著者
鈴木 実
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.12, pp.5-12c, 1976-12-20

昭和50年7月21日〜7月23日,9月18日〜9月20日,11月17日〜11月19日,12月19日〜21日と昭和51年2月16日〜2月19日の5回にわたり山口県笠戸島周辺に生息する海浜動物物の分類学的・生態学的な調査を行なった。その結果,見出された殼アメーバ類,太陽生類,腹毛生類,ナマコ類などはすべて日本未記録種であり,このほかヒドロ虫類,輪毛虫類,棘皮虫類などにも若干の日本未記録種が見出された。
著者
長沼 毅 今中 忠行 伊村 智 内田 雅己 大谷 修司 神田 啓史 黒沢 則夫 幸島 司郎 高野 淑識 東條 元昭 伴 修平 福井 学 星野 保 宮下 英明 吉村 義隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は地球環境の健康診断「国際極年」の中核計画として実施されたものである。地球環境変動のうち温暖化の影響は南北両極、特に環境変動に鋭敏に応答する微生物の生態に顕著に現れる。そこで本研究では初めて総合的な極地微生物の生態調査を行った。極域および高山氷河域に生息する微生物の種類と現存量および固有種・汎存種を調べることで、今後の変遷を評価する上で必要になる「国際極年参照データ」を残すことができた。

1 0 0 0 OA 続日本史

著者
一色重熈 著
出版者
甫喜山景雄
巻号頁・発行日
vol.巻之5, 1882
著者
SAVELIEV Igor 櫻井 龍彦 浅川 晃広 劉京 宰
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

研究代表者と研究分担者は、中華人民共和国(上海、広州、深セン、香港、延辺地方)、ロシア(ウラジオストク、ハバロフスク、ウスリイスク、モスクワ、サンクト・ペテルブルグ)、大韓民国(ソウル、釜山、安山、インチョン)、ウズベキスタンにおいて、現地調査を実施、収集したデータをもとで、中国朝鮮族とロシア・コリアンの移動要因とパターン分類、移動先国家や域と朝鮮族社会との諸関係など及び中国朝鮮族やロシア・コリアンのネットワーク形成過程などを解明し、その研究成果を、韓国、ロシア、日本の国際シンポジウムにおいて発表し、さらに学術論文・図書においても発表した。
著者
尾関 幸
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ドイツ・ロマン主義美術に特有の図像とされる「友愛図」は、西洋美術に見られる「明・暗」「聖・俗」「静・動」「善・悪」等の図像伝統に依拠しつつも、二者間の弁証法的な統合を強調するものである。それは「分かれ道のヘラクレス」「アモルとプシュケ」といった過去の図像伝統から発し、そこに「和解」という新たな意味を付け加えた。対概念として表現される友愛図像は、分析的時代であった十八世紀を超克し、再び宗教改革以前に存在したと信じられた全体性を希求する時代精神を象徴しているのである。
著者
原田 洋 阿部 聖哉 目黒 伸一 持田 幸良
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

環境保全林の機能と構造を研究するため川崎市東扇島と熱海市の環境保全林を対象とした。リターフォール量とその季節的変動を明らかにすると同時に林床に堆積するリターの分解率を測定し、土壌動物の現存量との関係から、環境保全林の管理手法の基礎を確立するとともに、土壌動物相から環境保全林の自然性の回復の度合いを判定すること、樹木による煤塵の捕集量や樹種による付着量の差、ならびにCO2固定量の推定など環境保全林の機能と動態を総合的に把握することを目的としている。リターフォールの月別変化は東扇島では5月に落下量が急増し、夏期は少し減少するが、熱海では初夏にピークが現われている。この落下パターンの違いは熱海のほうが標高が高いため、温度の上昇時期が1.5ヶ月ほど遅くなることによるものである。リター堆積量と落葉量から平均分解率を算出すると、東扇島では64%、熱海では84%であった。これは落葉を摂食する土壌動物の現存量の差によるものであろう。CO2固定量は、m^2あたり熱海では31.3kg(平坦地)と58.7kg(マウンド上)で、1年間にそれぞれ9.1kg,8.4kg増加した。東扇島では23.4kgと25.1kgとなり、1.1〜1.2kg増加した。若齢林の熱海で高いのは立木密度の差によるもので、淘汰されるにしたがい一定量になるものと考えられる。樹幹流中煤塵量は熱海では9本の合計値で50〜60g、東扇島では6本の合計値で110〜170gとなった。樹木サイズは東扇島のほうが大きいが、煤塵量も多くなっている。また、雨量は林外前のほうが多いが,両地域とも林内雨中煤塵量が多く、環境保全林のもつ煤塵捕集機能の高さが確認された。土壌動物群数は熱海のほうが多く、土壌動物による自然の豊かさ評価においても高い値を示した。これは若齢林であっても周辺に土壌動物の供給源となる自然環境が存在しているからである。また、ササラダニ類による自然性の評価においても東扇島より熱海で高く、関東地方の社寺林や明治神宮林なみの高い評価となった。
著者
長井 圭治
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

レーザー核融合に置ける燃料球には、1.低原子番号元素材料からなること2.真球性が高いこと3.壁厚が均一であることが求められ、これまで有機高分子で加工性に優れるポリスチレンによって以上の性能を満たすターゲットが開発され実験に供されている。一方で低原子番号元素材料である有機材料の分野では近年さまざまな機能材料(耐熱性、高弾性率、導電性等)が発見、開発されており、実用に供されているものも多いが、レーザー核融合には活用されていない。以上の状況を踏まえ、次の研究を行い成果を収めた。1.高性能燃料球へ向けた機能性有機材料開発導電性材料、光電子材料ではキャリヤによるプラズマのためレーザー照射による不均一なダメージを抑制し、核融合反応に必要な高密度が期待される。このための材料に関する基礎物性とレーザーアブレーション制御の可能性を明らかにした。1-1.有機光起電力材料として知られるPV/H2Pc積層薄膜の反射スペクトルを初めて明らかにした。1-2.PV膜の蛍光のH2Pc積層による消光測定から、PVの励起子とPV-の強い相互作用を明らかにした。1-3.PV/H2Pc積層薄膜をポリスチレンにコートするとレーザー入射側から、均一に、しかもポリスチレンにダメージを与えることなくアブレーションが起こることを明らかにした。2.エマルジョン法による燃料球の精密作成法2-1.エマルジョン法による燃料球作成における、真球性・均一性発現機構に関して、エマルジョン相間にごくわずかの密度不整合が存在することが、均一性向上に有用なことを理論的に明らかにした。2-2.エマルジョン法による燃料球作成における、溶媒の除去過程において、加熱よりも、水相への溶媒の溶解が律速であることを明らかにした。3.いわゆるフォームハイブリッド爆縮方式は流体不安定性を抑制すると期待されているが、その実験には低密度プラスチックをコートした燃料球が必要である。低密度プラスチックを通常のプラスチックにコートするような、球殻構造に精密化したターゲットを作成し、爆縮実験に供した。
著者
太田 憲治 本田 新九郎 大澤 隆治 永野 豊 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.7, pp.61-66, 1999-01-25
被引用文献数
2

本稿では、仮想空間、並びに仮想空間上のオブジェクトの実感をより高める手法を紹介する。コンピュータネットワーク上に3DCGを利用した仮想空間を構築し、仮想空間上での活動、遠隔地にいる他者とのコミュニケーションが可能な場を提供する研究が盛んに行われており、我々も在宅勤務を支援するための仮想オフィスシステム"Valentine"の研究を行ってきた。しかし現在の仮想空間においては、画面を見ることによって情報を得ることがほとんどであり、得られる情報も現実世界で得られる情報と比較するとごくわずかである。また現実世界と仮想空間における行動はほとんどの場合異なっている。この現実世界と仮想空間との差が、仮想空間に対する実感の妨げになっていると考えられる。そこでValentineでは、ユーザの身振り情報をアバタに反映させることによりノンバーバル情報の伝達を行い、握手デバイスを用いた仮想握手を実現した。また、風力測定デバイスを作成し、画面上に息を吹きかけることによって仮想空罰上のオブジェクトを操作することを可能にした。In this paper, we propose the new technique which can let us realize a virtual space and object further. Now many researchers have constructed 3D virtual space, in which people can take a walk, do shopping, communicated with distributed members and so on. We also have built a virtual office system "Valentine" which supports home office workers. However in many systems users get almost all information only by watching picture, and it is much less than in the real world. There are many obvious differences between the action in the real world and the virtual space in most case. we can consider that those differences prevent us from realizing the virtual space. So in our office system we transmit "non-verbal information" by letting the avator reflect user's state and action, and realize "virtual handshake" by using the handshake device. We also make device that measures the strength of the wind. This makes it possible that users can handle objects in the virtual space by only blowing it.
著者
横江 未央
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

1.精米の賞味期限の設定精米の賞味期限が明らかでないため小売店や消費者は搗精年月日のみで精米の新鮮さを判断し,そのため,品質劣化していない精米が工場に返品されている。そこで,精米の賞味期限設定のために普通精米と無洗米を試料とし1年間の貯蔵試験を行った。その結果,理化学測定に比べ官能試験は米の食味の劣化を早く敏感に捉えられることがわかった。そこで官能試験を賞味期限設定のための最重要測定項目と考え賞味期限の設定を行った。本試験では精米の賞味期限は普通精米,無洗米ともに温度25℃で2カ月,20℃で3カ月,15℃で5カ月,5℃で7カ月が適当であると考えられた。2.北海道米および府県米の食味と品質の評価現在,米の生産や販売価格は,品種や産地銘柄の影響が強く反映されている。そのため,府県米に比較して北海道米は消費者のイメージが悪く,価格も低い。しかし近年,品種改良,栽培技術,ポストハーベスト技術の向上により米の品質および食味はおしなべて向上している。そこで,生産年,産地および品種が異なる56種類の試料を用いて,各種の理化学測定と官能試験を行い品質と食味を評価した。その結果,北海道米はタンパク含量とアミロース含量が府県米に大きく近づいていることが明らかとなった。また官能試験の結果から,北海道米の食味は府県米と同程度もしくはそれ以上であった。この結果は,品種や産地銘柄の影響が強く反映されている米市場の適正化につながると考える。

1 0 0 0 血小板製剤

著者
半田 誠
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.495-497, 2009-10-01
被引用文献数
1 5

Points<br>(1) 血小板輸血の目的は,血小板の量的,質的低下に基づいた出血の予防(予防的投与)や治療(治療的投与)である.<br>(2) 輸血に用いる血小板濃厚液は,厳密な保存条件で,使用期限はわずかに4日間である.<br>(3) 輸血の適応は,1)血小板数のみではなく,2)出血症状(出血スコア)や3)成因や合併症,侵襲的処置の有無等の出血リスクを勘案して,総合的に判断する.<br>(4) 白血病等の造血器疾患や化学療法に伴う造血障害での予防的投与(内科的予防投与)の血小板基準値(トリガー値)は1~2 万/μl である.<br>(5) 外科手術時の過剰出血の予防(外科的予防投与)や活動性の出血の治療(治療的投与)では,血小板数5 万/μl 以上を目標に輸血する.<br>(6) 標準は10 単位製剤で,輸血で3~5 万/μl 血小板数の増加が期待され,基準値を維持するには造血停止状態では週2~3 回の輸血が必要である.<br>(7) 輸血翌日の血小板数を測定して,効果判定を習慣づけ,輸血不応があった場合は,その原因を検討して,対応する.
著者
赤堀 侃司 藤谷 哲 松田 岳士 中山 実 加藤 浩 福本 徹 加藤 浩 福本 徹
出版者
白鴎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、教員や研究者が場所、時間、専門分野などの制約を越えて教育実践知を可視化・共有し、再構築できる"場"としての電子ネットワーク基盤を開発し、実践的評価を通してその有効性を検証することであった。具体的には次のような研究課題に取り組んだ。(1)教育実践知の可視化・共有を支援する電子ネットワーク基盤の要件や支援方法に関する調査・分析。(2)場所・時間・専門分野などの制約を超えて参加者の結びつきを促進するSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の開発。(3)教育実践知を自動的に可視化し、関連知識を結びつけて強化する機能の開発。実践評価の結果、分散した実践知の共有には、知識の自動的な可視化と、関連する分散知を集合知へ変化させることが有効であることを明らかにし、本研究課題で開発したネットワーク基盤が、さらなる知の再構成、創造を促進する可能性を示した。
著者
原 暉之 井竿 富雄 池田 裕子 井澗 裕 ウルフ ディビッド 神長 英輔 越野 剛 塩出 浩之 竹野 学 田村 将人 三木 理史
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

サハリン島近代史の全体像の叙述を最終目的とし、その第1段階として日露戦争前後の時期に焦点を当てた論文集『日露戦争とサハリン島』を刊行した。本書は、帝政期ロシア領時代のサハリン島史、日露戦争サハリン戦、国境変動後の住民生活を総合的に描いたはじめての業績である。また、国際シンポジウムをほぼ毎年開催することで、サハリン島史研究の国際的ネットワークを確立させ、日露間の相互歴史認識の進展にも大きく寄与した。さらに、サハリン島史研究のための資料基盤の共有をおこない、共同研究の基盤構築を進めた。
著者
御厨 貴 翁 邦雄 飯尾 潤 牧原 出 金井 利之 清水 唯一朗 菅原 琢 高橋 洋
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1990年代は、戦後の日本政治の転換点として、長く記憶される10年となろう。特に、内閣と省庁に関しては、90年代前半には自民党の下野と政権交代、後半には省庁改革と内閣機能の強化が図られ、大きく変容を遂げることとなった。本研究では、こうした変化の背景や原因のみならず、その帰結に至るまでを、オーラル・ヒストリーと省庁人事の研究、ならびに多分野の専門家との共同研究によって複合的に明らかにした。
著者
加藤 一彦
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本の議院内閣制の特質に関する研究である。特に、参議院が「強い権限」を行使したとき、内閣統治がどのような変化を経験するかについて、論究した。その中で、(1)両院協議会の改革の方向性と立法改革の必要性、(2)内閣の連帯責任制が、事実上、個別大臣責任制に変化し、政治過程において内閣権限の強化が困難になった点を解明した。