著者
桝井 文人 宮越 勝美 伊藤 毅志 山本 雅人 松原 仁 柳 等 竹川 佳成 河村 隆
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

今年度は,戦術要素の収集と解析および戦術推論手法の開発,デリバリーロボットおよびスウィーピング動作測定技術の精緻化に取り組んだ.以下,各項目別に報告する.(1)戦術要素の収集と解析においては,新たに日本選手権,ユニバーシアード選手権での開催試合情報を追加して分析を行い,チームショット率と得点の関係,ポジション別ショット率と得点の関係についての知見を得た.(2)人間判断要素の収集と解析においては,試合中に発生し得るストーン配置画像を提示し,状況に対する選択ショットとその思考過程を調査する認知心理学実験を実施した.また,戦略書に基づきデジタルカーリングAIにおける序盤定石の構築を行った.(3)ストーン挙動要素の収集においては,昨年度に開発した移動型ストーンロボットを用いて赤外線画像処理に基づくストーン動作解析手法の有用性を検証する評価実験を実施した.その結果,複数のカメラを用いることで一定範囲内の誤差で移動するストーンの位置測定が可能であることがわかった.氷上実験については,キャリブレーション用シートを氷上に設置する際に氷上に影響を与え得るという課題が顕在化したため実験は見送った.(4)戦術推論手法の開発では,ストーンの配置状態を離散化した座標で表現し,あるショットによって生成される結果に関する評価値の期待値によりショット選択を行う人工知能アルゴリズムを提案し,デジタルカーリング上で実現した.(5)デリバリーロボットの開発では,ロボットについては,カーリングストーンの滑走時の荷重分布測定を行った.(6)スウィーピング計測装置の開発では,スウィーピング計測については,カーリング場での実証実験結果に基づき測定性能の精緻化を進めた.
著者
護山 真也 小野 基 稲見 正浩 師 茂樹
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

インド仏教論理学研究と東アジア仏教論理学(因明学)の最新の成果を統合しながら,仏教論理学研究の新しい方法論の構築を目指す本研究では,昨年度に続き,合同研究会を中心として,以下の実績を達成した。1. 8月29-30日に信州大学で開催された第3回因明科研研究会には,中国・台湾における因明学研究の第一人者である林鎮圀(Lin Chen-kuo,国立政治大学),湯銘鈞(Tang Mingjun,復旦大学)の両名を招待し,『如実論』英訳研究,『正理門論』漢文校訂研究の最新の成果が示された。また,室屋安孝氏から『正理門論』の日本古写経に関する研究報告を受けた。また,小野・師(分担研究者)が中心となり,『集量論注』他からの『正理門論』「過類」段の梵語原典の復元作業と翻訳研究,沙門宗の注釈に基づく解読研究を実施し,「無異相似」までの検討を終えた。2. 3月23日に稲見(分担研究者)の運営により,東京学芸大学で開催された第4回因明科研研究会では,ウィーン大学にて室屋安孝・渡辺俊和両氏と研究打ち合わせを行った小野が中心となり,『正理門論』「過類」段の科段についての新解釈が提示された。また,師から沙門宗の注釈文献から回収される定賓の科段についての報告がなされ,合わせて,「可得相似」まで解読研究が進められた。この研究会には,程氏をはじめ複数の中国人研究者の参加があり,研究会の活性化が進んだ。3. 上記とは別に,各研究者は個別に因明学関連の研究を進め,その成果を日本印度学仏教学会(9月3-4日,東京大学)・国際シンポジウム(12月10-11日,復旦大学)などで発表した。4. 護山は,『因明入正理論疏』における四相違の箇所に関する解読研究の成果を論文として公刊した。また,稲見は,仏教論理学における論証式の形式の歴史的変遷について,インド・中国・日本の文献を解読しながら,再検討した。
著者
加藤 良平 近藤 哲夫 中澤 匡男 大石 直輝
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

20歳以下の若年甲状腺乳頭癌 (P-PTC) 81例と21歳以上の成人甲状腺乳頭癌 (A-PTC) 83例について、臨床病理学的に比較検討するとともに、BRAFV600E突然変異とTERT promoter突然変異を解析した。その結果、P-PTCはA-PTCよりも、腫瘍径が大きく、リンパ節転移率が高いことがわかった。一方、BRAFV600E突然変異率は、P-PTCは37%で、A-PTCの82%よりも低く、TERT promoter突然変異はA-PTCでは13%が陽性を示したが、P-PTCでは全例陰性となった。以上より、若年甲状腺癌はその臨床像とともに遺伝子背景も成人とは異なることが示唆された。
著者
岡田 克彦 羽室 行信 加藤 直樹
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

本研究では、ニュースデータ、ブログデータ、SNSなどのソーシャルデータを大規模に収集し、それらがどの銘柄について語っているものなのかを自然言語処理の諸技術を用いてデータベース化した。この結果、全上場企業約3600社それぞれについて、ニュースおよびソーシャルメディアの情報を紐付けていることになる。次に、市場に流れるコメントやニュースについて、ポジティブな文脈で語られているのか、あるいはネガティブなのかについて、評価表現辞書を作成することでスコアリングした。こうして作成した指標をセンチメント指数として時系列で捉え、金融市場における様々なアノマリー現象と、センチメント指数との関連性を明らかにした。
著者
北本 朝展 西村 陽子
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本年度はデジタル史料批判について、以下の3つの視点から研究を進めた。(1) デジタル史料批判の基盤構築:デジタル史料批判プラットフォーム(Digital Criticism Platform)の構築に向けて、2つの点からシステムに改良を加えた。第一に、写真と景観をマッチングする「メモリーグラフ」モバイルアプリについては、アプリを再設計して機能を大幅に向上させたバージョンをリリースするとともに、データ管理のための認証機能にGoogle Firebaseを導入した。第二に、データ蓄積を担うリポジトリに関しては、基盤となるソフトウェアDSpaceにも同じくGoogle Firebaseを認証機能として導入することで、モバイルアプリとの通信に同一の認証機能が利用できるようにした。そして、デジタル史料批判の理論的な枠組みについても、1件の招待論文にまとめて発表した。(2) デジタル史料批判の実践:シルクロード探検隊の中でも特にドイツ隊と英国隊が調査した史料に焦点を合わせ、シルクロード地域の遺跡照合に関する研究を進めた。そしてその成果を、1件の招待論文および1件の国際会議にまとめて発表した。(3) デジタル史料批判の拡大:提案する方法論の有効性を検証しより一般化するためには、様々なデータを対象に方法論の有効性と限界を検証しなければならない。そこで今年度は、華北交通写真のアーカイブを対象にデータの基礎的な整備を行った。華北交通とは第二次大戦前後に華北地方で交通事業を展開した企業であるが、この企業が残した数万枚の古写真を鉄道路線図と対応付けて解釈するという時空間的な写真の解釈に取り組み、その成果を華北交通写真に関するミュージアム展覧会に出展した。以上、デジタル史料批判プラットフォームというインフラストラクチャーの整備と、その上に今後の載せていく研究データの整備という、2つの側面から研究を並行して推進した。
著者
清田 勝 井上 伸一 山田 雅彦
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

本研究では子供達が自動車とすれ違ったり追い越されたりするときに、どの程度危険を感じるかを行動学的および生理学的に評価する手法の開発を試みた。その結果、自動車とすれ違う歩行者の危険回避行動調査と心拍実験から、30km/hの制限速度は歩行者にとって安全ではなく、20km/h程度に抑制する必要があることが明らかになった。この結果を踏まえて、通過交通の削減と走行速度の抑制を目的とした二つの安全対策を検討した。一つは対象地区(佐賀市日新・新栄地区)のほとんどの道路に20km/h速度規制を掛けるとともに、速度抑制デバイスの一種である高さ8cmのハンプを設置する対策である。二つ目は、対象地区への4箇所の流入部に通学時間帯(7:00-8:30)に限って指定方向外進行禁止(進入規制)を掛ける対策である。前者は主に車の走行速度を低減させるための対策であり、後者は通過交通を排除するための対策である。これらの安全対策がどの程度対象地区の交通環境の改善に有効であるかを検証するために社会実験を実施した。その結果、高さ8cmのハンプは車の走行速度を6.5〜20km/h減速させる効果があることが分った。特に、高速の車を排除するのに有効である。しかしながら、通過交通の排除にはほとんど機能しなかった。また、指定方向外進行禁止が掛かった流入部では流入交通量が激減し、対象道路の交通環境は改善されたが、他の道路では迂回した自動車の増加によってかえって環境が悪化する事態を招いた。指定方向外進行禁止は部分的には通過交通の進入を抑えることが可能であるが、経路を変更して進入して来る車を防止することはできないことが明らかになった。児童はもちろんのこと、地区住民や保護者もハンプの継続を強く要望していたにもかかわらず、騒音や振動の被害に悩まされている沿道住民の強い反対で22基のハンプのうち14基が撤去された。騒音や振動の問題を解決しない限り、本格実施に結びつけるのは難しい。騒音・振動が発生しにくいハンプの開発や狭さくなどの他の速度抑制デバイスとの組み合わせを検討する必要がある。
著者
安冨 歩 若林 正丈 金 早雪 松重 充浩 深尾 葉子 長崎 暢子 長崎 暢子 福井 康太 若林 正丈 金 早雪 鄭 雅英 三谷 博 北田 暁大 深尾 葉子 久末 亮一 本條 晴一郎 與那覇 潤 千葉 泉
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

「魂」という学問で取り扱うことを忌避されてきた概念に、正当な地位を与えることができた。それは人間の創発を支える暗黙の次元に属する身体の作動であり、本来的に解明しえぬ(する必要のない) ものである。学問はそれを喜びをもって受け入れ、尊重し、その作動を抑圧するものを解明し、除去する役割を果たせばよい。そのような学問は、抽象的空間で展開する論理や実証ではなく、「私」自身を含む具体的な歴史的時空のなかで展開される合理的思考である。このような生きるための思考を通じた「私」の成長のみが、学問的客観性を保証する。この観点に立つことで我々は、日本とその周辺諸国におけるポスト・コロニアル状況の打破のためには、人々の魂の叫び声に耳を傾け、それを苦しませている「悪魔」を如何に打破するか、という方向で考えるべきであることを理解した。謝罪も反論も、魂に響くものでなければ、意味がなく、逆に魂に響くものであれば、戦争と直接の関係がなくても構わない。たとえば四川大地震において日本の救助隊が「老百姓」の母子の遺体に捧げた黙祷や、「なでしこジャパン」がブーイングを繰り返す観衆に対して掲げた「ARIGATO 謝謝 CHINA」という横断幕などが、その例である。我々の協力者の大野のり子氏は、山西省の三光作戦の村に三年にわたって住み込み、老人のお葬式用の写真を撮ってあげる代わりに、当時の話の聞き取りをさせてもらうという活動を行い、それをまとめて『記憶にであう--中国黄土高原 紅棗(なつめ) がみのる村から』(未来社) という書物を出版したが、このような研究こそが、真に意味のある歴史学であるということになる。
著者
関沢 まゆみ 新谷 尚紀 関沢 まゆみ 新谷 尚紀 トーマス Pギル
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

フランスではA. V.ジェネップの『フランス民俗学』(1949)に記述のある「五月の木」や「五月の女王」等の伝統行事の現在の伝承実態を追跡する調査を継続し、伝承が途絶えた例と維持されている例とが確認された。伝承維持の事例がプロヴァンス地方をはじめ計4カ所で確認され、その存否の背景に一定のリーダー的人物の関与が考察された。また伝承維持の力学の中に民俗信仰と聖人信仰との習合が認められた。一方、イギリス南西部においては現在も盛んに五月の木馬祭が行われており、観光化の促進という聖俗混淆の動態が英仏間で対比的にとらえられた。
著者
橋本 伸也 野村 真理 小森 宏美 吉岡 潤 福田 宏 姉川 雄大 梶 さやか
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

東中欧諸国・ロシアで深刻の度を増している第二次世界大戦と社会主義時代の歴史と記憶をめぐる政治化と紛争化について、現地調査や国際研究集会の開催などを通じて、実相解明を進めた。6回の国内研究会の開催、個別研究論文の執筆に加えて、2014年度にはエストニアのタリン大学で夏季ワークショップを開催して成果をproceedingsとして公開するとともに、2015年には関西学院大学で国際会議を開催して、東アジアの歴史認識紛争との対比により問題構造の多元的把握に努めた。研究代表者の単著(既刊)や雑誌特集号に加えて、2017年中に国際的な論集と研究分担者らの執筆した共著書2点の刊行が決まっている。
著者
池内 恵 御厨 貴 牧原 出 宮城 大蔵 鈴木 均 小宮 京
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

本研究課題では、国家間の公式の制度の枠内で行われる交渉だけでなく、民間を含めた人的つながりに多くを依存する国際的な非公式の協議ネットワークを通じて行われるアジェンダ・セッティングや利益・不利益配分に特に注目してきた。特に資源エネルギーと通貨の問題を対象に、日本の経済外交において、国際的な非公式の協議ネットワークにいかなる形で参加してきたのか、中東や東南アジアの地域研究と、日本政治史のオーラル・ヒストリーの手法を共に用いて解明を進めてきた。地域研究者と日本政治史・行政学研究者が協力し、非公式協議をめぐる国際行政学の開拓につなげることが研究の目的である。非公式の協議ネットワークの実質的な重要性は、一部のジャーナリズムの報道で漠然と知られておりながら、秘匿性の高い対象の性質上から資料の制約が多々あり、学術的に体系的な形で取り組まれたことはほとんどなかった。そのため、本研究課題の推進に際しては、オーラル・ヒストリーの採取や、過去の秘蔵資料・音声テープ・私的メモなどの発掘に傾注してきた。それらの新資料を報告書として印刷し、適切な大学・研究所図書館等に順次所蔵して、今後の研究の基礎資料を構築することが、現在までに本研究課題の遂行を通じて行ってきた主な成果である。第3年次は「日本経済外交史プロジェクト オーラル資料編別冊」として、『尾崎三雄日記‐アフガニスタン編‐』(アジア経済研究所)を刊行し、本プロジェクトでの通算の資料集刊行は4冊目となった。
著者
松木 邦裕 大山 泰宏 立木 康介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

日本の精神力動的心理療法のトレーニングの質を高めるための具体的な方策を検討すべく,米国,ドイツ,イギリス,フランスの力動的心理療法家養成のシステムおよびその実態に関して,養成に関わる人物の招聘やシンポジウム,および研究者による現地の訪問での参与観察や資料の収集を行ない,日本におけるトレーニングの問題点を明らかにした。とりわけ日本では,スーパービジョンや実地研修の不足,事例を見立てる上での構造の不在が指摘された。そして,日本の文化的文脈等を自覚化しつつ,その改善の方向を具体的に討議し,より適切な訓練のモデルを構想した。また,見立て,臨床像記述の方法論等を検討し,実際の訓練に適用した。
著者
仙石 愼太郎 AVILA Alfonso 末松 千尋
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

本研究課題は、学際・融合を盛り込んだ大型公的助成プログラム事例の観測に基づく実証研究を旨とし、日本及び欧州において国際的に実施する。学際・融合の業績サイドの科学計量学的評価アプローチとしては、引用-被引用関係に加え、共著関係や閲覧回数等のより即時性の高い指標の導入を試みた。学際・融合の広がりに関しては、所与の分野分類に基づく従前の規範的手法に加え、共引用構造分析や書誌結合分析による事実記述的な手法論、また、人材育成・教育成果等の非文献計量指標も考慮に入れた。学際・融合の活動サイドの経営組織論的評価アプローチとしては、コミュニケーション・インタラクション等を含むトランザクションに着目した測定手法1を援用した。即ち、学際・融合の研究開発の推進プロセスや鍵となる活動単位を特定し、観測軸・指標を設定し実測し活動実態を整理して把握する。更に、観測結果を分野・機関・中心的研究者・研究プロジェクト間で比較・検証することで、学際・融合研究開発の影響要因や行動類型を描出した。平成26年度の研究実績としては、学際・融合研究開発の業績・活動の観測手法を確立した。詳細は下記の通りである。1.業績評価の視点として、中心研究者等の主体(actor)、論文発表・特許出願等の成果(outcome)、人材育成・教育等の成果(people)を規定し、測定指標として整理した。2.活動評価の視点として、中心研究者等の主体(actor)、研究資金・設備、マテリアル等の投入資源(resource)、交流機会(opportunity)を規定し、測定指標として整理した。3.上記フレームワーク・指標に基づきパイロット観測を実施し、観測・測定面の実効性を検証する。必要に応じ、対照の観測事例を設置した。
著者
下河辺 美知子 巽 孝之 舌津 智之 日比野 啓
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

本研究はモンロー・ドクトリンの文化的・政治的意味を検証してきた。モンロー大統領の言葉は歴史を通して行為遂行的効果を発揮し、西半球・東半球という概念を喚起した。この洞察は19世紀アメリカの政治的無意識への理解を深め、20世紀ポストコロニアル研究へ有効な視座を与え、球体として地球を見直す新たな視点につながり21世紀の世界情勢分析のための有効な概念であることが証明された。研究成果は、国内海外の学会発表(61件)、論文(41件)著書(31件)として発表されており、2014年3月にはシンポジウムを行った。テロと核を抱える21世紀世界における惑星的共存への提言として成果物出版計画が現在進行中である。
著者
澤田 誠 小野 健治 今井 文博
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

ミクログリアが血液脳関門を崩壊させること無く脳に浸潤できることを見いだし、この性質を模倣することができるペプチド分子を単離することに成功した。この分子と薬物、タンパク、遺伝子、人工担体などを結合して脳を標的化した薬物送達を目指した開発を行った。まず培養血液脳関門モデルを構築して対象とする化合物やタンパク質などが脳移行するかどうかをin vitroで判定することができるようになった。次にリコンビナントタンパクを脳移行型に改変するベクターを作成し、アザミグリーンを発現させて脳移行性が付与されたことを証明した。また、化学修飾により酵素や化学物質に標的化ペプチドを結合させ脳移行型に改変するシステムを検討し、高分子量の酵素(HEX)や抗体分子を血液脳関門透過型に改変することに成功した。さらに、この分子を特殊なナノ粒子と結合することによって神経細胞にだけ目的物を導入することも可能となった。脳移行性の個体レベルの評価としてペプチドのポジトロン標識体を合成しPETによる脳移行性を測定した結果、ペプチド単体でも水溶性のペプチドではこれまでに無い高率の移行を示すことができ、さらに脳移行性の無い化合物(NMDAアンタゴニスト)を結合することによって脳移行型に改変することができた。このときの脳移行性は1.34%であった。以上のように化合物やタンパク質、人工単体の脳移行型改変が可能となったので、今後実用化に向けた開発を行っていく。
著者
眞溪 歩
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は,注意・不注意,意識・無意識に関する事象関連電位/磁界(ERP/ERF)計測を行うことを目的としていた.そこで,本研究を,目的を直接的に追求するための認知行動実験と,認知行動実験時のERP/ERFを計測・解析する手法の両面から構成した.計測解析手法では,脳領野間の方向付き位相共振を定量化する解析法を確立し, IEEE Tr BME誌に論文発表した.これらを用いた注意・不注意,意識・無意識が介在するERP/ERF解析では,無意識下での認知行動モデルの生成とそれが律動成分の位相共振によって実現視されていることを示唆する結果を得た.
著者
福間 良明 杉本 淑彦 山登 義明 上杉 和央 吉村 和真 山口 誠
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究では、戦後の大衆的なメディアに焦点を当てながら、大衆文化にあらわれる戦争体験の継承と断絶の変容について、考察してきた。具体的には、個々の大衆メディア(映画,テレビ,マンガ,戦跡・資料館)における「戦争体験」を比較対照し、そこにおける戦争理解やその社会背景について考察した。なお、そのうえでは、沖縄、広島、長崎、グアム(大宮島)など、戦場ごとの描写の相違にも注意を払った。
著者
山本 直彦 田中 麻里 牧 紀男
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

本研究は、インド洋大津波後のバンダアチェ市内外に建設された再定住地を対象とした。まず、全住戸への質問紙調査を行い、被災前の住宅所有状況などを把握した。次に範囲を絞って悉皆調査を行い、再定住地入居後の生活について聞き取りを行った。以上から生活再建を、①仕事の再建(仕事があること)、②コミュニティ形成が進むこと、③住宅に住み続けられることを視点として、市内と市外の再定住地を比較した。市外の再定住地入居者は、市内の再定住地入居者より、いずれの生活再建状態も厳しく、今後の定住・転出動向は、インフォーマルセクターの仕事へ従事か否か、仕事場へ通勤可能か否かで分かれる可能性があることを指摘した。
著者
横山 潤 福田 達哉
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、アーバスキュラー菌に依存する菌寄生植物を対象に、菌根菌との対応関係,栄養摂取様式に関連した菌根菌との対応関係の変化、および炭素源移動に関連する生理的機能を明らかにして、植物の従属栄養性の進化を総合的に解析することを目的とした。菌寄生植物とリンドウ科植物の菌根菌の分子同定を行なった結果、Glomus Group A系統に属する菌が菌根を形成していることが明らかになった。これらの菌類は周辺植物、特にハナヤスリ科植物から高頻度に検出された。菌寄生植物やリンドウ科植物から得られた菌根菌の炭水化物トランスポータ遺伝子には、栄養摂取様式と関連する変異は見つからなかったが、発現量が栄養摂取様式と関連している可能性が示唆された。
著者
小田 清 小坂 直人 松田 光一 武市 靖 大西 有二 山田 定市 千葉 卓
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

北海道・有珠山は平成12年3月31日、23年ぶりに噴火した。事前避難活動が徹底していため、人的被害は皆無であったが、道路や水道等のライフラインや住宅地、工場や病院等は大きな被害を受けた。また、地域経済の活動中心地であった洞爺湖温泉街は、「危険地域」という風評被害的なものもあって観光客が激減し、地域経済にとって大きな痛手となっている。その後、噴火活動は沈静化し、大部分の地域では平常さを取り戻しつつある。しかし、3年有余が経過した現在、復興に向けて、各種の公共事業が展開しつつあるが、新たなハザードマップの作成や土地利用計画、観光産業の不振による経済生活の不安定さと有効な手段の欠如、教育施設や福祉施設の移転等による不便さなど、新たな問題が山積している。本研究では、平成13年度に引き続き、(1)経済・産業の復興視点、(2)地域社会・生活・教育の復興視点、(3)復興に伴うインフラ整備と地方財政問題視点、(4)復興に伴う行政・法的諸問題の視点から、総合的な地域復興計画を探ることを目的とし、地域実態調査と補足調査を実施してきた。その結果、ほぼ、上記の4つの視点からの研究成果が得られた。すなわち、(1)の視点からは、現実に経済活動を行っている地域を「危険地域」として非居住地にすることの根強い地域住民からの反対と法的規制の困難さ、(2)医療・福祉・教育施設の移転に伴う諸問題と避難住民・生徒のケア問題の存在、(3)インフラ整備と財政負担問題、国庫補助の引き上げ問題、(4)災害復興に関する行政対応と義援金配分問題の存在などである。その結果、20〜30年周期で予想される再噴火に対応しての防災マニュアルづくりの難しさが浮き彫りになってきている。行政の防災対応と生活している地域住民との折り合いをどうつけるのか、地域経済の再興をどのように実現するのか、これらに関しては、さらに詳細な地域実態調査・研究が必要であると考えている。
著者
山本 政儀 星 正治 遠藤 暁 今中 哲二
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

旧ソ連核実験場周辺住民の長期低線量率・低線量放射線被曝の健康・リスク評価を行うための基礎研究として、被曝を受けた周辺集落住民の出来るだけ正確な被曝線量を評価することを目的とした。この目的達成のために、最も大きな被害を被ったドロン村を中心に、南の集落、サルジャール村、カラウル村できめ細かな土壌サンプリングを行い、放射性雲の通過したセンター軸の位置,幅、さらに降下量を明らかにし,被曝線量を推定した。