著者
高橋 一郎 宇佐美 三郎 中門 公明 宮田 寛 志田 茂
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1076, pp.186-194, 1985-04-01
被引用文献数
26 18

各種の微小欠陥を付加したSi<sub>3</sub>N<sub>4</sub>とSiCの強度試験を行うとともに, 他の実験結果も併せて整理し, 欠陥寸法, 切欠き半径と強度の関係を求めた. その結果, 実際の機械部品で対象とするような100μm程度以下の微小な欠陥では, 破壊靱性値<i>K</i><sub>IC</sub>を一定とする線形破壊力学による評価結果は非安全側を与え, この傾向は結晶粒径の大きい材料ほど大であることが明らかとなった. 表面加工傷, 空孔, 人工欠陥等の各種の欠陥についての実験結果は, その形状効果を補正した等価き裂長さを用いることによって, 欠陥寸法と強度の関係は同一に取り扱うことができた. また, 各種セラミックスについての強度試験結果を, 等価き裂長さと平均結晶粒径の比<i>a</i><sub>e</sub>/<i>d</i>と小さいき裂と大きいき裂の臨界応力拡大係数の比<i>K</i><sub>C</sub>/<i>K</i><sub>IC</sub>の関係で整理すると, 材料の種類によらずほぼ同一の関係となることが明らかになった. この関係は本報で提案した結晶破壊モデルから導かれる関係式で比較的よく説明され, 更に平滑材における結晶粒径と強度の関係及び切欠き半径と強度の関係についても, 本モデルによる関係式で実験値の傾向は良く表された.
著者
高橋 慎也
出版者
中央大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本年度は特に、80年代以降の日・米・独・墺のメッセージ・ソングのテキストに関して収集と分析を進めた。その結果、独・墺においてもこの時間のメッセージ・ソングは主としてロック系の歌手によって作成され、リーダー・マッハーと呼ばれるフォーク系の歌手の活動が著しく低下したことが明らかとなった。またメッセージの内容に関しては、環境保護・男女平等・社会的弱者の保護・反原発など、各国に共通する一般的なテーマが主流となり、その分、国毎の個別性が希薄化している傾向が見えてきた。いわゆるヒット曲とメッセージ・ソングを比較してみると、80年代のヒット曲の歌詞には物語性が乏しい点、またリズムやメロディーによって聴衆を快楽を与える点が傾向として見えてくる。つまり、ある特定のメッセージを一定の物語として表現し、聴衆の理性に訴えるというスタイルの歌が衰退し、リズムやメロディーによって聴衆の無意識に訴えて快楽を与えるというスタイルが人気を得るという傾向が、80年代には定着するのである。80年代にはメーッセージ・ソングというジャンルそのものがマイナー化し、社会的影響力を失っていったようである。こうした事実が明かになったことを踏まえて、その社会的背景を現在考察中である。断定できる段階ではないが、80年代に福祉国家が独・墺で一応の完成したことに伴う個人主義化や自己中心化の進行が、メッセージ・ソングの衰退に影響したものと考えられる。歴史的影響関係に関してみると、トゥホルスキーやケストナーおよびブレヒトに影響を受けた作品を発表してきたリーダー・マッハーの活動力が80年代には著しく低下したことが明確となった。また共時的影響関係にに関してみると、英米系のロック歌手がメッセージ・ソングのテーマを決定するという傾向が顕著となり、独・墺系のリーダー・マッハーの独自性は薄らいできていることが明かとなった。
著者
高橋 秀寿
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

三年度にわたって、時空間の変容の問題を歴史的に跡づけるために、ドイツにおける記念碑の変遷を追った。具体的には、ドイツにて記念碑に関する資料と文献を収集し、記念碑の撮影をおこなった。その成果として、有斐閣から出版された共著『ドイツ社会史』にて「ナショナリティ」の項目を執筆し、記念碑だけでなく、国民的祝祭、国民歌および国歌、国旗、国籍法、地理教科書などをテクストとして分析することによって、ナショナルな時空間の歴史的変遷の問題を論じた。また、『立命館言語文化研究』にて公表した「ホロコーストの記憶と新しい美学」では、80年代に試みられたホロコーストの記憶を新たな美学によって表象-記億しようとする新たな記念碑の取り組みを紹介した。さらに、2002年の4月に東京大学出版会より刊行された共著『マイノリティと社会構造』に「レイシズムとその社会的背景」と題して寄稿した論文にて、近年における極右勢力の動向を時空間の変容の問題から論じた。ほぼ同時期に柏書房より刊行された『ナチズムのなかの二〇世紀』における「ナチズムを、そして二〇世紀を記憶するということ」と題した寄稿論文においては、戦後におけるドイツ人の20世紀とナチズムの記憶の構造を分析し、その構造と変遷が記念碑においてどのように表現されているのかを論じた。そこではオイルショック以後の社会構造の変化がナチシムとホロコーストの記憶にとって重要な役割を果たしていることを明らかにした。立命館大学人文科学研究所編『現代社会とナショナル・アイデンティティ』に寄稿した「ナショナルな音楽・越境する音楽」では音楽と時空間の関連を近代化を問題としながら分析した。『ドイツ研究』35号に寄稿した「ドイツ人の脱ナショナル・アイデンティティ」では社会心理学的な分析を通して、ドイツ人のナショナル・アイデンティティの変容を分析した。また、2003年に刊行された『ナショナル・アイデンティティ論の現在』に寄せた論文では、ドイツ近代社会における記念碑の歴史的変遷とその美学的形象化の問題を、芸術表象論とかかわらせながら、時空間の変容の問題として分析してみた。

1 0 0 0 OA 宇品築港史 (5)

著者
高橋 衞
出版者
福山大学
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-26, 2001-06
著者
高橋 正道
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

白亜紀の花化石の直径はわずかに1mm前後であり、その中の構造を非破壊的に明らかにすることは容易なことではない。被子植物の花化石の内部構造を、Spring-8およびシカゴの大型加速器(APS)のビームライン2-BM-BのマイクロCTによる解析を行った。大型加速器のビームラインで得られた透過データをトモグラフィー法にて、3次元データに再構築した。これらの3次元構築データの解析によって、これまで、花芽の内部に隠れていた各器官の状態を解明することができた。大型加速器は、広視野・高分解能撮影が可能なビームを有し、サイズや形状も多様な白亜紀の花化石の構造解明のために、極めて有効な装置である。その結果、従来は解明できなかった、白亜紀の微小な花や果実の内部の情報を高分解能で明らかにすることができるようになった。これらの研究成果を取りまとめつつ、それぞれの花化石について、研究論文を作成している。
著者
根岸 洋一 丸山 一雄 高木 教夫 新槇 幸彦 高橋 葉子 野水 基義 田野中 浩一 丸ノ内 徹郎 片桐 文彦 小俣 大樹 濱野 展人 石井 優子 小栗 由貴子 塩野 瞳 秋山 早希 間山 彩 菊池 太希
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,微小気泡(ナノバブル) の一つとして開発してきた超音波造影ガス封入リポソームにデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療用アンチセンスモルフォリノ(PMO)を搭載させたバブルリポソーム(BL)の開発に成功した.さらにBLと超音波照射との併用システムによりDMDモデルマウス骨格筋や心筋へのPMO送達・導入を行うことで,超音波照射部位におけるエクソンスキッピング誘導に伴う顕著なジストロフィンタンパク質の発現回復が可能となることを明らかとした.よって本システムは,DMDの核酸治療において全身筋組織への効率的PMO送達・導入とDMD治療における有用な一手段となると期待された.
著者
奥乃 博 尾形 哲也 駒谷 和範 高橋 徹 白松 俊 中臺 一博 北原 鉄朗 糸山 克寿 浅野 太 浅野 太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

音環境理解の主要機能である混合音の音源定位・分離・認識技術を開発し,ロボット聴覚ソフトウエアHARKとして公開し,国内外で複数の講習会を実施した. HARKを応用し,複数話者同時発話を認識する聖徳太子ロボット,ユーザの割込発話を許容する対話処理などを開発し,その有効性を実証した.さらに,多重奏音楽演奏から書くパート演奏を聞き分ける技術,実時間楽譜追跡機能を開発し,人と共演をする音楽ロボットなどに応用した。
著者
竹内 宏治 井熊 武志 高橋 裕司 匂坂 慶子 高澤 俊英
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.103-107, 2001-06
被引用文献数
1

フェノール-硫酸法(80%(w/w)フェノール試薬使用)は、ペーパークロマトグラフィーによって分離された少量の糖類を定量するためにDubois等[Dubois,M.,Gilles,K.A.,Hamilton,J.K.,Rebers,P.A.,and Smith,F. 1956. Anal. Chem. 28:350-356]によって開発されたが、最近は5%(w/v)フェノール試薬を使用する改良法[Hodge,J.E. and Hofreiter,B.T.1962. Methods in Carbohydrate Chemistry vol.1,pp.380-394]が広く用いられている。我々は、カラムクロマトグラフィーによって分離されたごく少量の糖類を定量するためにHodge and Hofreiter (1962)の方法を高感度定量法に改良した。Hodge and Hofreiter法と比較すると、我々の高感度定量法は、再現性はほぼ同程度であるが、約10倍感度が良くなり、マイクログラムレベルの糖を定量でき、非常に優れた方法である。更に、フェノール-硫酸法において、濃硫酸の添加は注意深く行わなければならず、そして又時間を要する操作であるが、我々の改良法では、硫酸の使用体積を大幅に減少させたために、多数のサンプルを同時に処理でき、硫酸添加後の操作の危険性が減少し、実験操作性が大きく向上した。
著者
高橋 洋一
出版者
ファクタ出版
雑誌
ザ・ファクタ
巻号頁・発行日
vol.6, no.6, pp.24-26, 2011-06
著者
高橋 智子 川野 亜紀 飯田 文子 鈴木 美紀 和田 佳子 大越 ひろ
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.357-364, 2003-05-15
参考文献数
11
被引用文献数
13

本研究では,高齢者が食べ易い食肉開発を目的とし,豚肉の重曹未処理肉、重曹溶液浸漬肉(0.2mol/lおよび0.4mol/l重曹溶液浸漬)および豚挽肉に小麦粉を混合した再構成肉の力学的特性,食べ易さおよび咀嚼運動について検討を行った。(1)再構成肉の加熱処理後の重量減少率は,重曹未処理肉や重曹溶液浸漬肉に比べ顕著に小さく、再構成肉の保水性が大きいことが認められた。(2)重曹未処理肉および重曹溶液浸漬肉の応力-ひずみ曲線において,ひずみ0.8(m/m)までの圧縮では明確な破断点は認められなかったが,再構成肉には,ひずみ約0.3(m/m)で破断点が認められた。また,重曹未処理肉および重曹溶液浸漬肉のひずみ0.8(m/m)におけるみかけの応力の圧縮速度依存性は,異なる傾向を示した。(3)ひずみ0.8(m/m)におけるみかけの応力と咀嚼時のかたさおよび口中の残留物の多さの間には,高い正の相関関係が認められた。一方,咀嚼後に形成される肉食魂の飲み易さでは,重曹未処理肉と重曹溶液浸漬肉については,ひずみ0.8(m/m)におけるみかけの応力が小さくなるに従い飲み易くなることが示された。しかし,最もみかけの応力が小さく,咀嚼時にやわらかいと評価された再構成肉の飲み易さは,0.4mol/l試料肉と同程度であった。再構成肉は4種の試料肉の中で最もおいしくないと評価された。このおいしさの評価が,再構成肉と0.4mol/l試料肉の肉食魂の飲み込み易さの評価結果に影響を与えているものと推測される。(4)重曹未処理肉と重曹溶液浸漬肉の嚥下終了までの咀嚼回数は,ひずみ0.8(m/m)におけるみかけの応力が最も小さい再構成肉に比べ有意に少ないことが認められた。また,最もひずみ0.8(m/m)におけるみかけの応力が大きい重曹未処理肉の閉口相時間は,他の試料肉に比べ有意に長く、最大閉口速度も遅いものとなった。このことより、重曹未処理肉は,重曹溶液浸漬肉や再構成肉のような食肉加工品に比べ,健康有歯顎者にとって,咀嚼しにくい食肉であることが示された。本研究の結果から,食肉は重曹溶液により軟化処理を施したり,挽肉を主な原料として再構成肉のように加工することで,高齢者の義歯装着者にとっても,咀嚼し易く,食べ易い,良質なたんぱく質給源のための食品になることが推測される。
著者
中村 覚 吉川 元 伊勢崎 賢治 高橋 和夫 中西 久枝 澤江 史子 栗栖 薫子 森 伸生 北澤 義之 立山 良司 坂井 一成 泉 淳 小林 正英 細井 長 齊藤 嘉臣 末近 浩太 土佐 弘之 木村 修三 小塚 郁也 福田 安志
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、国際関係論、安全保障論、中東地域研究の専門家による協働研究を通じて、日本における中東の安全保障問題に関する本格的な研究の基盤づくりを目的とした。また、中東における武力紛争の傾向や特質に関して論ずるのみではなく、短期的な紛争解決と、中長期的な予防レジームの構築に関する課題と可能性に関して考察した。その際に特に、日本への政策的示唆を生み出す視点を重視した。また当該の研究課題の遂行のために必要とされる国外の研究者とのネットワーク作りと同時に、国外への研究成果の発信で成果を上げた。
著者
山田 祥徳 酒井 幹夫 水谷 慎 孫 暁松 野々上 友也 高橋 公紀
出版者
The Society of Powder Technology, Japan
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.288-295, 2011-05-10 (Released:2011-05-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

In industrial arena, there are many solid-liquid two phase flow systems like mixing vessels, glass furnaces, solid-liquid separation equipments, etc. Numerical simulations are promising approach to understand the phenomena. Numerical analyses by the Eulerian-Lagrangian approach were performed in the past studies. The Eulerian-Lagrangian methods were applied to various solid-liquid flow systems without the free surfaces. On the other hand, numerical models which can treat the solid-liquid flows involving free surface were hardly developed so far. Hence, in the current study, we develop a Lagrangian-Lagrangian coupling methods to perform the fast simulation of the solid-liquid flows. The liquid phase were modeled by the Explicit Moving Particle Simulation (E-MPS) method. The E-MPS method can simulate the free surface flows easily. The DEM / E-MPS method was applied to a solid-liquid flow in a pipeline. The simulations were performed by changing the acoustic velocity. The simulation results, namely, the solid particle distribution, pressure and fluid velocity were compared in the present study. The DEM / E-MPS method is shown to make possible to perform the fast simulation by assuaging the acoustic velocity.
著者
高橋 進 元田 結花 安井 宏樹 小舘 尚文
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.政権交代の政治学の狙いは、主として2つあった。一つは戦後西欧諸国の政権交代の事例研究を実証的に行なうこと。2つめは、政権交代に関する政治理論を考察することであった。2.第1の目的については、「東京大学COE先進国における《政策システム》の創出」と協力し、試論的に考察した(本プロジェクトの研究分担者以外にも協力者も求めた)。その成果は、COEのOccasional Paper「政権交代の政治学」として刊行済みである。その後研究会を重ね、修正の後、今年度又は来年度に東京大学出版会から本として刊行される。扱う国は、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダであり、それに理論編が加わる予定である。3.2つ目の目標は、現在研究代表者である高橋 進が、その理論モデルを研究中であり、先の東京大学出版会から刊行予定の本に収録する。内容は、レジーム変動と政権交代の中間にあるセミ・レジーム変動といえる政権交代を抽出することにある。そのため分析レベルを3つに区別し、第1のレベルとして、政治的思潮の変化(例えばサッチャリズムから第3の道へ)がどのように生起するのかに焦点をあてる。第2のレベルとして政党システムの再編成を扱う(例えば日本の55年体制の崩壊とそれと同時に起きた政党システムの再編)、第3のレベルは政策の問題であり、与野党間の政策距離の違いが政権交代にどのような影響を与えるのかというのが具体的内容である。4.以上の研究に付随して、先のCOEとも協力して、COEのOccasional Paperとして「変調するヨーロッパ政治」を刊行。加えて、これもCOEと協力してEUに関するシンポジウムも開催(2005年9月)し、それもCOEのOccasional Paper, EU Symposium : The EU Constitutional Treaty and the Future of Projectを刊行した。〔以上〕
著者
加藤 哲郎 田中 ひかる 丹野 清人 堀江 孝司 小野 一 岡本 和彦 井関 正久 大中 一彌 高橋 善隆 鳥山 淳 島田 顕 許 寿童
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、研究代表者が長年進めてきた現代国家論研究と近年取り組んでいる情報政治研究の結節点で、経済のグローバル化と共に進行する国内政治の国際政治化、国際政治の地球政治化を解析した。モノ・カネ・ヒトが国境を越える「帝国」型グローバル政治の形成と、そのもとで進行する民衆の移動・越境・脱国家化の動きに注目し、既存の概念の変容と新しい課題を実証的な国際比較と歴史的・思想的系譜から考察した。
著者
崔 寛三 高橋 成人
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.197-204, 1979-09-01
被引用文献数
1

発芽時の光に対して遺伝的に異たる反応性をもつレタス品種MSU15(暗発芽性)とMSU16(光発芽性)とを用い,両品種の種子形成条件と発芽特性との関係を検討した。その結果,MSU15の暗発芽性は種子形成過程が短目条件であるとき,その特性が明瞭に認められた。一方,MSU16の光発芽性は種子形成期の低温条件によって誘起され,高温条件によって抑制される傾向を示した。また,種子の貯蔵日数に伴なって両品種の光反応性は大きく変動し,以下に述べる3つの特徴のある生理相が認められた。変動第1期(収穫直後から貯蔵3ケ月まで)両品種とも比較的に高い暗発芽率を示すが遠赤色光の照射によって,その暗発芽は抑制される。変動第2期(貯蔵後4ケ月から8ケ月まで)両品種とも暗発芽率が急激に低下するが赤色光の照射によって,その暗発芽は著しく促進される。変動第3期(貯蔵9ヶ月から15ヶ月まで)品種MSU15の種子発芽は光によって影響されないがMSU16の種子は赤色光による発芽促進と青色光および遠赤色光による発芽抑制が認められる
著者
長田 富香 高橋 敬子 宮下 くみ子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.431-431, 1963-09-25

第29回東京女子医科大学学会総会 昭和38年10月6日(日曜日) 東京女子医科大学本部講堂
著者
松浦 正孝 山室 信一 浜 由樹子 土屋 光芳 中島 岳志 高橋 正樹 宮城 大蔵 WOLFF David 大庭 三枝 吉澤 誠一郎 姜 東局 大賀 哲 酒井 哲哉 後藤 乾一 都丸 潤子 関根 政美 矢口 祐人 高原 明生 遠藤 乾 松本 佐保
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、アジア各地における多様なアジア主義のビジョンと構造を解明し相互比較すると共に、アジア主義ネットワークの生成過程を解明した。方法としては、国内外から選ばれた各地域の専門研究者と各事例を議論することで、アジア主義に共通の構造と地域それぞれに固有の特徴とを明らかにした。そうすることで、各地域におけるアジア主義を相対化して民族中心的なバイアスから解放し、アジアにおける共同体の可能性と条件、各民族・国家の共生の可能性を探ろうとした。