著者
池田 嘉郎 イケダ ヨシロウ Yoshiro Ikeda
雑誌
史苑
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.59-72, 2014-01
著者
佐々木 温子 西澤 美幸 佐野 あゆみ 佐藤 等 阪本 要一 池田 義雄
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.530-536, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:東京衛生病院の減量ステップアップ講座参加者に対して呼気アセトン濃度を測定し,減量の補助的指標としての有用性について検討した.方法:対象は2011年1月から2014年7月の期間中,東京衛生病院の減量講座(週1回,計6回)を受講した45名である.食事内容,体重変化,歩数,活動量を記録させ,毎回体重,体組成およびセンサガスクロSGEA-P1による呼気アセトン濃度を測定し,初日と最終日に血液生化学検査を施行した.結果:減量講座終了時には,行動変容の改善に伴い,肥満関連検査項目である身体計測値,血圧,糖・脂質代謝,肝機能の検査値の有意な改善がみられ,血中総ケトン体,呼気アセトン濃度は有意に増加した(血中総ケトン体:開始時73.6±59.2 μmol/L ,終了時240.5±193.8 μmol/L,p<0.001,呼気アセトン濃度:開始時529.2±150.8 ppb,終了時1,156.6±590.9 ppb,p<0.001).体重と体脂肪量は講座の回数を重ねるほど有意に減少し,呼気アセトン濃度は有意に増加し,特に5週目以降で著明な増加を示した.結論:減量経過において呼気アセトン濃度測定は脂肪燃焼を示唆する補助的指標として有用であると考えられた.
著者
久保 賢太 片平 健太郎 池田 大樹 岡田 正人 岡ノ谷 一夫 川合 伸幸
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.483-487, 2013-12-01 (Released:2014-12-24)
参考文献数
8

この度はこのような栄誉ある賞を戴くことができ,大変感激しております.私の受賞に関しては,研究の成果の大きさというよりも,アプローチのユニークさを評価していただのではないかと考えております.私は,JST ERATO 岡ノ谷情動情報プロジェクトにおいて,コミュニケーションや社会的な場面で生じる情動を,自律神経系活動・脳活動を用いて検討しております.本研究は,二者間の息の合ったコミュニケーションを解明する試みとして実施しました.これからも,実生活に潜む面白い現象を抽出することを目的とし,日々一つ一つ成果を積み上げて参りたいと思います.こうした一風変わった研究を実施できたのも,プロジェクトの総括でいらっしゃる岡ノ谷一夫東京大学教授と,私の所属する名古屋サイトのグループリーダーである川合伸幸名古屋大学准教授の懐の広いご指導の賜物です.お二人には,感謝してもしきれない御恩を感じております.このたびの受賞も,未熟な私を日ごろから丁寧に指導してくださっている川合伸幸先生と,研究室スタッフの皆様のおかげです.この場をお借りして感謝を申し上げます.
著者
池田 大介
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、人工肉が注目を集めている。人工肉には植物性原料を肉に似せて作る「疑似肉」と、動物細胞を培養して肉を作る「培養肉」に分けられる。培養魚肉についても研究が行われており、米国Finless Foodsは2017年9月、コイの筋前駆細胞を培養して培養肉を作製し、魚コロッケの試食会を行った。このように培養肉に関する研究は、魚類を含めて現在多く行われている。そこで本研究では、漁獲量が激減し、資源の枯渇が危ぶまれているニホンウナギの培養肉開発に関する基礎研究を行う。
著者
池田 尭弘
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.197-212, 2022-05-28 (Released:2022-05-31)
参考文献数
28

本稿は,石川県輪島市の「白米千枚田」を事例に,公的機関などによる保全に向けた支援や取り組みと,様々な立場の主体による水稲作の動向を分析することから,各主体の活動がどのように関わるなかで,「白米千枚田」が維持されてきたのかを明らかにした。その結果,「白米千枚田」は農業生産の場所という役割に加えて,様々な顕彰を受けることで文化財など様々な機能が追加され,農業体験の場所にもなっていた。こうした非農業者による農作業への参加は「白米千枚田」の維持に無視できないものとなっていた。しかし,「白米千枚田」での水稲作の継続に,文化財としての役割も加わることで,文化財としての評価対象の1つとなっていた「水稲作に関わる営為」の生産性の向上を阻むものとなっていた。このことは生産主義的な水稲作にとって障壁となり,水稲作の実施主体が農業者であろうと非農業者であろうと,「白米千枚田」を主たる収入を得る場所とさせにくくしていた。「白米千枚田」自体が商品として提供されることで,現時点では観光的利用による来訪者の増加などに寄与しているものの,喫緊の課題となる水稲作の継続には直接的に寄与していなかった。現行の保全を推進する体制では,若年層の農家が「白米千枚田」での水稲作を中心にした専業的経営をより成立させにくくなっていた。これは観光客や水稲作の当事者以外にはみえにくく,長期的に保全していく上での課題となっていた。
著者
池田 千恵子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.265, 2019 (Released:2019-03-30)

本研究では,京都市におけるゲストハウスなどの簡易宿所の急激な増加に伴う影響について,ツーリズムジェントリフィケーションの観点で検証を行う.ツーリズムジェントリフィケーションは,地域住民が利用していた日常的な店舗が減少する一方で,娯楽や観光に関わる施設や高級店が増加し,富裕層の来住が増えることにより賃料が上昇し,低所得者層の立ち退きを生じさせる現象である(Gotham 2005).簡易宿所が急増した背景や簡易宿所の増加が地域に及ぼした影響について示す. 京都市内の簡易宿所の数は,2011年の249軒から2018年9月末時点では2,711軒と7年間で約11倍(988.8%増)になった.東山区でもっとも簡易宿所が多い六原は91軒で,2018年9月30日時点において京都市内で一番簡易宿所が多い地区でもある.下京区で簡易宿所が一番多い菊浜は,2016年の14軒から2018年の47軒(図1)と1年10ヶ月で33軒増加した.南区では山王が44軒である. 簡易宿泊が増加している地区には特徴がある.一つめは,交通の利便性である.六原と菊浜は清水五条駅,山王は京都駅の南側と主要な駅に隣接している.二つめは,既存産業の衰退である.六原は京焼・清水焼などの窯業の衰退とともに人口流出や高齢化が進み,空き家が増加した.大正から昭和中期頃まで京都市内最大の娼妓がいた菊浜は,2010年に全ての貸座敷が廃業になった(井上 2014).三つめは地域の負のイメージによる.菊浜は性風俗などのイメージがあり(内貴ほか2015),山王は京都市内最大の在日朝鮮人が集住し,貧困化・不良住宅化が進んだ地域(山本 2012)が含まれている.このように,地域の負のイメージにより地価も低く,空き家などが活用されていなかった地域で,簡易宿所の開業が進行したと想定される.簡易宿所の急激な増加による不動産価格の高騰や住民の立ち退きなどについて報告を行う.
著者
山本 和英 池田 諭史 大橋 一輝
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.85-111, 2005-11-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

新幹線要約, すなわち新幹線車内や街頭での電光掲示板で流れるニュースは簡潔に表現されており, このために独特の表現をしている.本論文ではこの特徴的な表現のうち体言止めや助詞止めといった文末表現に着目し, 一般的な新聞記事の表現をこのような高密度表現に加工する手法を提案する.まず, 実際に2万記事に及ぶ新幹線要約の表現の特徴を調査し, 文末におけるサ変名詞での体言止めが一般の新聞記事の8倍, 格助詞での助詞止めが一般の20倍あることを確認し, 新幹線要約における表現の特異性を確認した.次に, このような文末表現を実現するための提案手法を実装し, 新聞記事を入力として要約した.この結果, 文末表現に限定した要約率は12%であり, 1文当たり平均して2.5文字削除することができた.この結果を人間が行なった文末整形の結果と比較したところ, 要約率はほぼ同様の結果が得られた.さらに, 出力表現の評価を行なった結果, 正解率は95%となった.
著者
田中 聡 池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.147-157, 2021-09-10 (Released:2021-09-22)
参考文献数
36

個人が自己や環境に能動的・主体的に働きかけて組織適応を図るプロアクティブ行動は,業務能力向上など職場における能力向上を促すと言われているが,そのプロセスについては明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,若年労働者のプロアクティブ行動が職場における能力向上に与える影響を,リフレクションの媒介効果に着目して検討することであった.国内企業に勤務する20代942名(平均26.6歳, 女性46.0%)に調査を実施した.因子分析によってプロアクティブ行動がフィードバック探索行動,組織情報探索行動,ネットワーキング行動から成ることを示した上で,それらがリフレクションを媒介して能力向上に与える影響を検討した.パス解析の結果,フィードバック探索行動と組織情報探索行動がリフレクションを媒介して,職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.以上の結果から考えられる本研究の意義と今後の課題について検討を行った.
著者
高橋 竜太郎 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GI, 研究報告ゲーム情報学 (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2018-GI-39, no.10, pp.1-7, 2018-02-23

将棋や囲碁,麻雀など多くのゲームでコンピュータプログラムが十分強くなり,より複雑なゲームやより高次な目的に関心が移りつつある.「ぷよぷよ」 は二十年以上遊ばれる人気の落ちものパズルゲームであるが,これも近年十分強いコンピュータプログラムの作成が達成された.本研究では,“連鎖構成” というこのゲームの中心的課題の一つに着目し,連鎖構成を身につけられれば楽しめる一方でこれができずに上達を諦めてしまう人が多い現状を解決したいと考える.そのためには,連鎖構成に特化した問題群,いわゆる 「なぞぷよ」 「詰めぷよ」 を沢山与えることが有効であると考える.人手により多くの良い問題が作成公開されているが,プレイヤごとの技術レベルや嗜好に合わせた問題が自動で無数に作成できれば,ぷよぷよを続ける人が増えることが期待できる.我々は,ランダム生成検査方式と,逆向き生成方式の二つのなぞぷよ作成法を試みる.さらに,作成された問題の 「難しさ」 「面白さ」 「役立ち度」 などを推測する関数を機械学習によって構成することを試みる.これらにより,プレイヤのレべルや好みにあった問題だけを提示するシステムを提案する.
著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。
著者
明仁 藍澤 正宏 池田 祐二 岸田 宗範 林 公義 中山 耕至 中坊 徹次
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.53-62, 2019-04-25 (Released:2019-04-25)
参考文献数
32

Hybrids of Rhinogobius biwaensis and Rhinogobius sp. BF were identified in the ponds of Sento Imperial Palace, Kyoto City, Japan, from microsatellite and mitochondrial DNA markers. Mitochondrial DNA analysis indicated that five of seven Rhinogobius specimens had R. biwaensis haplotypes, the remaining specimens having those of Rhinogobius sp. BF. In DAPC and STRUCTURE analyses based on microsatellite data, all specimens examined showed intermediate status between R. biwaensis and Rhinogobius sp. BF, the two species being considered to have formed a hybrid swarm in the ponds because genetically pure individuals of either were not found. This is the first report of recent hybridization under field conditions in Rhinogobius fishes from Japan, confirmed by nuclear and mitochondrial DNA data. Hybrid Rhinogobius specimens from the ponds had 5–17 predorsal scales, an intermediate range between those of non-hybrid R. biwaensis (0–6) and Rhinogobius sp. BF (11–20). However, in appearance they were more similar to R. biwaensis than Rhinogobius sp. BF, having bluish-white distal coloring anteriorly on the first and second dorsal fins, a reduced reddish longitudinal band on the anal fin, and lacking yellowish dorsal and posterior margins on the caudal fin. However, they differed from R. biwaensis in having a narrower white posterior caudal fin margin. Further morphological differentiation of the hybrid specimens was not apparent.