1 0 0 0 OA グリム童話

著者
グリム 原作
出版者
南海堂
巻号頁・発行日
1924
著者
池 俊介 杜 国慶 白坂 蕃 張 貴民
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.208-222, 2013 (Released:2013-11-01)
参考文献数
15

中国の雲南省では,1990年代後半から農村地域における観光地化が著しく進んだ.しかし,外部資本により観光施設が建設され,観光地化が地域住民の所得向上や地域社会の発展に寄与していない事例も存在するため,地域住民による内発的で自律的な観光施設の運営を実現し,観光収入が農民の所得水準の向上に着実に結びつくような経営を行ってゆくことが大きな課題となっている.本稿では,納西族の農民により観光乗馬施設の自律的な共同経営が行われている雲南省北西部の拉市海周辺地域を対象として,その形成プロセスと共同経営の実態について調査した.その結果,平等な収益分配,投票によるリーダーの選出など,きわめて民主的な観光乗馬施設の運営が行われ,地元住民の所得向上にも貢献していることが明らかとなった.

1 0 0 0 OA 平羅橋の施工

著者
胡 信弘 南山 剛
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.37-42, 1995-05-01 (Released:2013-04-26)

平羅橋は, 大崎下島地区農道整備事業の一環として, 大崎下島と平羅島とを結ぶ単径間の1室箱げたPC斜張橋である。プレキャストブロックよりなる主げたは張り出し工法によって架設されたが, これは日本で初めてのことである。PC斜張橋は, 塩害対策面を考慮して選ばれ, また, 単径間の斜張構造は橋体下の漁場の確保と平面線形での見通しの面を考慮して選ばれた。プレキャストブロック工法は, 工期短縮と高強度コンクリートの品質管理上の理由に加え, ブロックの製作とストックのためのヤードが近隣に確保できたことから適用された。
著者
北尾 邦伸 安井 鈞 長山 泰秀 稲田 充男 新村 義昭 片桐 成夫 井口 隆史 瀧本 義彦 北尾 邦伸
出版者
島根大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

輪島・鳳至地域の現地においてアテ・複層林の森林を対象にして種々の計測を行った。また、その複層林を経営する担い手の経営構造やアテ材の生産・流通構造についても現地調査を行った。さらに、固定試験地の林分構造に関する過去20年間のデータの解析に努めた。これらのことから、次のような新たな知見や林分構造に対する理論モデルを導出した。1.複層林の直径分布および樹高分布は各齢階ごとのそれぞれの分布が結合したものと仮定して、頻度分布モデルとして混合対数正規分布g(w)を誘導し、計測データをあてはめた。結果はよく適合した。2.択伐林内の樹木の伐採確率分布の誘導を行い、混合マルコフ過程を応用した択伐林直径分布モデルを誘出できた。3.よく施業されたアテ択伐林分では直径や樹高の度数分布は逆J字型を示す。施業がよくない光環境のもとでは、上層木のみが成長して択伐林型が崩れる。これら林分構造・成長・光環境の関係を定量的に明らかにした。4.2つのアテ択伐林分における林分各部分の栄養塩類の集積量、およびそれに影響をおよぼす土壌の化学性を下層土壌を含めて明らかにした。これは、森林土壌の肥沃度および物質集積量の基礎的データとなる。5.暴風害の被害形態は幹折れ、根返りが多く、直径・樹高の全てのクラスに及んだ。折損被害は形状比が60-80のものに多く、冠雪害の場合よりも小で、折損高は2-3m、折損比高0.1-0.3と冠雪害に比較して低かった。6.光環境を整える枝打ち作業が労働力不足のために困難となり、この点を基軸にして伝統的なアテ択伐の経営構造が変容を迫られている。また、外材率20%という地域材の地場需要の強い伝統的な生産・流通構造も、その規模が小さく、飛躍的に増大した戦後アテ造林の資源的成熟に伴って、大消費地とのつながりにおける産地形成を迫られている。これらの点を実証的に明らかにした。
著者
飯島 純夫 山崎 洋子 古屋 洋子 芳我 ちより
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

患者と看護師に対する病院環境についてのアンケート調査と、病院における騒音、照度、温度、湿度、気流(風速)の環境測定を実施した。衛生状態、騒音、明るさ、総合評価で、看護師に比べ患者のほうが有意に良い回答をしていた。看護師では温度(「暑い」)と湿度(「蒸し暑い」)で、患者では湿度(「蒸し暑い」)と気流(「弱い」)で冬期と比較して、夏期で有意に高い割合が認められた。
著者
HILL P.Jonathan (2012) JONATHAN P.HILL (2011) JONATHAN P. (2010) SANCHEZ Ballester SANCHEZ BALLESTE M.N.SANCHEZ Ballester
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

無機物質と有機物質の両方の特性を兼ね備えかつナノメートルレベルの構造特性を持つ物質の合成は、様々な機能材料の開発にとって重要である。本研究では、マンガンと鉄を含む配位型の有機・無機ハイブリッドを新たに合成開発した。配位高分子(Coordination Polymer)としてはこれまでに報告のない種類のものであること、遷移金属の酸化物が組み込まれた新しいタイプのハイブリッドであること、二量体と三量体のマンガンクラスターの中間的な状態を持つ大変希少な形態であることなどが、結果としてわかった。これらの化合物合成は、物質科学上の研究ということだけではなく、生体内の金属クラスターの模倣という点からも進められている。本研究の成果は、いくつかの論文上で発表したが、特にDalton Transaction誌においてその詳細を報告した。また、いくつかの金属酸化物のナノ構造体の合成を室温条件下で行ったところ、そのうちに非常に比表面積地の高いものが得られた。この物質の特性をさらに検討するため、スーパーキャパシターやORR電気触媒反応の検討も行った。さらに、新規なキレート型ナノ粒子の合成と太陽光変更素子への応用も手がけた。後者の二つの研究テーマを次のポジションでも継続的に進める予定である。
著者
三木 成彦 副井 裕 藪木 登
出版者
津山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

カラー情報を用いて道路標識の検出する方法の開発を目的とし,以下の項目に対して研究を行った.1.いろいろな環境(主に晴れ,曇り,雨)において各天候,各時期,各時間の色分布を調べ,それらの環境に対応できるよう,各環境のデータをまとめ各色毎の分布関数を作成した.さらに,少なめの収集データにおいても分布関数が作成できるように,数式表現で色分布関数を作成できるようにした.これにより,色分布を広めにしたり,狭めにしたりでき,検出実験が行いやすくなり,従来よりも安定した色抽出が可能となった.2.ニューラルネットワークを用いた方法では,画像における各画素の色を検出する方法を開発した.対象標識は最高速度標識とし,検出実験を行った.晴天の場合の検出率は高かった.条件の悪い,雨天・逆光の場合は誤検出が多く見られた.そこで,逆光の場合,暗いところを検出し,そこを明るくして色検出を行うなどして,改良を加えた.まだ十分とはいえないが,色検出はそこそこの結果を得た.3.画像エネルギー関数を考慮したActive Netを用いた標識検出のプログラム作成と実験を行った.従来の方法では,画像の中央付近に対象標識が存在しないと対象を抽出することは困難であったが,Active Netの形状を変更することにより,画像の周囲に存在する対象も抽出することが可能となった.さらに,安定な抽出を行うために,等面積ネット構造を提案した.このネット構造を用いて,道路標識を検出するプログラムを開発し、実験を行い,外側にある対象の対象捕捉率が向上し,良好な結果を得た.4.検出された道路標識の種類を識別する方法については,ある仮定のもとでの予備実験ではうまくいったが,実際の画像を用いた場合は十分実験ができなかった.
著者
佐藤 仁 天笠 光雄 佐藤 和子 山田 隆文 川口 哲司 冨塚 謙一 石井 純一 小林 裕 塩田 重利 岡田 憲彦 井上 哲生
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.1512-1516, 1991
被引用文献数
4 4

Multiple oral cancers have been found more frequently today than in past years.The reason may be due to the progress of therapeutic result and the long term follow-up observationafter success of prompt and effective treatment of the first primary lesion.<BR>Multiple cancer involving oral cancer were observed frequently in the multicentric areassuch as the stomach, lung, and esophagus but rarely found in the thyroid.<BR>The patient with double cancer of the tongue and thyroid was found due to material fromradical neck dissection for tongue cancer.
著者
三上 岳彦 高橋 日出男 森島 済 日下 博幸
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

東京首都圏 200 カ所の高密度気温観測データと気象庁 AMeDASの風観測データを用いて、夏季気温分布の時空間変動および要因解明を試みた。夏季の海風卓越日と強い単風日について気温偏差分布の日変化のデータ解析および夏季典型日(夏型)を対象とした気温と風の再現実験(WRF モデル)から、関東平野内陸部での高温域に及ぼす風の効果が明らか担った。また、WRF モデルによる都市型集中豪雨の数値シミュレーションを行った結果、都市の存在が首都圏に降雨をもたらす可能性が示唆された。
著者
里村 雄彦 松本 淳 森 修一 勝俣 昌己 荻野 慎也 横井 覚
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

多数のレーダーのエコー合成図を作成し、インドシナ半島上の台風の全体像を捕らえることができた。長寿命台風では半島上に降水に好都合な気象状況となっていることも示すことができた。数値実験では台風の中心位置が観測と良く一致する結果を得ることができた上、レーダーデータと共に上陸後の衰退期の台風構造を捕らえることにも成功した。また、半島東海岸中部では秋季に特に台風による降雨が多くなることやENSOの影響を強く受けていることも明らかにした。
著者
藤本 幸夫
出版者
麗澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

日本には朝鮮の古書が多く保存されている。これまでそれらに関する研究は十分されていなかった。当人は日本全国の文庫や図書館、必要に応じて英国・台湾所蔵の朝鮮本をも調査・研究してきた。調査項目は28項目で、従来にない綿密な調査である。各書については、出版経緯・刊者・刊地・活字の種類なども詳述し、版が複数の場合には、各版の関係についても明らかにした。朝鮮本の研究は朝鮮学のみならず、中国学・日本学にも資すので、重要である。
出版者
愛知県環境調査センター
雑誌
愛知県環境調査センター所報 = Bulletin of Aichi Environmental Research Center (ISSN:21864624)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-6, 2009-03

光化学オキシダント(Ox)高濃度時の一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、非メタン炭化水素(NMHC)濃度の特徴を明らかにするために、愛知県で測定した常時監視データ等を用いて解析を行った。2007年5月から9月のうち、Oxが高濃度となった一定範囲の気象条件の日を解析対象日とし、局ごとに全ての解析対象日を平均した値(局ごとの特徴)と、日ごとに全局を平均した値(日ごとの特徴)を調べた。朝方(6-9時)のNO2やNMHC濃度の平均値と朝方のOx濃度平均値やOx濃度増加量との間に日ごとの特徴では正の相関があったが、局ごとの特徴では正の相関が見られなかった。一方、朝方のNO濃度の平均値と朝方のOx濃度の平均値について局ごとの特徴では負の相関があったが、日ごとの特徴ではこの相関が見られなかった。これらのことから、朝方の高濃度のNOは局所的な朝方のOx濃度を下げており、朝方の高濃度のNO2やNMHCが、広域的にOx濃度を上げていることが示唆された。
著者
竹見 哲也
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

「台風はどこまで強くなり、想定される風水害はどの程度の規模なのか?」この問いに対して、様々な大気・海面水温の条件において発達する顕著な強度の台風を気象モデルによる数値シミュレーションにより再現し、顕著台風により想定される風水害を評価することを目的とした。実事例の再現シミュレーションとともに、仮に経路がずれた場合にどのような風水害が生じうるのかという観点から、台風の経路を操作したシミュレーションも実施した。関東地方・中部地方・近畿地方において過去に顕著な災害をもたらした事例、さらには2013年11月にフィリピンで大災害をもたらした事例を対象として台風による風水害のハザードを評価した。
著者
関 博紀
出版者
Japanese Cognitive Science Society
雑誌
認知科学 = Cognitive studies : bulletin of the Japanese Cognitive Science Society (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.204-223, 2013-06-01

This study attempted to describe detailed observations of the actual process of ar-<br>chitectural design, which have been performed by a professional architect in Japan.<br> The observations were made on the basis of two surveys: a document survey and an<br> interview survey. The following results were obtained.<br> First, a proposal was composed of multiple modifications that emerged simultane-<br>ously under the different constraints. Second, the emergence of one modification could<br> lead to another, which was called the 'linkage between modifications'. Third, the link-<br>age was observed not only at the level of the modifications, such as 'making the ceiling<br> form like steps' to the next modification 'changing the ceiling height', but also at the<br> level of proposals which were made at intervals of few days. The linkage at the proposal<br> level, which was called the 'coupling of the modifications', tended to include qualitative developments. <br> These results show that understanding the activities involved in architectural design<br> can be one method to pick-up and realise the potentialities of developing architectures<br> that are intrinsic to the building site and not merely a reflection of the architects '<br>aesthetics,self-centredness or calculating activities. This issue might be worth dis-<br>cussing in connection with the concept of 'dwelling perspective', which was presented<br> in anthropology with an ecological perspective by Tim Ingold (2001).
著者
大隅 尚広
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

これまでの研究において,他者からの不公正な金銭の分配を受け入れて利得を得るか,それとも拒絶して互いの利得をゼロにするかという意思決定場面(最後通牒ゲーム)におけるサイコパシー特性の影響を検討した結果,サイコパシーの利己性が高い個人は不公正を受諾する傾向が高いことが示された。この課題における不公正の拒絶は非合理的であるが,公正規範を犯した他者への罰,あるいは公正性の回復(不平等への嫌悪反応)としての意味があると考えられる。そこで,他者への罰の動機を検討するため,他者が意図的に不平等な分配を行った条件と,他者が意図せずに分配金額が不平等になってしまった条件における意思決定を比較した。その結果,実験参加者の拒否率は意図の有無という要因では変わらず,サイコパシーの影響のみが見られた。つまり,これまでの実験における拒否行動には罰の動機は含まれず,不平等への嫌悪反応を基盤としている可能性が示唆された。そして,このことから,サイコパシーによる拒否率の低下は嫌悪反応の低下であるということが推測される。また,この結果は,脳神経イメージングを行った前年の実験の結果,すなわち,嫌悪感情の脳表象であると考えられている前部島皮質が拒否率と相関すること,そしてサイコパシーによって前部島皮質の活動が低下することと整合性をもつ。また,イメージングの結果をさらに解析すると,サイコパシー傾向による前部島皮質の活動の低下が扁桃体の活動の低下と機能的に関連することが明らかになった。つまり,サイコパシーによって不公正が受諾される背景には扁桃体の機能低下の関与が示唆され,サイコパシーの扁桃体の機能低下説を支持した。この結果は,日本パーソナリティ心理学会第19回大会にてポスター発表された。また,国際学術雑誌に投稿予定となっている。
著者
横手 幸太郎 竹本 稔 藤本 昌紀
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、リンパ管の生活習慣病への関与を明らかにするため検討を行った。肥満2型糖尿病モデルマウスの膵臓ではリンパ管が増生しており、膵島においてVEGF-Cの発現が上昇していた。In vitroでの検討では、IL-1βやTNF-αにより膵α・β細胞でのVEGF-Cの発現が誘導された。以上より、糖尿病、肥満で発現が上昇する炎症性サイトカインが膵島でのVEGF-Cの発現を誘導し、膵リンパ管の増生をもたらすことが示唆された。
著者
横大道 聡
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、裁判所「以外」の政治部門の憲法解釈の現状把握とそのあり方について、比較憲法的な見地から検討を行うものである。本研究により、(1)アメリカ大統領の憲法解釈の表明方法として、法案に署名する際に声明を出すという「署名声明(signing statements)」の近年の利用例とその含意、(2)アメリカにおける執行府の憲法解釈補佐機関である司法省法律顧問局(Office of Legal Counsel)の憲法解釈の実態把握とそのあり方、(3)日本における執行府の憲法解釈補佐機関である内閣法制局の憲法解釈のあり方、(4)国会論議や答弁書で示された日本の政府の憲法解釈の論理構造、を明らかにした。また並行して、比較の見地から政治部門のみならず、裁判所の憲法解釈についての研究を行い、(5)近年の憲法判例の動向の総合的調査、(6)違憲審査基準の使われ方についての研究も行った。