著者
大越 拓実 鈴木 麗璽 有田 隆也
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.81-82, 2018-03-13

野球における応援が試合結果や打撃成績に与える影響を明らかにするため,2017年度高校野球秋季東海大会2試合,明治神宮大会高校・大学の部全19試合の応援の音声をスタンドから録音し,ニューラルネットやランダムフォレスに基づく予測モデルを構築して分析した.応援の大きさは攻撃時音声の振幅の2乗を用いて定義した.試合全体での自チームの応援の大きさの平均は勝敗に応じて有意に異なり,応援の大きいチームが勝利しやすいことが判明した.また,各イニングでの応援の大きさを入力として試合の勝敗を予測したところ,7回の応援に加え,一般には小さくなりがちな1回の応援が大きいほど勝利に影響しやすいことなどが示唆された.さらに,過去15回の投球での応援から打撃結果がアウトか否かを予測したところ,自分の打席の応援が打撃結果に負の影響を与える傾向も示唆された.
著者
鈴木 重雄 正本 英紀 井坂 利章 古川 順啓 東 彰一 大田 直友 鎌田 磨人
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-10, 2010-06-30 (Released:2012-02-14)
参考文献数
23
被引用文献数
3 5

モウソウチク(Phyllostachys pubescens Mazel ex Houzeau de Lehaie)を中心とする竹林の拡大が全国各地で報告され,社会的な問題となっている.竹林拡大を抑止するためには,竹林所有者のみならず市民参加を促し,協働の枠組みを構築しながら継続性を担保できる計画を策定することが肝要である.本研究では,産民学官からなる協議会「みなみから届ける環づくり会議」が,徳島県阿南市において,竹林の拡大抑制に取り組むにあたり,その活動方針決定にいかすために行った竹林所有者と地域住民を対象とした意識調査を通じて,竹林所有者と地域住民の竹林に対する認識とニーズを明らかにした.その結果,たけのこ生産が盛んであった当地域では,竹林はたけのこ生産の場であると強く認識がされていた.一方,主に竹林所有者にしか竹林の拡大は認識されておらず,竹林を所有していない住民との間で認識に差異があった.また,竹林は所有者の資産であるという考え方が強く,地域全体の問題として竹林拡大抑制策に取り組もうとする意識は低かった.これらのことから,本地域では,竹林の拡大に係る課題を地域内で共有する努力を行って,所有者と地域住民の双方が現状を認識し,合意形成を図る必要がある.
著者
堀場 厚 鈴木 信行
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.307, pp.58-63, 2010-04

会社の経営を引き継ぐうえで心がけたのは、「『会社のスピリット』は父からしっかり継承する。しかし、新しい環境変化に対応するため必要な改革は、自分自身の信念で実施する」ということでした。独創性の源になった"不謹慎"な社是 我が社のスピリットとは、社是の「おもしろおかしく」です。堀場製作所は、世の中にないモノを生み出す開発型企業として成長してきました。
著者
鈴木 貴史
出版者
東京福祉大学・大学院
雑誌
東京福祉大学・大学院紀要 = Bulletin of Tokyo University and Graduate School of Social Welfare (ISSN:18837565)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.115-122, 2015-03

19世紀後半の米国における筆記体書法であるスペンセリアン・ペンマンシップ(以下、「スペンセリアン法」)他人に読みやすい文字の美しさと、文字を書く速さの両立を目指した筆記体書法であった。しかしながら、従来のわが国における筆記体は、速記に重点が置かれ、非正規の書体として誤解される傾向がみられた。そこで本稿は、スペンセリアン法による筆記体書法を正確に理解することを目的として、その史的展開と基礎理論、(1)姿勢、(2)ペンの持ち方と動作、(3)形、(4)7原則の4項目について解説した。スペンセリアン法において、他人に読みやすく、美しい文字を書くことを徹底的に追及するという姿勢は、文字言語によるコミュニケーション能力の一つとして現代においても評価できるものであり、今後、筆記体の意義を再考するための一助となるものと考えられる。
著者
八十島 誠 山下 尚之 中田 典秀 小森 行也 鈴木 穣 田中 宏明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.707-714, 2004-11-10 (Released:2008-01-22)
参考文献数
45
被引用文献数
4 5

In recent years, antibiotics resident in sewage and in the water environment have become an emerging public concern in many developed countries. However, limited knowledge is available on the occurrence of antibiotics in sewage and discharge from wastewater treatment plants (WWTPs) in Japan. Moreover, little is known on the significance of their occurrence in the water environment from the viewpoints of biological adverse effects. The objectives of this research were, therefore, to determine the occurrence of selected antibiotics, namely levofloxacin (LVFX) and clarithromycin (CAM). That are commonly used in Japan, in discharge from WWTPs and then to evaluate their possible effects on algal growth. Therefore, we developed a novel analysis method for LVFX and CAM in wastewater by LC/MS/MS whose detection limits and recovery ratios are 2-3ng·l-1 and 53-87%, respectively. We also conducted algal growth inhibition tests using Pseudokirchneriella subcapitata, and results showed that the EC50s of LVFX and CAM are 1200μg·l-1 and 11μg·l-1, LOECs are 630μg·l-1 and 6.3μg·l-1, and NOECs are 310μg·l-1 and 3.1μg·l-1, respectively, LVFX and CAM concentrations in secondary effluent of five WWTPs that use the activated sludge process ranged from 152-323ng·l-1 and 303-567ng·l-1, respectively, which indicates that the PEC/PNEC ratio of LVFX is less than one but that of CAM exceeds two at the maximum secondary effluents if a safety factor of ten is considered. This suggests a possibility of algal growth inhibition due to CAM in WWTP discharge in the case of insufficient dilution of the receiving waters.
著者
鈴木 慶昭 加納 学 曽我 朗 柳町 武志 村尾 了 髙木 雅哉
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

多工程生産設備の生産性向上を目指して,装置組合せに依存する良品率の推定方法と良品率を考慮した生産スケジューリング方法を開発した.良品率推定にはField-aware Factorization Machines (FFM)が極めて有効であり,良品率を高 精度で推定できることに加えて,良品率に影響する特別な装置組合せを正確に特定できた.さらに,メイクスパン最小化と最終製品良品率最大化を同時に考慮した多目的生産スケジューリング問題をMILP問題として定式化し,NSGA-II と新しいディスパッチングルールを組み合わせることで,優れたパレート最適解を導出できた. ディスパッチングルールとしてFIFOを用いる場合,メイクスパンのみを目的関数とする従来法に比べて,単位時間あたりの良品数を12%向上できた.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_51-1_58, 2009-01-27 (Released:2009-03-27)

“あみぐるみ”は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
鈴木 基伸 Motonobu SUZUKI
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.95-118, 2014

動作遂行・実現の困難さを表す「にくい」と「づらい」は、機能的に重複している部分が多く、両者の使い分けがどのようにされているのかが明らかであるとは言い難い。そこで本研究では、「にくい」と「づらい」のどちらを入れても成立するような例文を作成し、それらを用いて「にくい」「づらい」の使用に関するアンケート調査を大手前大学の学生に対して行った。アンケート結果の分析を通し、①外的要因によって動作実現の不可能性が高い場合「にくい」が選択されやすい、②不可能性が低くなるに従い「にくい」が選択される割合が減る、③内的要因(「身体的痛み」「心理的抵抗感(±恥ずかしさ)」)によって困難となっている場合「づらい」が選択されやすい、④「づらい」選択の割合は「にくい」ほど顕著ではない、⑤心理的抵抗感の程度の大きさに応じて「づらい」がより選択されやすくなる、⑥相手に対する「申し訳なさ」が困難の要因となっている場合「づらい」が選択されやすい、⑦「身体的痛み」の場合外的要因による「けが」であるほうが「づらい」がより選択されやすくなる、ということが明らかになった。
著者
鈴木小太郎 神田智子
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.235-236, 2014-03-11

選考時に圧迫面接を行う面接官のビデオ動画を分析し、姿勢、視線、交替潜時などの特徴的なノンバーバル行動をビデオ分析によって洗い出し、それぞれの発生頻度とタイミングを数値化した。この数値化したデータを元にして面接エージェントにノンバーバル行動として実装した。面接時の質問項目は、実際に就職活動を終えた学生の受験報告書より、面接時に使用された難しい質問内容を選定し7カテゴリーに振り分けた中から使用した。この圧迫面接エージェントを用いた圧迫面接を被験者に体験してもらい、印象評価を行ってもらった結果から、本エージェントの実用性を示す。
著者
大久保 直美 鈴木 一典 近藤 雅俊 谷川 奈津 中山 真義 柴田 道夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.183-187, 2007 (Released:2007-04-23)
参考文献数
15

沖縄産ヒメサザンカ野生種13系統,芳香性ツバキの花粉親の一つであるヒメサザンカの系統1118(海外経由系統),芳香性ツバキ4品種の香気成分の比較を行った.ヒメサザンカの香気成分について,新たにリモネンおよび6種の芳香族化合物,安息香酸ベンジル,オイゲノール,サリチル酸メチル,o-アニス酸メチル,フェニルアセトアルデヒド,ベンズアルデヒドを同定した.沖縄産野生種13系統の香気成分量は,ほとんどのものが海外経由系統より多く,特に系統3と36が多かった.この二つを比較すると,花様の香調の2-フェニルエタノールやフェニルアセトアルデヒドの割合が多い系統36の香りの方が強く感じられた.ヒメサザンカを花粉親とする芳香性ツバキ‘姫の香’,‘港の曙’,‘春風’,‘フレグラントピンク’の香気成分の組成もヒメサザンカとほぼ同じであったが,組成比は品種ごとに大きく異なり,花様の香調を持つ成分の割合の多い‘姫の香’,‘港の曙’で香りが強く感じられた.
著者
小原 雄治 加藤 和人 川嶋 実苗 豊田 敦 鈴木 穣 三井 純 林 哲也 時野 隆至 黒川 顕 中村 保一 野口 英樹 高木 利久 岩崎 渉 森下 真一 浅井 潔 笠原 雅弘 伊藤 武彦 山田 拓司 小椋 義俊 久原 哲 高橋 弘喜 瀬々 潤 榊原 康文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動では、支援課題の公募を行い、領域外有識者による審査委員会により選考し、支援を行った。経費上限設定など多くの採択ができるように努めた結果、応募188件、採択93件(採択率49.5%)となった。支援の成果として2017年度に54報の論文発表がなされた。②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、最先端技術を提供するためにそれらの整備や高度化を進めた。遺伝研拠点では染色体の端から端までの連続した配列完成を目指して、ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel)、長鎖DNA試料調製技術、さらに1分子ゲノムマッピングシステム(Irysシステム)の最適化を進め、実際の試料に応用した。東大柏拠点では、1細胞解析技術を整備し支援に供するとともに、Nanopore MinIONを用いた一連の要素技術開発を進めた。九大拠点では微生物ゲノムのNGS解析最適化を進めた。札幌医大拠点ではLiquid Biopsyによる体細胞における低頻度変異検出技術開発を進めた。③高度情報解析支援ネットワーク活動では、支援から浮かび上がった課題を解決するソフトウェアの開発を進めた。支援で特に活用されたものは、真核2倍体用denovoハプロタイプアセンブラPlatanus2(東工大)、染色体大規模構造変異高精度検出アルゴリズムCOSMOS、変異解析結果の信頼性を評価するソフトウェアEAGLE(以上、産総研)、エクソン・イントロン境界におけるスプライソソーム結合頻度の解析パイプライン(東大)、であった。また、CLIP-seqデータの解析パイプライン、高速オルソログ同定プログラムSonicParanoid、ロングリード向けアラインメントツールminialign(以上、東大)は今後の活用が予想される。高度化等の成果として48報の論文発表がなされた。
著者
高田 基志 山本 拓巳 井上 智重子 酢谷 朋子 新家 一美 鈴木 照 土肥 修司
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.289-293, 2009-07-01 (Released:2010-01-20)
参考文献数
12

患者は67歳,女性。めまいと嘔吐を主訴に経過観察入院となったが,入院3日目に胸部不快感とSTの上昇を認め,緊急心臓カテーテル検査が実施された。冠動脈に有意狭窄はなかったが,心尖部の収縮低下を認め,たこつぼ心筋症と診断された。ICU入室時,頻脈を認めたため,ランジオロールにて心拍数のコントロールを試みた。また悪心・嘔吐に対してドロペリドールを投与したところ,急激な血圧低下と頻脈を来たした。急速輸液とフェニレフリン投与は無効であった。ランジオロールを増量したところ,血圧の上昇を認めた。プロプラノロール内服によりランジオロールを漸減でき,入室3日目に一般病棟に転床した。しかし後日イレウスを来たし,不幸な転帰をとった。病理解剖の結果,褐色細胞腫が判明した。本症例の左室壁運動異常の原因は過剰カテコラミンによる微小循環障害と推察された。またランジオロール投与は左室壁運動を正常化し,循環動態を改善したと考えられた。
著者
奈良 信雄 鈴木 利哉
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.193-200, 2014-06-25 (Released:2016-05-16)
参考文献数
12
被引用文献数
2

ドイツでは2003年に発効された「医師免許に関する規制法:Approbationsordung: AppOÄ」を契機に医学教育が大きく改革された.基本的には37校で同じカリキュラムに基づき教育されているが,昨今の医学の進歩や医療事情を鑑み,学際領域教育や臨床実習に重点を置いているなどに特色がある.医師国家試験は基礎医学履修後の2年終了時と,5年終了時の筆記試験と6年終了時の口頭試験が行われている.日本が医学教育を導入したドイツにおける医学教育改革は,わが国にとっても大いに参考になる.
著者
鈴木 朋美
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-26

前年度に引き続き、ベトナム中部サーフィン文化の甕棺資料の実測図化と遺物編年の作成を目標に据え、トゥアティエンフエ省、ビンディン省、フーイェン省、コントゥム省、クァンナム省ホイアン市・ディエンバン県にて資料調査を行い、コンテクストの確認と報告資料の補完を行った。まず、昨年度の成果を元に、トゥーボン川流域に属す遺跡とフォーン川流域に属す遺跡の土器の比較を行い、器種構成の違いや型式的差異を指摘し、2つの遺跡間に生じる差異は地理的要因だけではなく時間差も含まれているという見解に至った。ビンディン省では、未接合資料を実測することで報告書では指摘されていなかった有肩甕棺から有稜深鉢形甕棺の型式変化を観察できた。さらに、ホイアンではゴーマーヴォイ遺跡で多数を占める卵形甕棺とサーフィン文化の甕棺の典型的形態ともいわれる長胴甕棺の中間の型式と思しきハウサーI遺跡の甕棺を確認できた。これにより、現在までのサーフィン文化の編年の細分化が可能となり、自身が行った甕棺の形態分類における時間的差異と地域的差異を整理できた。以上より、サーフィン文化の広域編年に関して、1)サーフィン文化の甕棺の形態は地域ごとに独自の変化をたどる2)トゥーボン川流域では、ゴーマーヴォイ遺跡の主要な形態である卵形甕棺から、ハウサーI遺跡・タックビック遺跡の長胴化した甕棺、そしてアンバン遺跡・ビンイェン遺跡の長胴甕棺という変化が主要な甕棺の変化である、という見解に至った。