著者
松田 秀人 高田 和夫 橋本 和佳 栗崎 吉博 伊藤 裕 長嶋 正實 斉藤 滋
出版者
特定非営利活動法人 日本咀嚼学会
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.95-100, 2001

咀嚼能力の測定にジューシーフレッシュガムを用いていたが, 製造中止となったため, 代替ガムの選定を目的とした. 咀嚼能力測定ガムとして, 5種類のガムを試みたが, 歯科用キシリトールガムが最適であった. 噛む回数が20~60回では, 噛む回数に正比例して溶出糖量が直線的に増加し, その相関係数はR<SUP>2</SUP>=0.9946であった. また噛むのに要した時間は, 噛む回数に比例して直線的に増加し, その相関係数はR<SUP>2</SUP>=0.998であった. 歯科用キシリトールガムを用いて咀嚼能力を測定する際の噛む回数は, 噛む回数と溶出糖量が正比例の関係にある20~60回の中間の40回が妥当であり, このガムを用いて咀嚼能力を測定することが可能である. 他のガムの場合にはこのような結果が得られなかった.<BR>実際に歯科用キシリトールガムを用いて, 高校1年生を対象に咀嚼能力を測定したところ, 溶出糖量と人数との関係は正規分布に近い形を示した. しかも, 男女生徒間の溶出糖量には有意差が認められた. また, 咀嚼能力が強い群が21人 (16.7%), 咀嚼能力が普通の群が85人 (67.5%), 咀嚼能力が弱い群が20人 (15.9%) となった.これらの結果は, ジューシーフレッシュガムを使用した場合と同様な結果となり, 咀嚼能力の測定には, 製造中止となったジューシーフレッシュガムに代わり, 歯科用キシリトールガムが使用可能である.
著者
安達 秀雄 斉藤 勝 沢井 芳男 有田 峰生 松本 稔
出版者
低温生物工学会
雑誌
凍結および乾燥研究会記録 (ISSN:02888289)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.118-125, 1965-04-05 (Released:2017-08-01)

従来ハシカウイルスは感染力保持のため-40度(摂氏)以下の低温に保持されていた。1941年にHarst等により、感染組織乳剤を凍結乾燥することにより、比較的保存が容易となつた。近年ハシカワクチンが実用化されるにともない、その保存は-80℃に依存している。そこで実用上の問題として、凍結乾燥によるウイルス活性保持の研究が行われるようになった。1964年Greiffにより人血清アルブミンおよびラクトビオン酸カルシウムを1%づつ添加することにより、活性を保持することが報告された。私達もハシカウイルスの凍結乾燥について検討したので、その成績を以下に示す。
著者
広野 巌 大場 茂 斉藤 喜彦 丹羽 治樹 小鹿 一 若松 一雅 山田 静之 松下 和弘
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-15, 1983-09-15

We have examined the constituents of bracken fern, Pteridium aquilinum var. latiusculum and performed fractionation of the boiling water extracts by means of the assay based on carcinogenicity to rats. From the fraction exhibiting carcinogenicity, we have isolated an unstable norsesquiterpene glucoside of illudane type named ptaquiloside (1). The planar structure of (1) has been established on the basis of spectral and chemical means. The carcinogenicity of (1) to rats is currently under investigation.
著者
斉藤 知範
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.131-150, 2002-10-31 (Released:2011-03-18)
参考文献数
43
被引用文献数
3 3

This paper examines empirically the hypotheses derived from the differential reinforcement and social control theories of delinquency, and provides new understanding for understanding issues of delinquency in contemporary Japan. Over the last three decades, relatively few empirical studies have been conducted on the relationship between juveniles' association with delinquent peers and various types of deviant behavior in Japanese society. In particular, there have been very few case-controlled studies testing the analytic validity of differential reinforcement and social control theories for official delinquency. The author hypothesizes that official delinquency, which tends to be chronic and only occurs in the presence of strong motives and impulses, is mainly caused by the mechanism of positive reinforcement (seeking rewards) and negative reinforcement (escaping punishment) through association with delinquent peers. In addition, the author hypothesizes that school-related stress is negatively related to both self-reported and official delinquency.The following conclusions are reached.(1) The findings are very consistent with the author's hypothesis that delinquency is learned or reinforced through association with delinquent peers. Moreover, the effect of delinquent peer association holds significance, independent of other factors.(2) As was found in previous studies, attachment to teachers is in general negatively related to self-reported delinquency scales. None of the attachment scales are significantly related to official measures of delinquency.(3) Commitment has a significant negative effect only on official traffic offenses.(4) School-related stress has a negative effect on certain forms of official delinquency, which clearly weakens the argument that school-related stress promotes delinquency. It seems very important to understand the mechanism of differential reinforcement to know why some children have positive motives and impulses toward delinquent behavior.Finally, the implications for future research are discussed.
著者
斉藤 良夫
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.13-24, 2012-02-10 (Released:2013-09-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

従来の労働者の疲労研究では,彼らの疲れの体験に関して科学的議論が行われてこなかった。そこで,労働者の長期的な疲労の研究方法を構築する目的で,人間の疲れとは何かに関する心理学的考察を行った。まず,ロシアの心理学者A. N. レオンチェフの活動理論を参考にして,人間の生活活動における心理的構造について論じた。次に,人間の疲れの現象には動機,欲求,感情,記憶などのさまざまな心理現象と関連する特徴があることを述べ,“人間の疲れは生活活動へのモティベーションの減退を基本的内容とする認知現象である”と規定した。最後に,労働者の長期的疲労の研究のために彼らの疲れを長期間にわたって調査研究する意義について述べた。
著者
斉藤 真二 寺前 紀夫 田中 誠之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.9, pp.1363-1366, 1980-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10
被引用文献数
5

高速液体ク採マトグラフ(LC)にレーザーラマン分光光度計をオンライン接続した測定系(LC-Raman)を新たに開発し, 共鳴ラマン効果を示す物質に対するその有用性について検討を行なった結果,このLC-Raman法が高感度であり,かつ高度の選択性を併わせもつ新しい検出方法であることが判明した。メタノールを移動相とする逆相クロマトグラフから溶出する種々の置換基をもつ4-ジメチルアミノアゾベンゼン誘導体の検出を,発振波長488nm,出力200 mWのAr+レーザーを励起光源として1406cm-1のラマン散乱光を連続的に測定し,クロマトグラムを記録することにより行なった。2'-クロロ-4-ジメチルアミノアゾベンゼンについて検量線を作成したところ, 260ng/μl付近までの範囲において原点を通る良好な直線が得られ,また,この方法によりng単位の検出を行なうことができた。さらに, 対象とする化合物の保持時間で移動相の流れをいったん止め.共鳴ラマンスペクトルを測定し,おのおのの化合物の示す特徴的なラマン線に着目することにより,逆相クロマトグラフィーでは分離されずに溶出し, また, 多波長吸光度検出法でも区別することのできない2'-クロロ-4-ジメチルアミノアゾベンゼンと3'-メチル-4-ジメチルアミノアゾベンゼンの個々の検出を行なうことができた。
著者
斉藤 正佳 赤羽根 良和 永田 敏貢 服部 潤 栗林 純
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.131, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 梨状筋症候群は、坐骨神経が梨状筋下孔を通過する際に梨状筋により絞扼を受け、殿部痛と下腿への疼痛・痺れを出現させる。しかし、臨床上よく観察すると、同時に外側大腿皮神経(以下、LFCN)領域である鼠径部外側から大腿後外側に疼痛・痺れを認める症例に遭遇する。 今回、梨状筋症候群にLFCN障害を合併する割合と、その合併機序について考察を加えたので報告する。 尚、症例には、本研究の説明を十分に行い、承諾を得た上で実施した。【対象及び方法】 2012年1月から6月までに当院を受診、梨状筋症候群と診断された30例30肢(男性:9例、女性:21例、平均年齢54.0±20.3歳、左:13肢、右:17肢)である。当院における梨状筋症候群の診断は、①梨状筋の圧痛と下肢への放散痛を認める事、②各種梨状筋症候群の整形外科テストが陽性である事、③長母趾伸筋、長母趾屈筋の筋力低下を認める事、④画像上、明らかな脊髄内病変を認めない事の全4項目を満たしたものであり、これを単独型とした。 さらに、⑤疼痛・痺れがLFCN領域まで及んでいる事、⑥LFCNが走行する鼠径部でチネル徴候を認める事、⑦膝関節30°屈曲位での股関節伸展・内転・外旋(LFCN伸張テスト)でLFCN領域に疼痛・痺れを認める事の全7項目を満たしたものを梨状筋症候群とLFCN障害の合併型とした。【結果】 単独型は、22例22肢(男性:8例、女性:14例、平均年齢:49.5±21.3歳、左:7肢、右:15肢)であり、73.3%であった。 合併型は、8例8肢(男性:1例、女性:7例、平均年齢:60.8±15.1歳、左:6肢、右:2肢)であり、26.7%であった。【考察】 梨状筋症候群の特異的所見は、殿部痛と坐骨神経領域における疼痛・痺れである。しかし、臨床ではLFCN領域にも症状を認めるケースは少なくない。本研究の結果では、梨状筋症候群に合併するLFCN障害は26.7%であった。 LFCNは鼠径部の筋裂口内の腸骨筋表層に位置し、骨盤内から骨盤外へ出る境界部では非常に狭いスペースを鋭角に曲がっているため、機械的に絞扼や摩擦されやすい環境下にある。さらに、同部のLFCNは、鼠径靭帯と共に、腸骨筋や縫工筋に被覆されているため、これらの筋に攣縮や短縮に伴う筋内圧が上昇した場合、LFCNの絞扼はより顕著になる。LFCNの走行は上前腸骨棘の内側から表層に出て尾側かつ外側へ向かい、大腿遠位から後外側まで枝を伸ばしている。そのため、股関節の伸展・内転・外旋で伸張される。また、梨状筋は、その解剖学的走行上、屈曲・内転・内旋で伸張され、攣縮が生じている場合、坐骨神経を絞扼する。つまり、梨状筋とLFCNは股関節の内転運動にて伸張されるといった共通の特徴を有している。これらの解剖学的理由から、梨状筋に攣縮が生じ伸張ストレスが加えられる事により坐骨神経を絞扼すると同時にLFCNも伸張されやすいと考えられる。 以上より、梨状筋症候群にはLFCN領域の疼痛または痺れも出現しやすく、臨床では評価しておく必要がある。 また、今後の課題として、どの筋がLFCNを絞扼させやすいのかを鑑別し、治療へつなげる事が重要であると考えられる。
著者
山下 啓太郎 中川 富博 降旗 隆 竹内 敏文 斉藤 文成 竹内 明弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.50, pp.1-12, 1991

Hitachi, Matsusita and SONY have proposed the consumer-use VTR format for the 1125line/60Hz Japanese Hi-Vison system, and announced the specifications of this VTR. In these specifications, we adopted a base-band recording method which dose not require any band compression. In making this adoption we took into consideration two typical uses, recording of broadcasted signals and playback of software tapes. And the width (1/2inch) and the thickness(13um) of the tape enable 3 hours recording with almost the same size cassette as is being by consumers at present.
著者
上野 雄史 斉藤 和巳 沖本 まどか
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.197-205, 2016 (Released:2017-06-30)
参考文献数
10

We proposed a new method for analyzing the relationship among industrial sectors by Z-score standardizing and visualizing the input-output tables as minimum spanning trees (MST). These results are also quantitatively evaluated in terms of degree centrality and closeness centrality. We confirmed the effectiveness of our method in comparison with the simple method of no Z-score standardization and with a conventional method based on stock market data. In our experiments, using the input-output tables in Japan in 2000 and 2005 and stock data in 2005, the simple method centralized industrial sectors, (such as other business services whose trade volume is simply larger), while our proposed method centralized sectors, (such as electronics, financial and pharmaceutical industries). In addition, we confirmed that our method showed more accurate economic transaction between industries than the conventional stock analysis method.
著者
伊藤 隆 仙田 晶子 井上 博喜 斉藤 康栄 鏡味 勝 松原 史典 青柳 晴彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.933-939, 2005-11-20
参考文献数
9
被引用文献数
1 6

外来を受診した肥満患者127例に―律に防風通聖散 (Bo) を投与し, 6ヵ月以上服薬できた33例についてエキス剤の体重減量効果を検討した。対象例の腹力は5段階で (4) 以上の強が多かったが, これは腹痛下痢などの副作用で長期投与ができなかった9例で中間 (3) が多かったのに比較して, 腹力の強さの点で有意に高かった。服薬後の食欲低下は16例に認められた。食欲低下例と食欲不変例の投与前の体重はそれぞれ67.1±2.5kg, 75.9±2.4kgであり, 推計学的有意差を認めた。食欲低下例の体重の変化は-4.8±1.0kgで, 食欲不変例の-1.4±0.7kgに比較して明らかな差がみられた。血中中性脂肪値はBo投与後有意に低下した。作用機序として麻黄, 荊芥, 大黄, 連翹, 甘草による Adrenalin β<sub>3</sub> receptor の活性化だけでなく, 大黄と山梔子による向精神作用が推測された。近年本薬に関する重篤な副作用報告がなされている。本剤の投与対象は腹力が強 (4) 以上が望ましく, 長期投与は食欲低下が認められる例によいと思われた。
著者
斉藤 延人 金 太一 中冨 浩文
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.29-36, 2016 (Released:2017-01-25)
参考文献数
26

脳幹へはさまざまな手術法が工夫されており, 本稿はその総説である. 手術適応として, 海綿状血管奇形, グリオーマ, 血管芽腫などが対象疾患となる. 原則として脳幹への進入は, 病変が脳幹表面に最も近い部位で切開を加えるが, そのために 「two-point method」 などの方法が提唱されている. また, 病変の存在下での脳幹内の核や神経路を把握する必要があり, 術前画像のシミュレーションで病変により圧排された解剖構造を把握することも有用である.  手術による障害を最小限に抑えるためには, motor evoked potential (MEP), auditory brainstem response (ABR) やsomatosensory evoked potential (SEP), 心電図 (EEG), 顔面神経の電気刺激などの術中モニタリングが有用である.  代表的な中脳背側からのアプローチとして, occipital transtentorial approach (OTA) がある. 背側と比較して中脳腹側へのアプローチは難しいが, orbitozygomatic approachとtrans-lamina terminalis approachなどが使用される. 橋から延髄の背面へのアプローチには, 第四脳室経由のアプローチがあるが, 第四脳室を広く開放する方法として, trans-cerebellomedullary fissure (CMF) approachが有用で, これにはlateral approachとmedial approachがある. 橋・延髄レベルの前側方からのアプローチとしてsubtemporal approach, anterior petrosal approach, far lateral (transcondylar) approachがあり, 錐体路を避けることが重要である.
著者
樫野 いく子 溝上 哲也 由田 克士 上西 一弘 長谷川 祐子 斉藤 裕子 青柳 清治 倉貫 早智 中村 丁次
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.445-450, 2018 (Released:2018-07-26)
参考文献数
12

国民一人ひとりが健康的な食品を特定し、選択することは容易ではない。近年、栄養素密度に基づき食品をランク付けする栄養プロファイリングモデルが各国で開発されている。しかし、わが国ではこのような概念による食品の評価は十分に行われていない。そこで、日本食品標準成分表2015年版に掲載された食品を対象に食品のランク付けを行った。積極的な摂取が推奨される9つの栄養素と、摂取量を制限すべき3つの栄養素を用いて高栄養素食品指数9.3 Nutrient-rich food index 9.3(NRF9.3)を各食品100kcal当たりで算出した。その結果、藻類、野菜類、きのこ類、豆類の食品群順にNRF9.3が高かった。また、同食品群内でも栄養価の高い食品と栄養価の低い食品を区別することができた。食品を購入する際に、栄養価のより高い食品を選択する、あるいは同食品群内で代替食品を選択するにあたり、本指数を参照することは有用であるかもしれない。
著者
薩本 弥生 丸田 直美 斉藤 秀子 諸岡 晴美
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.80-89, 2017-01-25 (Released:2017-01-27)
参考文献数
9

ブラジャー着装時のズレ防止や防振性の観点から,動作時の胸部動態や着装感に年齢・身体特性・ブラの種類が及ぼす効果を明らかにするために以下の実験を行った.被験者は若年群9 名(19-22 歳),中年群6 名(40-62 歳)を対象とした.胸部の身体特性を明らかにするため三次元画像解析による身体形状,胸部圧縮変形量,超音波画像診断による脂肪厚,衣服圧を計測した.振動やズレを計測するためにハイスピードカメラによる三次元動作解析を行った.ブラの着装条件は,補整ブラのワイヤ有とワイヤ無,スポーツブラ,ノーブラの4 種,運動は前方挙上(180˚)である.ハイスピードカメラによる三次元動作解析により動作時の乳頭点では,補整ブラよりスポーツブラの振動抑制効果が高く,中年群は若年群より振動が大きくブラによる差が小さいこと,中年群では脂肪厚が厚くカップサイズが大きい人ほど振動もズレも大きいこと,若年群では胸部の圧縮変形量が小さい人ほど振動が小さいことが明らかとなった.動作時の衣服圧は乳頭位とサイドパネルではスポーツブラが補整ブラよりも有意に小さいが,下部胸囲では逆だった.動作後の着装感評価でズレ感は振動感および快適感に相関があった.動作時には適度に下部胸囲位を圧迫したブラは振動やズレを抑えるため快適と感じると考えられる.
著者
斉藤 一三 飯島 利彦 林 正高
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.260-261, 1970-01-31 (Released:2016-09-05)

カバキコマチグモ, Chiracanthium japonicumの刺咬症の1例について報告した.カバキコマチグモの毒性は非常に強く, 痛みははげしく, 一般的な鎮痛剤では効果はなく麻薬を用いることによつて痛みを軽減することが出来た.
著者
斉藤 久美子
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-6, 2000 (Released:2006-07-21)
参考文献数
7
被引用文献数
2
著者
岩切 一幸 毛利 一平 外山 みどり 堀口 かおり 落合 孝則 城内 博 斉藤 進
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 = Journal of occupational health (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.201-212, 2004-11-20
参考文献数
29
被引用文献数
11 34

近年,VDT(Visual Display Terminals)機器の普及により,職場におけるVDT作業者数およびVDT作業時間は増加している.それに伴い,VDT作業に関する疲労対策に取り組んでいる事業所も増えている.本研究では,このような職場におけるVDT作業者の疲労状況と疲労に関連する項目を検討し,改善すべき要因の候補を見いだすことを目的としたアンケート調査を実施した.調査票は3,927部配布し,2,374部(回収率:60.5%)回収した.解析対象者は,20歳から59歳までのVDT作業者1,406名(男性1,069名,女性337名)とした.疲労と調査項目との関連性の検討には,ロジスティック回帰分析を用いた.疲労自覚症状の訴えは,男女ともに眼の痛み・疲れが最も多く(72.1%),次いで首・肩のこり・痛み(59.3%),腰のこり・痛み(30.0%),手・腕の痛み・疲れ(13.9%)が多かった.いずれの疲労自覚症状においても,女性は男性に比べ高い有訴率を示した.眼の痛み・疲れには,男女ともに気流への不満の有無が最も関連し,従来眼の痛み・疲れの要因とされてきた照明の映り込みや文字の見やすさは関連しなかった.これは,職場での照明環境が改善され,グレア対策が進められているためと考えられる.首・肩のこり・痛みにはキー入力中の肩の持ち上がりとマウスの形状・操作位置が関連し,手・腕の痛み・疲れにはマウスの操作位置と机の高さが関連した.腰のこり・痛みには,椅子の座り心地とキー入力中の手首を浮かせた姿勢が主に関連した.筋骨格系の疲労では,VDT作業に関する疲労対策が実施されてきているにも関わらず,従来の報告と同様の項目が関連した.<br>