著者
星 正治 遠藤 暁 大瀧 慈 木村 昭郎 岡本 哲治 豊田 新 山本 政儀 川野 徳幸 今中 哲二 片山 博昭
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

セミパラチンスク旧ソ連核実験場周辺の村、ドロン、セミパラチンスク、ズナメンカ、サルジャル他の村等で土壌を採取し、Cs-137、1-129、Puの同位体を測定し結果をまとめた。それぞれの村の被ばく線量を推定した。測定結果は、Bq/m2の単位で放射能の降下量として求めた。セミパラチンスクでの個人線量評価方法を確立し、個人被ばく線量推定のための方式を確立したのでコンピュータ入力している。
著者
岩田 正美 杉村 宏 岡部 卓 村上 英吾 圷 洋一 松本 一郎 岩永 理恵 鳥山 まどか
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究は1)貧困の概念と最低生活費研究を理論的に整理し、2)現代の代表的な低所得層の家計調査からその生活実態を把握し、3)家計の抵抗点による最低生活費の試算と生活保護基準との比較を行った。この結果、1)最低生活費は複数のアプローチで確かめられる必要がある。2)単身者の生活費は、生活基盤費が固定費であり、その他の経費の高低で消費水準が決まる。3)その他の消費水準の抵抗点を利用して最低生活費を試算すると167,224円であった。生活保護基準と比較すると、約2万円強高くなることが分かった。
著者
吉松 靖文 村田 健史 井上 雅彦 木村 映善 中川 祐治
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究では、自閉症児を主とした発達障害児の日常生活を支援するための携帯型生活支援ツールを設計・実装し、その評価を行う。ツールは携帯電話で動作し、自宅、学校、外出先などどの場所にいても利用できる日常生活に根付いたツールとして設計した。さらに、パーソナルコンピュータでも同じユーザインターフェースと同じ機能で動作するアプリケーションを提供した。本研究では、このツールを実装し、これを用いて次の2点について研究を行った。平成16年度〜平成17年度は、発達障害児の生活支援ツールの設計・実装を行った。まず発達障害児に有効なインターフェースを提案し、XMLをベースにシステム設計した。ツールとしては、タイマー機能、スケジュール機能、カレンダー機能、絵カード機能の4つの機能を実装した。平成17年度〜平成18年度は、ツールによる自閉症児を中心とした発達障害児への実験を行った。臨床応用では、様々なタイプや程度の発達障害および生活シーンにおいて適用を行った。知的障害の特別支援学校では、PCでタイマーやスケジューラを表示し、学級での活用を行った。その結果、指示待ち状態にあった自閉症児が自発的に活動に着手したり、一つ一つの活動遂行に時間がかかっていた知的障害児や自閉症児が所定の時間内に活動を終えることが可能になったりするなどの成果が得られた。また、他児の遂行と自分のそれを比較するようになったり、タイマーを使っていない場面での活動への着手・遂行も能動的になったりするなどの効果も見られた。家庭での応用では、朝の支度や下校後の活動支援を行った。その結果、朝がなかなか起きられなかった高機能自閉症児が短時間で自ら起床するようになったり、宿題が通常の何倍もかかっていた高機能自閉症児が平均的な時間で宿題を終えるようになったりするなどの効果が見られた。
著者
内田 直 宝田 雄大 渡邉 丈夫 宮崎 真 宝田 雄大 後藤 一成 関口 浩文 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

近年、国民の健康に対する関心の高まりとともに身体運動への関心も高まっている。しかしながら、このような関心は、身体的な健康が主体となっている。一方で、精神的なあるいは脳の健康も同様に重要であることは疑い。このような、精神的なあるいは脳の健康と、これに対する身体運動の効果についての研究は、いまだ十分に行われているとはいえない。本研究では、身体運動と精神活動あるいは脳活動の関連について焦点をあて、これについて健康科学的な側面から実証的な研究を行った。このような研究は、身体活動と身体の健康に関連した研究に比べると新しいものであり、今後うつ病や認知症予防のための運動療法としての活動につながるものである。研究は、以下の5つのテーマ(方法)によって行った。すなわち(1)身体運動が睡眠に及ぼす影響について、(2).睡眠中の代謝活動についての予備的研究、(3)朝行う身体運動が、その後の認知機能に及ぼす影響について、(4)身体運動と児童の発達の関連について、(5)観察学習の効果とスキルの転移、である。(1) 身体運動が睡眠に及ぼす影響については、二つの実験を行った。昼寝により人工的に作成した不眠状態への運動の影響をみたが、これは大きな影響が観察されなかった。次に睡眠直前に高強度の運動を行わせ、これが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを観察した。これまでの研究では、ストレス反応により睡眠が悪化すると言う説があったが、我々の研究では変化無く、悪化は無かった。しかしながら、睡眠中の体温が睡眠中期で運動後運動しないときよりも有意に高いという興味深い結果が得られた。(2) はヒューマンカロリーメータを用いた睡眠中の代謝の連続測定と言う新しい分野の研究であり、今後運動後の代謝の変化など興味がもたれた。(3) 朝の運動については、日常的に行われる健康運動と似たパタンであるが、これが日中の活動にどのように影響を及ぼすのかを見た。しかしながら、結果としては一過性の効果は認められたが、一日の中での変化は無かった。このような運動を習慣的にした場合の影響が今後の課題として残った。(4) 小学生を対象とした研究のまとめが一部完成した段階である。現状では、認知機能のうち、判別と抑制の発達パタンが小学生年代では異なっている可能性が示唆された。(5) 観察学習は、運動学習の一部であるが、観察学習により獲得された手続き記憶は、必ずしも転移しないことが示唆される結果であった。全体として基礎研究と応用研究の両方から成果が得られ、身体運動が脳と心に及ぼす効果の解明と健康科学への応用についての業績がえられた。期間は終了しているが、この結果を国際論文として発表している作業を持続して行っている。
著者
根岸 一美
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2001-04-01)

1923年から1935年まで関西に在住したオーストリア人音楽家、ヨーゼフ・ラスカと、彼が宝塚少女歌劇の管弦楽団員たちとともに創設し、指揮者として定期演奏会活動を展開した宝塚交響楽団に関する研究において、当該研究期間に力点を置いたのは、とりわけ作曲家としてのラスカの活動と意義を解明することであった。この目的のために、毎年、オーストリア国立図書館音楽部門(ウィーン)、ウィーン市立州立図書館音楽部門、およびリンツ・ブルックナー音楽院を訪ね、自筆譜・筆写譜・出版譜を複写ならびに写真撮影し、そうして得られた資料をもとに、音楽家たちや、音楽学専攻で楽器の演奏力を有する大学院生等に演奏してもらい、CDを作成し、作品研究のための資料整備を進めた。主な作品は《万葉集歌曲》、《日本組曲》、《7つの俳句》である。また、すでに神戸女学院で入手していた《詩編第13篇》の筆写譜についても、演奏とCD作成を行った。これらのほか、ラスカの伝記作成にむけて資料の収集に力を注ぎ、王立ミュンヘン音楽院時代の学内演奏会の曲目内容や彼自身の演奏曲目などについても重要な情報を得ることができた。美学会での各種発表においては、ラスカの作品の歴史的意義と美的特性について論じた。研究代表者の仕事を通じてラスカの名前が比較的知られるようになり、2002年9月には宝塚歌劇団の管弦楽団によって《日本組曲》が部分的ながら演奏され、ラスカと宝塚交響楽団の活動の意義が改めて見直されるにいたった。
著者
宝達 勉 高野 友美
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

猫伝染性腹膜炎(FIP)はイエネコおよびネコ科動物の致死性ウイルス感染症である。これまで、FIPを治療するために国内外で様々な研究が試みられてきたが、未だにFIPに対する有効な治療方法は報告されていない。FIPは飼い猫の死亡原因の第3位であり、1歳以下の幼猫では第1位の死亡原因である。従って、獣医臨床の現場では、FIP治療法の確立が望まれている。FIPはウイルス感染症であるとともに免疫介在性疾患でもある。即ち、FIPの治療には抗ウイルス薬とともに過剰な免疫応答(炎症反応)を特異的に抑える薬剤を特定する必要がある。平成29年度は平成28年度の研究に引き続き、抗FIPV薬の検討と共に、新たに同定した抗FIPV薬を猫に投与して、安全性試験を実施しつつ、FIPVの感染に対する影響を調べた。その結果、細胞内コレステロールの輸送阻害薬であるU18666Aが野外に多く存在するI型FIPVの増殖を強力に抑制することを発見した。また、実際にU18666Aを投与した猫においてFIP発症が抑制または遅延する可能性を確認した。これらの内容はFIP治療の研究において大きな進展であると考えられる。
著者
伊東 信宏 小島 亮 新免 光比呂 奥 彩子 太田 峰夫 輪島 裕介 濱崎 友絵 上畑 史 阪井 葉子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

ブルガリアの「チャルガ」は、「マネレ」(ルーマニア)、「ターボフォーク」(旧ユーゴ諸国)などのポップフォーク(民俗的大衆音楽)と並んで、1990年代以降バルカン諸国に特有の社会現象であり、同様の現象は日本の「演歌」をはじめとしてアジア各国にも見られる。本研究はそれら諸ジャンルの比較を行い、その類似と差異をあきらかにすることを目指してきた。これまでに大阪、東京などの諸都市で、8回の研究会を開催し、20の報告が行われた。2017年にはこの問題に関する国際会議を開催する予定である。そこでは上記諸ジャンルの社会的文脈を検証し、歌詞や音楽構造の分析が行われた。日本語による単行本出版が準備されている。
著者
杉浦 正利 木下 徹 山下 淳子 滝沢 直宏 藤村 逸子 成田 克史 大室 剛志 大野 誠寛
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

第二言語(外国語)で、読んだり書いたりする際に、単語の連続(連語)をどのように処理しているのかを観察した。読解時の視線をミリ秒単位で記録する視線計測装置による実験で、英語では連語の頻度の差により母語話者と学習者の処理は違うという結果が得られたが、フランス語では頻度の差は影響するが母語話者と学習者で処理に差はなく、ドイツ語では頻度の差は母語話者にも学習者にも影響しないという結果が得られた。また、英文を書く際には、書く過程と書いた結果とでは必ずしも連語は一致しないという結果が得られた。
著者
荒井 克弘 佐藤 直由 猪股 歳之 大迫 章史 渡部 芳栄 羽田 貴史 米澤 彰純
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

少子化にともなって大学進学者数の伸びは鈍化しつつある。しかし他方で、大学の数は漸増を続けており、この市場競争の厳しい時代を大学はどのような経営で生き抜こうとしているのか、私立学校、大学の設置者である学校法人に焦点を合わせ、法人が採っている経営戦略を(1)学校法人内部での調整、(2)学校法人外部との連携・統合、(3)設置形態の変更の3つに類型に分け、それぞれについて訪問調査およびアンケート調査を行った。その結果、拡大に加えて縮小や廃止などを同時進行で行ってきた学校法人の存在や、地域との連携を重視して生き残りを図る学校法人などの各種の実態が事例として明らかになり、学校法人の経営行動の多様性が明らかになった。
著者
釜野 さおり 山内 昌和 千年 よしみ 小山 泰代 布施 香奈 岩本 健良 藤井 ひろみ 石田 仁
出版者
国立社会保障・人口問題研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

性的指向と性自認のあり方におけるマイノリティが、「LGBT」と括られて取り上げられることが増えている今、性的指向と性自認のあり方に関しての信頼性のある情報が求められている。そうしたニーズに応えるために、本研究では人口学領域と性的マイノリティの研究との融合を図りつつ、人口学的な視点から性的指向と性自認のあり方(SOGI)の研究基盤を築くことを目指す。この目標に向け、 (1) SOGIに目を向けてこなかった日本の人口学において、SOGIに注目する意義とその研究の方向性を探り、(2)性的指向と性自認を取り巻く社会的状況の重要な要素である「家族」ついての実証研究を進め、(3)日本の文脈で「LGBT」の人口を社会調査で捉える方法論の検討を行い、(4) SOGIによる生活実態の統計的比較分析を可能とする調査のあり方を検討・企画する。平成28年度は、日本人口学会においてSOGIをテーマとしたセッションを企画し、5本の報告を行った。また、これまで人口学関連分野で研究を進めてきた者と、SOGIに関しての研究をしてきた者との間の相互理解を目指し、定期的に研究発表会を実施した。SOGIを扱う人口・家族研究の文献収集とそのデータベース構築の着手に加え、SOGI項目を含む海外の公的調査の事例およびマニュアルを精読し、日本での応用可能性を検討した。また日本においてSOGI項目を含めた生活実態調査を全国レベルおよび自治レベルで実施する可能性を、費用、関心・協力自治体の有無などを含む、広い視野からの情報収集を開始した。SOGIを取り巻く社会の基盤の一つである「家族」に関する研究では、家族と世帯の形、出生力の地域差、母親との同居・近居と女性の就業との関係を取り上げ、1つの事象を複数のデータに基づいて検証する環調査的分析を行い、それらの成果を特集論文として公表した。
著者
坂本 恵 佐野 孝治 村上 雄一
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

ベトナム人技能実習生の権利擁護に取り組む日本国内の労働組合、弁護士ネットワーク、国際交流協会からの聞き取りを行い、権利擁護施策の最新情報を得た。また、韓国・台湾・オーストラリアにおける外国人労働者受け入れ施策を調査し、最新の動向を得た。ベトナム調査を実施し、帰国した実習生、その家族、支援者らからの聞き取り調査を行い報告書にまとめることができた。
著者
本 秀紀 愛敬 浩二 森 英樹 小澤 隆一 植松 健一 村田 尚紀 木下 智史 中里見 博 小林 武 上脇 博之 奥野 恒久 近藤 真 植村 勝慶 倉持 孝司 小松 浩 岡田 章宏 足立 英郎 塚田 哲之 大河内 美紀 岡本 篤尚 前原 清隆 中富 公一 彼谷 環 清田 雄治 丹羽 徹 伊藤 雅康 高橋 利安 川畑 博昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

比較憲法研究・憲法理論研究を通じて、(1)先進諸国が「ポスト・デモクラシー」という問題状況の中でさまざまな問題を抱えていること、(2)各国の政治状況・憲法制度の差異等が原因となって、その問題の現れ方には多様性があること、の2点が確認された。そして、「ポスト・デモクラシー」の状況の下で国内・国際の両面で進行する「格差社会」化の問題は、今日の憲法制度・憲法理論において有力な地位を占める「法的立憲主義Liberal Democracy」の考え方では、適切・正当な対応をすることが困難であることを明らかにした。以上の検討を踏まえて、民主主義をシリアスに受け止める憲法理論の構築の必要性が確認された一方、「政治的公共圏」論を抽象論としてではなく、(日本を含めた)実証的な比較憲法研究との関連において、その意義と問題点を検討するための理論的条件を整備した。
著者
毛利 透 土井 真一 曽我部 真裕 尾形 健 岸野 薫 片桐 直人
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

平成28年度には、研究計画に沿って各メンバー、グループで研究を進めるとともに、全体での研究会を2回行った。平成28年9月には、近畿大学の田近肇教授を招いて、墓地埋葬法制について、主としてイタリアの事例の研究成果を発表していただき、続いて討論を行った。墓地問題は、日本を含む高齢化社会において喫緊の課題であるにもかかわらず、日常政治において重要視されていない。生者が死者をどう扱うべきかは、世代間正義とも直結する問題であり、研究課題の探求に大変役立った。平成29年3月には、国立社会保障・人口問題研究所企画部長の新俊彦氏を招いて、同氏がこの役職に就く前、内閣法制局に勤務していた時期の内閣法制局の動向についてお話しいただいた。当時の政治状況からして、集団的自衛権問題が多く論じられた。長期的視野をもった立法を実現するための立法過程のあり方は、本研究の重要なテーマであり、日本の立法過程中で重要な役割を担う内閣法制局の職務につき、実務経験者から詳しいお話を聞けたことは、大変有意義であった。平成29年3月には、研究代表者の毛利が、九州大学の赤坂幸一准教授、岡山大学の山田哲史准教授とともに、オーストリアの立法過程調査のために、同国首相府の憲法部を訪問調査した。憲法部は、政府提出法案すべてにつき、その合憲性を審査する機関であるが、その意見が公開されるなど、日本の内閣法制局とは異なる点も多い。平成28年3月のドイツ調査に続き、この調査でも多くの有益な知見が得られたので、これを平成29年度の研究に生かしたいと考えている。
著者
水上 雅晴 小幡 敏行 鶴成 久章 名和 敏光 末永 高康 武田 時昌 石井 行雄 近藤 浩之 高田 宗平
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本年度は、研究を進めるための土台となる資料調査に多くの時間と労力を割いた。主として国立公文書館と国立歴史民俗博物館に収蔵されている年号関係資料を対象として、実物調査・デジカメ撮影を行なった。入手した50点程度の画像資料をデジタル画像および紙焼き写真の形で研究組織内で共有し、構成メンバーそれぞれが担当する分野にもとづく考察を進めた。なお、これまでに入手済みの関連する画像資料は200点を超えている。研究成果としては、国際学会において、研究組織を構成するメンバーが都合三回、年号勘文資料に引かれている漢籍テキストの価値を取り上げた論考を発表したことが挙げられ、発表した論文にもとづく討議やコメントを通して、本研究計画のテーマが学界において一定の需要があることを確認した。特筆すべきは、年号勘文資料の影印・翻刻の出版事業が実現する見通しがほぼ立ったことである。この事業は、年号勘文資料を利用した「研究基盤の構築」を研究題目に掲げる本研究計画の主要部分を占めるが、出版社および出版する書物がおおむね固まったので、版下にすることができる質の高い資料画像の入手と翻刻作業、および解題の作成に着手した。研究メンバーが集まる形の研究会は二度開催し、各種年号勘文資料の形成と発展、年号勘文所引漢籍の訓点とテキストが持つ学術上の価値と漢籍テキストの変化、政治状況と改暦・改元との関係、日本と中国における改元研究と関連資料の伝存状況などのテーマに関して研究発表と討議がなされた。
著者
山田 桂子
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究では、世界初のテルグ語-日本語辞典を作成した。見出し語は約6000語である。テルグ語は話者人口においてインドで3番目に多く、ドラヴィダ系諸語ではもっとも多い。フィールドワークはインドと他の東南アジア等、テルグ移民居住地域でも行い、その成果は見出し語の選定、語法の特定、例文の作成等に反映されている。この辞書は、報告者が2010年に出版した文法書(『基礎テルグ語』大学書林2010年刊)と併用することで、日本人がテルグ語を独習することを可能にするものである。
著者
池澤 優 近藤 光博 藤原 聖子 島薗 進 市川 裕 矢野 秀武 川瀬 貴也 高橋 原 塩尻 和子 大久保 教宏 鈴木 健郎 鶴岡 賀雄 久保田 浩 林 淳 伊達 聖伸 奥山 倫明 江川 純一 星野 靖二 住家 正芳 井上 まどか 冨澤 かな
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

本研究は、欧米において成立した近代的宗教概念とそれに基づく宗教研究が、世界各地、特に非欧米社会においてそのまま受容されたのか、それとも各地域独自の宗教伝統に基づく宗教概念と宗教研究が存在しているのかをサーヴェイし、従来宗教学の名で呼ばれてきた普遍的視座とは異なる形態の知が可能であるかどうかを考察した。対象国・地域は日本、中国、韓国、インド、東南アジア、中東イスラーム圏、イスラエル、北米、中南米、ヨーロッパである。