著者
橋本 憲輝 近藤 浩史 衛藤 隆一 小佐々 博明 清水 良一
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.261-265, 2009-12-31 (Released:2010-01-28)
参考文献数
10

症例は61歳,女性.2008年12月,当院内科にて検診目的で下部消化管内視鏡検査(colonoscopy,以下CS)が施行された.3日後に軽度の嘔気・下腹部違和感を認めたが,経過観察されていた.7日後,腹痛が増悪したため,同科を再診した.腹部骨盤単純CT検査により穿孔性腹膜炎と診断され,加療目的で当科へ紹介された.当科受診時,腹部にやや膨満があり,全体的に圧痛,反跳痛を認めた.腹部骨盤単純CT検査では腹腔内に遊離ガスが散見され,腹水も認めた.結腸穿孔ならびに急性汎発性腹膜炎と診断し,緊急開腹術を施行した.手術所見では,直腸RS部近傍のS状結腸に腸間膜経由での穿孔を認め,腸間膜内には多量の便塊,便汁が貯留していた.穿孔部より口側でS状結腸と骨盤腔内左卵巣近傍の壁側腹膜との間で強固な線維性の癒着を認めた.術式は急性汎発性腹膜炎手術,S状結腸切除術,人工肛門造設術(ハルトマン手術)を施行した.術直後から急性呼吸窮迫症候群を発症したが,集中治療により軽快した.術後第52病日に独歩にて自宅退院された.2009年3月当科にて人工肛門閉鎖術を施行した.CS施行後,汎発性腹膜炎の発症が7日目である稀な症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
渡辺 雄貴 加藤 浩 西原 明法
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.19-27, 2014-05-20 (Released:2016-08-11)

通勤・通学時に電車のような環境で学習する際には,学習以外に様々な情報を処理する必要がある.そこで本研究では,そのような環境下における情報の介入を想定し,動画コンテンツによる学習を行った際,どのような影響があるかをパフォーマンステストおよび質問紙調査により定量的,定性的に調査を行った.その結果,パフォーマンステストでは,内容理解を必要とする問題において,介入の有無により効果の差異があることが明らかになった.また,質問紙調査により,多くの被験者は視覚に対する介入と比較して,聴覚に対する介入を煩わしく思う傾向があることが明らかになった.
著者
佐藤 浩平 金原 数
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.219-223, 2022 (Released:2022-09-25)
参考文献数
12

膜貫通タンパク質の構造を模倣した分子として,親水性ユニットと疎水性ユニットを交互に連結したマルチブロック型オリゴマー分子を設計し,これらの分子が二分子膜中でイオンチャネルを形成することを見いだした.さらに,張力応答性,リガンド応答性,電位応答性など,多様な刺激応答性を付与できることを明らかにした.
著者
佐藤 浩 小野 功 小林 重信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.734-744, 1997-09-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
5

When Genetic Algorithms (GAs) are applied to optimization problems, characteristic preserving in designing coding/crossover and diversity maintaining in designing generation alternation are important. Generation alternation models are independent of problems, while coding/crossover depends on problems. We discuss generation alternation models in this paper. Simple GA is one of the well-known generation alternation models, however it has two problems. One is early convergence in the first stage of search and the other is evolutionary stagnation in the last stage of it. Many improvements and new models have been presented to overcome the above problems. In this paper, we propose a new generation alternation model called minimal generation gap (MGG) which has all advantages of conventional models. As generation alternation models use only information of fitness, alternation of generations can be regarded as a transformation of fitness distributions. We propose a new method of assessing generation alternation models. We measure the ability of avoiding the early convergence and suppressing the evolutionary stagnation by the dynamics of the best value and variance of fitness distributions. From the results of some experiments, we found that MGG is the most desirable model which can avoid the early convergence and suppress the evolutionary stagnation. We also show the efficiency of MGG by applying it to benchmarks in different two domains: function optimization and traveling salesman problems. In the both domains, MGG showed higher performance than the other conventional models especially under small population size.
著者
後藤 浩志 武藤 正樹 池田 俊也 百瀬 泰行
出版者
一般社団法人 日本老年薬学会
雑誌
日本老年薬学会雑誌 (ISSN:24334065)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.7-15, 2022-06-30 (Released:2022-07-22)
参考文献数
16

Objective: This study aimed to clarify the actual prescription status of patients covered through the “Screening Tool for Older Person’s Appropriate Prescriptions for Japanese” (STOPP-J).Methods: Patients aged ≥ 75 years who received oral medications for chronic diseases were classified into two groups: multidrug and non-multidrug groups. The number of drugs according to the drug class and the number of STOPP-J drugs prescribed were examined.Results: This study included 8,192 patients. The average number of medications was 4.1, and its percentage in the multidrug group was 26.4%. The multidrug group presented a higher number of physicians and percentage of STOPP-J prescriptions than the other group. The highest percentage of prescribed multidrug use included antithrombotics (82.5%), digitalis (76.2%), and diuretics (73.2%).Conclusion: The multidrug group presented a higher percentage of STOPP-J prescriptions than the non-multidrug group.
著者
近藤 浩之
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.6-16, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
33

消費者は購買意思決定に先立ってオンラインカスタマーレビューを製品の品質の手掛かり情報として利用するが,ブランド力が高い製品の場合にはブランドも製品の品質の有力な手掛かりとなる。このため,そうした製品についてのカスタマーレビューの影響力はブランド力が低い製品の場合と比べて弱いとされている。しかしながら,先行研究ではカスタマーレビューがブランド力の高い製品の売上成果にいかなる役割を果たすのかについて十分に考察されてきたとは言い難い。そこで本研究では我が国のヘッドセットデータにファジィ集合QCA(fsQCA)を適用し,この問題について考察した。その結果,ブランド力が高い製品は新製品期にはカスタマーレビューの評価にかかわらず売れ筋製品となり得るものの,新製品期間を超えてなお売れ筋であり続ける上で,カスタマーレビューにおける高い評価は,INUS条件として,大きな役割を果たしていることを確認した。このことは,ブランド力が高いメーカーの場合でも,高いカスタマーレビュー評価を得られるような優れた製品の開発がやはり重要であることを示すものである。
著者
後藤 浩
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.59, pp.521-525, 2019-02-20 (Released:2019-02-20)
参考文献数
23
被引用文献数
3 2

The serious flood disaster occurred at the river basin of Kinu-river in September of 2015. The disaster was called “Kanto-Tohoku heavy rain fall in September 2015”. In this disaster, the levee of Kinu-river was breached, and the flood flow had spread over the urban area of Joso city in Ibaraki prefecture. In this study, research on flood resistant architectures was reviewed. Also, the numerical simulation on the flood flow was performed. And, the reason why the houses had been swept away was discussed on the basis of the result of simulation. Furthermore, a necessity of hazard maps considering an inundation depth and a flood velocity was pointed out.
著者
佐藤 浩輔 大沼 進
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.94-103, 2013-11-30 (Released:2017-02-27)
被引用文献数
1

The current study investigates the influence of social factors, such as self-interest and involvement, on trust and its determinants, in the context of public decision-making in government, through two scenario experiments. In both experiments, participants' involvement (high/low) and, subsequent interest in the high-involvement condition (agreed/opposed) were manipulated and two trust models were compared: a traditional model, which regards expectation about intention and competence as the component of trust; and an SVS model, which regards perceived salient value similarity as the primary determinant of trust. Two hypotheses were tested: 1) conflict of interest diminishes trust and value similarity; 2) expectation of the government's intention consistently predicts trust in government, regardless of self-interest. The results supported both hypotheses. Implications of value similarity in the context of public decision-making are discussed.
著者
佐藤 浩史
出版者
函館大学
雑誌
函館大学論究 (ISSN:02866137)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.1-37, 2022-03

本研究では、地域活性化イベントを持続可能なスポーツツーリズムイベントとするための戦略策定モデルに必要な要素の探索をする。プレイス・ブランディング論に述べられる sense of place の概念が地域のステークホルダーには、どのようにとらえられているのか長期に継続される昭和新山国際雪合戦大会のステークホルダーから聞き取り調査を行った。地域のステークホルダーは、スポーツツーリズムイベントが施行される地域に対して、野菜や温泉など産品である有形の資源と人柄、街、大会そのものというイメージからなる無形の資源が重要であることが共存しどちらかが優位ということではなかった。結果この事例からは、スポーツツーリズムを継続していくためには、有形の資源と無形の資源の両方が結び付いて戦略策定していくことを重視しておくことが必要であろう。
著者
加藤 浩徳 志摩 憲寿 中川 善典 中西 航
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.70-85, 2012 (Released:2012-10-03)
参考文献数
20

本論文は,高知県を対象として,交通システム成立の経緯を整理するとともに,その経緯と社会経済的要因や政治的要因との関係を分析するものである.同県の広域交通ネットワークの発展経緯を,古代~中世,近世,明治~戦前,戦後の4つの時代区分にしたがって整理した.その結果,高知県は,険しい四国山地と海に囲まれた地域であったため,古代から現在に至るまで,海路による広域交通ネットワークに頼らざるを得なかったこと,県領域内の閉鎖的な交通政策が広域旅客交通の発展を妨げたこと,高知県の陸路ネットワークの整備は,主に政治的要因によって実施されてきたこと,高知県の海上交通ネットワークは,一貫して関西地方との経済的結びつきのもとに発達してきたこと,四国遍路が高知県内の技術に与えた影響が大きいことなどを明らかにした.
著者
佐野 文 白子 隆志 加藤 浩樹 天岡 望 芳野 圭介 杉山 太郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.1667-1672, 2010 (Released:2010-12-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

われわれは7年間に3度にわたり針誤飲した統合失調症の1例を経験した.1回目は63歳時,8本の裁縫針を飲み腹痛にて来院した.CT,X線写真にて十二指腸2nd portionから後腹膜に針を認め同日緊急開腹手術を施行した.針は十二指腸壁を貫通し腸腰筋に埋没しており針を摘出した.2回目は64歳時,2本の針を誤飲し腹痛にて来院した.CT,X線写真にて左腹壁に針を認め局所麻酔下に皮膚切開し針を除去した.3回目は69歳時,腹痛にて受診した.CT,X線写真にて骨盤腔内に針を2本認めた.開腹手術にて1本はTreitz靱帯より約200cm肛門側の小腸より腸管外に抜け,さらに110cm肛門側の小腸間膜に刺さっていた.2本目は仙骨前面のS状結腸間膜に認められ,小腸から腹腔内に貫通したものと思われた.今後も誤飲の可能性あり,注意深い経過観察が必要である.
著者
進藤 浩子 深澤 光晴 飯嶋 哲也 高野 伸一 門倉 信 高橋 英 横田 雄大 廣瀬 純穂 佐藤 公 榎本 信幸
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.2389-2398, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
22

【目的】ベンゾジアゼピンを用いた従来のERCP鎮静ではしばしば脱抑制による体動を認める.安定した鎮静を得られる方法としてドロペリドール,フェンタニル,ケタミンを用いた静脈麻酔による鎮静法の安全性と有効性を評価した.【方法】対象はERCPの鎮静にミダゾラムとペンタゾシンを用いた従来法群42例とドロペリドール,フェンタニル,ケタミン(DFK法)群17例.評価項目は鎮静関連偶発症および鎮静効果とした.【結果】SpO2 90%未満を認めた症例は従来法で4例(10%),DFK法で1例(6%)と有意差は認めなかった.体動により処置継続に支障があった症例は従来法で8例(19%),DFK法で0例とDFK法で良好な鎮静効果を得られる傾向を認めた(p=0.09).鎮静困難ハイリスク症例である飲酒習慣を有する21例では,鎮静不良となる症例はDFK群で有意に少なかった(従来法 50% vs DFK法 0%,p=0.02).【結論】DFK法は従来法と比較して同等な安全性で施行可能であった.飲酒習慣を有する症例ではDKF法の方が有効な鎮静が得られた.
著者
工藤 浩
出版者
東京外国語大学
雑誌
東京外国語大学論集 (ISSN:04934342)
巻号頁・発行日
no.39, pp.p13-33, 1989
著者
加藤 浩 神宮司 誠也 高杉 紳一郎 岩本 幸英 吉村 理 新小田 幸一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.178-184, 2002 (Released:2018-09-25)
参考文献数
24
被引用文献数
4

本研究の目的は,股関節疾患患者の中殿筋を対象に,従来の静的表面筋電図周波数解析に加え,新たに歩行時の動的表面筋電図周波数解析を行い,その結果を筋組織学的レベルから検証することである。当院で手術を受けた股関節疾患患者11症例を対象とした。手術直前に100・50%MVCにおける等尺性股関節外転運動を行わせ,中殿筋筋腹部を電極部位とした静的な表面筋電図測定を行った。又,10m自由歩行を行わせ,動的な表面筋電図測定を行った。そして,wavelet変換を用いた静的・動的表面筋電図周波数解析を行った。手術中に中殿筋筋生検を行いATPase染色による筋線維のタイプ分類(typeI及びtypeII)を行った。さらに画像解析ソフトによる筋線維横断面の形態計測を行った。50%MVC時のパワースペクトルとtypeII線維数の間には,正の相関が認められた。また,歩行時の立脚期初期のパワースペクトル変化は,typeII線維の線維径とtypeII線維横断面の総面積比率が関与していた。wavelet変換を用いた静的・動的周波数解析は,筋線維組成比やtypeII線維の萎縮といった組織学特徴を推測する有効な手段になりうるものと思われた。
著者
藤田 建 伊藤 浩明 渡邊 紘章
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.355-359, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
17

【緒言】悪性腫瘍に合併した続発性全身性多汗症に対して推奨されている治療法はないが,症状緩和にオピオイドが有効であった症例を経験した.【症例】64歳女性.右腎細胞がん(右腎摘除術後),骨転移,肺転移,左副腎転移と診断され,右股関節部のがん疼痛と,突発する全身多量発汗の症状緩和目的で緩和ケア病棟に入院した.がん疼痛に対しては,入院前から使用していたフェンタニル貼付剤を増量することによりレスキューが必要ない状態となった.発汗に対しては,腫瘍熱と考え解熱鎮痛薬とステロイドを使用したが効果を認めず,オキシコドン速放製剤を予防的に使用することにより症状緩和が得られた.【考察】本症例の発汗には視床下部とフェンタニル貼付剤が関与したと考えられる.オピオイドは視床下部に作用し発汗を抑制する可能性がある.
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。