著者
太田 憲 羅 志偉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

スキルに関係する物理情報を運動中に感覚情報としてバイオフィードバックするトレーニングシステムを開発し,感覚的・潜在的な学習を可能とするシステム構築した.そのため,超小型センサなどの計測制御機器を用いたウェアラブルで実用的なデバイスを開発し,それらのデバイスを用いた新しいトレーニング方法を開発した.
著者
小林 進 鈴木 孝洋
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

キラルイミドを不斉補助基として用いるジアステレオ選択的反応は、複雑な骨格を有する標的分子の不斉合成において重要な手段として国内外で活用されている。本研究では本申請者がこれまでに開発した二種類のアルドール型反応に関し、(1)ビニロガス向山アルドール反応の改善、(2)不斉3級アルコールを含む1,2-ジオールの立体選択的合成法については、基質一般性の検討、(3)これらの方法論を活用した生物活性天然物の不斉合成への応用を行った。
著者
井原 郁夫 鎌土 重晴 MUKHOPADHYAY Subhas Chandra
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

高温に加熱されている物体内部の3次元温度プロファイルを計測・モニタリングするための新しい超音波手法(超音波サーモメトリ)を創製し、この手法を高温場の材料加工プロセスに適用し、その有効性を実証することを目的とした開発研究を行った。まず、開発した超音波サーモメトリーの有用性を検証するために1次元温度プロファイリングにおける同定精度を理論的、定量的に明らかにし、それらを実験により検証した。次いで、同定精度の向上の方策として横波計測の使用について検討し、その有効性を実証した。さらに、汎用性の高い温度分布モニタリングを実現するために、回転体の内部および表面の温度プロファイリングについて検討した。最後に、本手法の実用化の観点から、鋳造プロセスモニタリングへの適用について検討した。
著者
岩尾 正倫 石橋 郁人 福田 勉
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

海洋天然物ラメラリンは、トポイソメラーゼIやプロテインキナーゼ(CDK, GSK-3, Pim1, DYRK1A, CLK等)を分子標的とする多機能性の抗がん物質である。本研究では、ラメラリンアナローグを用いた構造活性相関研究とドッキングシミュレーションによる阻害分子機構解析により、各分子標的に選択的な阻害剤を創製することを目的とした。その結果、ラメラリン骨格上の酸素官能基の適切な配置により、キナーゼ選択的(orトポI選択的)阻害剤の創製が可能であることが明らかになった。また、ラメラリン骨格C1-C11間の軸不斉に基づく16-メチルラメラリンNの二つのエナンチオマー間でキナーゼ阻害活性や選択性に大きな違いがあることも明らかになった。さらに、1位芳香環を置換したラメラリンN類縁体の多くが1位置換基の構造に依存して、キナーゼ阻害に有意な選択性を示すことも明らかになった。
著者
熊谷 道夫 辻村 茂男 焦 春萌 早川 和秀 秋友 和典 永田 俊 和田 英太郎
出版者
滋賀県琵琶湖研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

地球温暖化の進行に伴い、琵琶湖周辺の気温は過去20年間に約1℃上昇した。これは地球全体の平均値より5倍大きい。このような急激な気温上昇は、結果として琵琶湖周辺の気候を単調かつ安定なものに変えつつある。それに伴って、琵琶湖の深水層でも変化が生じている。平均水温の上昇や、溶存酸素濃度の低下、pHの変化、硝酸態窒素の増加、イサザの漁獲量の低下、塩素イオン濃度の上昇などが挙げられる。このような変化の相互相関はまだ明らかではないが、何らかの有意な関係があることが示唆された。琵琶湖深水層における酸素消費速度を高精度ウィンクラー法によって計測した。それによると、酸素消費速度は冬期に最大となり、8〜28μg/L程度で、夏期には減少した。この値は、見かけの酸素消費速度とほぼ同じであった。2001年〜2004年にわたって琵琶湖北湖の深水層で、自記式の酸素計を用いて溶存酸素濃度を計測してきた。2002年の冬は暖冬で、酸素濃度の回復が十分ではなかったので、その年の秋には、溶存酸素濃度が2mg/L以下になった。2003年の冬は寒く雪が多かったので、酸素濃度の回復が十分で、秋の酸素濃度の低下も小さく5mg/L以上であった。このように冬の気温が十分に低ければ、多くの量の酸素が供給されるので、酸素消費速度が著しく大きくならなければ低酸素にはならない。2004年の冬は暖冬で、全循環が2月までずれ込み、飽和酸素濃度も100%まで回復せず、あきらかな全循環欠損が発生した。このことは、秋に酸素濃度が低くなる可能性があるので注意深い観測が必要である。
著者
矢内 利政 城所 収二 宮澤 隆 志村 芽衣
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

通常のバッティングではバットの芯付近でボールの中心を打撃することにより高い打球速度が獲得でき、バントにおいてはバットの芯とそのやや先でボールの中心を打撃することにより打球速度は低くなるという現象を力学的に説明することを目的とした。その結果、①ヘッド速度が一定の条件でも、スイング速度と並進速度の組み合わせにより打球速度、及び打球速度を最大化するインパクト位置は変化することが明らかになった。これらの現象は, スイング角速度、重心速度、インパクト位置の条件の変化に伴いバットの反発係数が変動することに加え、ボールとバットが有する運動量が互いの間で転移する方向と大きさの変化により生じることが示された。
著者
山根 功 高野 進 二宮 重史 入江 吉郎
出版者
高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

中性子散乱実験の為の中性子源には、これまで原子炉が使用されてきた。しかし、世界的な傾向として原子炉は老朽化しており、これに代わる加速器を用いた大型のパルス中性子源の開発研究が必要になった。新しい中性子源は、高速に加速された陽子(正電荷をもつ素粒子)とタングステン等の重金属との核破砕反応で発生する中性子を利用する。本研究は大強度の陽子ビームを安定に供給するための加速器技術を日本、米国及び英国の三ヵ国で共同研究するものである。主な問題点は、ビーム負荷に打勝って安定な加速を行うこと、空間電荷力によるビーム不安定を回避すること、及び避けられないビーム損失をどのように処理するか、の3点である。現在世界最高の陽子ビーム出力をもつ加速器は、英国ラザフォードアプルトン研究所のISISシンクロトロンで、出力は160キロワットである。この加速器に、3ヵ国の共同出資で開発した非常に低い出力インピーダンスをもつ新しい高周波加速装置を平成14年度に導入し、次世代の大型パルス中性子源に必須の技術である「ビーム負荷及び空間電荷力を制御する新しい方式」を確立することが本共同研究の目的である。平成12年10月、英国よりセカンドハーモニック加速空洞及びバイアス電源が、また米国より陽極電源が高エネルギー加速器研究機構に搬入され設置が完了した。日本の担当である新しい高周波増幅器は平成13年2月に製作を完了した。これは高い電圧利得と広帯域を有しながら、出力インピーダンスはカソードフォロワーと同程度(約20オーム)という極めてユニークな装置である。3月には米国の共同研究者2名を招聘しシステムの全体調整試験及びシステムパラメータの測定を行った。また、空間電荷力を考慮した加速器内粒子のシミュレーションを行う為に、カナダより専門家一人を招聘した。
著者
堤 正臣 笹原 弘之
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

回転軸のピッチ誤差、バックラッシを考慮した5軸制御マシニングセンタのモデルを開発し、円すい台の仕上げ切削を想定したシミュレーションを行い、ボールバーによる測定結果と種々条件を変えて比較したところ、両者はよく一致することがわかった。このモデルを四角すい台に応用したところ、ほぼ同様の結果を得ることができることを示した。このモデルを使えば、工作精度を予測でき誤差を診断することが可能なことを示した。
著者
佐藤 茂 吉岡 俊人 小杉 祐介
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.長寿命カーネーションの探索と解析カーネーションの花の老化には,エチレンが主要な役割を果たしている.花の自然老化時には,最初に雌ずいでエチレンが生成し,このエチレンが花弁に作用して,花弁における自己触媒的エチレン生成と花弁の萎れを誘導する.国内育成品種‘ホワイトキャンドル(WC)'ほか数品種を長寿命品種として明らかにし,‘WC'を用いて,長寿命性の分子機構を解析した.‘WC'では雌ずいにおけるACC合成酵素遺伝子(DC-ACS1)の発現活性が低下していることを見いだし,雌ずいにおいて,花の老化のトリガーになるエチレンが生成されないことが‘WC'の長寿命性の原因とであることを明らかにした.2.カーネーション花弁の萎れに関与するCPase遺伝子の解析カーネーション花弁の萎れは,細胞構成成分の分解と引き続く細胞の崩壊によって引き起こされる.これらの過程には,プロテアーゼ,グリコシダーゼ,リパーゼ,ヌクレアーゼなどの加水分解酵素が機能している.プロテアーゼの1つとして,システインプロテアーゼ(CPase)の関与が指摘されていた.既知のCPase遺伝子(DC-CP1)と異なるCPase遺伝子を取得しDC-CP2とした.花弁細胞の老化時におけるDC-CP1とDC-CP2遺伝子の発現解析を行い,さらに両遺伝子のプロモーター領域を単離し,発現調節に関与する塩基配列を明らかにした.3.カーネーション花弁の‘萎れ(wilting)'と‘萎縮(fading)'の解析カーネーション花弁の老化には,エチレンの作用によって引き起こされる萎凋‘wilting'と,エチレンの作用なしに起こる萎縮‘fading'の2つのタイプがあることを明らかにした.さらに,両過程における,DC-CP1遺伝子とシステインプロテアーゼ遺伝子(DC-CPIn)の発現を解析した.
著者
鈴木 弘之 鈴木 淳一 河野 守 尾崎 文宣
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

鋼構造耐火設計における架構・壁の変形と崩壊温度のばらつきの問題を研究した。石膏ボード乾式壁の火災時における変形追随性能は架構の変形に対して不足することを実験によって明らかにした。この知見を踏まえ、火災が層内で拡大したとしても、健全なキーエレメントが僅かでも残存すれば、架構の崩壊温度は非延焼火災の場合のそれと変わらないことを明らかにした。鋼の高温強度がばらつくことによる架構の崩壊温度のばらつきは、600℃を超える高温域でむしろ増え、そのことは複数の崩壊モードが競合するときも変わらないという知見と、そうであることの要因を明らかにした。
著者
中村 逸郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

現代ロシアでは、メドヴェージェフ大統領とプーチン首相による双頭政治体制が強化されています。政治権力の集中にともない、社会では市民団体などの非営利団体の活動が衰退しているように考えられています。しかし今回の調査では、中央集権化がすすむ一方で、人権擁護団体や宗教組織が政治権力と真っ向から対峙しなくても、独自の運動を展開している実態が浮き彫りになりました。
著者
指宿 信 安田 裕子 青木 孝之 廣井 亮一 丸山 泰弘 後藤 弘子 石塚 伸一 佐藤 達哉 中村 正
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

第一に、法学、心理学、社会学、精神医学など多様な学問領域の専門家による「治療的司法」概念の検討が多角的に進められ、刑罰重視型より更生支援型刑事司法が再犯防止に有効という海外の先行する知見が、我が国においても通用することが明らかした。 第二に、更生支援を具体的に進めるための支援や治療を提供する社会的資源となる「プロバイダー」が各所に存在し活動を進めているが、治療的司法観を共有することができることがわかった。 第三に、刑事被告人や被疑者に最も近接する立場にある弁護人が、相当程度現行の刑事司法制度の中でも治療的司法に基づいた処分や処遇を進めることが可能であることが明らかになってきた。
著者
石光 俊介 牧山 清
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

日本は高齢化社会に向かっている.その影響もあり,高齢者に多い発声機能障害者も毎年増加している.障害者の多くは代用発声を用いるが,不明瞭である.そこで本課題では発声時の体内伝導信号を用いた発声支援システムを提案した.このシステムでは音節などのサブワード単位での認識を用いて明瞭音声と障害者音声間の伝達関数を利用して明瞭化を図っている.このシステムの有効性を聴感実験や特徴解析などにより確認した.
著者
石崎 嘉彦 飯島 昇藏 山内 廣隆 柴田 寿子 川出 良枝 中金 聡 太田 義器 柘植 尚則
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

この研究が目指したことは、大きく分けて以下の四点の纏め上げることができる。いずれの点でも十分な成果をあげることができた。第一は、シュトラウス文献の読解である。日本語版『リベラリズム 古代と近代』(ナカニシヤ出版、2006年),『僭主政治について』(上・下、現代思潮新社、2006-07年)を刊行するとともに、Persecution and the Art of Writing, The City and Man, Thought on Machiavelli, What Is Political Philosophy?などの翻訳を進め、その中で、啓蒙の弁証法、哲学の歴史的研究、市民社会と共同性、自然権、ユダヤ思想、僭主政治、哲人統治、アルキビアデス問題などの諸問題に考察を加え、そこからシュトラウス政治哲学の解釈を試みた。第二は、シュトラウスの秘教的教説と著述技法の問題を明らかにし、ポストモダン的哲学の試みとしてシュトラウスの哲学を理解することに努め、またその観点から、現代社会の諸問題に対処するために、哲学の歴史についての研究と哲学的思考の復権させることの重要性を明らかにすることができた。第三は、シュトラウスとシュトラウス学派の思想の世界的広がりとその影響力についての研究であったが、この方面の研究では北米、ドイツ、フランス、中国でのシュトラウス政治哲学の受容とシュトラウス研究の進展、シュトラウスの読解法による古典研究の進展、シュトラウスの思想と現代思想の関わりについての研究の進展を確認することができた。第四は、シュトラウス的哲学の現代のグローバル世界の中での意味についての研究であったが、この問題に対しても、共著書の形でわれわれの研究成果の一部を公表する機会を得た。研究成果のいくつかは、時間的制約もあってまだ公表されていないものもあるが、それらもこれから順次公表されていくはずである。
著者
酒井 利信 百鬼 史訓 長尾 進 大石 純子 ベネット アレクサンダー 大保木 輝雄 数馬 広二 鍋山 隆弘
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、既に酒井らが有するヨーロッパを中心とした海外ネットワークを駆使して、まずは外国人実践者が日本武道の何を知りたいと望んでいるのかという海外における需要を把握し、これに対応する内容を英語化して、ネット上で発信することにより、世界で初の、海外において誰でも、どこでも、いつでも、知りたいことを知ることができる、武道文化に関するオンデマンド英語教材を開発することを目的とした。最終的な研究成果物としてはバイリンガル・ウェブサイト「Budo World」(http://www.budo-world.org/)を立ち上げ、英語と日本語で情報を発信した。
著者
松下 健二 引頭 毅
出版者
国立長寿医療センター(研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

歯周病の病因におけるエキソサイトーシスの意義とその制御の可能性について検討した。その結果、歯周病原細菌の種々の刺激は、歯周組織を構成する上皮細胞、免疫細胞、血管内皮細胞にエキソサイトーシスを誘導すること、またそれが一酸化窒素(NO)によって際御されることが明らかになった。
著者
三成 美保 栗原 麻子 福長 進 山本 秀行 高田 京比子 京樂 真帆子 長 志珠絵 森 紀子 山辺 規子 河村 貞枝 井出 千春 沖野 真理香 田端 泰子 小浜 正子 田端 泰子
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

「マスキュリニティの比較文化史」につき、3点を明らかにした。(1)「マスキュリニティ史」は「男性史」とは区別されるべきであり、ジェンダー史の一領域として「歴史学におけるジェンダー主流化」を牽引する重要な役割を果たす。(2)「マスキュリニティ」は多様であり、男性の属性とは限らない。「覇権的/従属的マスキュリニティ」の差異化は、時代と社会により異なる。(3)「同性愛」概念は19世紀に登場し、私的な同性愛関係はしばしば公的領域(政治・経済・軍隊)の人的紐帯を決定した。
著者
江原 幸雄 糸井 龍一 藤光 康宏 今井 亮 西島 潤 UDI Harmoko AGUS Setyawan 蘭 幸太郎 永瀬 大祐 WAHYUDI
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

インドネシア・ジャワ島中央部にある、火山弧に直交する方向に直線的に並ぶ3つの火山、メラピ火山、メルバブ火山およびウンガラン火山において、地球物理学的、地球化学的、および地質学的調査を行い、活動年代、地下構造を解明するとともに、火山体内に発達する熱水系(熱と水の流れのシステム)をコンピュータを使って定量的に解明した。さらに、熱水系が十分発達しているウンガラン火山に関しては、地熱資源量評価を行い、地熱発電(電気出力 : 2~40MW)が可能な資源量が存在していることを明らかにした。
著者
木田 徹也 島ノ江 憲剛 渡邉 賢
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

混合導電性を示すペロブスカイト型酸化物を用いた空気からの酸素分離は、電極や外部回路を必要とせず、濃度勾配のみで簡便に酸素を分離できるため、省エネルギー性が高く環境に優しい酸素富化技術として期待されている。本研究では、Co系の膜に代わり、高い特性と安定性を有するBa0.95La0.05FeO3について、膜構造の最適化による酸素分離特性の向上を詳細に検討した。その結果、La1-xSrxFeO3やBa0.3Sr0.7FeO3を酸素放出層として用いることで、大きく酸素透過速度が向上することを見出した。さらに、酸素の安定同位体18O2を用いたトレーサー拡散実験を行い酸素拡散メカニズムについて調査した。
著者
長谷部 弘 高橋 基泰 平井 進 山内 太 柘植 徳雄 佐藤 康行 村山 良之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、17~19世紀近世日本における村落社会(長野県上塩尻村ほか)を基準として、16~18世紀におけるイングランド村落社会(ケンブリッジシャー)と北西ドイツ村落社会(東部北海沿岸地方)とについて、現地の研究者の協力を得て、実証的比較研究を行った。近世日本村落を構成した共同性の重層的構造からみると、16~18世紀の英独両農村社会の事例については、史料制約性による直接比較の困難性があり、従来共同体とされてきた「村落」や「家族」についての再解釈が必要であり、従来親族ネットワークやサーバント制度、そしてマルク共同体等土地共有共同体の再検討が必要であることが確認された。