著者
川上 清文
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.3-7, 2014 (Released:2018-10-05)
参考文献数
14

本論文の目的は、子どもたちの保護者・教師・多くの分野の研究者に村井実の“ よさ理論” を紹介することである。村井による教育の定義は「子どもは“ よく” 生きようとしている。大人は、子どもたちのその働きを助けようとする。大人のこの活動を“ 教育” と呼ぶ」というものである。村井理論の重要な点は「子どもは“ よく” 生きようとしている。しかし、私たちは“ よさ” とは何か決めることができない。これが教育のパラドックスである」ということである。この論文では、“ よさ” に関するいくつかの例を呈示する。
著者
川上 梅 石井 彩也香
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
巻号頁・発行日
pp.240, 2011 (Released:2011-09-03)

目的 今日、多くの女子高生がスカート丈を短く調節して履いており、制服が現状に合っていないのではないかと考える。本研究では、女子高生の制服のスカート丈に関する実態と意識について調査し、主にスカート丈の校則、実態及び理想の関係について検討し、実情の一部を明らかにした。 方法 実態及び意識調査の対象者は、都内私立女高1校、都立高2校、水戸市内女高2校、新潟市内私立女高1校の計6校に在籍する745名である。その他に、意識調査のみを女子大生110名、男女108名を対象に実施した。実態調査の内容は、校則のスカート丈、実際に履いているスカート丈、校則の厳しさ等である。また、意識調査の内容は、7種類の丈の異なるスカートのSD法によるイメージ評価である。調査期間は、2010年10月-12月である。 結果及び考察 <校則と思うスカート丈>は、同一の高校であれば、同一の回答が得られる筈であるが、同一の高校でも異なるスカート丈が選択され、認識は様々であった。この認識のばらつき(標準偏差)の違いにより、認識が画一的な高校と分散する高校に分けて考察した。その結果、スカート丈を画一的に認識し、スカート丈を膝丈あるいは膝上5cmの校則通りに履く傾向は、女子校で多く見られた。一方、男女共学の都立高等は、スカート丈の認識が分散しており、校則は膝上5cm程度であるにも拘わらず、実際には膝上10cm程度に調節して履いていた。さらに、<好ましいスカート丈>は、校則や実態が異なる全高校及び10代・20代の男女でほぼ一致し、膝上10cmの評価が最高値を示した。今日、若者の理想は膝上10cm程度であり、校則は膝丈あるいは膝上5cmと長めであった。
著者
金折 裕司 川上 紳一
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.125-139, 1996-05-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
57
被引用文献数
2 3

Several boundaries of tectonic blocks can be defined as the lines linking large-scale active faults in Southwest Japan. Using available data concerning geology and geophysics, tectonic features of the block boundaries have been briefly reviewed. These features imply that Southwest Japan is separated into a few microplates. Based on the microplate model of Southwest Japan, sequential generation of large earthquakes including the 1995 M7.2 Hyogo-ken-nanbu earthquake can be interpreted. The Hyogo-ken-nanbu earthquake occurred in the middle of the 100-km long Takatsuki-Rokko-Awaji tectonic line (TATL). The aftershock distribution and the surface ruptures suggest that the main shock is caused by a 40-km long rupture of the central part of the TAIL. Thirty-kilometer long eastern and western parts of the TATL remain unruptured. The average moment-release rate of the 40-km central part of the TATL can be estimated from the slip-rate of constituent active faults. The magnitude of an earthquake generated at the central part can be predicted from the seismic moment, which is calculated from the moment-release rate and the elapsed time since the 1596 Keicho-Fushimi earthquake. The calculated magnitude of 6.8 to 7.2 is consistent with the actual magnitude of the Hyogo-ken-nanbu earthquake. If the eastern and western parts unruptured have the same slip-rate as that of the central part, the accumulated moments after the previous event amount to the earthquakes with a magnitude of 6.7 to 7.1. A two-meter right-lateral slip along the Nojima fault, which constitutes western-central part of the TATL, occurred at the time of the Hyogo-ken-nanbu earthquake. This slip may help a southward migration of the Kinki-Outer mircoplate. The movement may reduce normal stresses along the Median Tectonic Line and may increase stress concentration along the Nankai trough. The kinematics of the microplate and sequential generation of large earthquakes along the microplate boundaries suggest a high probability of generating an offshore earthquake along the Nankai trough in a period ranging from 2003 to 2040 A. D.
著者
川上 浩司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012)
巻号頁・発行日
pp.2P1OS9b7, 2012 (Released:2018-07-30)

ユーザの能動性や気付きを誘発するなど、不便には益がある。キーボードの刻印を無くして敢えて視覚フィードバックを無くす不便は、知覚─行動サイクルからカップリングへと誘う。不便の益を新たなシステムに実装するアイデアの多くは、ユーザに発見や工夫を許し、自己肯定感を醸成させる仕掛けである。この「許す」から「誘う」に転じる仕掛けはないか、不便益研究の側からは、仕掛学に期待するところ、大である。
著者
石井 岳史 川上 直人 橋本 剛 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GI, 研究報告ゲーム情報学 (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.19, pp.1-8, 2019-03-01

ボードゲーム『ガイスター』は6×6のボード上で青赤2種8つの駒を交互に動かし,「脱出」「青駒全取り」「赤駒全取られ」のいずれかを狙う,対戦相手の駒の色がわからない2人用不完全情報ゲームである.不完全情報ゲームであるという点から運が影響しやすいが,駒の動きから非公開駒の種類を予測するなど心理戦の要素も多い.本ゲームにおいて上達するためには終盤の駒の動かし方について学ぶことが重要である.そこで詰将棋のような『詰めガイスター問題』を提案,実際に生成し有効性の考察を行うことで.対戦相手がいなくても初心者がガイスターに触れ,学ぶことができる環境の提供を目指す.本研究では通常のガイスターのルールに則った一般問題と,対戦相手の一部の駒を公開することで実戦での駒の種類予測を反映するような一部公開問題の2種を提案・考察する.一般問題では限られた勝利条件の問題しか生成できず,直感的に解くことができる問題が多かった.一部公開問題では,一般問題では生成できなかった青駒全取り問題を生成でき,アンケートでも高い評価を得ることができた.
著者
川上 新二
出版者
岐阜市立女子短期大学
雑誌
岐阜市立女子短期大学研究紀要 (ISSN:09163174)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.15-20, 2017

Spirit possession often occurs at shamanic rituals of Korea, and it can be classified into four types. First, shamans make themselves possess spirits through dances and songs, in this case shamans control spirits and almost never make mistakes. Secondly, when clients attempt to contact with spirits that have particular relations to them through dances and songs, these spirits sometimes possess the clients, but this kind of circumstance rarely occurs. Thirdly, spirits suddenly possess clients. In this case, spirits have the initiative to possess, but it is rare to happen. Fourthly, shamans make spirits possess clients, but sometimes it ends with failure of possession. This article is about to study spirit possession that occurs at shamanic rituals of Korea.
著者
大塚 美智子 森 由紀 持丸 正明 渡邊 敬子 小山 京子 石垣 理子 雙田 珠己 田中 早苗 中村 邦子 土肥 麻佐子 原田 妙子 小柴 朋子 滝澤 愛 布施谷 節子 鳴海 多恵子 高部 啓子 河内 真紀子 増田 智恵 川端 博子 薩本 弥生 猪又 美栄子 川上 梅 渡部 旬子 倉 みゆき 丸田 直美 十一 玲子 伊藤 海織 角田 千枝 森下 あおい 上西 朋子 武本 歩未
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2014~2016年に関東、関西、中部、中国、九州地区で3200名、約50項目の日本人成人男女の人体計測を行い、マルチン計測による3200名と三次元計測による2000名のデータベースを構築した。これにより、アパレル市場の活性化と国際化が期待でき、JIS改訂の根拠データが得られた。人体計測データの分析の結果、現代日本人は20年前に比べ身長が高く、四肢が長いことが明らかになった。また、若年男子のヒップの減少と中高年成人女子におけるBMIの減少が顕著であった。
著者
川上 浩司
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.69-78, 2021-06-30 (Released:2021-07-02)

The health, clinic, and education information evaluation institute (HCEI) develop databases derived from nerborn to school age health check-ups under the contract with local governments in Japan, and epidemiological analyses are provided to both individuals and local governments. The anonymized database is maintained for the secondary epidemiology research by researchers. On the other hand, HCEI aldo develops anonymized clinical database (RWD-DB) derived from electric medical record of hosipitals in Japan. Eplidemiological analyses utilizing RWD-DB is provided to hosipitals for the purpose of improvement of clinical outcomes and safety. These initiatives are important not only for the research basis but also for the health policy and helath-related industry.
著者
川上 浩司
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.125-134, 2009-02-25 (Released:2019-09-04)
参考文献数
32
被引用文献数
13

This paper presents a viewpoint of "benefit of inconvenience" based on the symbiotic thought and discusses several issues in the research field of systems design. Convenience generally implies "saving labor. " Designers aim to develop goods for sparing humans labor based on the assumption that "the more convenient life is, the richer it is." This assumption has yielded technical developments and outcomes that we generally appreciate. On the other hand, technologies have brought about several problems. One of the way to overcome such problems is pursuing further developments and convenience. But in the case where such developments yield further problems, symbiotic thought doubts of the final destination of this way. An alternative way is to get back to the basic focus on the problems. Benefits of inconveniences navigate us to the promising ways. Inconvenience enhances awareness, prompts creative contribution, and brews affirmative feeling.
著者
中埜 拓 村上 雄二 佐藤 則文 川上 浩 井戸田 正 中島 一郎
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.37-42, 1995-02-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
22

カゼイン組成がカード形成状態や消化性に及ぼす影響を調べた。ウシα-カゼインに酸を添加すると粗大なカードが形成されたが, ウシβ-カゼインならびに人乳カゼインではカードが微細であった。乳児の消化管内を想定したpH 4.0のペプシン分解およびそれに引き続くパンクレアチン分解を行うと, ウシβ-カゼインがウシα-カゼインに比べ速やかに消化された。ラットによる消化試験では, ウシβ-カゼインがウシ全カゼインに比べ分解されやすく, 胃内滞留時間が短かった。以上のことから, カードはβ-カゼインのように微細であるほど, 消化されやすいこと, また胃から速やかに小腸に移行することが示唆された。
著者
籏本 恵介 土田 芳彦 辻 英樹 川上 亮一
出版者
北海道整形外科外傷研究会
雑誌
北海道整形外科外傷研究会会誌 = The Journal of Hokkaido Orthopaedic Traumatology Association (ISSN:09146083)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.57-62, 2004-03-31

横紋筋融解症は様々な原因により生じる筋肉組織破壊とその結果生じる二次的なtoxemiaの状態である. 外因性, 内因性に関わらず, 筋組織の崩壊を示す言葉である. Crush injuryは圧挫による局所の損傷を意味するが, Crush Syndromeは崩壊した細胞より放出される細胞毒性物質により生じる全身症状を示す. 従って, 外因性の横紋筋融解症はCrush Syndromeの一部と考えられる. 骨折はなくても, 外因性の横紋筋融解症では軟部組織の腫脹と皮膚の壊死あるいは神経症状を合併するため, 受傷初期には整形外科疾患として取り扱われることが多い. そして全身状態あるいは血液データ上異常が認められた場合, 全身管理目的に三次医療施設へ搬送されることになる. 今回我々は, 1999年1月より2003年6月までに経験した28例の横紋筋融解症に対して, 原因とその治療法について検討し報告する。