著者
長谷川 精 吉田 英一 勝田 長貴 城野 信一 丸山 一平 南 雅代 淺原 良浩 西本 昌司 山口 靖 Ichinnorov Niiden Metcalfe Richard
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-05-11

Spherical Fe-oxide concretions on Earth, in particular in Utah, U.S.A, have been investigated as an analogue of hematite spherules discovered in Meridiani Planum on Mars, in order to support interpretations of water-rock interactions in early Mars. Although several formation mechanisms have been proposed for the concretions on Earth and Mars, it is still unclear whether these mechanisms are viable because a precise formation process and precursor of the Fe-oxide concretions are missing. Here, we show evidence that Fe-oxide concretions in Utah and newly discovered Fe-oxide concretions in Mongolia, had spherical calcite (CaCO3) concretions as precursors. Observed different formation stages of calcite and Fe-oxide concretions, both in the Navajo Sandstone, Utah, and the Djadokhta Formation, Mongolia, indicate the formation process of Fe-oxide concretions as follows: (1) calcite concretions initially formed by groundwater evaporation within aeolian sandstone strata; (2) the calcite concretions were dissolved by infiltrating Fe-rich acidic waters; and (3) mobilized Fe in acidic waters was fixed to form spherical FeO(OH) (goethite) crusts on the pre-existing spherical calcite concretion surfaces due to the pH-buffering dissolution reaction. The similarity between these Fe-oxide concretions on Earth and the hematite spherule occurrences in Meridiani Planum, combined with evidence of acid sulfate water influences on Mars, suggests that the Martian spherules also formed from dissolution of pre-existing carbonate concretions. Formation of recently discovered spherical-shaped nodules in Gale crater on Mars can also be explained by a similar process, although evidence of acid water influence is not obvious in lower strata of the Gale crater. The hematite spherules in Meridiani Planum and spherical nodules in Gale crater are possibly relics of carbonate minerals formed under a dense thick carbon dioxide atmosphere in the past.
著者
吉田 英一 山本 鋼志 長谷川 精 勝田 長貴 城野 信一 丸山 一平 南 雅代 浅原 良浩 山口 靖 西本 昌司 Ichinnorov Niiden Metcalfe Richard
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

海成堆積岩には,球状の炭酸塩コンクリーション (主にCaCO3)が普遍的に産出する. その形状は多くの場合,球状を成し,かつ非常に緻密で風化にも強く,またその内部から保存良好の化石を産する. しかし,なぜ球状をなすのか,なぜ保存良好な化石を内蔵するのかなど,その形成プロセスはほとんど不明であった.それら炭酸塩球状コンクリーションの成因や形成速度を明らかにすることを目的に,国内外の試料を用いて,産状やバリエーションについての多角的な調査・解析を行ってきた.その結果,生物起源の有機物炭素成分と堆積物空隙水中のカルシウムイオンが,急速(サイズに応じて数ヶ月~数年)に反応し,炭酸カルシウムとして沈殿しつつ成長していくことを明らかにした(Yoshida et al.,2015, 2018a).そのプロセスは,コンクリーション縁(反応縁)の幅(L cm)と堆積物中での重炭酸イオンの拡散係数(D cm2/s)及び反応速度(V cm/s)を用いてD = LVと単純化できることから,海成堆積物中の球状コンクリーションに対し,汎用的にその形成速度を見積もることができる(Yoshida et al.,2018a,b).また,風成層中においては,アメリカ・ユタ州のナバホ砂岩層中の球状鉄コンクリーションがよく知られているが,ゴビ砂漠やヨルダンの風成層中からも産出することを初めて確認した.これらの球状鉄コンクリーションは,風成層中の空隙水の蒸発に伴って成長した球状炭酸塩コンクリーションがコアとなり,鉄を含む酸性地下水との中和反応によって形成されることを明らかにした(Yoshida et al.,2018c).さらに,このような酸性水と炭酸塩との反応は,火星表面堆積層中で発見された球状鉄コンクリーションの生成メカニズムと同じである可能性がある(Yoshida et al.,2018c).本論では,これら球状の炭酸塩および鉄コンクリーションの形成メカニズムと,将来的な研究の展開について紹介する.
著者
川上 直秋 吉田 富二雄
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.318-329, 2013-09-01 (Released:2014-12-05)
参考文献数
29
被引用文献数
1

We examined the effect of subliminal mere exposure on the implicit group evaluation,focusing on the typicality of group members. Recent researches on the mere exposure effects have suggested the important roles of the cognitive factors on preference forma-tion. We considered the exposures to non-typical members in a group as the factor of heterogeneity, investigating the optimum level of heterogeneity to improve the implicit “Otaku” evaluation. We hypothesized that exposure to a few heterogeneous members in a group would have a stronger effect. In the experiment, ten group members were subliminally presented as “Otaku”, and the number of the typical members in the ten members was manipulated. Then their implicit “Otaku” evaluations were measured using the Go/No-go Association Task (GNAT). The results showed that the exposure to the seven typical and three non-typical members produced the most powerful effects in all conditions, whereas the exposures which contained more non-typical members than typical members had no effect. The roles of heterogeneity in mere exposure effect and implications for the unconsciousness of the higher mental processes were discussed.
著者
大仲 雅之 西川 宏樹 石原 万理子 西山 敦子 吉田 さやか
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.96-101, 2018 (Released:2018-03-31)
参考文献数
16

気管支喘息診療において, ロイコトリエン受容体拮抗薬 (leukotriene receptor antagonist : LTRA) は, 重症度を問わず, 単独もしくは吸入ステロイド薬との併用薬として幅広く推奨されている. 一般に副作用は少ない薬剤であるが, 代表的なLTRAの1つであるモンテルカストの添付文書には, 頻度不明の副反応として異夢や夢遊症の記載がある. 今回われわれは, モンテルカスト服用後に睡眠時遊行症 (夢遊症) 症状を呈した症例を経験した. 症例は7歳男児. 食物アレルギーのため外来で経過観察中であったが, 某年9月ごろ, 起床前の激しい咳嗽が持続するようになった. アレルギー歴, 環境抗原への感作, 咳嗽の様式などから気管支喘息症状と考え, モンテルカストの内服を開始した. 内服開始後2日目から2日続けて睡眠時の異常行動を認めた. 内服を中止したところ, 症状は速やかに消失したことから, モンテルカスト関連の睡眠時遊行症様症状と思われた. モンテルカストによる同様の報告はまれであるが, 他の精神神経症状を生じることもあるとされており, 処方開始時には注意を喚起する必要があると思われた.
著者
有吉 慶介 脇田 昌英 美山 透 吉田 聡
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

平成29年度の貫通観測に関して,観測準備として,気象センサーの防水防爆対策として既成のプラスチックケースからアルミケースへの差し替え,ソーラーパネルの独立固定方式への変更,表層連続観測用のドラム,UWTVへのCTD取付工具などを購入した.GNSS-Rの観測については,当初の計画には盛り込まれていなかったが,海面高度の精密観測をする上で必要なため,九州大学からの協力を得て実施することにした.これらの観測機器を用いた他,GNSS-Rや表層連続観測装置などを借用手配することにより,地球深部探査船「ちきゅう」が清水港に停泊している期間を狙って,2017年11月30日~12月1日に気象センサー,海水の表層・鉛直のCTD装置,GNSS-Rの設置,2018年1月10日~12日に鉛直CTDと表層連続観測の電池交換を兼ねた動作確認,2018年2月27日に観測機器の撤収を行った.回収データを解析した結果,どのセンサーも,動作環境などで問題があったものの,きちんと設定すれば同時連続観測が出来ることを確認した.これらの成果は, Ocean Sciences Meeting, Blue Earth Science Technology 等で発表した他,マサチューセッツ工科大学(MIT),カーネギー研究所,ハーバード大学,アメリカ海洋大気庁 (NOAA) などでもセミナーとして発表した.また,来年度に開催する国際学会(JpGU, AOGS) でもセッションを提案し,採択された.さらに,上記の学会の場を通じて,貫通観測に関して,国際学術誌での特集号も組まれることとなるなど,国内外での反響も得られた.
著者
小西 徹夫 児玉 佳之 長岡 康裕 吉田 晴恒
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.501-505, 2014 (Released:2014-06-04)
参考文献数
12

【目的】消化管閉塞をきたした膵がん患者に対し倫理的考察を行い, チームが共通の理解基盤のもとで治療方針を決定し, 技術的工夫を行った減圧目的の経皮内視鏡的胃瘻造設術と摂取可能な食品の検討で患者のQOLが改善したため報告する. 【症例】80歳代, 女性. 膵がん末期でbest supportive careにて自宅療養をしていたが, 十二指腸浸潤から通過障害をきたした. われわれは患者・家族の思いを確認し, 臨床倫理の4分割表を用いて倫理的考察を行ったうえで減圧PEGを施行した. 減圧PEGでは胃内容物のリークによる腹膜炎や胃瘻チューブ閉塞が問題となるが, 胃壁固定の継続や人工胃液を用いて摂取可能な食品を検討した. 形態は限られるが, 経口摂取再開と外出が可能となったことから, QOLが改善した. 【結論】倫理的考察には臨床倫理の4分割表を用いたカンファレンスが有効であり, 減圧PEGや摂取可能な食品の検討でQOL改善の可能性がある.
著者
加野 芳正 吉田 文 飯田 浩之 米澤 彰純 古賀 正義 堤 孝晃
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究課題は4つのパートからなっていて、それを研究代表者(加野芳正)と4人の研究者の共同研究として進めてきた。それらの作業は、(1)学会の歴史に関する資料の収集と整理、そして分析、(2)日本教育社会学会の先輩会員(教育社会学第2世代、第3世代)へのインタビュー調査、(3)教育社会学の学術的課題(学問的課題、現代的的課題)による日本語論文集=全2巻の刊行、(4)日本の教育社会学の学問的水準を広く世界に発信することを目的とした英語論文集の刊行、である。(1)については資料がほぼそろい、8月下旬までに報告書として刊行する予定である。(2)については、18人に対するインタビューを完了するとともに読み物風に整理して、『日本の教育社会学と18人の軌跡-オーラルヒストリーによる語り』東洋館出版社、2018年8月刊行予定である。原稿はほぼ出そろっている。(3)については『教育社会学のフロンティア1-学問としての展開と課題』(日本教育社会学会編、本田由紀、中村髙康責任編集、2017年10月)、『教育社会学のフロンティア2-変容する社会と教育のゆくえ』(日本教育社会学会編、稲垣恭子、内田良責任編集、2018年3月)として、いずれも岩波書店から刊行した。4)英語論文集については、Japan’s Education in the Global Age-Sociological Reflection and Future Direction-(Akiyoshi Yonezawaほか責任編集)として今年中には刊行される予定である。すでにすべての審査を終え、原稿を出版社であるSpringer に送付している。本研究は順調に進展しているが、図書の刊行に向けての調整が必要なため、研究期間を1年間延長することにした。また、研究成果は『教育社会学事典』(丸善、2018年1月刊行)にも活用されている。
著者
進藤 順治 吉田 直幸
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-26, 2001-03

新潟市水族館で飼育されている10羽のオスのフンボルトペンギンの精液量と精子濃度を1年間測定した。フンボルトペンギンの精液は7月から8月中旬の換羽期以外は,高い割合で採取することができた。精液量は一年を通し0.02mlから0.04mlの間で推移していた。平均精液量は0.026±0.009mlであった。精子濃度は10月から2月の間は高い値で推移し,一方換羽期間は著しく低下していた。平均精子濃度は21.9±11.2 10^8/mlであった。今回の結果から,最も繁殖に適した時期は晩秋から早春にかけてであると思われた。

4 0 0 0 OA 吉田松陰全集

著者
吉田松陰 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
vol.第6巻, 1936
著者
西岡 拓哉 北 和之 林 奈穂 佐藤 武尊 五十嵐 康人 足立 光司 財前 祐二 豊田 栄 山田 桂太 吉田 尚弘 牧 輝弥 石塚 正秀 二宮 和彦 篠原 厚 大河内 博 阿部 善也 中井 泉 川島 洋人 古川 純 羽田野 祐子 恩田 裕一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

背景・目的東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、原子炉施設から多量の放射性物質が周辺地域に飛散・拡散し土壌や植生に沈着した。地表に沈着した放射性核種が今後どのように移行するか定量的に理解していくことが、モデル等により今後の推移を理解する上で重要である。重要な移行経路の一つとして地表から大気への再飛散がある。我々のグループのこれまでの観測で、山間部にある高線量地域では、夏季に大気中の放射性セシウムが増加していることが明らかになっている。夏季の森林生態系からの放射性セシウム再飛散過程を明らかにすることが本研究の目的である。観測2012年12月より浪江町下津島地区グラウンドにおいて約10台のハイボリュームエアサンプラーによって大気エアロゾルを高時間分解能でサンプリングし、Ge検出器で放射能濃度を測定している。この大気エアロゾルサンプルの一部を取り出し化学分析及び顕微鏡観察を行っている。2015年よりグラウンドおよび林内で、バイオエアロゾルサンプリングを月に1-2回程度実施している。また、感雨センサーを用い、降水時・非降水時に分けたサンプリングも行っている。200mくらい離れた林内でも同様の観測を行っている。さらに、パッシブサンプラーによる放射性核種の沈着フラックスを測定するとともに、土壌水分と風速など気象要素を自動気象ステーション(AWS)にて、エアロゾル粒子の粒径別濃度を電子式陰圧インパクタ(Electric Low-Pressure Impactor, ELPI)、黒色炭素エアロゾル濃度および硫酸エアロゾル濃度をそれぞれブラックカーボンモニタおよびサルフェートモニタにて連続的に測定している。結果と考察2015年夏季に行った観測と、そのサンプルのSEM-EDS分析により、夏季の大気セシウム放射能濃度は炭素質粒子濃度と正相関していることが分かった。夏季には粒径5μm程度の炭素質粒子が多く、バイオエアゾルサンプリングとその分析の結果、真菌類の胞子、特にキノコが主な担子菌類胞子が多数を占めていることが分かった。但し、降水中には、カビが多い子嚢菌類胞子がむしろ多い。大気粒子サンプルの抽出実験を行った結果、夏季には放射性セシウムの半分以上が純水で抽出される形態(水溶性あるいは水溶性物質で付着した微小粒子)であることもわかった。そこで、2016年夏季には、大気粒子サンプル中の真菌類胞子の数密度と大気放射能濃度の関係を調べるとともに、キノコを採取してその胞子の放射能濃度を測定して、大気放射能濃度が説明できるか、また大気粒子サンプルと同様に、半分程度の純水抽出性を持つか調べた。その結果、大気放射能濃度と胞子と思われる粒子の個数とは明瞭な正相関を示し、降水時には子嚢菌類が増加することが示された。また、採取したキノコ胞子の放射性セシウムは、半分以上純水で抽出され、大気粒子サンプルと同様に性質を示すこともわかった。但し、採取した胞子は放射能は高いものの、それだけで大気放射能を説明できない可能性がある。
著者
箕輪 はるか 北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 齊藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 上杉 正樹 遠藤 暁 奥村 真吾 小野 貴大 小野崎 晴佳 勝見 尚也 神田 晃充 グエン タットタン 久保 謙哉 金野 俊太郎 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 髙橋 賢臣 竹中 聡汰 張 子見 中井 泉 中村 駿介 南部 明弘 西山 雄大 西山 純平 福田 大輔 藤井 健悟 藤田 将史 宮澤 直希 村野井 友 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 山守 航平 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【はじめに】日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした研究グループにより、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の陸域での大規模な調査が2011年6月に実施された。事故より5年が経過した2016年、その調査結果をふまえ放射性物質の移行過程の解明および現在の汚染状況の把握を目的として本研究プロジェクトを実施した。2016年6月から9月にかけて、のべ9日間176名により、帰還困難区域を中心とする福島第一原子力発電所近傍105箇所において、空間線量率の測定および土壌の採取を行った。プロジェクトの概要については別の講演にて報告するが、本講演では福島県双葉郡大熊町・双葉町の土壌中の放射性セシウム134Csおよび137Csのインベントリ、土壌深部への移行、134Cs/137Cs濃度比、また空間線量率との相関についての評価を報告する。【試料と測定】2016年6・7月に福島県双葉郡大熊町・双葉町の帰還困難区域内で未除染の公共施設36地点から深さ5 cm表層土壌を各地点5試料ずつ採取した。試料は深さ0-2.5 cmと2.5-5 cmの二つに分割し、乾燥処理後U8容器に充填し、Ge半導体検出器を用いてγ線スペクトルを測定し、放射性物質を定量した。【結果と考察】137Csのインベントリを航空機による空間線量率の地図に重ねたプロットを図1に示す。最大濃度はインベントリで137Csが68400kBq/m2、比放射能で1180kBq/kg・dryであった。インベントリは空間線量率との明確な相関がみられた。深部土壌(深さ2.5-5.0 cm)放射能/浅部土壌(深さ0-2.5 cm)放射能の比はおおむね1以下で表層の値の高い試料が多かったが、試料ごとの差が大きかった。また原子力発電所より北北西方向に134Cs/137Cs濃度比が0.87-0.93と明確に低い値を持つ地点が存在した。
著者
水嶋 英治 吉田 右子 白井 哲哉 宇陀 則彦 逸村 裕 大庭 一郎 坂口 哲男 原 淳之 平久江 祐司 松村 敦
出版者
筑波大学
雑誌
21世紀図書館情報専門職養成研究基盤アーカイブ構築:図書館情報専門職の再検討
巻号頁・発行日
pp.1-139, 2017-03-31

筑波大学図書館情報メディア系には、日本の図書館専門職養成の中核的機関の一つであった図書館情報大学(現筑波大学図書館情報メディア系/知識情報・図書館学類)およびその前身校の約一世紀にわたる図書館専門職養成の沿革にかかわる歴史的資料が残されている。本研究ではこれらの資料を対象に、図書館専門職にかかわる包括的なコレクションを整備し、利用のための仕組みを実装した「21世紀図書館情報学アーカイブズ」のプロトタイプモデルを構築した。さらにこのアーカイブを用いて、歴史資料コレクションのアーカイビングにかかわる技術的・社会的課題について総合的に検討するとともに、20世紀の日本の図書館界を俯瞰的に把握し館種を超えたマクロな視座から、図書館専門職の歴史的再検討を試みた。
著者
飯尾 淳 吉田 圭吾 小池 亜弥 清水 浩行 白井 康之 桑山 晃一 栗山 桂一 小浪 宏信 高山 隼佑
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.2256-2267, 2011-07-15

GPS機能を内蔵したモバイル機器の普及により,属性情報付きの位置データを大規模に収集することが容易になった.オンラインアンケートで消費者の消費傾向や属性を取得し,個人情報保護に配慮したうえでアンケート結果と位置情報ログを結びつけることによって,実際の行動と消費意欲の関係を分析することができる.なお,そのような位置情報ログを「属性付き位置情報ログ」と定義した.今回,首都圏において約1,800名の参加者を募って1カ月弱にわたり実験を実施した.その結果,いくつかの消費傾向分野において参加者の意識は実際の行動に反映されていることが明らかとなった.The widespread of mobile devices makes it easy to collect location-based personal information on a broad scale. After acquiring consumption tendency and personal individual attribute via on-line questionnaire, associating the result of the questionnaire and the location-based personal information log, which named "the location-based personal information log with individual attribute," enables an analysis on the relation between personal behaviors and their intention. This time, with the help of approximately 1,800 participants, an experiment has been conducted in the Tokyo metropolitan area. The result revealed that the intention of participants to spend their money on several types of services and products were reflected to the log of their behavior. In this papar, details of the experiment and the result are reported.
著者
阿藤 誠 津谷 典子 福田 亘孝 西岡 八郎 星 敦士 田渕 六郎 吉田 千鶴 岩間 暁子 菅 桂太 中川 雅貴 曺 成虎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

研究成果の概要(和文):本研究では第一に男性の未婚化・晩婚化は非正規雇用の増大により引き起こされ、女性の未婚化・晩婚化は高学歴化に伴う賃金稼得力の上昇と関係がある。第二に結婚や家族に対して非伝統的な価値意識を持つ人ほど出生力が低く、反対に伝統的な意識を持つ人ほど出生力が高い。第三に男性と比べて女姓は結婚・出産を経験すると家事や育児を極めて多く遂行するようになる。第四に高齢の親に対しては男性よりも女性の方が心理的、経済的支援をより多く行っており、特に配偶者の親よりも自分の親に対して顕著である。また、孫がいない夫婦より孫のいる夫婦の方が祖父母から様々な支援をより多く受けていることが明らかとなった。
著者
吉田 達矢
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; HUMANITIES and NATURAL SCIENCES (ISSN:03850056)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.49-58, 2016-07-31

本稿は,20世紀前半における名古屋市および名古屋市の人々と中東各国・地域との関係について考察した。まず,当時の名古屋市の人々が中東出身者を見る機会は少なかった。また,名古屋市における中東に関する啓蒙活動は,大日本回教協会(昭和13年設立)の協力があって昭和15年以降,2回ほど行われたにすぎない。ただし,実業家たちは大正末頃から中東に関心を持ち始め,恐慌の一時期を除いて,太平洋戦争が始まる直前まで貿易先として中東には関心を持ち続けていた。その背景には,名古屋商工会議所と大日本回教協会の積極的な活動があった。ただし,実際には中東からの輸入が行われた時期は短く,いずれの国や地域からの輸入品の量もごく僅かであった。