著者
橋本 修 高橋 英則 本田 敏志 田口 光 衣笠 健三
出版者
群馬県立ぐんま天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

恒星進化末期の漸近巨星枝(AGB)にある炭素星の形成とその進化シナリオを検討するため、炭素星の可視高分散分光観測を行い、炭素の同位体比^<12>C/^<13>Cを測定する。ぐんま天文台のGAOES分光器を用いることによって、高い波長分解能でありながら、かつ広い波長領域を網羅した高精度の可視分光データを大量のサンプルに対して取得した。この様な大型サンプルに対する高精度の炭素同位体比の測定はこれまでに類をみないものである。
著者
高橋 信雄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1,親の意識は、音反応出現後に安堵感を示し、その後、就学前までは聴覚とことばを意識していた。就学後は、聾学校の場合には手話を、通常小学校の場合には子どもの得意とするコミュニケーションを心がけているが、聴覚への意識が十分には持続できないことが多かった。教師側は、聾学校では聴覚活用の意識が十分でなく、通常小学校では聴覚的な配慮が十分ではなかった。2,対象児の変容:(1)コミュニケーション様式の変容:通常学校に通う児の場合、聴覚口話が多いが、十分には通じないと思われる児では、手話を併用している。この場合、親も子も手話が十分でなく、簡単な日常生活程度の簡単な手話しか使用されず、コミュニケーションが不十分となるだけでなく、意味概念上の深まりが極めて浅いことがわかった。(2)聴覚情報処理上の変容:コミュニケーションモードの種類に係わらず、術後の年数と共に向上していった。音声情報処理能力は、電極の挿入具合ばかりでなく、術前の聴覚的な活用能力が大きく影響していると思われる。(3)言語能力の変容:小学校の低学年では、読字力、語彙力、文法力、読解・鑑賞力の各領域において学年相応の力を持っているが、聴覚的情報受容力が十分でない群では、読字力以外の領域の力は、学年があがるにつれて伸びが鈍くなった。(4)話しことばの変容:構音は、年数と共に改善が認められたが、聴取能力に依存するところが大きく、個人差が大きかった。また、聴取能力の向上だけでは、一部の音は歪んだり、鼻音化することも多く、発音指導が必要であった。手指コミュニケーションモードの児ほどその傾向は強かった。(5)聾学校では、体系的なリハビリプログラムがなく(93%)、病院・リハビリ施設・学校との連携したプログラムが必要と思われた。いずれの項目も、個人差が大きく、リハビリ後の親や教師などの意識が、術後の成績に大きく関連すると思われた。
著者
小林 章夫 永富 友海 高橋 和久 高岸 冬詩
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

当研究の主たる目的は、文学と教育を関係づけ、文学教育の新しい可能性を探ることである。そのために次の2点の企画をおこなうことにカを注いだ。1.代表者の小林章夫がコーディネーターとなり、上智大学で翻訳の輪講授業を導入した。この授業では、プロの翻訳家の方々に順次講義をお願いし、現在、上智大学においてもっとも人気の高い授業のひとつとなっている。2.現在活躍中の若手作家を少人数のゼミにお招きし、読書をめぐる討論会をおこなった。うち2回についてはあらかじめテクストを決定し、それについての読書アンケートを作成、学生に回答させておいた。討論会の講師としてお招きした作家と議論の対象にした作品は以下のとおりである。 (1)2005年度恩田陸氏『夜のピクニック』 (2)2006年度宮部みゆき氏 (3)2007年度万城目学氏『鹿男あをによし』どの講演会も、学生からの活発な質問と、作家の方々の気さくな受け答えにより、盛況のうちに終わり、読書体験の少ない学生たちの、文学作品への関心を高めるという目的を、十二分に達成することができた。
著者
渡辺 浩一 岡崎 敦 高橋 実 大友 一雄 臼井 佐知子 蔵持 重裕 林 佳世子 三浦 徹 丑木 幸男 須川 英徳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度は、11月に二日間にわたり、韓国国史編纂委員会の協力を得て、同委員会にて「近世東アジアにおける組織と文書」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・韓国側報告4本・中国の報告1本を中央政府・地方行政組織・村落と家・商人の4つのセッションに編成した。参加者は約30名。平成17年度は、8月に二日間にわたり、復旦大学歴史地理研究所の協力を得て、上海において「東アジアにおける文書資料と家族・商業および社会」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・中国側報告5本が行われたほか、韓国・トルコからのコメントも寄せられた。参加者は約30名。平成18年度は、9月に一日間で、アンカラ大学歴史地理言語学部の協力を得て、同大学において「オスマン朝と中近世日本における国家文書と社会動態」という国際研究会を開催した。日本側報告2本・トルコ側報告3本のほか、中国・韓国からのコメントも寄せられた。参加者は38名。平成19年度は、まず6月に、フランス国立古文書学校の協力のもとフランス国立文書館(パリ)において「アーカイヴズ、社会、権力(中世・近世の西欧と東アジア)文書管理働くさまざまな力」という国際研究会を行った。日本側報告4本・欧州側報告3本のほか世界各地からの多彩な比較コメント20本を、国家・都市・商人の3つのセッションと総合討論に配した。参加者は約40名。ついで、12月には本研究の総括として、立教大学において「近世アーカイブズの多国間比較」という国際シンポジウムを二日間にわたり開催した。日本側報告2本のほか、トルコ・西欧・中国・韓国から報告者を招聘し、「統治と社会」「実践」の二つのセッションに編成した。参加者は約100名。各研究会・シンポジウムの前後には国際共同史料調査を実施した。
著者
中沢 正治 小佐古 敏荘 高橋 浩之 持木 幸一 井口 哲夫 長谷川 賢一
出版者
東京大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1988

本研究は、CR-39固体飛跡検出器にポリエチレンなどの適当なラジエ-タを組み合わせ、ラジエ-タ物質と中性子の核反応で生じた荷重粒子CR-39への入射量を調整することで、全体として中性子感度曲線が、中性子線量当量換算係数のエネルギ-依存性をできるだけ再現するような最適ラジエ-タの組み合わせと飛跡計数方式を見出すことを目的としている。咋年度までに、標準的なラジエ-タ付きCR-39線量計および飛跡読み取りシステムの試作と予備的な中性子感度曲線の校正(検証)実験を行なった。本年度は、まず中性子検出効率の理論的検討を行ない、実験的に確証するため、東大原子力工学研究施設内の重照射設備およびブランケットにおいて中性子照射実験を行った。試料として、CR-39プラスチックに厚さがそれぞれ0.86,1.90,4.02mg/cm^2のポリエチレン、および厚さ5mmの^6Li_2CO_3を密着させたものを使用し、人体のアルベド効果を模擬するため、後方にポリエチレンブロックを置いて行なった。その結果、各ラジエ-タ厚で、中性子エネルギ-に依存する検出効率の実験値は、誤差の範囲内で比較的良く計算値と一致した。つぎに、これら4種の感度特性と、ラジエ-タ無しの特性からレムレスポンスを近似的に求めるため、重み係数を最小2乗法により求めた。これによると再現性は良好である。特に、中性子線量当量換算係数が大きく変化する100KeVから1MeVの中性子エネルギ-領域の再現性に優れていることが明らかとなった。しかし、10MeVを超えると、検出器感度が低下するため、レムレスポンスの再現性が悪くなる。この対策として、薄いアルミ板をCR-39プラスチックの前面に置くことのより、感度を高められることが確認されている。以上より、小型・計量で取り扱いが容易な中性子個人被爆線量計の実用化の見通しがついた。
著者
持田 灯 富永 禎秀 佐藤 洋 吉野 博 高橋 正男 青木 泰伸 清水 敬二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、産業廃棄物(酸性白土から石鹸等の化学製品を製造する過程で生成される土塊(粒径5〜30mm)。無害)を散布することにより、地表面の粗度長を大きくして地表面付近の風速を減じ、飛砂発生を制御するという新しいタイプの飛砂防止対策の実用化を図った。(1)沿岸部の飛砂の実態調査・沿岸部の砂地における飛砂の現状を、風速・風向・飛砂量等の長期測定等により調べた。(2)飛砂に関する風洞実験・風洞内に砂を敷き詰め、風速を段階的に増加させることにより、限界風速・限界摩擦速度等に関するデータを採取した。・次に、風洞床面上に砂を敷き詰め、産業廃棄物の土塊を散布し、その飛砂防止効果を確認した。(3)CFDによる飛砂メカニズムの解明・CFDにより、上部風速と地表面の粗度及び砂面限界摩擦速度等の関係、周辺の地形や建物の影響等について系統的に検討した。(4)飛砂防止工法の最適化・上記(2)、(3)の結果をもとに、本飛砂防止工法で散布する土塊の粒径、散布密度、散布位置の最適化を行った。(5)現場測定による本工法の有効性の検証・実際の砂地造成地に、産業廃棄物である土塊を散布し、風速・飛砂量の測定結果により、本工法の飛砂防止効果を確認。また砂地緑化の効果を確認するために、砂地や砂浜に種子を植え、生育状況を観察した。(7)効率的な施工方法の検討・今回の飛砂防止方法では、土塊をいかに均一に安価に散布するかも重要な問題となる。ここでは建設工事用のクローラダンプを応用した施工方法を開発し、試験施工によりその有効性を確認した。
著者
宮西 洋太郎 高橋 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.58, pp.87-91, 2005-06-03
参考文献数
9

地震などの大規模災害発生時には,通常の固定電話などにおいて非被災地から被災地へのトラフィックが急増し,交換機の輻輳状態を最悪状態から保護するため,通信規制が行われる.またさらに大規模災害の場合には,電話局の崩壊や停電のために,通常の通信手段がすべて遮断される可能性も予想される.そのような場合にも,衛星回線やアマチュア無線をはじめ各種無線通信手段が残存していることが想定される.身近なところでは,各個人が所持している携帯電話それ自体単体としては正常であることが想定される.本稿では,そのような状況において,携帯電話を用いて,特に高速道路や一般国道上を走行または停止している自動車に乗車する人の所持する携帯電話を用いて,非常時の通信手段を確保することの実現可能性や解決すべき問題点などについて検討する.When a huge disaster such as a huge earthquake happens, normal communication methods can not be available because of communication traffic congestions or facility corruptions. And it will happen that there are no communications between the stricken area and other areas. However the highway could be assumed as communication channels if we could utilize the mobile nodes in cars running on highways. We propose such an idea and consider the problems that should be solved.
著者
高橋 誠 田中 重好 木村 玲欧 島田 弦 海津 正倫 木股 文昭 岡本 耕平 黒田 達朗 上村 泰裕 川崎 浩司 伊賀 聖屋
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

インド洋大津波の最大被災地、インドネシアのバンダアチェとその周辺地域を事例に、被災から緊急対応、復興過程についてフィールド調査を行い、被害の状況、被害拡大の社会・文化的要因、避難行動と緊急対応、被災者の移動と非被災地との関係、住宅復興と地域の社会変動、支援構造と調整メカニズム、災害文化と地域防災力などの諸点において、超巨大災害と地元社会に及ぼす影響と、その対応メカニズムに関する重要な知見を得た。
著者
楊 瑞銘 下平 由美子 貞永 明美 高梨 安弘 稲生 由紀子 黄 長華 井口 登美子 高橋 文子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.812-812, 1983-08-25

東京女子医科大学学会 第252回例会 昭和58年4月15日 東京女子医科大学 本部講堂
著者
小山 純正 高橋 和巳 高橋 和巳
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

仙骨への鍼刺激は、脳幹の覚醒ニューロンを抑制することにより、睡眠状態を誘発する。また、排尿中枢のニューロンの活動を抑制することにより、膀胱の活動を抑制する。これらの作用には、GABA作動性の介在ニューロンが関与している。
著者
高橋 宏和
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

研究目的:福島、栃木、茨城県にまたがる八溝山地の周辺には、新第三系の砕屑岩や火山砕屑岩が厚く堆積し、またこれらの地域は日本海の拡大に伴う、いわゆるグリーンタフ火成活動の縁辺部でもある。八溝由地の中央にある鷲ノ子山塊の東側、茨城県大子・山方地域の浅川層と大宮地域の桜本層および玉川層には、熱帯ないし亜熱帯性の門の沢貝類化石動物群中の内湾干潟を占めたArcid-Potamid群集カミ認められ、その年代は16Ma付近である。(高橋,2001)。今回、鷲ノ子山塊の北西側にある栃木県馬頭地域の小塙層におけるArcid-Potamid群集の内容とその年代を明らかにするのを目的とした。研究方法・内容:1981年以来数度にわたり馬頭地域の地質調査を行ってきた。これまで、小塙層最下部よりCrassostreaなどの潮間帯砂礫底種、下部の灰緑色凝灰質細粒砂岩からAcila submirabilisなどの浅海砂泥底種、上部の浮石質凝灰岩よりGloripallium crassiveniumなどの岩礁固着性種を採集した。研究成果:馬頭地域東部の冥賀に分布する小塙層最下部の火由礫を含む浮石質凝灰岩中に挟在する浮石を含む灰色泥岩より、Geloina sp., Terebralia sp., Vicarya yokoyamai,"Vicaryella" notoensis, Cerithideopsilla minoensis, Tateiwaia tateiwai, T. yamanariiなどのArcid-Potamid群集の主要構成種が産出し、栃木県側では初めての報告である。GeloinaやTerebraliaの現生種はマングローブ・スワンプに生息し、他の沿岸砂底種を伴わないことから、この貝化石群集は、マングローブ林の海側外縁部の潮汐低地付近を占めた現地性に近い群集であると考えられる。また、近くに植物根を含む泥岩も見られることから、後背湿地の存在も推定される。小塙層最下部のArcid-Potamid群集の産出年代は、宇佐美ほか(1996)による浮ノ遊性有孔虫のOrbulian datumと田中・高橋(1998)による石灰質ナンノ化石からN8/N9境界付近の15.2Maあたりと推定される。これは明らかに他地域のArcid-Potamid群集の産出年代より若く、グリーンタフ火成浩動の末期で日本海の拡大が終了に近づく頃である。一方、茨城県との県境である馬頭地域大山田の新第三系は茨城県大子地域から連続しており、今回、大山田下郷の浅川層下部のサンドパイプに富む砂質泥岩からCerithideopsilla sp.を、灰色泥岩から"Ostrea" sp.を、れきを含む凝灰質砂岩から門の沢貝類化石動物群の代表的な浅海砂底種のDosinia nomurai, Siratoria siratoriensisを採集した。また、上部の泥岩からは沖合泥底種のConchocele bisectaを得た。しかしながら、Arcid-Potamid群集の主要構成種は今のところ採集できていない。これらの地層の上位には巨礫を大量に含む礫岩が不整合に覆っている。この礫岩は馬頭地域の小塙層には見られないもので、おそらく小塙層の堆積前に形成されたものと思われ、大きな造構運動、たとえば棚倉破砕帯や日本海拡大の影響が示唆される。
著者
鈴木 順 馬場 輝幸 飛鷹 洋一 樋口 淳一 加美 伸治 内田 智士 高橋 雅彦 菅原 智義 吉川 隆士
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.7, pp.1-8, 2010-01-20
参考文献数
21
被引用文献数
1

クラウドコンピューティングでは、サービスの実施状況にあわせた性能スケールアップが求められる。しかし、計算システムの性能を大きく左右するメモリは各コンピュータに個別に搭載されている以上の拡張は困難である。本稿では、PCI Express (PCIe) にフラッシュメモリコントローラを直結した PCIe 型 Solid State Disk (SSD) を我々の開発した PCIe over Ethernet 技術、ExpEther でネットワーク接続し、これを仮想メモリに割当てる事でシステムメモリの拡張を実現した。SSD へはイーサネット越しに Direct Memory Access (DMA) による高速低遅延データ接続が行え、これをスワップデバイスとして用いることで、ソフトウェアとハードウェアとも市販のままで簡便にメモリ拡張が可能となる。これを用いて実機により、データベースのベンチマークで 2 GB のローカルメモリに対して 10 GB の DB サイズを取っても十分なシステム動作が得られる事を確認した。For cloud computing, computer infrastructures need to provide computing resources adaptively, in accord with the resource utilization. Resources include, however, local memories that cannot exceed the amount loaded to each computer. We present a method for adaptively attaching a PCI-Express-based solid state disk (SSD) to a computer and expand its local memory using virtual memory system. We use PCI Express (PCIe) over Ethernet technology "ExpEther", to interconnect a computer and an SSD via a standard Ethernet. The data transfer between the local memory of the computer and the SSD is performed with direct memory access (DMA). Assigning an SSD to a computer as a swap device allows the local memory of a computer to be expanded without any change to current software or hardware. With our proposed method, we are able to achieve a database benchmark output maintaining its performance even when 10-GB database size is loaded to a 2-GB local memory system.