著者
高橋 一広 倉智 博久 山谷 日鶴
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

閉経後の内臓脂肪で11beta-HSD1の発現が増加することが明らかになり、ヒトでもエストロゲンは11beta-HSD1の発現を抑制すると考えられた。BMIの増加に伴い脂肪組織内のaromatase発現は増加するが、生理活性の低いE1が優位になるため、局所内のグルココルチコイド活性化を抑制できない可能性が想定された。皮下脂肪では閉経前後で脂肪酸の代謝に差は認められなかったが、閉経群の内臓脂肪で、脂肪酸の代謝産物が有経群に比較して高濃度に存在することが、メタボローム解析で初めて明らかとなった。閉経後の内臓脂肪では、脂肪酸代謝に変化がおきていることが示唆された。
著者
赤尾剛 中村 隆志 丸山 剛郎 高橋 純造 荘村 泰治 木村 博
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯材器 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.685-691, 1992
被引用文献数
4

ラミネートベニア修復物の仕上りは, 一連の複雑な工程や技工士の熟練度によって影響を受ける.この問題点の解決法のひとつとして, コンピュータ技術を応用したラミネートベニア修復用CAD/CAMシステムの開発を試みた.その第一段階として, レーザ変位計とコンピュータ制御3軸走査モデリングマシンCAMM-3を組合せた歯牙模型形状自動計測システムを開発し, その計測精度を検討した.その結果, 模型の色調を灰色に決定にし, レーザ変位計と模型表面の距離を常に一定に保ちながら走査する追随式計測法をとることによって, 最も精度良く計測することができようになった.このシステムを使用して, 上顎前歯模型表面の形状を計測し, 精度の高い三次元形状データを得ることができた.
著者
高橋 優
出版者
福島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、従来啓蒙主義へのアンチテーゼとみなされていたドイツ・ロマン主義を啓蒙主義的諸学問との関係で捉え直し、ドイツ・ロマン主義が啓蒙主義的学問を踏まえ、それを乗り越えて行く運動であることを明らかにする試みである。当該研究では主に、ノヴァーリス『ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン』、フリードリヒ・シュレーゲル『ルツィンデ』、クレメンス・ブレンターノ『ゴドヴィ』、およびハインリヒ・フォン・クライストの短編を分析し、ロマン主義的「新しい神話」運動の変遷の過程を啓蒙主義的感覚論、歴史哲学、自然科学の文脈から捉え直した。
著者
森 修一 服部 美紀 山中 大学 橋口 浩之 高橋 幸弘 濱田 純一
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

落雷被害の社会的影響が大きいインドネシアのジャカルタ首都圏の雷雨を対象とし,長期現業地上観測データに基づく気候学的解析を行うと共に,レーダー等による特別観測を実施した.その結果,雷雨は対流季節内振動(MJO)の東進と共に大きく変動し,MJO活発域の到来直前(Phase 3)に最も激しくなる.また,雷雨の季節進行は多くの地点で雨季直前(4月,11月)に活発となるが,赤道越え北風モンスーンサージ(CENS)が影響し,ジャワ海沿岸のみ2月が最盛期となるなど地理的差異も大きい.さらに,雷雨はジャワ島南部の山岳域で発生し,北部沿岸のジャカルタ都市部へ移動する日周期移動が顕著であること等が明らかとなった.
著者
大宮 東生 古田 一徳 泉家 久直 高橋 毅 吉田 宗紀 柿田 章
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

[目的・対象・方法]肝・胆道癌の根治性を高めるために肝膵同時切除の必要性が唱えられ、臨床例も報告されているが、特に術後早期の病態に対する研究は少ない。今回我々は、種雑成犬を用い、70%肝切除に種々の割合で膵切除を加える実験を行い、肝膵同時大量切除時の手術侵襲の評価と肝再生における肝膵相関を知る事を目的として術後早期からの種々の検討を行った。[結果](1)70%肝切除のみ(I群)では生存率は100%であったが、66.7%膵切除を加える(II群)と66.7%、約80%膵切除を加える(III群)と75%と生存率が低下した。死亡原因としては肝不全が重要で、肝膵同時切除後に肝不全への移行を知るデータとしては、術後早期の血小板減少や、プロトロンビン時間・ヘパプラスチンテスト値の延長と回復遷延が参考となると思われた。また術後早期の血清インスリン値の低下・回復遅延や、血清グルカゴン値の増加・回復遅延及び血糖値の異常上昇も肝不全移行を示唆すると思われる。(2)生存例の肝再生率は、I群:82.3%、II群:96.3%、III群:65.2%であった。再生肝の肝機能を見てみると3群間に有意な差は認められず、また4週経過後の膵内分泌能も3群間に差は認められなかった。膵内分泌機能に関しては4週以上の経過観察が必要と思われる。[考察]今後、さらに下記の点を早急に検討し、肝膵同時大量切除時の病態生理を明らかにし、臨床応用できるよう研鑚努力する予定である。(1)手術侵襲をより正確に把握するために、侵襲度の指標化を行いたい。(例えばTNFや、osmolality gapなど)(2)切除肝、切除膵及び再生肝・再生膵の形態学的検討と、膵ホルモンを含む肝再生因子の分析から、肝膵同時切除が肝再生・膵再生にたいして及ぼす影響と、術後早期に手術侵襲として及ぼす影響を検討する。
著者
大和 雅之 秋山 義勝 中山 正道 小林 純 長瀬 健一 高橋 宏伸 清水 達也
出版者
東京女子医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

成長因子を固定化可能なヘパリン固定化温度応答性細胞培養表面を新たに開発し、肝細胞シートの作製に応用した。従来よりも少ない成長因子の量で肝細胞シートが作製でき、さらに肝特異的な機能がより長期的に維持されていることも明らかにした。パターン化温度応答性細胞培養表面の作製技術を開発し、神経組織構築ための基盤技術として応用した。また、光照射重合を利用した新規な温度応答性細胞培養表面技術の開発にも成功した。ロボット工学技術を取り入れることで、共培養細胞シート作製や細胞シート移植、積層化を支援するための装置、デバイスこれら技術を組み合わせることで、簡便にかつ高速な軟組織作製への応用が期待できる。
著者
中邑 賢龍 坂井 聡 苅田 知則 近藤 武夫 高橋 麻衣子 武長 龍樹 平林 ルミ
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、デジタルペンを用いて小学生の読み書きデータを取得し、読み書き速度の標準データを明らかにした。同時に、書字プロセスを時系列的に分析する事で、書き困難を3つのタイプに分類することが出来た。それぞれの困難さに対応した支援技術は即効的であった。支援技術を早期から導入する事で学習の遅れを防ぐ事が出来ると考えられ、その利用を前提にした教育が必要である。
著者
田地野 彰 寺内 一 飯島 優雅 高橋 幸 金丸 敏幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、大学生の英語学術論文作成技能の向上を図るため、インストラクショナルデザインの手法を用いて、大学の全学共通英語教育におけるアカデミックライティングコースの設計を行った。コース設計は、(1)評価指標の構築、(2)課題、教材、評価方法、フィードバック方法の開発及び効果の検証、(3)自律学習支援ツールの開発、の手順で行った。(1)では各種資料から評価項目のデータベースを作成し、記述型・段階尺度型の指標を構築した。(2)では主に技能統合型タスクを開発するとともに、英文産出の質的な向上をもたらすフィードバック方法を調査した。(3)ではムーブ分析結果に基づいて英語論文表現データベースを構築した。
著者
石澤 公明 菊田 淳 高橋 知美 岡 唯理 内山 晃司 佐藤 愛湖 鈴木 亮介
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

小学校から大学までの共通植物教材として,ファストプランツ(FP)を使用した学習プログラムを開発した。それには、FPの自家不和合性を利用した他家受粉と自家受粉の種子形成率の違い及びアニリンブルーやコットンブルーで染色された花粉管が花柱から胚珠に達する様子の顕微鏡観察等から受粉と受精の違いを学習すること,また,主根成長に対する塩ストレスや重金属イオンの効果,紫外線による子葉成長の阻害効果,植物栄養と成長の関係等の解析が含まれる。小・中学校でのFPを使った授業実践では,生徒が自分の手で短い期間で栽培できることから,植物の成長や生殖に理解を深めることが出来る優れた教材であることが示された。
著者
金高 正典 高橋 敦子 東 聡志
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.11-14, 2005

水稲移植栽培における使用苗箱数を減らすことを目的として, コシヒカリの稚苗を密播で育苗し移植後は疎植栽培(播種量250g/箱-栽植密度11株/m^2)するもの(以下密播疎植)と, 慣行栽培(140g/箱-18株/m^2)の生育の違いについて検討した.密播疎植で必要な苗箱数は慣行の約3分の1であった.密播疎植は慣行に比べ株当り茎数では多いもののm^2当り茎数は少なく, 葉色は濃く推移し, 出穂期は2〜3日, 成熟期は1日程度遅れた.密播疎植は穂数が少なくなるため精玄米重は慣行栽培より10%程度減収したが, 玄米の外観品質は同程度であった.
著者
北形 元 笹井 一人 高橋 秀幸 木下 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.168, pp.63-66, 2013-07-25

本稿では,大規模災害時における通信需要の極端な増加,電力供給の停止,通信路の切断など,極めて厳しい条件下において円滑な通信を実現する不揮発性ネットワーキングを提案する.大規模災害時においては,極端な通信需要の増加状態の継続により輻輳が緩和されず,大規模な通信障害が長時間に渡り続く.このような不安定な通信品質の下で,中継ノードでデータを一時蓄積しながら中継していく技術としてDTN(Delay Tolerant Networking)が提案されており,これを活用した災害時の情報通信方式も提案されているが, DTNがその性質上,送信のみの単方向通信であるという点から,安否情報や避難情報など,情報入手に利用することは難しい. そこで本稿では,利用者端末からのリクエストとサーバからのレスポンスの両者をひも付けながらネットワーク上に保持することで,リクエストを送信してからサーバからのレスポンスを受信の間に,利用者端末をネットワークから切断し可能とする,不揮発性ネットワーキングを提案し,その主要技術について述べる.
著者
高橋大斗 中村嘉隆 高橋修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-6, 2013-11-07

近年のモバイル端末の高性能化に伴い,モバイル端末が扱うファイルサイズは肥大化している.ファイルサイズの肥大化への対応のため,アドホック通信を用いたモバイル端末間のファイル転送方式は今後さらなる改良が求められる.また,モバイル端末間でのファイル転送の際には,中継役を不要とするアドホック通信が適していると考えられる.本研究ではアドホック通信におけるファイル転送効率化の手段として,マルチホーミングと TCP マルチコネクションに焦点を当て,モバイル端末間における効率的なファイル転送方式を提案・実装した.本提案方式の有効性を示すべく,無線通信環境の変化時におけるスループットの変動などにも注目し,その評価を行った.
著者
周 杰 高橋 聖 中村 英夫
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.24, pp.67-70, 2011-11-07

システムの高信頼性・高性能の要求を応えるため、マイクロカーネルを用いるマルチコアシステムの構築について検討する。複数のプロセッサを搭載したシステムにおいて、アーキテクチャの性能向上率への影響を考慮してオペレーティングシステム機能を分散することでシステムの高信頼性を実現する。この思想のもとに、マイクロカーネル技術を用いてマルチコアシステムモデルの構築とその実現手段について報告する。
著者
和田基 塚本潤 小林弘明 高橋昭宏 坂本龍一 佐藤未来子 天野英晴 近藤正彰 中村宏 並木美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-8, 2013-04-18

細粒度 PG (Power Gating) 制御を行うプロセッサでは,温度やキャッシュのヒット率などの動的なスリープ要因を適切に反映した命令列を実行することが重要である.本発表では,JIT コンパイラの生成するコードに対して,動的要因として実行時のチップ温度を考慮した細粒度 PG 制御を最適化する方式を提案する.筆者らが研究している Geyser アーキテクチャの細粒度 PG 方式を QEMU ベースである AndroidEmulator によってシミュレートした評価実験において,PG 制御を行わない場合と比較し,VM と JIT コンパイラおよび生成されたコードを実行するプロセス全体で平均 6%,最大 22% でリーク電力を削減することができた。