著者
福家 洋子 大石 芳江 岩下 恵子 小野 晴寛 篠原 和毅
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.709-711, 1994-10-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
11
被引用文献数
3 7

沢わさびの水抽出画分は,胃がん細胞MKN-28の細胞増殖を著しく抑制することを見いだした.活性成分は,限外ろ過による分子量分別の結果,分子量5000以下の成分であり,わさび中に存在する酵素および辛味前駆物質(シニグリン)辛味成分ではないことが確認された.また活性は90℃, 10minの加熱条件によってもほとんど影響を受けず安定な成分であることが確認された.
著者
江崎 重昭 川村 次郎 本多 知行 小野 仁之
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.49-52, 1995-03-31 (Released:2018-09-25)
参考文献数
13
被引用文献数
6

電気刺激による筋力強化を目的に,健常人10名の大腿四頭筋に対し,高周波電気刺激を6週間行った。高周波電気刺激は周波数50KHz,パルス幅10μsecのパルスを周波数50Hzで変調した。刺激後6週での大腿周径と筋断面積の増加は認められなかったが,最大随意筋収縮力は2.2 ± 1.7kg・mの増加を認めた(p < 0.01)。以上の結果より高周波電気刺激は健常人に対する筋力強化に有効であることが示唆された。
著者
鈴木 智康 小野 孝也 髙橋 賢 野田 和彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.201-204, 2019-08-10 (Released:2020-01-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

淡水中における金属の腐食性モニタリングの検討を目的とし,種々の水溶液中にACMセンサ(Atmospheric Corrosion Monitor Sensor)を浸漬してその出力電流測定を行った.その結果,水温の変化や微量の水処理剤添加に対する瞬間的な応答を確認したことで,ACMセンサがごく短時間で腐食性の変化を出力として捉えられることがわかった.4種の淡水に対しては異なる出力を示し,RCMセンサ(Resistmetric Corrosion Monitor)での腐食量測定値との相関が高いこともわかった.従って,ACMセンサによって淡水系での腐食性モニタリングの可能性が得られた.
著者
小野 一良
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.62, pp.56-65, 1959-05-15 (Released:2010-08-24)
参考文献数
11

D51型機関車が8番片開き分岐器の分岐線を通過するときに機関車の各車軸のかたより, 分岐線または基本レールが受ける横圧力その他について計算ならびに測定を行つた。この結果を用いて機関車の乗り上り脱線に対する安全度ならびに分岐器の構造上の強度を検討し, またこの対策を論じた。
著者
小野 健太 澤田 守 宮下 剛 玉越 隆史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00310, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
19

本論文は,せん断力を受ける鋼I桁を対象として,道路橋示方書で定義される限界状態2について検討した結果を述べるものである.本研究では,まず鋼I桁のせん断載荷試験を行い,得られた荷重応答曲線上に限界状態2として扱える状態を位置づけるとともに,その状態における力学的特性を把握し,力学モデルを提示した.次に,提示した力学モデルを基本としてパラメトリック解析により得られた結果を分析することで,限界状態2として扱える状態の強度評価式を示した.提案した強度評価式は,パラメトリック解析との限定的な比較ではあるが,±6%の誤差で精度良く強度を推定しうることが確認出来た.
著者
板谷 厚 小野 誠司 木塚 朝博
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.33-44, 2020 (Released:2021-07-16)
参考文献数
27

本研究は, 男子大学野球部員20名を対象者とし, 盗塁をモデル化したスプリント走 (投手の投球動画を見て打者方向への投球だと判断した時点でスタートし10 mを全力疾走する) 24試技を実施した. スプリント走タイムとスタート時の投球方向予測の確信度をvisual analog scaleにて測定した. 各対象者のタイムと確信度は総じて負の相関関係にあり, 確信度が高いほどタイムは短縮する傾向にあった. したがって, 盗塁のような予測をともなうプレーは予測が外れ失敗するリスクはつきものだが, 判断に確信をもつことでパフォーマンスは向上し, 成功の可能性を高めることが示唆された.
著者
澤登 洋輔 高塩 理 橋本 龍一郎 林 若穂 小島 睦 小野 英里子 西尾 崇志 青栁 啓介 太田 晴久 板橋 貴史 岩波 明
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.229-241, 2021 (Released:2021-08-24)
参考文献数
30

社交不安は自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder, 以下ASD)の主要な併存症状の一つであるが,その神経解剖学的基盤は未だに十分に研究されていない.本研究では,成人ASDの社交不安の神経解剖学的相関を神経学的定型群(Neurotypical Control,以下NC)と比較して検討した.対象は,昭和大学附属烏山病院の外来患者の内,精神障害者の診断と統計マニュアル第4版改訂版でASDと診断された40名の男性と,健常者43名のNC男性であった.社会統計学的および臨床的特徴を収集し,リーボヴィッツ社交不安尺度日本語版(Liebowitz Social Anxiety Scale,以下LSAS-J),自閉症スペクトラム指数,ウェクスラー知能検査第3版(Wechsler Adult Intelligence Scale, Third Edition,以下WAIS-Ⅲ)を用いて,それぞれ社交不安の重症度,ASD症状,知的プロフィールを評価した.全脳1.5T磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging,以下MRI)スキャンを実施した.LSAS-Jスコアの神経解剖学的相関を調べるために,Voxel-based morphometry(以下VBM)解析を行った.ASD群ではLSAS-Jスコアが左上側頭回および右感覚運動野の灰白質密度(Gray Matter Density,以下GMD)とそれぞれ正と負の相関を示した.一方,NC群ではLSAS-Jスコアが両側前頭極および左被殻のGMDとそれぞれ正と負の相関を示した.関心領域解析を行った結果,上記4領域のうち,左上側頭回以外の右感覚運動野,左前頭極および左被殻における平均GMDはLSAS-Jと群要因の交互作用を認めた.ASD群は,NC群と比較して,社交不安の神経解剖学的相関に特徴があり,おそらく社交不安の高まりに対する代償メカニズムが異なるためであろうと考えられる.このことは,ASDにおける社交不安の特徴を示唆している.
著者
小野 雅章
出版者
教育史学会
雑誌
日本の教育史学 (ISSN:03868982)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.006-018, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
23

This paper reveals the great controversy surrounding the process of determining Prewar Japan’s national flag regulations through an analysis of government approved textbook descriptions. National flag regulation long remained unsettled, with an intense debate raging through the 1920’s and 1930’s.During the 1920’s the Japanese government failed to model to the public consistent, official national flag customs which contributed to the persistent controversy, in that the government did not recommended the rising of the national flag in public space on holidays, etc.Emphasis on national flags customs varied. As a result, diverse views continued to be disseminated even government approved Textbooks. In December, 1930, the government issued an official notice determining national flag customs. However, there was a great deal of public opinion opposed to the new regulation. Flag customs promulgated in textbooks published by the Ministry of Education even differed from one another. Even though the issue was discussed by the House of Representatives, the controversy remained unresolved. The prewar Japanese government was unable to standardize flag custom. In 1940, the issue was finally resolved; the Ministry of Education produced a textbook that finally adopted the December, 1930 official notice on flag customs.Public records government approved textbooks, and Diet records were utilizes in the research for this paper.
著者
小野寺 孝義
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.81-99, 1997-11-25 (Released:2017-08-09)
参考文献数
10

本研究では南インドにおいて超常現象とみなされてきた2つの現象、アガスティアの葉の予言とアムリタが出現するという奇跡のペンダンについて調査した結果を報告する。アガスティアの葉とは数千年前に書かれ、伝えられてきたとされる個人に関する予言の書のことである。指紋から該当するアガスティアの葉を探すと、そこにその個人の家族や両親の名前、過去及び未来が書き込まれているとされる。もう一つの奇跡のペンダントとはアムリタと呼ばれる液体が次々流れ出すとされ、物質化現象の一種とみなすことができるものである。まず、アガスティアの葉については現在の科学で説明がつかないような現象ではないことが判明した。それは超常現象というよりも人間心理の盲点を巧みについたトリックを用いた占いの一種と言えることがわかった。奇跡のペンダントについては、報告されていたアムリタの物質化自体が観察されなかったし、検証自体がペンダントの所持者に拒否された。
著者
小野 孝也 鈴木 智康
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.42-45, 2019-02-10 (Released:2019-07-26)
参考文献数
17

ぬれ環境下における腐食速度検討のため,各種濃度のNaCl水溶液中にFe/Ag対ACM(Atmospheric Corrosion Monitoring)センサを浸漬して出力電流測定およびFe-Ag間電位差測定を行った.また,RCM(Resistmetry Corrosion Monitor)センサによって実腐食量を求め,ACMセンサの出力と比較した.その結果,実腐食量とACMセンサ出力には明らかな相関が認められ,ACMセンサの出力電流に比べてFe-Ag間電位差の方が優れていることがわかった.従って,雨が直接かからない環境下では従来の出力電流値を用い,ぬれ環境下ではFe-Ag間電位差を用いることで精度の高い腐食速度推定が可能と考えられる.また,この方法はACMセンサの長寿命化にも寄与できると考えられる.
著者
野田 和彦 片山 英樹 升田 博之 小野 孝也 田原 晃
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.368-374, 2005-08-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
55
被引用文献数
3 5

材料の実用に際し, 大気腐食は身近にして多くの課題を有する問題であるが, 一般的な電気化学測定による評価が困難であるため, 大気腐食評価法に関して多くの取り組み, 試行がなされている。ここでは, 大気腐食性評価におけるモニタリング技術と表面観察法を中心とした大気腐食評価法を紹介した。モニタリングにおいては, 大気暴露試験, ACMセンサ, 交流インピーダンス法, QCMについて解説し, その有効性と適用範囲を整理した。鉄鋼材料の大気腐食性評価に用いたさび膜のイオン透過抵抗測定およびイオン選択透過性評価について, 試料作製から解析の一部を紹介し, 腐食生成物の物性評価の重要性を説明した。さらに, 表面観察法としてケルビン法や原子間力顕微鏡を用いた表面電位測定, 表面pH分布測定の有効性を解説することで, 表面可視化技術の発展と大気腐食性評価への適用の期待を示した。
著者
飯田 年以 菅原 美郷 小野 隆之 河合 江理子
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.100-107, 2013-06-20 (Released:2015-08-25)
参考文献数
16

肌のざらつきは,若年層を中心として悩み項目の上位に挙げられるが,その正体は詳細に検討されていなかった。20~30代前半の女性の額部を観察したところ,ニキビがよくできる人にぶつぶつとした触感の小さなふくらみがあり,これを「ざらつき」と感じていることを見出した。このざらつきの構造を機器分析するとともに,触感で認識,マークして計測を行う評価法を用い,個数や変動,肌状態との関連を調べた。その結果,ざらつきは毛穴に一致した肌色の盛り上がりを持つ「小さなコメド (面皰) 」であった。これはニキビとは認識されていないごく初期段階のもので,肌の伸展や光の当て方で認識できる“missed comedones”に相当すると想定された。短期間に形成または消失することで,全体として数が周期的に変動していた。また,ざらつき数の多い人は皮脂量が多かった。以上より,ざらつきの改善には明らかな面皰や炎症性コメドと同様に過剰皮脂と角層のターンオーバー制御が重要と考えられ,有効成分としてサリチル酸とトラネキサム酸配合の化粧水製剤を開発した。ヒト連用試験の結果,額部のざらつきの減少とともに,アンケートでざらざら感減少やなめらかさ向上が認められた。
著者
小野塚 知二 藤原 辰史 新原 道信 山井 敏章 北村 陽子 高橋 一彦 芳賀 猛 宮崎 理枝 渡邉 健太 鈴木 鉄忠 梅垣 千尋 長谷川 貴彦 石井 香江 西村 亮平 井上 直子 永原 陽子
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2022-06-30

野良猫の有無とその消滅過程に注目して、人間・社会の諸特質(家族形態、高齢化態様と介護形態、高齢者の孤独、猫餌の相対価格、帝国主義・植民地主義の経験とその変容、動物愛護思想、住環境、衛生意識、動物観など、従来はそれぞれ個別に認識されてきたことがら)を総合的に理解する。猫という農耕定着以降に家畜化した動物(犬と比べるなら家畜化の程度が低く、他の家畜よりも相対的に人間による介入・改変が及んでいない動物)と人との関係を、「自由猫」という概念を用いて、総合的に認識し直すことによって、新たに見えてくるであろう人間・社会の秘密を解明し、家畜人文・社会科学という新しい研究方法・領域の可能性を開拓する。
著者
松本 健作 森 勝伸 下村 通誉 小野寺 光二 南雲 洋平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1117-I_1122, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
12

河川環境に生息する生物として,河川伏流水に生息する地下水生生物に着目し,地下水観測孔を用いた観測手法の有効性の検証およびその生息環境因子について考察した.通常は孔内水位や地下水流向・流速という物理因子を観測するために河川近傍に設置された地下水観測孔内では,多数の地下水生生物の観察が行える可能性が高く,観測手法として極めて有効であることを示した.また,僅か30 m離れた2つの観測孔における生息状態が大きく異なっていることから,両孔の地盤特性,孔内水の含有イオン,水温等を調査し,地下水生生物の生息実態におよぼす水質特性を示すとともに,その両孔間における水質の差異を生じさせている要因が地盤の粗密からくる地下水の流動性の差異である可能性を指摘した.
著者
小野 裕之 八尾 建史 藤城 光弘 小田 一郎 上堂 文也 二村 聡 矢作 直久 飯石 浩康 岡 政志 味岡 洋一 藤本 一眞
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.273-290, 2020 (Released:2020-02-20)
参考文献数
138
被引用文献数
2

早期胃癌に対する内視鏡治療が急速な拡がりを見せている現況において,日本消化器内視鏡学会は,日本胃癌学会の協力を得て,新たに科学的な手法で作成した基本的な指針として,“胃癌に対するESD/EMRガイドライン”を2014年に作成した.この分野においてはエビデンスレベルが低いものが多く,コンセンサスに基づき推奨度を決定しなければならないものが多かったが,近年,よくデザインされた臨床研究が増加している.新しい知見を踏まえて,適応・術前診断・手技・根治性の評価・偶発症・術後長期経過・病理の7つのカテゴリーに関して,改訂第2版を刊行し,現時点での指針とした.
著者
小野 文生
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.85, pp.59-75, 2002-05-10 (Released:2010-05-07)
参考文献数
37

The present paper intends to clarify the mechanism of arts of interpreting others in the philosophy of education, as well as to examine some of its problems. For this purpose, the present author compares the thoughts of Lévinas and of Buber who developed unique theories on “otherness” respectively. There has long existed in education the problem of how to understand pupils and children as they really are; i.e. the problem of otherness. Lévinas, as the noted ethician and philosopher of otherness, is expected to give us a firm foothold for the clarification of this problem.However, Lévinas's thought has rarely attracted attention in the context of pedagogy. One should first ask why this has been the case. An analysis of those rare responses to Lévinas on the part of pedagogists reveals that they have been characteristically connected with the interpretation of others in educational praxis : i.e., “hermeneutische Kompetentz” or the power of interpretation.Second, the author will examine in detail the Problematik attending such power of pedagogists, and will indicate that the power is closely related to Buber's conceptions of educational relationship, especially that of “Umfassung” or inclusion. It is further shown here that the power and the inclusion paradoxically fall into a vicious circle, despite their original intention to break that very circle.Third, the author will compare the two philosophers to elucidate the critical potentiality of their conceptions by paying special attention to their differences. As objects of analysis stand, for example, pairs of conception such as “le dire” (the saying) and “le dit” (the said), and “Ich-Du” (I-Thou) and “Ich-Es” (I-It).Through these examinations, the distinction between Lévinas and Buber will be ascribed to the principle of gift, on one hand, and the principle of exchange, on the other. With its principle of gift, Lévinas's thought appears too radical and unrealistic for pedagogy, but it all the more clearly highlights the nature of the mechanism of arts of interpreting others.
著者
小野 文衛 Ono Fumiei
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:24332224)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-18-002, pp.1-99, 2018-10-11

酸素システムにおいては, 火災の三要素, すなわち, 燃料, 酸化剤および発火源, のいずれも取り除くことが困難である. このため, 発火の危険性を可能な限り低減または排除するように配慮して酸素システムを設計, 運用する以外に方法が無い. これまでに, 航空宇宙, 潜水, 医療, 産業などの分野において, 酸素が関係する火災や爆発事故が多数発生している. 本資料では, 過去に起きたこれらの事故事例の調査を行った結果について可能な限り紹介した. これらの事故の経験を基にして関係諸法の整備および技術的な調査・研究などが進められ, 酸素システムの安全性の向上が図られてきた経緯がある. 酸素を扱う全ての者は, 酸素の基本的特性に関して教育を受け, 各指示書や作業手順書を逸脱しないことが大切であるが, それらの指示や手順が何故そのようになっているのか, その本質を理解することも安全上重要である. もしも指示書や手順書に規定されていない事態が発生した場合でも, その事象の本質を理解して対処することができれば, 最悪の事態を免れる可能性が高いためである. 本資料では, 米国における航空宇宙分野および一般産業分野で発生した酸素関連の事故事例を中心に紹介し, 併せて欧州と我が国における事例についても示した. 本資料には約540 件の事故事例を示したが, その原因は基本的知識の欠如(教育不良), 手順違反/不良, 設計/製造不良, 材料不適合, 洗浄/確認不良, 汚染, 保守/点検不良, 管理/監督不良などに分類される. これらの事例の中には, 基本的知識の欠如や手順違反/不良によるものが相当数見られた. さらに, 大部分の事故は単独の原因ではなく, 複数の原因が重なって発生している. また, 酸素を安全に取扱うために必要な最低限の事項についても述べ, 関係する文献類については本資料の末尾に示した.
著者
上地 杏奈 小野 尋子 池田 孝之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.712, pp.1329-1337, 2015 (Released:2015-07-11)
参考文献数
15

This study aims to clarify the particularity of Land Readjustment Project on the site of U.S. military in Okinawa by tracing the changes and discussions of Master Plan, Land readjustment Plan of the pre-returned area “Shintoshin”. “Shintoshin” is a newly and the biggest case in Okinawa. The methods are hearing to key persons and document analysis. The consequences are followings; 1) Because landowners had high demand of income from own real estate, the Total Floor Area Ratio was pushed up higher than usual, and the Land Use Plan had been converted its concept into a new center district with a big commercial zone. 2) Despite of high popularity in the real-estate market, the central area evaluated extremely low, it was around 70% lower than market price, by roadside land price assessment before Land Readjustment Project. To early success of land acquisition for public institution, the local government has to offer a reasonable price.