著者
河野 真也
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004

近年、128bitという膨大なアドレス空間をもつIPv6の普及により、身の回りすべてのものにIPアドレスを付与し、通信を行えるようにするユビキタスネットワークの実現が近づきつつある。本論文では、バーコードに代わる個体識別技術として、今後広く一般に普及していくことが予想されるRFIDシステムを利用して、ユビキタスネットワークを実現することを目的とする。まず、RFIDタグにIPv6アドレスを割り当てることにより、IPv6ネットワークを経由してタグとの通信を可能にする方式を提案した。また、その際にタグに割り当てるIPv6アドレスとして、タグが所属するネットワークのプレフィックスとタグ固有のIDであるEPCをもとに生成されたIPv6アドレスを用いる方式を提案した。最後に、提案した方式が実現できることを実際にプログラムを作成することで示した。
著者
乕尾 達哉
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、ケンブリッジ大学図書館に所蔵されているW.G.アストン旧蔵の和書のうち、国学著作(霊能真柱、古史徴、たまたすき、入学問答、すずのたまぐし、俗神道大意、くずばな、鬼神新論、古今妖魅考、末賀能比連、祝詞考、祝詞正訓、大祓詞後釈、出雲国造神寿後釈、玉くしけ別本)に記されたアストンおよびサトウの鉛筆書き入れを資料として収集し、分析を加えた。その結果、アストンもサトウも本居宣長、賀茂真淵、平田篤胤らの国学著作の内容を精力的に理解・研究したこと、とりわけ篤胤の国学研究を高く評価していたことが明らかになった。
著者
小沢 聖 桑形 恒男 藤巻 晴行 一柳 錦平 登尾 浩助 後藤 慎吉 徐 健青
出版者
独立行政法人国際農林水産業研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

この原因を解明するとともに、この地下水を有効に利用する栽培システムを開発することである。東北タイの落水水田の土壌水の同位体比(δ18O/δ16O)は、深さ50cmで0時と12時に低下し、深さ70cmでは逆に0時と12時に増加する日変化を示した。この結果は、水蒸気態で深さ30-50cmの土壌水分が0時と12時ころ増えることを示唆する。作物根を深く伸ばすことで12時ころ上昇する土壌水を有効に利用でき、この方法として、溝栽培、穴栽培が有効なことを、石垣、東北タイの圃場実験で証明した。落水水田に存在する地下水は周辺の地下水とは独立しており、雨期に凹地に蓄積されたローカルな資源であった。したがって、その場の落水水田で有効に利用することが望ましい。深さ50cm を対象に、水フラックスを計算したが、水蒸気態による移動は極めてわずかと推察され、水移動の原因、フラックスの解析法等を再検討する必要がある。
著者
高島 英幸 村上 美保子 今井 典子 杉浦 理恵 桐生 直幸
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

英語学習者のコミュニケーション能力の発達の状況を調査した研究である。英語の文構造(語順)の把握力を測る文法テストとスピーキングテストを開発し,2学校,約250~330人の学習者に中学2年生から高校1年生の3年間,1年に1~2回テストを実施し分析した。調査した9つの文法構造のうち,名詞を後ろから修飾する英語の文構造の定着が不十分であることがわかった。特にスピーキングテストでは,発話に時間がかかったり,何も言えない学習者も多く見られた。
著者
川上 浩司 須藤 秀紹 半田 久志 塩瀬 隆之 小北 麻記子 谷口 忠大 片井 修 平岡 敏洋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究課題は、便利の追求で見過ごされて来たが実は人を含む系においては重要であった事項を整理し、効率化や自動化に代わるシステムデザインの指針を探るものである。国内外の動向を整理すると共に、各種のデザイン領域における事例を収集・整理した結果は、学術雑誌や学会で報告するだけにとどまらず、平成23年に一般啓蒙書(不便から生まれるデザイン:DOJIN選書42)にまとめ、web でも逐次発信をしている。また、場のメカニズムデザインへの応用事例は、2013年に閣議決定された計画に盛り込まれた。日用品デザインへの応用事例は、各種メディアで採り上げられた。
著者
川上 浩司 片井 修 塩瀬 隆之 須藤 秀紹 半田 久志 谷口 忠大
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

手間いらずで効率的に要求が満たせる「便利な道具や方式」よりも、むしろ不便な道具や方式に、能動的工夫の余地・対象系の物理的理解促進・自己肯定感の醸成、などの効果がある。我々はこれらを積極的に評価する「不便益」という考え方を提唱し、この視点からの新たなシステム設計方法論の構築を試みた。最終年度にあたる2008年度に得られた成果を以下にまとめる。[不便益の総論:]初年度から継続する各種講演やOSを年に数回開催し、そこで得られた多くの知見の整理を通して不便益の輪郭を明らかにして、HI学会論文誌に総説論文としてまとめた。[不便益の各論:]システムデザインにおける「便利」を基礎づけるものとして、因果に基づく明瞭な説明・分類/分割による高いモジュラリティ・あいまいさの無い推論・中央集権的システム構成に注目し、それらが援用できない「不便」、すなわち均衡(バランス)に基づく説明・明瞭な分割ができないこと・解釈(推察)の多様性・分権的制御などから得られる益を積極的に活用する考え方を提出するとともに、それらのいくつかには具体的な活用方法や数理的基盤を与えた。[不便益の応用:]不便益に関する知見をシステムデザインに応用することによって、その有効性を検証した。適用対象としては、情報伝達に関して「見るのではなく触れることしかできない絵画」や音と画像による情報伝達におけるテロップの効用分析、解釈の多様性に関して比喩表現やピクトグラムによる非言語コミュニケーションの有効性検証と、エージェントシミュレーション、デザインの実践として月に一度のインクルーシブデザインワークショップ(塩瀬)、などを実施した。
著者
吉田 順 等々力 博明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.301-302, 1997-03-12

「東アジアの急速な経済発展はなぜ起きたか」. この問いに対し, 数多くの研究がなされている. とくに, 社会主義圏での市場経済への移行策や経済停滞に見舞われている途上国での構造調整策に関連して, 東アジア地域の経済成長とそれを実現させた政策体系に対する学問的・実践的興味が復活してきているといってよい. 東アジアの経済発展がどうして起こったのか, なぜ東アジアだけで起こったのかという問題に対し, 本研究では, その解答を「各国の政策の相互作用である」とし, モデルを立てることによってその検証を試みることにした. 従来の経済学の範囲内でモデルを立てるというと, 線形連立方程式のようなモデルが想定されるが経済発展は動的な経済市場に対する適応行動によって生み出されたものなので, 静的なモデルでは説明がつかないと考えた. そこで遣伝的アルゴリズムを使って, 環境をマクロな東アジアの経済市場に置き換えると, 各国間の情報多様化 (個体差), 経済環境に適応するための政策相互作用が説明できると考えた.
著者
萩田 浩子
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

Sp6は歯胚特異的に発現する転写因子であり、Sp6欠損は過剰歯やエナメル質形成機転の異常をもたらすと報告されている。Sp6分子の構造と機能の解析は歯胚形成機序の解明、さらに将来の再生の臨床応用に重要な知見となると考えられ、Sp6の翻訳後修飾の有無を確認した本研究の成果はその一助となると考えられる。
著者
神野 雄二
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

日本における篆刻や篆刻家の基礎的研究を、調査研究・文献研究・科学的研究の3種の方法により詳細に進めた。篆刻や印学の史的考察、篆刻家の事跡の調査・研究と作品研究を遂行し、論考として発表した。また、篆刻に関わる傍系の文人・芸術家の事跡の調査・研究と作品研究を行なった。日本における篆刻・印学や篆刻家の研究、それらの広い視野に立った体系的な研究はまだ十分なされていなかった。本研究において、日本の篆刻や篆刻家の歴史的・芸術的・文化史的な面の一端を明らかにすることができ、日本の印学の体系化に向けての研究の深化をはかることができた。
著者
石川 有生 荒井 歩 ISHIKAWA Nao Ayumi ARAI 東京農業大学大学院農学研究科造園学専攻 東京農業大学地域環境科学部造園科学科 Department of Landscape Architecture Graduate School of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Landscape Architecture Science Faculty of Regional Enviroment Science Tokyo University of Agriculture
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.190-198,

現・千葉県我孫子市内に位置していた旧我孫子町南部周辺は,大正時代に入ると主に手賀沼沿いの斜面地に文化人の別荘や住居が建てられ,一種の文化人コロニーを形成した。本研究では,コロニーの概要及び構成文化人を明らかにした上で,文化人の作品に描かれたコロニーの景観構成要素を抽出し,その特徴を分析することを目的とした。描かれた景観構成要素の特徴として以下の結果を得た。(1)身近な動植物や,日常生活における眺望を構成する景観構成要素が多数確認された 。(2)白樺派の構成文化人は,彼らが思想的に求めた美しさや豊かさを,我孫子の 「一般的で身近な自然」の中に見出していた。Abiko city is located in the northwest of Chiba Prefecture. Lying between the Tonegawa River to the north and Lake Teganuma to the south, Abiko is rich in natural features. In the Taisho era, many intellectuals from Tokyo had their cottages on the south-facing slope by Lake Teganuma. The aim of this study is to grasp how intellectuals recognized landscape elements of Abiko in the Taisho era. First, we outline a colony of intellectuals who lived in Abiko. Second, we survey literature by intellectuals that might provide insights into the environment in Abiko. Third, we analyze landscape elements in the literature that was written by intellectuals. Finally, we consider features of the landscape elements of the lakeside environment in Abiko. As for the features of landscape elements that intellectuals wrote about, we obtained the following : the animals and plants living near a colony and one which be able to see in everyday by intellectuals. Especially Shirakaba school, the main group of intellectuals, found out the ideal beauty and happiness through their life in Abiko.
著者
西澤 無我 鳥居 順次 滝澤 順
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.678-683, 2011-05-15

増え続けるデータを格納するためのデータベースとして,近年NoSQL(Not only SQL)データベースが注目されている.既存のRDB(リレーショナルデータベース)は多くのビジネスニーズの適切な選択肢ではあるが,爆発的に増え続けるデータを格納するのには不満が残る.楽天株式会社では,NoSQLデータベースの一種であるキーバリュー型のデータベースROMAを研究開発しており,増え続ける大量のデータへのアクセスに利用している.本稿ではROMAの概要と仕組み,更に社内でのROMAの利用事例について詳述する.
著者
遊佐 真一 川瀬 毅 山子 茂 駒田 富佐夫
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

感温性ブロックおよび C_60 と親和性の高いブロックからなる二重親水性ブロック共重合体を制御ラジカル重合法で合成した。このポリマーは水に不溶な C_60 を水に可溶化できた。この C_60 とポリマーのコンプレックスは体温より少し高い温度でサイズが増加するので体内に導入した場合、温めることでその周辺に C_60 を集積化できる。さらに光照射すると C_60から DNAを破壊可能な活性酸素を発生した。 したがってこのポリマーは光線力学的療法に利用できると期待される。
著者
赤坂 和昭 今泉 啓一郎 大類 洋
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1085-1094, 1999-12-05
被引用文献数
6 8

不斉を有するエタノールアミン骨格と2,3-アントラセンジカルボン酸無水物より, 非常に強い蛍光性を有する2,8-アントラセンジカルボキシイミド型の不斉誘導体化試薬を合成した. この試薬によりメチル基の分岐による不斉を有する分岐脂肪酸を誘導体に導いた後, -50℃〜室温で, ODSカラムを用いたHPLC分析に供したところ, 2〜12位の不斉を識別することができた. NMRやCDスペクトルの解析結果より, この試薬による脂肪酸誘導体は, 試薬のエタノールアミン部で, 試薬の立体化学に依存したゴーシュ/トランス配座を優位にとり不斉の折れ曲がり構造を形成するため, 脂肪酸のアルキル鎖が試薬のアントラセンイミド基の真上を規則的なジグザグ構造をとりながら覆いかぶさるような構造をとることにより, 遠隔位の不斉識別能が発現したものと考えられた. また, 本誘導体は蛍光検出によりfmol レベルの高感度検出が可能であった.
著者
日下部 尚徳
出版者
上智大学アジア文化研究所
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
no.29, pp.137-153, 2011

<特集>21世紀の南アジア(South Asia of the Twenty-first Century)
著者
茅野 剛史 多田 好克
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [プログラミング-言語基礎実践-]
巻号頁・発行日
vol.94, no.65, pp.145-152, 1994-07-21

協調言語であるLindaは,現在UNIXワークステーション上で実現されたものが多い.また,現行のLindaシステムではデータ通信の手段であるタプル空間がひとつのワークステーション上にしかないものが多く,そのためにさまざまな問題が発生している.本研究では,タプル空間がひとつしかないことによって起こる問題を解決するために,タプル空間が複数の計算機上に分散して存在するLindaシステムを提案する.また,効率をあげるためにアプリケーションのデータの扱いによって,分散のさせ方を変更するアプリケーション指向のアルゴリズムを考案する.今回の実現では,既存のシステムを改良し,Lindaのセマンティクスを用いて分散システムを記述した.
著者
越智 鬼志夫
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.188-192, 1969-07-25
被引用文献数
6

本報告は, マツ類を加害する穿孔性害虫であるMonochamus属2種, すなわち, マツノマダラカミキリ M.alternatus HOPE, カラフトヒゲナガカミキリ M.saltuarius GEBLERについて, 主として飼育によってえられた成虫の羽化脱出から産卵までの生態を比較対照して論じたものである。1.成虫の羽化脱出は, カラフトヒゲナガカミキリが4月中旬〜5月上旬, マツノマダラカミキリは6月上旬〜7月下旬であった。2.後食は両種とも羽化脱出後, マツ類の芽や新条, 古い枝の樹皮などで行なわれるが, マツノマダラカミキリのほうが古い枝などの樹皮を多く食べる。3.後食を行ない, 生殖器官の成熟が完了した成虫は, 羽化脱出後3週間前後で産卵をはじめる。産卵は, 樹皮をかじってかみ傷をつけた白色の内樹皮の間に行なわれる。4.産卵期間は, マツノマダラカミキリが約2カ月, カラフトヒゲナガカミキリが約1カ月である。5.1雌当たりの卵数は, 卵巣小管の数では両種とも平均で21.7であったが, 産卵数はマツノマダラカミキリが59〜184,カラフトヒゲナガカミキリでは44〜122であった。6.卵期間は, 5〜10日であった。