著者
竹辺 靖昭 湯淺 太一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.98-109, 2002-09-15
被引用文献数
1

現在の多くのWeb サイトでは,Web サーバ上で動作するプログラムで,データベースへのクエリを行い,動的にWeb ページを生成する処理が行われている.我々は,部分評価の手法を応用し,こうした動的Web ページの生成を高速化するシステムを開発している.このシステムは,Web サイトの開発において広く使用されているPHP という言語を対象とした部分評価器と,部分評価によって生成されたプログラムをWeb サーバに配置するシステムからなる.この部分評価器は,更新の頻度が低いデータを静的と見なすことにより,これらのデータへのクエリを部分評価時に行うことができる.部分評価および生成されたプログラムの配置は,これらのデータが更新されるタイミングなどで行われる.Web ページを生成する時点では,変換結果に残された動的な部分のみが実行される.これにより,リアルタイムに更新される情報を含むページやパーソナライズ機能を持つページなど,さまざまなタイプの動的Web ページを生成する負荷を低減することができる.本論文では,このシステムで使用している部分評価の手法および実装方法を紹介するとともに,パーソナライズ機能を持つWeb ページなどに対して実際にこの手法を適用した結果を報告する.On many Web sites today, Web pages are generated dynamically by programs, which are deployed on Web servers and execute queries to databases. We are developing a system to reduce the cost of dynamic Web page generation on those Web sites. This system consists of a partial evaluator for PHP, a widely used programming language for Web site development, and of a deployment system which installs residual programs to Web servers. This partial evaluator regards those data that are not updated frequently as static and executes queries on them during partial evaluation. This system performs partial evaluation and program de-ployment when such data are updated. On Web servers, only residual programs are executed to generate Web pages. By this method, we can reduce the cost to generate many sorts of Web pages, including personalized Web pages and Web pages that contain real-time infor-mation. In this paper, we describe the partial evaluation technique used in this system and implementation of this system. We also report the result of experiment in which we apply this system to a Web site with personalized pages.
著者
石井 健一朗 杉村 芳樹
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究により、TGFβ/BMPシグナルの活性化が前立腺間質において筋線維芽細胞様の分化誘導に働くことを示した。よって、TGFβ阻害剤により筋線維芽細胞への分化誘導を阻止することが出来れば、肥大症結節の発生や癌細胞の悪性化を抑える新たな治療法や分子標的薬剤の開発に結びつくと考えられた。
著者
広瀬 隆雄
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.263-272, 1986-03-10

The financial world in Japan has appealed many educational demands after the war. And they have had much influence on the tendency of educational policy. What the financial world has consistently demanded is to diversify educational system. Focusing on it, in this paper we intend to clarify its contents historically. Demands of diversifying educational system was founded on two logics. One was of diversity in social demands, the other was of diversity in the individuals. One of the peculiar features in these days is that these demands have been strongly appealed basing on diversity in ability and aptitude of the individuals. It's thought necessary to diversity educational system because of "esteeming individuality and creativity", and this opinion is firmly related to its recognition of the "post industrial society".
著者
赤星 軌征
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

硫黄を含むメチオニンをシステインに代謝する経路の2酵素Cystathionine β-synthase (CBS)とcystathionine γ-lyase (CSE)の欠損は,前者は重篤な病態だが,後者は顕著な症状はない。マウスでは両酵素は肝臓や腎近位尿細管に強く発現するが,本件は不明点の多い腎での生理的役割を探索した。CBS欠損マウスでは毒性の高いメチオニンの尿中排泄の効率が低いのに対し,CSE欠損マウスではCBSによる代謝物の排泄効率が高く,両者の病態差に関わると考えられた。また一見正常なCSE欠損マウスでも妊娠高血圧腎症様の病態があった。両酵素は血管弛緩因子の硫化水素を産生するが,腎内の硫化水素は両酵素の発現部位に高濃度に存在しており,病態への関与が考えられた。
著者
荒瀬 尚
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

マラリアの制御には宿主免疫応答が非常に重要な役割を担っている一方、マラリア原虫には様々な免疫制御機構が存在すると考えられている。一方、我々は、持続感染するヘルペスウイルス等のウイルスには抑制化レセプターを介した免疫逃避機構が存在することを明らかにしてきた。しかし、ウイルスと同様に宿主免疫機構と密接な相互作用をするマラリア原虫に同様な分子機構が存在するかどうかは明らかになっていない。そこで、本研究では、マラリア原虫による抑制化レセプターを介した新たな免疫逃避機構を追求した。その結果、マラリア原虫感染赤血球に抑制化レセプターのリガンドが発現していることが明らかになった。さらに、リガンド分子の同定を試みたところ、マラリア原虫由来の分子がリガンドであることが判明し、マラリア原虫の新たな免疫逃避機構であると考えられた。
著者
駒込 武 冨山 一郎 板垣 竜太 鳥山 敦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、近代日本において「辺境」とされた地域において空間的移動と社会的移動の可能性がどのように開かれていたのか、その中で学校教育がどのような役割を果たしたのかを解明した。具体的には、奄美諸島の経験を基軸としながら、かつて日本の「植民地」とされた台湾・朝鮮や、「内国植民地」と称された琉球諸島・北海道を含めて、これらの地域に生きる人びとが高学歴の取得を通じて脱「辺境」を志向しながらも、その試みが挫折したプロセスを分析した。また、いわば「法制化された不自由」が存続した時代に構築された資本格差が、「法制化された不自由」撤廃後の不平等を存続させるための重要な因子としての役割を果たしたことを指摘した。
著者
岩崎 仁 萩原 博光 坂東 忠司 安田 忠典 中瀬 喜陽 土永 浩史 土永 知子
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

驚異的な「博物学的知識」が南方熊楠の第一の特徴であるが、一方で彼は日本の先駆的自然保護活動家として評価されている。本研究によって、彼の自然保護活動は、熊野地方を対象とした緻密な自然生態系調査、特に1900~1904 年の那智における植物標本採集を中心としたフィールド調査を絶対的な基礎としていることが明らかとなった。さらに、この時期の植物・生態学的な研究活動が、後に形成される熊楠の思考体系全体、民俗学や宗教学的側面にまで深く影響していることがわかった。
著者
田村 孝
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

今年度は、ペルガモン王国の遺した遺物(美術品)について、集中的な研究を行った。第一に、8月にベルリンのペルガモン美術館を再訪し、ここに所蔵されている「ゼウスの大祭壇」に施されている浮彫の実見と写真撮影をおこなった。この王国がいかなる意図をもってこのような巨大な浮彫を造り、公衆の目に触れるところに展示したのかは、王国のおかれた国際的な立場や国王権力の大きさを表象していると考えられるが、そうした意義を深く追求かつ考察するためにも、まず実見が重要なのである。さらに平成19度の訪問した際に見られなかったペルガモン国王「アッタロス一世」の頭像も実見・撮影した。第二に、同じ調査旅行でローマ国立博物館所蔵の「妻を殺して自害するガリア人の首領像」、「アッタロス二世全身像」、またヴァティカン美術館に所蔵されている「ガリア人頭像」、「戦うペルシア人像」、カピトリーニ美術館所蔵の傑作「瀕死のガリア人像」、ナポリ国立考古学博物館に所蔵されている「エウメネス二世青銅頭像」、「フィレタイロス頭像」などペルガモン彫刻の傑作(あるいはその模刻像)を実見し撮影に成功した。第三に、J.J.Politt, Art in the Hellenistic Age, Cambridge, 1986(2008) ; F.Queyrel, L'autel de Pergame, Paris, 2005を始めとするヘレニズム時代の美術史(彫刻史)関係の著作を精読した。これらは古代東地中海世界のヘレニズム諸王国がおのれの政治権力を内外に広く知らしめる表彰として、神話世界における大征服物語に関する浮き彫りを施した巨大記念建築物を造りあげたことを詳述した著作で、ヘレニズム時代における一王国が戦乱の相次いだ時代をどのようにして生き抜いていったのかを考察する上で極めて重要な意義をもつものなのである。
著者
小濱 靖弘 三村 務
出版者
大阪大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

魚類由来ACE阻害ペプチドtuna AIの血管内皮細胞機能への作用を牛大動脈内皮細胞(BAEC)培養系を用いて解析した。アンジオテンシン11産生-BAEC培養系におけるアンジオテンシンIからIIの産生を多形核白血球(PMN)の遊走法(Boyden法)で測定したところ、tuna AIはこの系におけるアンジオテンシンII産生を抑制した。遊走、増殖-血管損傷や血管新生時に最初に起こる現象の遊走、増殖について、テフロンフェンスで接触阻害したBAEC培養系を用いて調ベた。Tuna AIは内皮細胞の遊走、増殖を増強した。また、tuna AIはBAECにおけるインターロイキンI産生およびマイトーゲン(PDGF,c-myc)のmRNAの発現量を増加し、これらの作用は遊走、増殖の増強につながる変化と考えられた。しかし、tunaAI自身は増殖因子活性及びプロテアーゼ阻害活性を示さなかった。抗血栓性- ^3H-アラキドン酸を取り込ませたBAECからのアラキドン酸及び抗血栓性PGI_2の遊離に対して作用を示さなかった。血管トーヌス-内皮細胞が産生する最も強力な血管収縮物質エンドセリンの産生を有意に抑制した。一方、弛緩物質のNOの産生に対して作用を示さなかった。血管内皮細胞に備わっている様々な生理機能の傷害ならびにそれにともなってもたらされる細胞膜等の構造破壊は動脈硬化や心筋硬塞の初期病変として注目されている。また血管平滑筋やコラーゲン繊維等の基底膜を含めた血管壁における様々な液性因子による機能調節機構が次第に明らかとなってきている。今夜、食品ペプチドの血管内皮細胞に対する作用のメカニズムの解析とともに食品の第三次機能因子としての有用性についてさらに研究を進めて行きたいと考えている。
著者
緒形 康 嘉指 信雄 田中 康二 樋口 大祐 濱田 麻矢
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

具体的内容 3年間の研究成果をまとめた学術論文集の執筆を中心とした活動を行い、緒形康編『一九三〇年代と接触空間-ディアスポラの思想と文学』双文社出版、2008年3月を出版した。意義 一九一四年から四五年における神戸の文化研究を進める中で、仁川、釜山、ソウル(韓国)や青島、上海、広州、台北(中国・台湾地域)等と神戸が有したネットワークが、複数文化の共生の技法を生み出す上で重要であることが明らかになった。本書は、そうした東アジア海港都市のネットワークが大きな社会的・文化的な役割を担った一九三〇年代を取り上げ、総力戦・戦時動員体制・ファシズムといった様々な位置付けがなされてきたこの時代を新しい視点から再考した点に学術的意義がある。重要性 一九三〇年代における亡命やディアスポラは、既存の国家や共同体からの離脱という形だけではなく、共同体内部の再編、あるいは個人の内面における転向や共同幻想の再編という形でも出現した。その先に現れるのは、様々な背景を持つ異文化間の「接触空間」(contact zone)である。本研究の重要性は、異文化の対立と衝突を超えて共生し合い、領有化された新たな接触空間の可能性を、亡命とディアスポラという政治的・文化的背景の中に探ろうとしたことである。
著者
遠藤 泰弘
出版者
松山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

従来必ずしも本格的な研究対象とはされてこなかった、第二帝政期ドイツの穏健的自由主義思想を、積極的な政治秩序構想の1つとして評価できることを示した。具体的には、ドイツ団体思想の大家オットー・ギールケ(1841-1921)と、その弟子でありヴァイマル共和国憲法の起草者であったフーゴ・プロイス(1860-1925)の国家論を、同時代の支配学説との対比において理解し、「不徹底」と評価され続けてきたギールケ国家論は、まさに「不徹底」であるがゆえの絶妙のバランスを保っていたのであり、この点をむしろ政治構想としての強みとして積極的に評価しうることを明らかにした。

1 0 0 0 OA 帝鑑図説 2巻

著者
(明)張居正,(明)呂調陽//撰

古活字版。本書は慶長11年(1606)豊臣秀頼が出版したもので秀頼版と称される。中国古代から宋代までの君主の事蹟の中から善事、悪事を選び出し、一事ごとに挿絵及び解説を加えた帝王教育の書。万暦元年(1573)の序を持つ明版を底本とする。古活字版史上最初期の絵入り本。挿絵は整版で、丁の表裏にわたっている。近世初期、狩野派の絵師たちが画題とした帝鑑図は、この『帝鑑図説』の挿絵から影響を受けたといわれる。本書には、巻末に跋文のある有刊記本とこれを除いた無刊記本、さらに異植字版(同種類の活字を用いて組み換えた版)などがあるが、この資料は無刊記本である。各冊末に慶長18年(1613)足利学校第十代庠主寒松の奥書がある。
著者
秋山 弘之 山口 富美夫
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 屋久島の蘚苔類相については, 新種2種を含む, 蘚類44科160属, 355種1亜種18変種2品種, 苔類37科87属304種2亜種2変種, ツノゴケ類1科5属6種が屋久島から報告されていることを確認した.我々の調査手法により, 68年ぶりに生育を確認されたフウチョウゴケに代表されるように, 多数の絶滅危惧植物の屋久島における分布状況が把握された. その一方, 20年前には豊富に産していた葉上着生苔類の減少が著しいことが明らかと成った.(2) 屋久島における蘚苔類の種多様性は, 淀川小屋周辺の林内にあることがわかった. 一方, 屋久島低地亜熱帯林から報告されている種については, 今回の調査でも確認することができない種が少なくなく, この地域での保全活動が緊急であることが示された.(3) 屋久島産ケゼニゴケには, 2倍体と3倍体の集団があり, それぞれ低地と高地にすみわけを行っていた.また, 屋久島3倍体は本州の3倍体集団に較べ, 琉球地域の2倍体集団に遺伝的により近いことがわかった.
著者
田中 規夫 湯谷 賢太郎
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は(1)ヒメガマとマコモの刈取り後の生長特性の比較と、(2)ダメージを受けたヨシとオギの競合優位性の変化の解明、の2点に大きく分けられる。ヒメガマの地上器官に対する水面上時期別刈取りを2003年5,7,8月に,マコモの7月刈取りを2003年に実施した。刈取りの影響は刈り取った後の葉の再成長特性,地上部・地下部バイオマス,芽の特性,地上部・地下部中のTNC含有率の動態により,両種の戦略の相違を把握した。2003年7月刈取りの影響を同年12月における地下茎量で調査したところ,ヒメガマは刈取らない場合より約30%減少したのに対し,マコモはほとんど減少しなかった。ヒメガマは茎の根元に形成される芽の構成率を拡大に関連する芽に比して大きく減少させたのに対し,逆にマコモは増加した。刈り取られたシュートを急激に再成長させるヒメガマとは対照的に,マコモは一次シュートの再成長に加え,その場の占有を高める二次シュートを多数成長させ地下茎量を維持している。生長モデルの応用に関連して、ダメージを受けたヨシとオギの優位性の変化を解析した.オギ・ヨシともに折れる規模の洪水を導入した場合,洪水導入間隔1年であれば両種とも群落の維持が危うくなる.洪水導入間隔が2〜5年程度であれば,混成群落が続く可能性があり,洪水間隔が大きくなると,オギの優位性が回復しヨシはオギに駆逐される可能性がある.そして自然再生を図る上で洪水導入を検討するのであれば,洪水間隔2〜5年が適当であり,ヨシのみが折れる規模の洪水導入は避けるべきであるといえる.
著者
工藤 栄 田邊 優貴子 飯田 高大 辻本 惠 小川 麻里 伊村 智
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.421-436, 2008-11-28

第49次日本南極地域観測隊(第49次)夏隊において,湖沼観測として湖沼環境観測,生物・生態学的研究試料としての湖水と湖底の生物群集採取,及び現場実験を宗谷海岸露岩域にある複数の湖沼で実施した.この湖沼観測報告は南極観測事業第VII期計画の一般プロジェクト研究(P3)「極域環境変動と生態系変動に関する研究」及びモニタリング研究観測(M4)「生態系変動のモニタリング」の両課題にかかわる観測を記録したものである.野外観測は2007年12月22日から2008年2月13日の期間,砕氷船「しらせ」が昭和基地沖近傍に滞在中に実施した.今回は夏季の湖沼環境変動と湖底の生物(藻類群集)の応答を集中的に観測すべく,スカルブスネスの長池にて観測とサンプリング・現場実験を繰り返し実施する一方,きざはし浜生物観測小屋から徒歩日帰り圏内にある周辺の14湖沼,及びヘリコプターを利用した日帰り観測にてスカルブスネス東部の4湖沼,及び他の露岩,スカーレンにあるスカーレン大池,ラングホブデ域の雪鳥池・東雪鳥池,ぬるめ池にて湖沼水質環境観測と試料採集を適宜実施した.このうち,スカルブスネス東部のなまず池 (仮称)では潜水による水中設置ビデオ装置の回収と,湖底のコケ類・藻類が作り上げている「とさか・筍状」の群落の採集,ラングホブデぬるめ池では湖底から小型カイアシ類の定量サンプリングを実施,これらを研究試料として日本に持ち帰ることができた.また,第47次隊により雪の堤防の決壊の発見(第46次越冬期間中に決壊したとみられる)が報告されたラングホブデ南部の平頭氷河末端にあった「氷河池」(仮称)の現状視察も実施,決壊前後での3m以上と思われる大幅な水位変動痕からフィルム状の生物試料を採集し持ち帰った.
著者
松村 寿枝
出版者
奈良工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,音声分析を用いた疲労検出システムの開発を目的にシステムの構築を行った.まずVDT作業後の音声データを収集し,音声分析を行い,基本周波数,パワー,継続時間長を求めた.結果,疲労時には約55.6%のデータで,基本周波数の低下,平均パワーの低下,継続時間長の増加がみられた.次に上記の特徴量を用いた疲労検出システムを構築した.その後10名の被験者で使いやすさの評価を行い,その評価を参考にシステムの改良を行った.結果,本システムは使いやすさが向上した.