著者
末包 文彦 久世 正弘 住吉 孝行 川崎 健夫 田村 詔生 原 俊雄 坂本 泰伸 長坂 康史 宮田 等 福田 善之 元木 正和 石塚 正基 古田 久敬 前田 順平 松原 綱之 E. Chauveau T. Bezerra 中島 恭平 岐部 佳朗 T. Mueller M. Bongrand 渡辺 秀樹 早川 知克
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

フランスのショーズ原子力発電所にニュートリノ検出器を建設し、原子炉ニュートリノにより第3のニュートリノ振動を確認し、θ13と呼ばれるニュートリノ混合角の測定を様々な解析方法で行った.(ダブルショー実験)これにより、ニュートリノ振動角が全て決定され、ニュートリノ振動によるCP非保存やニュートリノの質量階層性の測定に道を拓き、ニュートリノ物理の新展開を導いた.また、質量二乗差(Δm^2_<31>)を原子炉ニュートリノ振動の距離依存性の解析から世界で初めて測定した.
著者
茅根 創 山野 博哉 酒井 一彦 山口 徹 日高 道雄 鈴木 款 灘岡 和夫 西平 守孝 小池 勲夫
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008-11-13

サンゴ礁学の目的は,生物,化学,地学,工学,人文の諸分野を,複合ストレスに対するサンゴ礁の応答という問題設定のもとに融合し,サンゴ礁と人との新たな共存・共生を構築するための科学的基礎を築くことである.本領域では,ストレス要因の時空変化を評価して,遺伝子スケールから生態系スケールまで整合的なストレス応答モデルを構築し,サンゴ礁と共生する地域のあり方を提案した.本課題は,こうして産まれた新しい学問領域を確立し,他分野へ展開するとともに,地域社会への適用と人材育成を継続的に行うために,以下の活動を行った.新しい学問領域の確立:平成25年9月29日―10月2日に,海外から研究者を招へいして,「サンゴ礁と酸性化」に関する国際ワークショップ(東京大学伊藤国際学術センター)を開催し,今後の展開について議論した.12月14日日本サンゴ礁学会第16回大会(沖縄科学技術大学院大学)では,「サンゴ礁学の成果と展望」というタイトルで,総括と次のフェイズへ向けての戦略を示した.また,”Coral Reef Science” の原稿を,各班ごとに作成して,現在編集作業を進めている.他分野への展開:12月15日,日本サンゴ礁学会第16回大会において,公開シンポジウム「熱帯・亜熱帯沿岸域生物の多様性へのアプローチと課題」を,日本サンゴ礁学会主催,日本ベントス学会,日本熱帯生態学会共催によって開催して,サンゴ礁学の成果を,関係する生態系へ展開する道を議論した.地域社会への適用:これまでに19回石垣市で開催した地元説明会・成果報告会のまとめの会を,2013年8月に実施して,プロジェクト終了後の地元と研究者の連携のあり方,研究成果の還元の継続を話し合った.人材育成:サンゴ礁学の取り組みのひとつとして,これまで4回実施したサンゴ礁学サマースクールを,東京大学と琉球大学共同の,正規の実習科目として定着させることに成功した.
著者
塚本 眞幸
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

バクテリアの二次情報伝達物質として注目されている環状ジアデニル酸 (c-di-AMP) の効率的な化学合成法を確立した。この手法を基盤として生理活性探索を行ったところ、 c-di-AMP が淡水域に生息する緑藻類の一種であるクラミドモナスの細胞分裂を促進することがわかった。さらに、2'位に種々の置換基を有する c-di-AMP 誘導体も同様の生理活性を示すことが明らかとなった。
著者
増田 皓子 (2009 2011) 渡邉 皓子 (2010)
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本年度は太陽黒点微細構造の分光的性質の時間変化を知るということを目的に解析を行なった。アンブラルドットはサイズが小さく寿命も短いため、その分光性質の時間発展を求めるには現在の観測技術では限界に近い程の高い時間・空間分解能が必要となる。スペインのLuis Bellot Rubio教授から提供を受けたデータは、黒点を撮影した世界最高級のデータであり、このデータを得た事で、アンブラルドットの時間発展の統計的調査に世界で初めて取り組むことができた。その結果、「背景磁場の弱い所では、アンブラルドットに伴ったローカルな磁場強度の減少と磁力線の傾斜が観測されたが、背景磁場の強い所では、逆にローカルな磁場強度の増加と磁力線が垂直に近づく様子が観測された」といった、これまでに報告されていなかった結果を得た。申請者は理論モデルとして、黒点の太陽表面上での位置とスペクトル線の形成領域の変化を取り入れた新しいモデルを提案した。これらの結果をまとめた論文は、The Astrophysical Journalに2011年12月に提出され、2012年1月にレフェリーレポートを受け取った。レフェリーのコメントは非常に好意的であり、現在改訂論文を準備中である。また、博士課程で行なった研究の集大成として博士論文を執筆、提出した。内容は、太陽黒点に関するイントロダクションの他に三章立てで[1]移動速度の速いアンブラルドットの時間変化[2]アンブラルドットの背景磁場への特徴依存性[3]アンブラルドットの速度場・磁場の時間変化という構成にした。[1]と[2]の内容は、それぞれ2010年、2009年に申請者が主著で査読論文として出版された内容に基づいている。黒点暗部微細構造についての観測的性質をほぼ全て網羅した包括的な論文に仕上がったと思う。博士論文は無事に受理され、2012年3月に博士号を取得した。
著者
西谷 真規子 庄司 真理子 杉田 米行 宮脇 昇 高橋 良輔 足立 研幾 大賀 哲
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008-04-08

本研究では、国際規範の発展における規範間の競合または複合のプロセスを明らかにすることを目的とした。グローバル、リージョナル、ナショナルの各レベルにおいて、①規範的アイディアの競合や複合が、どのような制度変化をもたらすか、②多様な行為主体(国家、国際機構、市民社会、企業等)が競合または複合の過程にどのように関っているか、または、競合や複合から生じる問題をどのように調整しているか、の二点を中心的な問いとして、事例分析を行った。成果は、国際・国内学会発表や論文発表を通じて逐次公開した。最終的には、編著『国際規範の複合的発展ダイナミクス(仮題)』(ミネルヴァ書房)として近刊予定である。
著者
岡部 繁男 田中 慎二 岩崎 広英 根東 覚 西井 清雅
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

PALM(あるいはSTORM)法は一分子蛍光の検出を利用した高解像度光学顕微鏡法である。一個のシナプス後肥厚部(PSD)は直径500nm 以下の微細なディスク状構造であり、PALM 法によりその内部構造を捉えることが可能である。本研究では、蛍光蛋白質で標識されたPSDおよびスパインについて、PALM 法を用いてその内部の分子分布を検出した。更にシナプスの発達の過程とシナプス可塑性が起こった後のPSD内の分子分布の変化を同定することに成功した。
著者
野口 美和子 大湾 明美 石垣 和子 北村 久美子 山崎 不二子 植田 悠紀子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、島嶼環境を活かし「島嶼から学ぶ」島嶼看護学教育の看護学士課程への導入促進に資することであった。島嶼看護学教育の効果は、学生、教員、地域の専門職において"島嶼での理解の深まり""島嶼看護の魅力と理解""学習力・教育力の向上""看護実践力・地域力への貢献"があった。課題は、"島嶼での学びの意義"を多くの大学が挙げていた。その解決に向け島嶼看護学教育内容を体系化する必要性が提言された。
著者
山田 岳晴
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

災害に関連する未刊行の文書の発見・確認により、海と共存する社殿の維持には、突発的な災害対策活動以外にも日常の活動が重要であることが明らかとなった。また、本殿内の玉殿安置形式は事前防災の観点から生じたともいえる。その形式は安芸国に広く分布し、厳島神社を祖型とすることが判明した。さらに、その他類例調査の分析により、施設の維持には災害の許容などの特徴が見出され、厳島神社の伝統的な災害回避と保護機能が明らかとなった。
著者
川崎 誠治 石崎 陽一
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

GV/SV比40%以下のグラフトを含む左葉グラフトを用いた生体肝移植でも成績は良好であった(1年生存率100%、5年生存率94%)。左葉グラフト移植後に門脈血流量の著明な増加が認められた。また移植後門脈圧と移植後二週間の一日平均腹水量に相関が認められ、移植後の門脈圧が25mmHg以上の症例では大量の腹水が認められた。移植後門脈圧が25mmHgでは脾動脈結紮、脾摘などの門脈流量調節が必要と考えられた。
著者
佐野 泰久
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

省エネルギーパワーデバイス用炭化ケイ素(SiC)基板は硬くて脆いため、従来の加工法では高能率な加工が困難である。大気圧プラズマを用いた高能率化学エッチングであるPCVM (Plasma Chemical Vaporization Machining)によるSiC加工用実験装置を製作し、SiC基板の薄化とダイシングの基礎検討を行った。その結果、2インチ基板を用いた薄化の基礎検討において、加工速度0.5μm/minという高加工速度が得られ、小片基板を用いたダイシングの基礎検討の結果、200μm以下の溝幅で10μm/min以上の切断速度が得られることが分かった。
著者
吉川 寛 塩澤 正 倉橋 洋子 小宮 富子 下内 充
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、大学における国際英語論に基づく英語指導のための評価項目を設定し、それを踏まえた教育活動の実践をめざす一方、アウターサークル地域への短期留学前後の大学生を対象に日本人に適した「内的基準に基づく英語到達目標」を提示し、併せて国際コミュニケーションにおけるaffective competenceの重要性などの指導をおこなった。学生へのアンケート調査から、留学後「日本人英語への肯定的認識の向上」や「日本人英語教師による授業への志向性」等の高まりが見られることが判明した他、国際英語論の学習により「第二言語不安」が軽減し、英語を用いた国際発信力の強化という点で有意な教育効果をもちうることが判明した。
著者
村松 幹夫
出版者
岡山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

イネ科コムギ族に属する種について、類縁関係が遠い属間に交雑を行ない、遠縁雑種における体細胞染色体の安定と不安定性に関する細胞遺伝学的研究を行なった。カモジグサ属(Agropyron)はコムギ族の系統発生の比較的起源点に近く位置すると考えられるが、この族の2種、カモジグサ(A.tsukushiense)及びアオカモジグサ(A.ciliare)、を用い、コムギ属(Triticum)、Aegilops属、ライムギ属、ハイナルディア属、オオムギ属の種などと行なった合計13,015小花の交配から、胚培養によって319本(2.45%)のF_1雑種を得た。それらの雑種植物の葉身に生じるキメラ状の稿による判定では、体細胞染色体数の不安定性はオオムギとの組合せに常に生じたほか、一粒系コムギではT.monococcumとのF_1に稿がみられる。この他のコムギ亜族の属間組合せはすべて正常なF_1雑種となった。オオムギとの雑種の体細胞染色体数は幅広く変異し、両親の半数染色体数の和による期待染色体数よりも増加、または減少した細胞がみられた。染色体不安定性にもかかわらず、カモジグサとのF_1はアオカモジグサとのF_1に比べ生育が良好であり、詳細な研究が可能であった。その結果、増加染色体数と減少染色体数との比は、交配組合せ間で異なるので、遺伝的な差異と考えらる。[増加染色体数/減少染色体数]の比が0または0に近い交配組合せでは雑種植物がカモジグサ親の多倍数性半数体を比較的高い頻度で生じた。F_1雑種の染色体数が安定する組合せについても、アオカモジグサと二粒系コムギのT.polonicum及び普通系のT.aestivumそれぞれの雑種から育成した複倍数体の後代や戻し交雑世代に体細胞染色体数の変異個体の分離出現がみられた。これは複倍数体や戻し交雑世代の低キアズマ頻度によって形成された1価染色体の消失による不安定性の抑制遺伝子をもつ染色体欠失のためと考えられ、そのような遺伝子の存在が推定される。
著者
水野 幸治 三木 一生 山本 創太 田中 英一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究では,CRS使用時の小児の傷害の詳細解析を目的とし,成人人体有限要素モデルTHUMS AM50のスケーリングに基づき,3歳児FEモデルを作成した.3歳児の人体計測値に基づき,身体各部位におけるスケールファクターを求め,AM50モデルに対して形状のスケーリングを行った,その結果,3歳児の人体計測値との誤差が10%程度であり,3歳児の形状を表した人体FEモデルを作成することができた.3歳児の骨の材料特性は文献を基に骨の弾性係数,破断強度,ひずみを求め,小児の骨の応力-ひずみ曲線を推定した.この推定した3歳児の特性から,3点曲げ解析を実施し,実験結果とよく一致した.3歳児FEモデルの衝撃応答を3歳児ダミー校正要件を用いて検証した.特にCRSの拘束に関連する胸部,腰部の特性に対して検証を行った.本モデルは衝突ダミーの胸部応答要件を満たし,さらにダミーよりも死体に近い応答を示した.すなわち,本モデルでは衝突ダミーよりも詳細に人体の胸部傷害メカニズムを再現できる可能性がある.3歳児FEモデルを用いシールドタイプのチャイルドシート(CRS)による衝撃解析を行った.3歳児FEモデルではシールドにより荷重を受けた胸椎を中心に体幹が屈曲した.衝突ダミーでは腰椎で体幹が屈曲した.本モデルの応答は,衝突ダミーよりも死体の応答に近く,人体挙動を再現していると考えられる.さらに軟部組織の応力について検討した結果,シールドタイプのCRSでは胸部の圧迫により,胸部内臓傷害の危険性があることがわかった.本研究で開発した3歳児人体有限要素モデルを用いることで,従来,困難であった子供の骨折などの詳細な傷害の評価,CRSの拘束方法の評価が可能となり,本モデルが傷害再現のための有効なツールであることが示された.さらにこのモデルにより,子供の解剖学的特長及び傷害メカニズムを考慮したCRSの設計開発のための有用な知見が提供できると考えられる.
著者
辰巳砂 昌弘 忠永 清治 林 晃敏
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

Li_2S-P_2S_5 系をベースとするガラスの作製方法、結晶化条件、組成を詳細に調べることによって、室温で 5×10^<-3>S cm^<-1>以上の高い導電率を示す硫化物ガラスセラミックスを作製した。またこれまでほとんど検討されていない硫化物電解質の大気安定性の評価方法を確立した。Li_2S 含量 75mol%組成の電解質が比較的大気安定性の高いことを見出し、さらに金属酸化物との複合化によって、大気安定性を向上させることができた。得られた電解質を用いた全固体リチウム電池が、サイクル性に優れた二次電池として作動することがわかった。
著者
平岡 昌樹
出版者
大阪市立生野特別支援学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

学生が指導を受けた2,3校の特別支援学校の体験内容を時系列でまとめたもの事例研究はあるが,特別支援学校で介護等体験の体験内容を類型化した研究は管見の限りほとんどない。本研究では,特別支援学校でどのような体験内容・学習内容が設定されているかを全国的にまとめ,その傾向等を分析する。また,受け入れ担当者が,体験内容や指導する学生,送り手である大学に対して抱く意識や特徴を明らかにする。全国の特別支援学校1049校(平成23年5月1日現在)から,「平成23年度全国特別支援学校実態調査(全国特別支援学校長会)」を使用し367校を無作為抽出し,サンプリング調査を実施した。調査は郵送による質問紙法によって実施した。質問紙並びに依頼文を抽出校に郵送し、「介護等体験を主として担当する方」に記入を依頼した。アンケートを送付した367校の内,計283校から回答を得た(回収率77.1%)。回答を得た特別支援学校の障害種別は,知的障害115校(44.1%),肢体不自由障害33校(12.6%),視覚障害16校(6.1%),聴覚障害20校(7,7%),病弱障害11校(4.2%),知肢併置校43校(16.5%),その他併置校23校(8.8%)であった。受け入れ学生が最も多かった学校は466人(東京都)であった。全国平均は72.0人であった。都道府県別に調査すると,最も多いのは東京都で平均252.9人,次いで京都153.0人,愛知150.8人,奈良148.0人,広島130.7人,大阪1252人となっており,首都圏や中京圏,近畿圏といった大学数の多い都府県であることが推測できる。体験の内容の結果から,ほとんどの学校で「児童生徒との交流」「授業の補助」など学生が子どもたちとできるだけ多くの時間過ごせるように工夫していた。また,「障害についての説明」など学生の障害理解,障害児教育の意識向上に資する目的の学習内容が設定されていた。介護等体験実施からすでに15年近い時が立ち,特別支援学校の学生の受け入れ体制が確立してきているようである。「体験内容の改善の必要性」を感じているという学校は,調査対象校の2割弱に過ぎなかった。「介護等体験は教員になった時に役立つか」といった体験の効果についての項目においても,「そう思う」という回答が8割以上であり,介護等体験が学生に効果があるという回答を得た。一方で,「学生の姿勢・マナー」や「大学側の事前指導」に対する要望がおよそ半数の学校からあげられた。
著者
赤星 保浩
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

宇宙ごみの増加割合を低減させる目的で、2007年度にフランスよりISOに超高速衝突試験法(新たな宇宙ごみが生じにくい材料を選定するための試験方法)に関する規格案(11227)提案された。しかしながら、日本ではこのような試験を想定しておらず十分な試験体制が取れていなかったが、本研究活動を通じてその試験体制を整えた。さらに日本側から数多く修正案を提案した。本規格案は現在FDIS段階まできており、今後、ISO本部と最終確認作業を行うところまできている。
著者
久保 文明 砂田 一郎 松岡 泰
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

3年間で多くの成果を生み出すことができた。詳細は「研究発表」欄に譲るが、分担者である砂田・松岡による単著、および代表者によるいくつかの編著がその一例である。この間に解明された点は、民主党を素材にして党内穏健派とリベラル派の対立軸の激化、穏健派の支持基盤の特異性(共和党保守派と異なり、利益団体・政治団体レベルでの支持基盤がきわめて弱体であること、その代わり広く有権者にアピールし支持団体から自由に政策課題を提示できる強みをもつこと)、予備選挙における支持団体間競争の実相などの他、松岡が解明したように民主党内における黒人勢力の性格の大きな変質(抗議型から統治型へ)、砂田が論証したように同党内におけるリベラル派思想の変容などである。同時に、今日イラク戦争が民主党内において左派・反戦派を強化している様相も、予備選挙などの考察を通して指摘した(久保『米国外交の諸潮流』)。共和党に関しては、政治のインフラストラクチャー(下部構造、ないし基礎構造)の一部としての政治家養成機関・制度に着目した論文を公刊した。インフラストラクチャーとはシンクタンク、財団、メディア、大学、政治家養成機関などを指す。このような側面において、長年共和党は劣位に立たされてきた。したがって、当該部分を戦略的・選択的に強化することに共和党の方が熱心であったのも当然である。また、共和党における保守派の優位を理解するにあたってとりわけ重要な点は、1990年代の半ばから、反増税団体、銃所持団体、中小企業団体、キリスト教保守派団体、反環境保護政策団体、文化的保守派団体などがいわば大同団結し、共和党を、とりわけその保守派を支援し始めたことに注目することである。公刊されたさまざまな著書・論文において、このような党外部の政治団体の浸透・連合が果たす役割を解明できたことが本研究プロジェクトの大きな成果である。
著者
田近 栄治 渡辺 智之 佐藤 主光 山重 慎二 國枝 繁樹 竹内 幹 別所 俊一郎 林 正義 小林 航 油井 雄二 河口 洋行 菊池 潤
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

長期にわたるデフレと進行する高齢化のなかで日本の財政は、厳しさを増している。同時に経済のグローバル化のなかで賃金は伸び悩み、非正規雇用の増大など雇用の流動化が生じている。そうした経済状況のもと、本研究は税と社会保障を一体でとらえ、受益と負担の実態分析を踏まえ、政策への貢献を目指した。研究成果は個別論文としてだけではなく、雑誌特集号として出版した。そのほか国家戦略相を招聘した政策シンポジウムや、財務省・財務総合研究所との共催事業および書籍出版などにより成果の公表を図った。
著者
榎本 和生 古泉 博之 金井 誠 金森 麗
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ショウジョウバエ幼虫感覚ニューロンでは、同種ニューロンの樹状突起間に生じる反発作用を介して受容領域を確立することが示されていた。私達は、ショウジョウバエ成虫感覚ニューロンの解析を行い、樹状突起間に生じる反発作用には依存しない受容領域形成機構の存在を明らかにした(Yasunaga et al. Genes Dev 2015)。さらにその責任因子として、ニューロン周辺の上皮細胞から分泌されるWnt5と、その受容体Drlを同定した。さらに、受容体Drlの下流シグナルの同定も行い、低分子量G蛋白質RhoGTPaseのGEFであるTrioがRhoAの活性化を介して細胞骨格の再編を誘導することを示した。
著者
ヨコタ村上 孝之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

当初の計画以上に進展している。すなわち、データベースについては、ほかの研究者の実用に供せるような、試用版が完成した。このデータベースに基づいて、また、亡命文学・ディアスポラ文学理論関係の資料から得られた知見を応用しつつ、読解・分析なども継続して行い、その理論的解釈を深め、成果がいつくかの論文にまとまりつつある。現在までに図書に収録された論文が一本。平成21 年度中に出版予定のものが二本ある。