器植込み,ボルテゾミブを含む化学療法を実施したが,原疾患増悪のため死亡した.LCDDはALアミロイドーシスと共に鑑別すべき病態であり,各種組織生検と集学的治療が重要である.
著者
高倉 瑞穂
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.49, pp.13-26, 2021-03-31

現在に伝わる身代わり説話はその対象となる仏菩薩を信仰する多くの人々に影響を与えてきた。その中で病に伏した高僧を憐れみ不動が身代わりとなる「泣不動説話」も諸作品に摂取され、多くの人々が知るものとなる。こうした諸作品それぞれに目を向けると、三井寺周辺で成立したものと巷間で広まったものとでは僧や不動霊験の描かれ方や記述の方法に差異がある。本論は三井寺の〈内〉なる作品と〈外〉なる作品を精査し、高僧の描かれ方に着目することで、三井寺を中心とした在地信仰の発展の可能性を探りつつ、それぞれの系統としての不動縁起が如何にして発展し、後代に伝播していったのかについての一考察を加えるものである。身代わり説話不動霊験三井寺
著者
前多 敬一郎 大倉 永也 内田 恵美 束村 博子 横山 昭
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖学雑誌 (ISSN:03859932)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.153-158, 1988 (Released:2008-05-15)
参考文献数
17

乳子による吸乳刺激の代用としての乳腺神経の電気刺激の有用性を検討するため泌乳あるいは発情周期中の雌ラットの乳腺神経をウレタンあるいはチオペンタール麻酔下で電気刺激し,それぞれオキシトシン(OT)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌に及ぼす影響を調べた。泌乳ラットにおける乳腺神経の電気刺激はOTの分泌を促進した。しかし,この電気刺激は発情周期中にあるラットにおいてもそのOTの分泌を増加させた。さらに,伏在ならびに正中神経の電気刺激も泌乳及び正常発情周期中のラットにおいて血中OT濃度を増加させた。これらの神経の電気刺激による血中OT濃度の変化はすべて類似していた。しかし,乳子による吸乳時にみられるような変化とは異なっていた。泌乳ラットにおけるチオペンタール麻酔下における乳腺神経の電気刺激は伏在神経の電気刺激に比較して平均血中LH濃度およびLHパルスの頻度並びに振幅を抑制した。以上の結果から,乳腺神経あるいは他の神経の電気刺激が非特異的に働いてオキシトシン分泌を促進したと考えられる。しかし,LH分泌に関しては伏在神経刺激対照群に比較して乳腺神経の電気刺激により強く抑制されたことから,乳腺神経刺激が吸乳刺激に変わる刺激として用いられる可能性は残されていると考えた。
著者
小田 日東美 田中 浩彦 秋山 登 徳山 智和 南 結 中野 讓子 小林 良成 井澤 美穂 朝倉 徹夫 谷口 晴記
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.144-150, 2017 (Released:2017-06-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

Objective: Various developmental cysts arise in the retrorectal space because the 3 germ layers in this region are involved in fetal development. We encountered 2 patients with developmental cysts in the retrorectal space that were difficult to differentiate from an endometrial cyst before surgery; the cysts were laparoscopically diagnosed and treated. Patients: Both patients had a medical history in which an endometrial cyst was suspected; however, when the intra-abdominal cavity was examined, no abnormal finding was observed, and the abdomen was closed. In both patients, the presence of endometrial cysts measuring 7 cm on the right side of the rectum were suspected on preoperative magnetic resonance imaging. On laparoscopy, cysts were present in the right posterior region of the rectum in the retroperitoneal space and were excised. Pathological examination identified cystic hamartomas and epidermoid cysts. Conclusion: Complete excision is necessary because this lesion may lead to infection and conversion to malignancy. The procedure is performed in the deep extraperitoneal pelvic region, and requires corresponding knowledge and experience with gynecological malignancies; however, laparoscopic surgery may be feasible.
著者
石川 勝彦 束原 文郎 舟橋 弘晃 横田 匡俊 澤井 和彦 長倉 富貴 中村 祐介 岡本 円香
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.2_207-2_215, 2022-04-01 (Released:2022-04-17)
参考文献数
22

The present study investigated how academic performance and athletic performance were related to the results of athletic students’ getting a job offer from companies which are preferred by college students in job hunting. One thousand seven hundred thirty-nine student athletes were surveyed regarding the result of job hunting, the difficulty of entrance exam of university, national/private university, getting a scholarship, classification of entrance exam, academic performance (GPA), athletic performance, and gender. Results showed that the difficulty of entrance exam of university is the most effective factor relating to the results of getting a job in companies preferred by college students. In particular, the effects of academic performance and athletic performance on job hunting were not common to all participants, but were limited to the universities with the highest admission difficulty.
著者
吉田 麻美 米田 稔 片岡 利仁 尾坂 高明 小倉 研二 小島 玉雄
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.179-182, 2010 (Released:2011-03-16)
被引用文献数
1 1

京都府立植物園の桜園を対象として, 瓦破砕材を用いた土壌改良の有効性について検討した。まず試験的に各種土壌を充填した穴を通路上に設定し, 降雨への応答や踏圧による物理特性などの変化を追跡した。その結果, 瓦破砕材は適度な水の保持能力と水はけの良さを合わせ持っていること, 数ヶ月程度ではその効果は消えないことが明らかとなり, さらに実際に瓦破砕材を約40%(重量比)混合して実施した土壌改良でも改良前と水分保持量は変わらず, 水はけは良くなるという結果を得た。また土壌改良と同時に瓦破砕材のみを充填した道を造ったが, 土壌領域地表に難透水層が形成された場合には, この道が周囲の土壌中含水率に影響を及ぼすことが数値シミュレーションにより明らかとなった。
著者
勝倉 りえこ 伊藤 義徳 根建 金男 金築 優
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.41-52, 2009-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
2

メタ認知的気づきとは、否定的な感情や思考を自己の実体や世界の直接的な反映としてではなく、過ぎ行く心的な出来事として経験するプロセスであり、反復性うつ病の脆弱性の改善との関連が指摘されている。本研究では、認知プロセスを変容させると考えられるマインドフルネストレーニングの中核的技法である坐禅の訓練が、大学生の抑うつ傾向およびメタ認知的気づきに及ぼす影響について検討する。結果として、坐禅訓練が大学生の抑うつ傾向と反すう的思考スタイルを減弱し、またその効果はメタ認知的気づきの獲得を媒介して発揮されている可能性が示唆された。今後は、本研究で得られた予備的知見を、臨床群においても検証することが望まれる。
著者
小倉 光明 佐藤 和紀 森下 孟 村松 浩幸
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46043, (Released:2022-10-17)
参考文献数
6

GIGA スクールプロジェクトに基づく情報端末の運用および活用に対する課題意識(以下,GIGAスクールP における課題意識)について,初期・中期・後期段階の質的変遷を把握した.その結果,小・中学校では初期,中期で運用と活用に関する課題意識が5割程度であり,後期から活用に関する課題意識が6〜7割程度に高まっていた.教育委員会では,中期から活用に関する課題意識が7割程度に高まっていた.運用に関する課題はネットワーク環境やセキュリティに関する内容も多く,教員での解決は難しい.このような内容を踏まえて,主体的・対話的で深い学びの実現に向けてGIGA スクールP における課題意識に合わせた支援が必要であると考えられる.
著者
原 進 満倉 靖恵 上出 寛子
出版者
Japan UAS Industrial Development Association
雑誌
次世代移動体技術誌 (ISSN:24355453)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.81-90, 2022 (Released:2022-09-07)
参考文献数
8

近年,空飛ぶクルマに関する技術が国内外で盛んに研究されている。しかし,空飛ぶクルマやドローンなどの社会受容性については,まだ十分に研究されていない。社会受容性に関する十分な検討を行っていないと,今後ドローンの産業利用や空飛ぶクルマの普及により到来する「空の産業革命」が健全に浸透せず,新たな社会問題が発生することも予想される。そこで,社会受容性評価の方法として二つのアプローチを組み合わせた方法を提案する。一つはアンケートによる社会心理学的評価である。もう一つは感性アナライザを用いた脳波計測によるリアルタイム評価である。著者らは前報において騒音に対するストレスの有無を判定するために感性アナライザが適用可能であることを,ロータが発生する定常音や金属がキンキンと発生する非定常音など,複数の種類の音源を用いた実験により明らかにした。本研究では,前報と異なり音源を頭上通過する産業用ドローンの飛行音に限定し,その音量を変えながら何度も聞くことにより発生する,アンケート評価と脳波計測によるストレス評価の違いについて明らかにして,将来の社会受容性調査方法の策定に有用な知見を与える。
著者
與古田 孝夫 石津 宏 秋坂 真史 名嘉 幸一 高倉 実 宇座 美代子 長濱 直樹 勝 綾子
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.81-91, 1999-03-31 (Released:2011-10-21)
参考文献数
36

To clarify Japanese university students' attitude toward suicide and to relate it with their views on life and death, a questionnaire survey was conducted for 1, 366 students of University of the Ryukyus in Okinawa Prefecture in 1992 The major findings were as follows.1. The subjects who had thought about suicide (called "suicide awareness" group) accounted for 6.3% ; compared between the students from Okinawa and those from other prefectures this rate was significantly higher in the latter (p<0.01).2. The suicide awareness group thought about death earlier in their lives and had more positive attitude toward death such as "release from suffering, " "beautiful" and "peaceful" than other two groups.3. The association between attitude toward suicide and consciousness about death in the homeland was recognized by the suicide awareness group (a half of the students) more than by other two groups (p<0.001) and the suicide awareness group showed higher proportions in justification of suicide (p<0.001) and in courageous behavior for suicide (p<0.05).4. Compared with other two groups, the suicide awareness group had a higher proportion in positive feeling on the effect of religion on death (p<0.001) and a lower proportion in belief of metempsychosis (remigration of souls) (p<0.001).5. Regarding the association with terminal situation, the suicide awareness group showed a higher proportion in recognition of cerebral death as human death (p<0.001) and differed from other two groups in desired place at death and desired treatment in the terminal period.