著者
金谷 貢 渡辺 孝一 宮川 修
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.227-237, 2001-04-10
被引用文献数
11 6

目的: 本研究ではブリッジと有床義歯に関する教育, 研究および臨床の将来計画立案の-助とするために, 将来使用されるそれら補綴物数の推計を試みた.<BR>方法: 研究対象は65歳以上の高齢者および要援護高齢者とした. 将来における一人平均のブリツジ数と有床義歯数を歯科疾患実態調査報告をもとにした単純回帰分析より推定した. 回帰分析においては, 推定回帰線の交差および上限に対する補正を加えた. 推定された一人平均のブリッジ数, 有床義歯数, および将来推計人口から, 将来使用される補綴物数を予測した.<BR>結果: 高齢者が使用するブリッジと有床義歯の総数は, 今後20年間で2.0倍 (2.2~1.1倍, 95%信頼区間より算出) と1.5倍 (1.8~1.0倍) にそれぞれ増加し, その後10年間は両者ともにほぼ一定で推移すると推定された.ブリッジ数と有床義歯数の増加率はともに年齢階層が高くなるほど大きくなっていた. また, 要援護高齢者が必要とするブリッジと有床義歯の総数は, 今後25年間で2.7倍 (3.2~1.0倍) と1.8倍 (2.2~1.0倍) にそれぞれ増加すると推定された.<BR>結論: 以上より, 高齢者および要援護高齢者を対象としたブリッジあるいは有床義歯に関する教育, 研究および臨床はこれまで以上に必要性が増してくると考えられた.
著者
宮川 伸 藤原 将寿 西山 道久
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.534-543, 2008 (Released:2008-12-18)
参考文献数
24
被引用文献数
1

近年,RNAアプタマーが抗体医薬の次世代分子標的薬として注目されている.RNAアプタマーはSELEX法を用いて取得され,短鎖化および安定化ののちに医薬品候補品となる.PEGを付加することで体内動態特性が顕著に改善される.アプタマーはそれ自身が医薬品となりうるが,抗がん剤などを付加することでデリバリー剤としても利用可能である.本稿では,アプタマー医薬の作製方法と特性を概説するとともに,臨床試験中のvWFアプタマーとリボミック社が開発中のMKアプタマーに関して説明する.
著者
甲元 啓介 伊藤 靖夫 秋光 和也 柘植 尚志 児玉 基一朗 尾谷 浩 DUNKLE L.D. GILCHRIST D. SIEDOW J.N. WOLPERT T.J. JOHAL G. TURGEON B.G. MACKO V. 田平 弘基 YODER O.C. BRIGGS S.P. WALTON J.D. 宮川 恒 朴 杓允 荒瀬 栄 BRONSON C.R. 小林 裕和 中島 広光
出版者
鳥取大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

1) リンゴ斑点落葉病菌の宿主特異的AM毒素の生合成に関与する遺伝子: 環状ペプチド合成酵素(CPS)遺伝子のユニバーサルPCRプライマーを利用して得たPCR産物は他のCPS遺伝子と相同性が認められ、サザン解析の結果、AM毒素生産菌に特異的に存在する配列であることが判明した。本遺伝子断片を用いた相同的組込みによる遺伝子破壊により、毒素非生産形質転換体が得られ、さらに野生株ゲノムライブラリーをスクリーニングして、完全長のAM毒素生合成遺伝子(AMT)のクローニングに成功した。AMTは13KbのORFをもち、イントロンはなく、毒素構成アミノ酸に対応するアミノ酸活性化ドメインが認められた。2) ナシ黒斑病菌のAK毒素生合成遺伝子: REMIによる遺伝子タギング法を用いて毒素生産菌に特異的に存在する染色体断片から、AKT1(脂肪酸合成)、AKT2,AKT3(脂肪酸改変),AKTR(発現調節因子)、AKTS1(AK毒素生合成特異的)の5つの遺伝子を単離した。また、AK毒素と類似の化学構造を有するAF及びACT毒素の生産菌も、本遺伝子ホモログを保有することが明らかとなった。3) トウモロコシ北方斑点病菌の環状ペプチドHC毒素の生合成遺伝子TOX2の解析が進み、特異的CPS遺伝子HTS1のほかに、TOXA(毒素排出ポンプ)、TOXC(脂肪酸合成酵素b*)、TOXE(発現調節因子)、TOXF(分枝アミノ酸アミノ基転移酵素)、TOXG(アラニンラセミ化酵素)などが明らかとなった。4) トウモロコシごま葉枯病菌のポリケチドT毒素の生合成遺伝子TOX1は、伝統的遺伝学手法では単一のローカスと考えられていたが、今回の分子分析でTOX1AとTOX1Bの2つのローカスからなり、それぞれ異なった染色体上に存在することが明確となった。5) ACR毒素に対する特異的感受性因子を支配している遺伝子(ACRS)を、ラフレモンmtDNAからクローニングした。この遺伝子は大腸菌で発現した。6) リンゴ斑点落葉病感受性(AM毒素のレセプター)遺伝子を求めて、プロテオーム解析によりAM毒素感受性リンゴに特異的に発現しているタンパク質(SA60)を検出した。7) 宿主特異的毒素の生合成遺伝子は水平移動で特定の菌糸に導入されたと推論できた。
著者
田村 和巳 林 豊彦 中嶋 新一 小林 博 山田 好秋 石岡 靖 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.404, pp.61-68, 1995-12-09
被引用文献数
5

顎連動の制御メカニズムを解明するために,我々はヒトに近い構造をもつ自律顎運動ロボットと咬合力センサを開発してきた.このロボットには,DCサーボモータでワイヤを駆動する方式を用いた咬筋と外側翼突筋アクチュエータが装着されている.これらアクチュエータの制御にインピーダンス制御と適応制御を用いることにより,ヒトに近いかみしめを伴う開閉口運動を実現できた.しかしこの制御系は,等張性収縮において完全な位置制御を行っており,この点では実際の筋と異なっていた.これを改善し,より正確に伸張反射系をシミュレートするために,筋種や連動相の違いによりワイヤ長のフィードバック量を調節できるようにした.この制御系の改良と顎二腹筋アクチュエータの追加により,従来より自然な開閉口連動を実現することができた.
著者
宮川 敏治
出版者
大阪経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、提携外部性が存在する状況で、効率的な交渉結果を実現するための条件や提携形成の戦略的側面を交渉ゲーム理論の新しい分析手法によって解明することである。さらに、不完備情報下の交渉問題のための非協力・協力ゲームの解概念の提示と制度設計の可能性を検討する。以下の研究成果を得た。(1)戦略的提携形成と非協力交渉ゲームモデルの構築と分析:分割関数形ゲームの下での非協力交渉ゲームモデルを構築し、ナッシュ均衡解、ナッシュ交渉解、およびコアの関係を分析。さらに、応用問題として自由貿易協定を考察。(2)不完備情報の交渉問題でのナッシュ交渉解の提示。(3)非対称情報下での制度設計、提携形成。
著者
宮川 洋一 森山 潤 松浦 正史
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.139-150, 2008

<p>The purpose of this study is to obtain basic data that are useful for future study guidance by examining problem solving process and knowledge structure in Event Driven Type of programming. We examined the relation between knowledge structure that investigated it by 'Card Sorting' and problem solving process that was obtained by 'Problem solving process scale in event driven type of programming'. As a result, the next point became clear. 1) 'Control structure' and 'Utilization of the object' of knowledge structure are exerting the influence on problem solving. 2) The structure of excellent knowledge is useful for the process of 'Planning and Realization of the plan', 'Action check', 'Modification of the error' in processing procedure of programming. 3) The difference is not admitted in logic error and structure error search process by the standard of knowledge structure.</p>
著者
宇佐美 真一 工 穣 鈴木 伸嘉 茂木 英明 宮川 麻衣子 西尾 信哉
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.151-155, 2010 (Released:2011-11-30)
参考文献数
15
被引用文献数
10 8

低音域に残存聴力を有する高度感音難聴患者に対し人工内耳埋め込み術を施行した。症例は60歳女性。40歳頃から難聴を自覚した。50 歳頃からは右耳の補聴器の装用効果が認められなくなった。この症例にMED-EL社人工内耳(COMBI 40+:standard電極)埋め込み術を行った。電極挿入は、より低侵襲な正円窓からのアプローチにより行った。全電極を挿入したにもかかわらず、挿入後の低音部聴力が保存できた。残存聴力の保存が確認できたため、Electric acoustic stimulation用のスピーチプロセッサであるDUET®を用い、低音部は補聴器、高音部は人工内耳により音情報を送り込んだ。8ヶ月後の語音弁別能を評価した結果、術前15%であった最高明瞭度が50%にまで改善が認められ、日本語の聴取においても有用であることが明らかとなった。
著者
塩入 隆行 秋重 成孝 石川 一郎 宮川 英祐 福井 美代子 有澤 康 高島 己千雄
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.955-966, 1983-12-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

今回の試験は, 歯周疾患患者24例を対象として, クロルヘキシジングルコネート含有 Tooth Paste の有効性を Active Control を対照として二重盲検クロスオーバー法より評価した。薬剤使用開始直前および2週後の薬剤を交換する時点で, スケーリングを実換し, 歯垢抑制, 歯肉の炎症の改善度を評価し, また薬剤使用開始と薬剤交換時には, 細菌検査用ブラケットを上顎前歯部に装着した。その結果1. 歯垢抑制効果については, 上顎では両薬剤間に差はなかったが, 下顎では2週後で有意な差を認め, LS-5 群がOTCAC群に比べ抑制効果が著しく認められた。2. 歯肉炎症の消退に対する効果および歯周ポケット3mm以下正常数率では, 上顎については両薬剤間に差は認められなかったが, 下顎では2週後, 歯肉の炎症の緩和の効果および歯周ポケットの正常数率で, LS-5群がOTCAC群に比べ有意に高かった。3. T. A. C. フィルム片に沈着した2週後の細菌数については, 嫌気性菌の増殖批制効果に関しては, 両薬剤間に差を認めなかった。好気性菌の増殖抑制効果に関してはLS-5群がOTCAC群に比べ高いと考えられた。4. 走査電顕像を撮影し, 評価した結果では, 両薬剤間に差は認められなかった。5. 有用性評価の有用率はLS-5群75.0%, OTCAC群50.0%で両薬剤の比較は, p=0.041で有意な差を認めた。6. 副作用は全例に認められなかった。
著者
今山 延洋 山下 晃功 橋本 孝之 糸山 景大 長谷川 雅康 永田 萬享 畑 俊明 竹野 英敏 尾崎 士郎 澤本 章 大橋 和正 余湖 静也 山口 晴久 土屋 英男 宮川 秀俊 安東 茂樹 安孫子 啓 田口 浩継 山本 勇 紅林 秀治 長澤 郁夫 吉田 誠
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

教師を目指す人に対して、技術科教員指導能力認定試験を創設し、3回実施した。日本で初めての試みである。試験は年1回実施され、教員養成で必要な修得基準に基づいて出題し、教員として身につけておくべきレベルの筆記・実技・模擬授業の能力を一次・二次試験によって判定した。3回の試験の実施の経験をもとに、今後の恒常的な実施の見通しを得るとともに、修得基準を見直した。
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。
著者
宮川 明子 清木 康 宮原 隆行 北川 高嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-10, 2000-02-15
被引用文献数
2

画像データなどのメディアデータを対象としたデータベースシステムの実現において,検索者が求めるメディアデータを適切かつ高速に抽出することは重要である.本論文では,意味の数学モデルを拡張した意味的画像連想検索を対象とした高速化アルゴリズムの実現方式を提案する.意味の数学モデルは,文脈あるいは状況に応じて動的に変化するデータ間の意味的な関係を計算するモデルである.本論文で提案するアルゴリズムは,指定された時間内の限られた計算回数で有効な検索結果を得ることを目的としたものである.このアルゴリズムによる意味的画像検索の実験を行い,実験の結果よりその有効性を明らかにした.In the database system design for multimedia database, it is important to develop a correct and fast retrieval method for media data(e.g. image, music). This paper proposes a fast algorithm and its implementation method for semantic associative image search based on our mathematical model of meaning. This model has been designed for computing semantic relation between data items dynamically accoding to context and situation. The objective of this algorithm is to obtain the available and correct retrieval results within the given limited time in the semantic associative search. This paper also shows some experimental results of semantic image search to clarify the feasibility and effectiveness of the proposed algorithm."
著者
高橋 勇 宮川 勝年 小高 知宏 白井 治彦 黒岩 丈介 小倉 久和
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.11, pp.2989-2999, 2007-11-01

従来,不正な剽窃行為は学習者間で行われていた.しかし,近年ではWebページの一部をコピー&ペーストして不正なレポートを作成する学習者が増えている.このような不正なレポートへの対策には,剽窃元のWebページの探索から剽窃箇所の学習者への提示までを含めたトータルな支援システムが必要である.本研究では,Web検索機能,剽窃評価機能,剽窃箇所特定機能の三つの機能からなる支援システムの枠組み,及び,n-gramを用いた類似度評価手法を応用したシステムを提案し,実装した.更に,これを用いてWebから擬似的に作成した剽窃レポートと,実際の授業で回収されたレポートを用いた評価実験を行った.その結果,前者の実験ではすべての剽窃元Webページが検出され,後者の実験では,本システムで剽窃の可能性が高いと判断されたレポートは,手作業・主観的評価による評価でも剽窃と判断されることが示された.