著者
西出 喜代治 山村 真理子 小堀 武夫 常本 大英 近藤 聖 佐藤 清
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.2354-2361, 1988-07-25

The syntheses and the antibacterial activities of new 3-dimethoxyphosphinylmethyl and 3-dihydroxyphosphinylmethyl cephalosporins I-(Z), II-(Z), III-(Z) and III-(E), possessing the chloromethylene or methoxyimino substituent at the α-position to the 7-(2-aminothiazol-4-yl)acetamido or 7-(thiazol-4-yl)acetamido moiety of the cephem nucleus, are described. The key steps of these syntheses were the Michaelis-Arbusov reaction of the 3-halomethylcephem 1 with trimethyl phosphite and the dealkylation reactions of both the dimethoxyphosphinyl group and the p-methoxybenzyl ester of 7a, b-(Z) by treatment with bromotrimethylsilane to afford 9a, b-(Z).
著者
小谷 賢太郎 堀井 健 三浦 敏弘
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,ヒトの触覚の感覚特性を明らかにするために,空気圧制御による圧力刺激呈示システムを製作し,ヒトの手が知覚可能な最小の力の変化量を調べることを目的とするものであった.初年度は実験装置の作成から開始した.作成した実験装置は,エアコンプレッサからノズルまでの空気圧の流路と,空気圧の出力を制御するコントローラやスイッチ等の電気回路から構成される空気圧提示装置である.校正実験の結果,本装置により0.5gfまで小さな噴流出力を制御することが可能となった.そこで,示指先端に加わる力に対して,標準刺激を変化させたときの弁別閾の特性を調べるため,心理物理学的実験を行った.実験の結果,標準刺激が4.0〜7.0gfの範囲では,標準刺激が変化しても,Weber比は約0.1程度で一定であり,4.0〜2.0gfの範囲では標準刺激が減少するに伴って,Weber比が増加していることがわかった.2年目は構築した空気圧提示装置を用いて,刺激の立ち上がり時間を変化させた場合における力の弁別閾変化の傾向を調べることを目的として実験を行った.実験は標準刺激2秒提示,無刺激インターバル3秒,比較刺激2秒提示,無刺激回答時間7秒を1試行として,無刺激時間7秒の間に,被験者には「大きい」,「小さい」,「同じ」のいずれかを感じたかを回答してもらった.その結果,刺激の立ち上がり時間を長くするとWeber比と弁別閾は増加する傾向が見られた.また,Weber比は本実験での各刺激の立ち上がり時間において0.1程度に収束することが分かった.これは,昨年度の標準刺激4.0〜7.0gfの傾向と同様であった.また,初年度の結果では刺激の立ち上がり時間を0.3secと設定していたことから,この実験における刺激の立ち上がり時間0.3secの実験結果と比較すると約0.2の違いがあるが,これは提示時間の影響によることがわかった.
著者
堀 光平 林 巖
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.62, no.596, pp.1548-1555, 1996-04-25
被引用文献数
6

To improve the efficiency of 3K-type mechanical paradox planetary gear drive, a new design method called the approach-and recess-contact ratio equalization method is proposed and described. The concept of this method is to satisfy the coaxial condition of the rotatory- and fixed-internal gear pairs, which have a large influence on the efficiency of the gear drive, and simultaneously to maximize their efficiency. For this purpose, first the contact ratios of the two internal gear pairs are given ; second, their profile-shift coefficients are determined so that the coaxial condition can be satisfied ; then, the diameters of their addendum circles are determined so that their approach- and recess-contact ratios can be equalized. The efficiency of the gear drive obtained by this design method is theoretically calculated under the assumption that the tooth surface frictional coefficients are all 0.1. Consequently, the maximum efficiency of 86.1% is obtained on a gear drive with a reduction ratio of 1/351 and a contact ratio of 1.2. This obtained efficiency is higher by 12% and 8% than the efficiencies of 74% and 78%, obtained by the conventional design method without and with profile-shift coefficient optimization, respectively.
著者
堀 健彦 矢田 俊文
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本年度は、佐渡における地籍図の作成過程を明らかにし、佐渡島の地籍図の資料的性格に関する検討を完了させた。「佐渡市所管地押調査更正地図の調製状況とその特徴」と題したこの論文は国立歴史民俗博物館研究報告に掲載予定であったが、諸般の事情から来年度以降の発行になったため、今年度の成果として表記できなかった。この論文は、従来は網羅的には把握されていなかった佐渡島における地籍図作製について、作製年、製図者、地主総代などの情報をデータとして体系化したものなっており、近代期における地域社会の一側面を示す資料としての価値も有する。また、本研究計画上で中核となる地籍図の集成作業については、本年度は、地籍図の撮影を旧佐和田町域について行ったほか、効率的なデジタルデータ化のために有効なノウハウの蓄積に関して、昨年度の知見を踏まえたうえで、新たな方法による地籍図と現代の地理情報とを重ね合わせる方法を試した。それにより明らかになった問題点を踏まえ、さらなる方法について、実際に作業を行った作業者を交えて討議を行い、より省力化が図れるであろう方法やノウハウについて情報を集積することにつとめた。これにより、研究期間満了後も継続的に佐渡島の地籍図のデジタルアーカイブ化作業を進めるための道筋をつけることができた。本研究計画は、申請者が構想する佐渡島全体を一つの歴史空間としてとらえ、様々なデータをコンテンツとして提供していく計画の第一段階であった。研究期間満了後のプロジェクトの推進に関しては、所属機関である新潟大学人文学部が2009年3月に佐渡市教育委員会との間で締結した連携協定等に依拠しながら、大学における教育・研究の枠組みの中で行っていく。
著者
中尾 正博 佐藤 哲夫 冨井 直弥 高山 慎一郎 堀内 貴史 朴澤 佐智子 鈴木 智美 小川 恵美子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.427, pp.49-53, 2010-02-19

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS: Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)は,Ka帯のMBAやMPAによる高い送信・受信能力を持ち,小型の地球局で広帯域通信が可能であり,遅延時間が少ないという特徴を持つ衛星である.「きずな」は2008年2月23日に打上げられ,軌道上での初期機能確認試験を行った後,様々な実験を実施してきた.本稿では,宇宙航空研究開発機構(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)が実施した基本実験結果の概略について紹介する.
著者
篠田 知和基 松村 一男 丸山 顕徳 目崎 茂和 不破 有理 廣田 律子 服部 等作 荻原 真子 栗原 成郎 吉田 敦彦 諏訪 春雄 栗原 成郎 三原 幸久 中根 千絵 鷹巣 純 目崎 茂和 後藤 明 丸山 顕徳 依田 千百子 松村 一男 岡本 久美子 立川 武蔵 小松 和彦 百田 弥栄子 小南 一郎 鈴木 正崇 門田 真知子 蔵持 不三也 不破 有理 服部 等作 広田 律子 荻原 真子 木村 武史 宮本 正興 クネヒト ペトロ 水野 知昭 中堀 正洋
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

「ユーラシアの神話の道」「海洋神話」につづき、主として天空の神話を世界神話においてしらべて比較し、そこから各文化の世界観、すなわちコスモロジーを究明した。天空神話としては日月、風、星辰、それに「天界」の神話をとりあげた。
著者
藤井 洋子 井出 祥子 阿部 圭子 片岡 邦好 片桐 恭弘 堀江 薫 植野 貴志子 菅原 和孝 石崎 雅人
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

この3年間の研究成果は、(1)2009年3月、2011年2月の東京国際ワークショップにて、「場の理論」についての理解を深められたこと、(2)アラビア語のデータ収集とその分析をしたこと、(3)国際語用論学会にて、日本語と英語とアラビア語の比較研究を発表したこと、(4)2009年にJournal of Pragmaticsの『解放的語用論』特集号第一号を発行できたことなどが主な成果といえる。
著者
中條 清美 西垣 知佳子 内山 将夫 内堀 朝子 西垣 知佳子 内山 将夫 内堀 朝子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

日英パラレルコーパスを利用した英語指導法と教材開発を行い, 指導実践によってそれらの学習効果を検証した。さらに, コーパス検索サイトの開発を推進した。主な研究成果を国際学会(AsiaTEFL国際会議, 台湾教育学会, TaLC, World CALL)および国内学会(JACET, 英語コーパス学会)において報告し, 開発した指導法等の詳細を公刊した。本課題に関する論文を掲載した著書がRodopi(アムステルダム)と松柏社(東京)より出版された。研究代表者は本課題に関連して2008年度英語コーパス学会賞を受賞した。
著者
木口 智明 濱川 恵梨香 冨岡 華代 新居 朋恵 前田 雅子 堀江 正一 北田 善三
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.130-135, 2010

A simple and rapid method has been developed for determining of L,L-aspartame (APM), its epimer (L,D-APM), diketopiperazine (DKP), L-phenylalanine (Phe) and D-Phe in various foods by high performance liquid chromatography (HPLC) and liquid chromatography/mass spectrometry (LC/MS). These compounds in foods were extracted with 0.01mol/L hydrochloric acid in ultrasonic bath, and the extract was loaded onto a strata-X-C, cation-exchange and reverse-phase cartridge. The HPLC separation was performed on a SUMICHIRAL OA-5000 (monolithic-type, 4.6mm i.d.×10cm) with ultraviolet detection, using 2mmol/L CuSO<sub>4</sub> solution-acetonitrile-isopropyl alcohol (85:10:5) as a mobile phase. The LC/MS separation was performed on a CHIROBIOTIC TAG (2.1mm i.d.×25cm, 5μm) with a mobile phase of 0.01% ammonium acetate-0.005% acetic acid-ethanol (1:1:2). The recoveries of 5 compounds from foods added at the level of 0.2g/kg in HPLC and LC/MS were 93.9-102.9% and 82.1-102.4%, respectively. In HPLC, the detection limits of APM, DKP and Phe were 0.02g/kg. In LC/MS, the detection limits of APM was 0.01g/kg, and DKP and Phe were 0.02g/kg.
著者
堀田 耕司
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

脊索動物の形態形成過程を細胞レベルで理解するために、本研究では、個体を構成する細胞数が少なくシンプルな体制をもつホヤを用いて個体まるごとの1細胞レベルイメージングを行った。ホヤ幼生ひのう部における新規末梢神経ネットワーク構造の3Dイメージングや尾芽胚の3Dコンピュータモデル化、および神経管閉鎖過程の3Dライブ(4D)イメージングを行い、ホヤ胚発生におけるさまざまな形態形成過程を細胞レベルで明らかにすることができた。
著者
赤堀 三郎
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
no.31, pp.109-114, 2010-10-30

The concept of self-description plays an important role in Niklas Luhmann's sociological systems theory. In the systems theoretical sense, self-description does not mean description of self but description of society by society itself. The implication of self-description (of society) lies in that we cannot describe society from outside of society. From the systems theoretical viewpoint, we can see society as a system that contains various self-descriptions and therefore we should not ask what society is but how society is described. Systems theoretical description is the meta-level description (i.e. second-order observation). It can especially be characterized as the description of differences. Meta-level observers try to indicate what kind of distinctions or borderlines are drawn in a certain observation or description. Such a viewpoint enables us to see the hidden side (blind spot) of description of society and that is indeed the advantage and the true charm of the systems theoretical description.
著者
岩堀 健治
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、詳細なナノ粒子作製条件の検討を行い、直径12nm内部空洞7nmの球殻状バイオテンプレートであるアポフェリチン内部に、ナノ電子デバイス作製に有用である3種類の新規化合物半導体ナノ粒子(CdS, CuS, ZnS)の作製に成功した。特に、溶液中のアンモニア濃度を調整することにより、異なる粒子径を持ち、異なる蛍光を発するCdSナノ粒子の作製が可能となった。同時に遺伝子変異フェリチンを作製し、フェリチン内部におけるナノ粒子形成メカニズムを明らかにした。さらにフェリチンタンパク質と直径9nmのLisDpsタンパク質をQCM基板上で結合させ雪だるま型バイオナノパーツの試作を行った。
著者
堀田 隆一
出版者
中央大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

英語の名詞複数形の-sが現代英語にみられるように圧倒的に優勢となる傾向が現れたのは,初期中英語期(1100~1300年)である.本研究では,電子コーパスや語彙拡散理論を援用しながら,なぜ(WHY)どのようにして(HOW)この時期に-sの拡大が進行したかを明らかにしようとした.結論として,初期中英語期における名詞複数形態の発展は,種々の言語内的・外的要因により,およそ語彙拡散理論が予想する型に従って進行したことが判明した.
著者
石井 彰三 福田 昌宏 堀田 栄喜
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

ピンチ形式のプラズマ発生法において、大強度軟X線源、軟X線レーザーへの応用のうえで優れた特徴のある炭素薄膜ライナー圧縮方式を提案し、その原理を実証した。まず、雪かきモデルに類似したシミュレーション法により薄膜の圧縮過程を定量的に検討し、理論的にも本方式は問題が無いことを明らかにした。次に、成膜法の最適化について高周波放電、交流あるいは直流アーク、グロー放電、パルス放電等の各種形式について試み、細い炭素棒をジュール加熱して行う真空蒸着を用いれば、一様でかつ電気抵抗の低い薄膜ができることを示した。しかし現段階では炭素薄膜の場合、成膜に時間がかかり過ぎること、プラズマの圧縮過程が一様でないことなど問題点も多く存在する。そこで炭素にこだわることなく、導電性物質を薄膜とする概念に拡張して研究を発展させた。電気抵抗を低くするには金属薄膜が優れていることから、膜形成が容易なアルミニウムに着目し、その薄膜ライナーと圧縮を検討した。成膜はタングステン・ヒータを用いたアルミ真空蒸着法が確実であり、しかも一様にできること、および蒸着源の部分を工夫すれば真空を破らずに連続運転も可能であることを示した。内径7cmのアクリル製放電容器の内壁へ電極間に幅4cmでつけた膜の厚さは、10〜数10オングストロームであった。これを容量4.4μFのコンデンサ電源で放電電流70KAで駆動した実験により、原理通りの圧縮を実現し、本研究の提案が正しいことを示した。プラズマの振る舞いは、軟X線計測、高速度カメラによる観測だけでなく、これまでライナー圧縮実験では行われたことのない磁気プローブによる磁界測定を実施した。実験で得た軟X線出力を検討するため、平均イオンモデルならびに混成原子モデルによりアルミニウムプラズマからの軟X線放射スペクトルを理論計算から求め、現段階では、内殻電子からの放射強度が強くないことを示した。
著者
堀 彰 本堂 武夫 成田 英器 深澤 倫子 堀 彰
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

ラマン散乱および中性子非弾性散乱スペクトルに見られる南極の氷床コア氷の特徴は、プロトンの秩序化を反映すると解釈されてきた。この秩序化を結晶構造から明らかにすることを念頭に、本研究では、主にX線回折法を用いて南極深層氷の結晶構造に関する以下の研究を行った。(1)X線回折法による結晶組織の評価X線回折法によりVostok深層コアの氷試料ロッキング・カーブを測定し、その幅から転位密度を求めた。転位密度は深さとともに減少し、最も深い3600m以深の氷の転位密度は10^8 1/m^2程度の低い値を示した。この氷が底部の湖の水が再凍結して成長したためであると考えられる。(2)粉末X線回折法による結晶構造の評価粉末X線回折測定では試料深さ依存性は見られなかった。また、プロトンが秩序化した秩序相(氷XI)に特有の(1121)反射の測定結果は、強度が非常に弱く、強力な光源である放射光を用いた実験が必要である。また、X線散漫散乱測定も今後の課題である。(3)粉末X線回折法による格子定数測定粉末X線回折測定データをリートベルト法で解析し、各深度の氷の格子定数を求めた。南極氷床氷は実験室の氷よりも格子定数が大きく、かつ深さの増大とともに格子定数も増加した。粉末化による残留応力の開放と、空気ハイドレートの解離で生じた空気の取り込みが原因として考えられる。(4)ラマン散乱による変形を受けた氷の格子振動モードの測定氷試料を変形させてラマン散乱測定を行ったが、スペクトルには特に変化は観測されなかったことから、南極氷床氷の特徴は氷の変形によるものではないと考えられる。(5)クラスレート・ハイドレートの生成過程と氷の結晶構造分子動力学シミュレーションの結果、気体分子は、これまで考えられてきた格子間位置(Tu)を安定位置とするのではなく、水素結合の間に入り込んで部分的に特有の構造を作ることが明らかになった。