著者
奥村 誠 塚井 誠人 金子 雄一郎 日比野 直彦 大窪 和明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

都市間旅客交通には、交通発生の非日常性、情報の不完備性、ネットワーク性などの固有の特性がある。本研究は,このような特性を考慮した調査方法・分析方法の開発・整理を行った。1990-2005年の4回の国土交通省全国幹線旅客純流動調査のデータと追加調査・計測結果の分析を通じて、サンプリング段階のデータの補正方法、観光統計等との統合利用方法の提案を行った。さらに、企業・事業所の立地データと業務トリップの関連性に基づく国土構造分析を行った。
著者
小峯 和明 渡辺 匡一 池宮 正治 渡辺 憲司
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999 (Released:1999-04-01)

研究の推進に当たって、まず長年進めている琉球文学研究会メンバーを協力者として要請し、初年度に沖縄で研究会を開催、各自の研究テーマと琉球文学研究とのすりあわせを行い、研究組織の拡充をはかった。当初の目的にしたがい、本土との交流もふまえた総合的体系的な琉球文学の総合目録作成をめざし、初年度にハワイ大学ホーレー文庫調査を試みたが、図書館側の事情もあり、思うように進捗しなかったため、テーマを各自の研究課題とあわせてしぼることとし、最終的に琉球の中世と近世の一大転換点である薩摩藩の侵攻、いわゆる島津入りに焦点を集約し、「薩摩藩侵攻前後の文学言説をめぐって」という研究テーマを確立した。これは従来まったくみられない斬新かつ重要なテーマであり、島津入りの数年前に琉球に滞在した袋中の著述『琉球神道記』『琉球往来』、島津侵攻を物語化した『薩琉軍記』、本土から往還した僧の『定西法師物語』、近世期の遊女・遊郭の起源伝承等々、多角的多面的ななテーマ設定が可能になった。『琉球神道記』をのぞいてはいずれも本格的な研究がなされておらず、伝本調査をはじめ、基礎的な研究からはじめ、ひとまず研究の方位を見定める地点で時間切れとなった。『琉球往来』に関しては従来の活字翻刻を一新する伝本を再発見し、詳細な本文校訂と注釈によって、一気に古琉球をうかがう資料としての価値が高まった。『琉球神道記』は近年の中世神道系の研究動向をふまえた注釈のための基礎資料集を作成、『薩琉軍記』は錯綜する伝本を整理し、かつ写本二種を購入、基礎的な研究をスタートさせた。『定西法師物語』も詳細な伝本研究と注釈研究を始動させ、遊女伝承も従来解明されていない領域にはじめて本格的な考証が加えられた。以上のように、基礎的な研究に終始したが、従来琉球文学といえば、無文字のシャーマニックな古代的なイメージが強かったのを完全に払拭し、あらかな研究の地平を開拓することができた。本研究をもとになるべく早く成果を公刊したいと考えている。
著者
河上 敬介 曽我部 正博 曽我 浩之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

筋損傷に対する理学療法による回復促進効果を,あらかじめ組織学的な筋損傷量が明らかにされているモデルラットを用いて検証した。評価は筋線維の横断面積や足関節のトルクを指標に行った.その結果,筋損傷後早期に超音波刺激または伸長刺激をそれぞれ与えると,筋損傷からの回復促進効果が認められることが判明した.このメカニズムの一端をを調べるために,筋衛生細胞の活性の指標であるMyoD量とmyogenin量を超音波刺激と伸長刺激後に調べた.その結果,損傷後早期に与える超音波刺激や伸長刺激は,筋損傷後数日以内に起こる筋衛星細胞の活性化を促進させ,その結果として損傷からの回復を促進させている可能性が示唆された.
著者
平本 健太 小島 廣光 岩田 智 谷口 勇仁 岡田 美弥子 坂川 裕司 相原 基大 宇田 忠司 横山 恵子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究によって解明された戦略的協働を通じた価値創造は,21世紀の社会の課題に挑むための方法の1つである.この戦略的協働は,今日,世界中で急速に増加しつつあり,多元的な社会的価値の創造に対して大きな潜在力を秘めている.3年間の研究プロジェクトの結果,戦略的協働を通じた価値創造に関する7つの協働プロジェクトの詳細な事例研究を通じて,戦略的協働の本質が明らかにされた.われわれの研究成果は,18の命題として提示されている.これら18命題は,(1)参加者の特定化と協働の設定に関する命題,(2)アジェンダの設定を解決策の特定化に関する命題,(3)組織のやる気と活動に関する命題,(4)協働の決定・正当化と協働の展開に関する命題の4つに区分されて整理された.本研究の意義は,大きく次の3点である.第1に,戦略的協働を通じた価値創造を分析するための理論的枠組である協働の窓モデルが導出された.第2に,戦略的協働を通じた価値創造の実態が正確に解明された.第3に,戦略的協働を通じた価値創造に関する実践的指針が提示された.
著者
西田 正規 オダックス マブラ 木村 有紀 網谷 克彦
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

先史社会の復元は、それが定住社会であれば生活遺物もまた集落周辺に集中的に堆積しているため、集落遺跡の発掘によってその全体を把握できる。しかし、生活拠点を頻繁に移動させる遊動社会は、生活遺物を広大な地域に分散させるため、遺跡の発掘によって十分な情報を得ることが困難である。実際、遊動社会の先史学的研究は、定住以後の社会復元との比較において、きわめて未熟な段階に留まっている。これを克服するため本研究は、タンザニアのセレンゲティ国立公園南部の約2.5000平方キロを調査地として地表面に広く薄く散乱している石器の分布調査を行い、調査データを高度な統計処とGISを用いて解析し、それらの石器を廃棄した遊動社会の空間利用と資源利用、および遊動パターンの復元的研究に取り組んだ。石器の分布調査は50メートル四方の方形区を設定して地表の石器を採集して行い、また、地下に埋もれている石器を把握するため2平方メートルのテストピット調査を行った。計測エラーなどの資料を除外するなどして、最終的な解析は98の方形区と9ヶ所のテストピットのデータを用いて行った。テストピット調査の結果、地下に埋没している石器の大半は地表下20センチまでの浅い所に集中しており、その密度は地表面の石器密度と高く相関する(R2=0.94)。これにより、地表面の石器密度からその地域に残存する石器の全量の推定が可能であり、埋没している石器密度は、地表面の石器密度の42000倍であった。また方形区データから得られた石器密度分布を、地表水や森林、風避け地形など、「ヒトの住みやすさ」に影響する環境因子と関連づけて解析した。その結果、一年を通じて涸れない水場までの距離や遠方まで見渡せる地形などの環境因子によって石器密度分布の80パーセントが説明できることが明らかになった。以上をもとに調査地における石器予想分布図を作成した。
著者
山下 則子 武井 協三 神作 研一 小林 健二 井田 太郎 浅野 秀剛 延広 真治 加藤 定彦 佐藤 恵里 原 道生 キャンベル ロバート 倉橋 正恵
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01 (Released:2009-04-01)

この研究は、日本の近世の文学・芸能・絵画に共通して見られる表現様式を明らかにすることを目的としている。研究成果は、2013年に開催された展示とシンポジウム、それらも含めた研究成果報告書『図説 江戸の「表現」 浮世絵・文学・芸能』(全349頁・2014年3月・八木書店)である。この本は、近世的表現様式を持つ作品の歴史的な背景や、学術的な位置づけなどを論じたものである。これらの解説や論文は、最新の研究を踏まえて、更に新しい発見を加えたものである。
著者
齊藤 忠彦 中山 裕一郎 小野 貴史 木下 博
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

本研究では,子どもの心を動かすことができるような音楽科教育のあり方について,脳科学からの検討を試みた。歌唱や鑑賞の具体的な授業場面を想定し,活動に伴う脳内のヘモグロビン濃度の変化をNIRSまたはfMRIを用いて計測し,そのデータをもとに考察を行った。その結果,歌唱の場面では,一人で歌う時より複数の人の声に合わせて歌う時の方が,脳内の賦活部位が拡がり,ブロードマン22野および25野,大脳基底核あたりが関与する可能性が高いことなどを指摘した。
著者
川戸 佳 木本 哲也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

(合成研究1)脳海馬における性ステロイドの合成経路の解明 成熟ラット海馬で「テストステロン□DHT(男性ホルモン)□3a,5a-androstanediol」の代謝系を発見した。質量分析法で高精度測定したところ、エストラジオール(E2;女性ホルモン)の海馬内濃度は約5nMで血中より有意に高かった。精巣を除去しても海馬内DHEA濃度は維持されており、海馬内でのこれらのステロイドの合成が確証された。(合成研究2)脳海馬におけるストレスステロイドの合成経路の解明「プロゲステロン□デオキシコルチコステロン(DOC)□コルチコステロン(CORT)」の代謝経路を確証した。mRNA解析の結果P450c21やP4502D4、P45011b1、P45011b2が確認された。海馬内CORT濃度は約500nMで血中の約半分だった。副腎を除去しても海馬内CORT濃度は血中より高いままで、海馬内CORT合成が確証された。(作用研究1)海馬のシナプス可塑性に対する女性・男性ホルモンの急性神経作用の解明 多電極同時電気生理解析でDHTがCA3でLTDを強化することを明らかにした←□u梠テ甥ぢ、a型古典的エストロゲン受容体(ERa)アゴニストPPTは30分でLTDを増強したが、b型受容体(ERb)アゴニストDPNでは増強は見られなかった。ERaがシナプス部位に局在することも免疫電顕観察で発見した。(作用研究2)海馬のスパイン構造に対する脳ステロイドの急性作用の解明 単一神経細胞に蛍光色素を注入しスパインを可視化して形態解析を行った。E2は2時間でCA1でthinスパインを増加させ、全スパイン密度も1.5倍に増大させた。CA3ではスパイン密度が70%程度に減少した。これらはERa又はERbの阻害で抑制され、MAPK経路により媒介されていた。DHTも2時間でCA1 thinスパイン、全スパイン密度を増大させた。(作用研究3及び4)CORT経路で合成される脳ステロイドの急性神経作用CORTはGRを介してLTPを急性的に抑制した。CORTで抑制されたLTPはE2の同時投与で回復した。PPT及びDPN投与実験等よりE2の作用はERa、ERb両方により媒介され、ERK/MARK経路を介することが明らかとなった。以上より、成獣ラットの海馬で女性・男性ホルモンやストレスステロイドが合成され、急性的に神経シナプス可塑性や神経シナプス構造を変動させることが示された。
著者
竹内 洋 稲垣 恭子 細辻 恵子 目黒 強 末冨 芳 佐藤 八寿子 細辻 恵子 目黒 強 末冨 芳 佐藤 八寿子 冨岡 勝 高山 育子 井上 好人 石井 素子 野口 剛 山口 晃子
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

学生生活調査や校友会誌、新聞記事、書簡集、小説などを資料として1930年代、1960年代の学生文化の転換点を明らかにした。これらの作業にもとづいて、明治期から現在にいたる学生小説の流れを確認し、代表となる学生小説を選定して各時代の特性についてまとめるとともに、学生文化の構造的変容を明らかにした。これらから、戦後日本社会における知識人界と「学問」の変容についてそのダイナミズムを描き出し、現在の社会における大学と大学界のゆらぎについて検討した。
著者
小川 孔輔 照井 伸彦 南 知惠子 余田 拓郎 小野 譲司 藤川 佳則 酒井 麻衣子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究プロジェクトでは、米国版顧客満足度指数(ACSI)の理論モデルを参考に、日本版(JCSI)を完成させた。JCSIの開発完了後、日本の30業種約300社のサービス業に適用されている(2010年から商用開始)。蓄積データを用いて、研究メンバーは、各自の関心に従い理論・応用研究を推進してきた。研究成果としては、顧客感動・失望指数の開発、推定法の工夫、スイッチング・バリアへの影響、CS優良企業の事例研究等を挙げることができる。
著者
中村 桃子 佐藤 響子 マリイ クレア 熊谷 滋子
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

第一に、スパムメール、親密な関係を扱った小説、日常会話を分析し、「女ことば」や「男ことば」が、異性愛規範に沿ったセクシュアル・アイデンティティ構築に利用されていることを明らかにした。第二に、マスコミの多様なセクシュアル・アイデンティティ遂行とことばの実践を考察し、その歴史的な変動を明らかにした。第三に『ことばとセクシュアリティ』(邦訳)を出版した。第四に、多くの国際学会でこれらの研究成果を発表した。
著者
阿部 賢一 小椋 彩 井上 暁子 加藤 有子 野町 素己 越野 剛
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

国民文学の枠組みでの研究、あるいは同様な枠組み同士の比較検討がこれまで主流であったが、本研究はそのような国民文学の枠組みから逸脱する3つの視点(「移動の文学」、「文学史の書き換え」、「ミクロ・ネーションの文学」)に着目し、個別の現地調査の他、国内外の研究者とともに研究会、シンポジウムを開催した。その結果、3つの視点の有効性を確認できたほか、シェンゲン以降の移動の問題(政治学)、国民文学史の位相(歴史学)、マイノリティの記述の問題(文化研究)といったそのほかの問題系およびほかの研究分野と隣接している問題点や研究の可能性を国内外の研究者と共有し、一定の成果をあげた。
著者
小林 盾 山田 昌弘 金井 雅之 辻 竜平 千田 有紀 渡邉 大輔 今田 高俊 佐藤 倫 筒井 淳也 谷本 奈穂
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

この研究は,「人びとがどのように恋愛から結婚へ,さらに出産へと進むのか」を量的調査によってデータ収集し,家族形成における格差を解明することを目的としている.そのために,「人びとのつながりが強いほど,家族形成を促進するのではないか」という仮説をたてた.第一年度に「2013年家族形成とキャリア形成についての全国調査」をパイロット調査として(対象者は全国20~69歳4993人),第二年度に「2014年家族形成とキャリア形成についてのプリテスト」(対象者204人)を実施した.そのうえで,第三年度に本調査「2015年家族形成とキャリア形成についての全国調査」を実施した(対象者1万2007人).
著者
瀬地山 角 中西 徹 幡谷 則子 後藤 則行
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

地域別に重要なネットワークを抽出し,発展途上国の都市貧困層のコミュニティ形成の国際比較分析を行い,東アジアでは,近年の社会変動の中で構成単位である家族におけるジェンダー関係の相違が決定的役割を持つのに対して,コロンビアでは,市政府,市議会議員とコミュニティ住民の間のネットワーク・コーディネーションがコミュニティ資源を深化させ,フィリピンでは二者間関係の連鎖が広域コミュニティの形成を促進しているという発見を得た。
著者
井上 和生 都築 巧 大貫 宏一郎 都築 巧 大貫 宏一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

マウスにおいて軽度の運動負荷によって引き起こされ、自発行動量の低下で示される疲労が回復する過程を経時的に測定し、疲労度を評価する系を確立した。この評価系が摂取した物質により抗疲労・疲労回復作用を持つもの、および疲労を促進するものの両方を検出できることを行動する動機に影響する薬物で確認した。この系でグルコース、クエン酸の直前摂取が、またホエータンパク質の慢性摂取が疲労の軽減作用を持つことを示唆した。
著者
金水 敏 定延 利之 渋谷 勝己 山口 治彦 鄭 惠先 松井 智子 山口 治彦 定延 利之 鄭 惠先 勅使河原 三保子 渋谷 勝己 松井 智子 吉村 和真 岡崎 智子 菅 さやか
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

役割語とは、一定のキャラクタと対応関係を持つ話し方(語彙、語法、音声的特徴等)のヴァリエーションのことである。本研究では、1)役割語の理論的基盤、2)幼児の役割語獲得のプロセス、3)個別の役割語についての記述的研究と歴史的起源の探求、4)日本語と外国語との対照研究、5)教育への応用、という5つの問題について、検討してきた。その結果、社会的属性が役割語の中核となること、役割語の知識が5歳までに獲得されること等を明らかにした。
著者
高橋 博巳 安藤 隆穂 玉田 敦子 渡辺 浩 鷲見 洋一 伊東 貴之 川島 慶子 長尾 伸一 堀田 誠三 逸見 竜生 寺田 元一
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

2年目の主要な活動は、7月末にロッテルダムのエラスムス大学で開催された国際18世紀学会大会における複数のラウンド・テーブルを組織し、発表を行うことだった。当プロジェクトとしては、長尾伸一が組織した‘Utilty and sociability in 18th century the East and the West' に中堅と新進の研究者にも加わってもらい、韓国学会からも1名の参加を得て行った研究集会で、高橋が‘Tea Ceremony in 18th Century Japan'を発表したほか、寺田元一・逸見龍生・玉田敦子らもそれぞれラウンドテーブルを組織し、各国研究者と知見を交換した。詳細については各自が執筆した論文を参照されたい。また伊東貴之は、2005年に刊行した『思想としての中国近世』(東京大学出版会)の中文訳『中國近世的思想典範』〔楊際開譯・徐興慶校訂〕(臺灣大學出版中心)の出版に際し相応の補筆や修訂を行い、主として17~18世紀の明清交替期から清朝の中葉にかけての時期を伝統中国の一つの頂点と見なした上で、当時の政治・社会思想や体制構想、基層社会への儒教的な礼教文化の滲透などの諸相に関して、独自の問題提起と見通しを示している。さらに玉田は、18世紀フランスにおける「公共知」に関して「ジェンダーとナショナリズム」、および「デジタル・ヒューマニティーズ」の側面から考察を行った。前者については、国際18世紀学会等で招待講演を含む2回の研究発表を行い、「デジタル・ヒューマニティーズ」については、国立情報学研究所におけるワークショップなど招待講演を含む2回の研究発表を行った。
著者
阪口 弘之 井上 勝志 沙加戸 弘 林 久美子
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究は、学界で懇望されている『古浄瑠璃年表』編纂にむけての総合的な基礎調査研究を目的としたもので、国内外に所蔵されている正本をはじめ、絵巻・奈良絵本・写本(奧浄瑠璃を含む)などの総合調査を通じて、多くの新出本文を発掘して、古浄瑠璃史の更新にむけての基礎資料の整備充実を果たした。また、これら新出資料の年代考証と併せ、初期段物集や当代諸日記等の記録類の調査整理をも重ね、総合的な古浄瑠璃年表作成にむけての研究作業環境を整え、今後へ引き継ぐべき研究基盤の強化を果たした。
著者
小谷 一郎 古厩 忠夫 丸尾 常喜 丸山 昇 佐治 俊彦 尾崎 文昭 伊藤 虎丸
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999 (Released:1999-04-01)

1.研究会の開催、研究者のネットワーク化私たちは研究計画に基づき、メンバー以外の研究者にも呼びかけながら研究会を組織、開催した。この研究会は平成11年度に4回、12年度に3回、13年度に3回、つごう10回開かれた。研究会には毎回メンバー以外の多くの研究者が参加され、その数は40名前後にも及ぶ。また在中国の研究者からも積極的な支援、協力を得ることができた。その結果、研究者の学際的ネットワーク作りが基本的に終了し、今後の研究発展に向けて大きな足掛かりを得ることが出来た。2.関係資料の発掘、収集、整理、データベース化 本研究の遂行、発展のためには 次資料の発掘、収集が不可欠である。私たちは研究計画に基づきメンバー以外の研究者の協力を得ながら資料の発掘、収集に当たった。その結果、これまで日本国内になかった1920年代から40年代の資料をマイクロフィルムなどのかたちで100点近く入手することが出来た。これらの資料は現在も分析、データベース化が進行中であるが、複製があり埼玉大学に集中してあるので、要請があればいつでも提供可能な状態にある。3.成果の公開私たちは研究会の開催以外に本研究の成果を論文等のかたちで公開してきた。その詳細は別記の通りである。また私たちは発掘、収集した資料のうちすでに,データベース化を終えた13種について、それを『1920-40年代中文稀観雑誌目録・第一集(附著者別索引)』のかたちで公刊した。このデータベース化は現在も進行中である。私たちは本研究の成果を基に今後も研究の発展に努めていく所存である。
著者
朝倉 敏夫 太田 心平 岡田 浩樹 島村 恭則 林 史樹 韓 景旭 岡田 浩樹 島村 恭則 林 史樹
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01 (Released:2009-04-01)

東アジアのコリアン・ネットワークについて、既存の研究では明らかとなっていなかった、ないし否定されてきた3点が明らかとなった。越域性、多重性、主体性の3点である。この研究成果の主たる報告書、および現地還元活動として、『韓民族海外同胞の現住所―当事者と日本の研究者の声』(學研文化社、2012)を、韓国語にて出版した。