著者
進藤 美津子 菅原 勉 荒井 隆行 飯田 朱美 平井 沢子 程島 奈緒 安 啓一 飯高 京子 川中 彰 進藤 美津子
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

私共は、平成16年度〜19年度にかけて、音声コミュニケーション障害者、高齢者、聴覚障害者、言語聴覚障害児者に対する支援システム、評価法の開発およびコミュニケーション援助の開発や臨床への応用を目的として、以下の3グループに分かれて研究を行ってきた。研究分担者や研究協力者は、文系と理系からなる学際的なメンバーで構成され、それぞれの専門性を活かした研究に取組み、成果を上げてきたことが特記される。3グループの研究は次の通りである。1.音声コミュニケーション障害者への支援システムの開発とコミュニケーション援助:神経筋病患者の自声による日英両言語のコミュニケーション支援システムの構築を行い、臨床への応用が可能であることを示した。コーパスベース方式でシステム構築を行った後、より少ないデータで構築可能なHMM音声合成方式でも試作を行い実用レベルに達するという評価結果を得た。2.聴覚障害者に対する支援システムの開発とコミュニケーション援助:聴覚障害児者や老人性難聴者のための残響環境下における聞きやすい拡声処理と補聴器のための音声処理方式の開発と実用化への適用を推進した。3.言語聴覚障害児者に対する支援システムの開発とコミュニケーション援助:高次脳機能に障害を持つ、後天性小児失語症児や中枢性聴覚障害児のコミュニケーション能力向上のための評価、指導法を開発し、発達性構音障害の鑑別診断となる基礎的研究と臨床への応用を行い、発達性読み書き障害児への基礎的、臨床的検討を行った。また、言語習得過程の不備からコミュニケーション障害が形成される可能性について問題提起した。
著者
上野 行一 奥村 高明 岡田 京子 三澤 一実 一條 彰子
出版者
帝京科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究を通して、対話による意味生成的な美術鑑賞教育の地域カリキュラムおよび指導法を構築し、その成果を『北九州市美術鑑賞教育カリキュラム』ならびに『東京都府中市美術鑑賞教育カリキュラム』にまとめた。学校と美術館、地域が一体となって進める鑑賞教育の授業研究を、北九州市で31回、東京都府中市で17回それぞれ実施した。また美術鑑賞教育フォーラムを3回開催し、これらの成果を大学美術教育学会等で発表した。
著者
直江 俊雄 齊藤 泰嘉 寺門 臨太郎
出版者
筑波大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

1.関連領域ならびに諸外国におけるアート・ライティングの教育に関する資料収集と分析、高等教育におけるカリキュラム開発筑波大学所蔵美術作品に関して、正確なデータ採取から記述にまでにいたる作業の流れを実際に行って検証し、『筑波大学所蔵石井コレクション選集』を作成した。今後は、鑑賞支援に有効な作品解説を含むデータベースの構築を通して、アート・ライティング教育の基礎となる情報提供システムの開発へと発展させる[齋藤]。オーストラリア連邦シドニー大学文学部美術史・美術理論学科に調査滞在し美術史教育の実践的指導としての「アート・ライティング」について知見を得るとともに、鑑賞行動とアート・ライティングの関係について調査・考察した[寺門]。英国の美術学習における知性的批評主義の分析を通して、アート・ライティング学習の意義を考察して発表した。また、「ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー」を通した美術体験の言語表現とアート・ライティングの学習について米国の博物館における実地訓練を含めて調査し、日本の大学院教育プログラムへの導入を準備した。学部の授業科目としては「芸術支援学」における学習成果として「Art Writing」第2号を発刊した[直江]。2.中等教育におけるアート・ライティングの教育に関する調査と支援全国の高等学校を対象に、美術をはじめとする教育課程や課外活動におけるアート・ライティング学習の実態や、アート・ライティングのコンテストに関する意識、学習方法開発への可能性や課題等について調査した結果に基づき、その現状と可能性についての考察を発表した[直江]。「アートライティング教育研究会」を開催し(3月11日筑波大学)高等学校における学習指導例と、第2回の全国コンテストの企画を中心にこの分野の今後の研究開発の方向性を検討した。
著者
丸山 士郎 島谷 弘幸 高橋 裕次 白井 克也 鬼頭 智美 木下 史青 伊藤 嘉章
出版者
独立行政法人国立文化財機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

東京国立博物館は日本で最も古い博物館であり、1950年に文化財保護法が施行されるまでは、文化財行政の中心的な役割を果たしてきた。東京国立博物館が保管する歴史的な文書は、日本の博物館の歴史を知る上で欠くことのできない資料であるとともに、戦前までの文化財行政を知る上でも重要な資料である。この研究では、それらの資料を分析し、東京国立博物館が果たしてきた歴史的役割について解明した。
著者
矢尾板 芳郎
出版者
(財)東京都神経科学総合研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

1.RNase Hによるsubtraction libraryの手法の確立した。その応用によりオタマジャクシの退縮中の尾に誘導される遺伝子のクローニングを行った。10種類程の遺伝子が得られ、その発現様式から3グループに分類された。第1グループは脳、眼球、後肢、尾にすベてに発現しているものである。第2グループは後肢と尾に発現されている。第3グループは退縮している尾に特異的に発現されている。2.変態前のオタマジャクシの尾から、甲状腺ホルモン非存在下で初代培養を始め、いくつかの継代培養可能な細胞株がいくつか得られた。そのうちの少なくとも1つ(12T-15)に、変態時に観察される血中量にほぼ同じ10nMの甲状腺ホルモンT3を添加すると、その細胞は1-2週間のうちに培養皿から死んで離れていく。培地に加えてある10%牛胎児血清を1%馬血清に代えて5日後、抗トロポニシンT抗体で染色すると、強いシグナルを得た。このことは、この細胞が筋芽細胞由来であることを意味する。3.退縮中の尾に特異的に誘導される遺伝子のうちで、細胞株12T-15を甲状腺ホルモンで処理して1日以内に誘導されるものは第3グループに属している1個の遺伝子だけであった。甲状腺ホルモン処理4時間後から甲状腺ホルモン受容体β遺伝子が発現され、8時間後からclone T6-5-12のmRNAが増加していた。甲状腺ホルモン受容体β遺伝子は処理前から発現されていた。そのことから甲状腺ホルモンが既存の甲状腺ホルモン受容体αと結合して甲状腺ホルモン受容体β遺伝子を活性化し、甲状腺ホルモンと複合体を形成し、更にclone T6-5-12の転写を開始させたと考えられる。その遺伝子の塩基配列を決定してホモロジー検索したが、何の類似性も得られていない。細胞株12T-15に、退縮中の尾に特異的に発現されている遺伝子を導入することにより細胞死の分子機構を解明できると考えられる。
著者
三輪 洋靖
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、嚥下における喉ごしを工学的アプローチによって解明するため、嚥下音計測システムと筋電計を用い、試料を単一嚥下で摂取したときの筋活動および嚥下音の計測を行った。そして、嚥下メカニズムを説明するモデルとして、解剖学的知見から咽頭期に作用する筋骨格モデルを構築した。さらに、嚥下音に時間周波数変換と統計処理を適用することで、試料の刺激強度に対して、喉ごしが上に凸の特性を持つことを明らかにし、嚥下時間・刺激強度・喉ごしの関係を説明するモデルを構築した。最後に、嚥下音より嚥下時間を算出するシステムを開発し、嚥下音による喉ごしの評価システムの検討を行った。
著者
大井 恭子 田中 真理 成田 真澄 阿部 真理子 保田 幸子 板津 木綿子 ホーン ベバリー 小林 雄一郎
出版者
清泉女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は日本、韓国、台湾、香港という東アジアに位置する4か国がする英語ライティング教育に関して、アンケート調査によって実態を浮き彫りにし、そして互いが一堂に会することで実態を比較しあい、問題点などを共有し、今後の展望などに関して国際シンポジウムとして意見交換ができたことが一番の成果と言える。さらに、学習者コーパスを精査することにより、4か国・地域の学生の書く英語の諸相が明らかにされた。最終成果物として『EFL Writing in East Asia: Practice, Perception and Perspectives』を刊行し、多くの方と共有できたことで、この分野の進展につながった。
著者
下村 直行 寺西 研二
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

バイオマス燃料となる微細藻の油性分抽出の効率化のため, パルス電界による微細藻細胞壁の穿孔を試みた。 パルス幅 25-100μ秒のパルス発生装置を開発して印加すると,一部が透明化した個体が確認され,全体が透明になったものも存在した。印加電界を高めると,細胞壁の一部が欠けて見えるものも現れた。これらは細胞壁の穿孔による結果と考えられる。パルス電界による微細藻増殖促進の実験では,一部に増殖が加速されたサンプルも見られたが,さらに実験継続して確認が必要である。
著者
的場 梁次 藤谷 登 四方 一郎
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

(1)5週令雄性マウスにメタンフェタミン(MA)を5,10,20mg/体重1kg2週間及び4週間皮下投与し, 心臓の光顕的, 電顕的観察を行った. 同時に対照として同量の生食及びノルアドレナリンを体重あたり1mg投与して心病変を比較検討した. その結果MA投与により光顕で心筋肥大, 萎縮, 融解, 収縮帯壊死, 空胞変性, 酸酸性変性, 錯走配列, 出血, 間質浮腫, 線維化, 小円形細胞浸潤などの心病変が認められたが, その程度は概ね投与期間や投与量に比例していた. また, 電顕では細胞膜の不整化, 筋原線維の増加, 過収縮, 錯綜配列, 幅の広いZ帯, ミトコンドリアの集蔟や変性, 及び筋小胞体の拡張が見られ, 細胞膜直下の多数の小胞体(Surface vesicle)が目立った. 対照のノルアドレナリン投与においても, これら同様変化が認められたが, その程度は弱かった. (2)プロブラノロール(β-blockcr)1mg/体重1kg及びベラパミル1mg/体重1kgをMA投与30分前に投薬した心病変を観察したところ, 上記MA投与時の心病変はほとんど認められなかった. (3)心筋ミオシンのアイソザイムについてHohらの方法を用いて検討したところ, 生食のみを投与した群と同様, MA投与群においてもV_1優位のパターンであった. (4)最近10年間の剖検覚醒剤中毒者26例の心臓組織を検索したところ, 15例の症別において肥大, 線維化, 錯綜配列などの病変が確認された.以上の実験並びに人死例の検索において認められたことにより, ヒト慢性覚醒剤中毒者に認められる心病変はMAの心毒性作用によるものと考えられ, その発因機序としてはMAの主作用である神経末端からのカテコールアミンの放出によるものと考えられる. 更に, 本病変をCa-antagonistで抑えられることや電顕における筋小胞体の拡張所見などより, 本病変にCa-Overloarlが関与している可能性が窺われ, これら心筋病変が肥大型心筋症と類似している点があること等は興味深いと思われる.
著者
小池 康晴
出版者
東京工業大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

物の操作を獲得するためには,学習や慣れが必要である.これまでは,試行錯誤により操作を覚える,あるいは繰り返し反復練習により熟練度を上げる方法だけで,システマテイックに教育する方法は提案されていない.さらに,高齢化社会を迎え,高齢者がたとえば,車の運転を行なうときに,それまでに獲得した操作にたいする感覚と,筋肉骨格系の衰えによる運動系の誤差が生じると危険な場面に遭遇したり,最悪の場合事故を起こすことになってしまう.安全性という観点からも,物の操作の獲得過程を明らかにすることは重要である.本研究では,「視線の移動が操作の習熟度と関連しているのではないか」という点に着目し,操作に必要な情報をどのように取得するかという,学習と視線の移動の関係を明らかにし,時空間パターンの中からどこの情報をどのような割合で操作に用いているのかを計算機上でのモデル化と行動実験を通して明らかにすることを目的としている.本研究では,複数の制御入力を用いて,最適な制御ができる位置を求めるモデルを強化学習を用いて作成した,強化学習を用いたため,どの位置を見るかは指示せず,最終的な運転結果ができるだけ将来にわたり良くなるような報酬を与えるだけで,学習を行うことができた.また,過去に示されている視野制限での運転方法と,学習によって獲得されたモデルでは,ほぼ同じ方策をとっていることもシミュレーションにより示して,本モデルの有効性を示した.また,行動実験において,視線計測を簡易なドライビングシミュレータを作成して行った.その結果,これまでに提案されているモデルが,幾何学的な情報に基づいて視線が決まっているものであったが,速度が速くなるにつれて視線の位置が遠くに変化することを新たに発見した.さらに,同じ速度であっても,習熟度によって視線が変化することも発見した.具体的には,習熟度が上がるにつれて視線が遠くの方にシフトし,その結果運転操作が滑らかになった.
著者
平田 豊 HIGHSTEIN Stephen M. BLAZQUEZ Pablo M. BAKER Robert
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

小脳を中核として実現される運動学習に関わる脳内情報処理機構を、電気生理学的手法を用いた動物実験により探り、得られた結果をもとに計算機上に数理モデルを構築し、その妥当性を確認した。また、このモデルによる実機モータ制御を試み、小脳モデルが実機モータの適応制御に有効であることを実証した。
著者
木村 英紀 牛田 俊 大石 泰章 津村 幸治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

この研究の目的は、脳の運動制御から生まれたモデル駆動型適応制御とよばれる新しい適応制御の方式を制御論的に定式化し、制御系設計論として確立することである。さらに、モデル駆動型適応制御の適応制御の発展上における位置づけとそれがもつ性質を理論実証両面から明らかにすることにより、適応制御および脳の運動制御の双方の分野に対して、「複雑系」を扱うための方法論としての新たな発展をもたらすことを目指している。主に次の3つのテーマを中心に研究を行った。(1)モデル駆動型適応制御の制御論的な定式化、および運動制御との関連(2)複雑系の同定手法の確立とその構造解析、および学習との関連(3)種々の複雑非線形系に対する制御論的アプローチ(1)については小脳のモデルとして提案された「フィードバック誤差学習法」を2自由度制御系として定式化し、その構造の解析および系の収束性の証明を行った。さらに、これらの結果はフィードバックループ内にむだ時間が含まれる場合へと拡張され、高い制御性能を達成することが示され、複雑なシステムに対する制御系設計のアーキテクチュアとして、適応制御に新しい領域を切り開きつつある。(2)においては、より広い意味での複雑系に対する同定手法の確立を目指している。システムの「複雑度」の扱いを制御系設計において重要となる種々の問題として捉え、構造の解析やモデリング手法の確立において一定の成果を得た。個々の問題は、複雑系を扱う上での難しさの本質に迫る興味深いアプローチを含んでいる。(3)は、制御対象として種々の複雑系への広がりをみせた結果であり、多彩な成果を得た。具体的には、モデル駆動型適応制御を用いた非線形ロボットアームや燃料電池自動車の改質システムの制御をはじめとして、生理学・生物学への制御論的アプローチ、量子システムの制御、ネットワークシステムの制御まで多岐にわたっている。特に、「制御生物学」「量子制御」に関しては、従来の制御理論では扱ってこなかった新しい分野への道を切り開くきっかけを与える結果であり、大きな成果の一つである。2年間の研究の進展を通じて、大規模かつ非線形性の強い複雑系を扱う場合にも「制御論的なアプローチ」が有効であることが改めて明らかになった。たとえば、人の運動制御、制御生物学を扱う際には、システムのダイナミクスの同定・構造や特性の解析・制御器設計といった従来得られている知見を土台として、理論がされており、制御論として対象を捉える考え方が重要な役割を果たしている。今後の課題としては、本研究成果で提起された種々の複雑系に対して個々の制御問題を定式化し、それらを扱うより使いやすい制御理論的な道具立てを整備することが挙げられる。
著者
荒井 幸代 吉村 忍 丸山 喜久
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

情報提供が人間の意思決定戦略を変化させ,交通流に大きな影響を与えることを示し,これを改善する方法を提案した.具体的成果は3つに大別される.1)不完全情報下で運転者の経路選択モデルの提案,2)1)のモデルが大域的な交通流に与える影響の検証,および,3)実世界データを用いた1)2)の妥当性検証である.交通網変化時の過渡現象の混乱から収束の様子を再現し,東北地方太平洋沖地震後に東京都で取得されたタクシープローブデータを分析し,利用者均衡配分によってリンク交通量を予測し運転者の経路選択行動に関する分析も実施した.
著者
金堀 利洋
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

Webページ上の文章をマウスや指でタッチすることで、その部分の単語・文章・段落を読み上げる、主に視覚障害者向けのシステムを作成した。このシステムはWebページ上から利用者が求める情報を早く取得することを目的としている。ページ上に必要な情報があるかどうか、その情報がどこにあるか素早く判断できるようにするために、ページ内の単語をランダムに読み上げる、各段落の先頭の数単語を読み上げる、などの機能も提供している。
著者
田中 恭子 ヤフダ マイケル 趙 新民 (文 〓) イー タン・リォク・ キオン ン・チン・ 田村 慶子 リーファー マイケル リオクイー タン チンキオン ジ スリャディナータ レオ
出版者
南山大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1997

「改革開放」の20年間に、中国と華人世界(主として東南アジア)は、急速に結びつきを強めているが、この両者の関係の実態を明らかにすることが、本研究の目的である。最終年度である本年度は、昨年度の調査研究に基づき、(1) 東南アジア華人のアイデンティティの現状について研究を続行すると同時に、成果の一部を発表し、(2) 中国福建省・広東省の僑郷における聞き取り等の調査を続行した。本革度はとくに、「アジア経済危機」のインパクトに注意を払った。(1)については、田中(研究代表者)、荒井(研究協力者)を中国・香港に派遣し、福建省で開催された国際シンポジウムにおける研究報告、北京・上海の僑務関係者のインタビュー調査および香港の研究者との交流を行った。また、共同研究者ホァン・ジェンリー(シンガポール国立大学)助教授を招聘し、シンガポールを中心に東南アジア諸国の華人について研究報告、討論、および打合せを行った。(2)については、田中・荒井を中国福建省・広東省に派遣し、文献およびインタビュー調査を行うとともに、厦門大学南洋研究院の庄国土教授・趙文留教授らと共同で行っている僑郷社会経済調査を続行した。同時に、昨年度來の調査データの整理を行った。また、この調査に携わってきた2人の共同研究者、趙文留教授・李一平講師を招聘し、研究報告、討論、打合せを行った。なお、田中を英国・オランダに派遣し、共同研究者と本研究全体の総括を行い、評価を聞くとともに、今後の研究の展開などについて、情報・意見の交換を行った。
著者
安藤 敏夫 内橋 貴之 渡辺 琢夫
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008-05-12

分子・細胞で起こるダイナミックな現象を高解像で直接可視化できる高速原子間力顕微鏡を世界に先駆けて完成させた。その結果、いくつかの機能中のタンパク質分子の動的構造変化や動的分子プロセス、生きた細胞で起こる動的現象を撮影することに成功し、この新規顕微鏡の有効性、革新性を実証した。
著者
山谷 泰賀 工藤 博幸 菅 幹生 羽石 秀昭 稲玉 直子 吉田 英治 錦戸 文彦 小畠 隆行 辻 厚至 稲庭 拓 吉川 京燦 河合 秀幸 小尾 高史
出版者
独立行政法人放射線医学総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

我々は、世界的な競争下にある次世代のPET装置開発において、開放化という全く新しい機能を備えた世界初の開放型PET装置「OpenPET」のアイディアを2008年に提案した。本研究では、OpenPETが可能にする診断治療融合システムにより、放射線がん治療の精度を格段に高める革新的コンセプトを提案し、小動物サイズのOpenPET試作機を開発し、ファントムおよび小動物レベルにてコンセプトの実証実験を行った。
著者
清水 和巳 大和 毅彦 瀋 俊毅 芹澤 成弘 大和 毅彦 渡部 幹 清水 和巳 渡部 幹
出版者
早稲田大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

「社会関係資本の機能と創出」に関して主要な成果を概略的に記す。1. 社会関係資本の尺度として従来、General Social Survey (GSS)のネットワークに関する項目が使用されていたが、この尺度が人々の信頼・協力行動を予測しうるとは言えない。われわれは、ある社会の社会関係資本の水準を測るには、上記のようなデモグラフィックデータだけではなく、実際の行動実験における信頼・協力行動のデータをとり、その二つの関係をしなくてはならないことを示した。例えば、中国の経済発展状況が異なる様々な都市で、公共財実験・信頼ゲーム実験などを行った結果、被験者の信頼・協調が性別や年齢だけではなく、協力行動の有無、リスクや公平に対する選好、他人への期待に影響されることがわかった。2. 信頼に基づく人間の協力行動の生化学的な基礎としてミクログリアが重要あることが示唆された。実験において被験者に脳内免疫細胞であるミクログリアの活性を抑えるミノサイクリンという抗生物質を投与し,他者への信頼が重要となる経済取引実験を行ってもらい,偽薬群と比較したところ,実薬投与群は他者の信頼性判断により敏感になることがわかった。特に、ミクログリアの活性は盲目的な信頼を抑制し、きちんとした判断に基づいた信頼。居力高校を促進する可能性があることが示唆された。3. 囚人のジレンマ・鹿狩りゲームはそれぞれ、協力・協調の失敗を引き起こす状況として広く知られている。われわれは、これらのゲームを繰り返し行う状況下で協力・協調を導くと期待できる三つの仕組み(device)、すなわち、(1)協力・協調の難易度の段階的変化、(2)変化の内生性、(3)目標値の調整、について理論・実験により考察した。その結果、この仕組みが一種の社会関係資本として機能し、人々の協調・協力を促すことが確認された。これらの仕組みは、匿名性の高い現代社会において解決が難しいジレンマ、また、権力の干渉の余地の小さい国家間の問題や個人裁量の範囲内の問題にも適用可能と考えられ、それゆえ外的妥当性が高く、応用範囲も広いと考えられる。
著者
佐久間 芳樹 池沢 道男 斎木 敏治
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

発光波長や強度などの特性が揃った単一光子源への応用を目指し、III-V族半導体中の等電子不純物による局在準位の制御と利用に関する研究を行った。具体的には、ガリウム砒素中の窒素不純物の最適なドーピング手法を調べ、エネルギーの揃った単一光子発生を世界で初めて実証するとともに、発光寿命や偏光などの特性について明らかにした。本研究によって多くの基礎データが取得でき、今後の技術開発に不可欠な有益な知見が得られた。
著者
林 健太郎 長谷川 利拡 小野 圭介 岩崎 亘典 豊田 栄 八島 未和 堅田 元喜 須藤 重人 和穎 朗太 常田 岳志 麓 多門 須藤 重人 南川 和則 和穎 朗太 松田 和秀 片柳 薫子 矢野 翠 中村 浩史
出版者
独立行政法人農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

つくばみらいFACE(開放系大気二酸化炭素増加)実験水田を舞台として、大気沈着および灌漑水に由来する窒素フローの実態を把握し、大気二酸化炭素(CO_2)増加、加温、および水稲品種が一酸化二窒素(N_2O)の生成、窒素無機化、窒素固定、水稲の窒素吸収、および土壌有機物の動態などの窒素関連過程に及ぼす影響の解明を進め、大気-土壌-水稲系の詳細な物質循環モデルを開発し、広域評価モデル・データセットを構築した。