著者
岡田 靖 山口 武典 田代 幹雄 峰松 一夫 緒方 絢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1294-1299, 1987

36才,男性.頭痛,発熱,意識障害,けいれんで発症し,入院時(8病日),体温38.2°C,傾眠状態,顔貌無欲状,項部硬直あり. CT上,両側側頭葉に不整形の低吸収域を呈し,血清抗体価(CF法)も有意の上昇(4→512倍)を示し,単純ヘルペス脳炎(HSE)と診断した.昏迷状態から約4カ月間,ほとんど無言無動状態で経過した.しかし, 120病日前後より発語がみられ,経口摂取,四肢麻痺の軽減など著しい改善とともに,口唇傾向,食行動異常,性欲亢進,情緒変化がみられ, Klüver-Bucy症候群(KBS)を呈した. HSE生存患者の長期的観察および看護の重要性を強調するとともに, HSEに合併したKBSについて文献的考察を加えた.
著者
山口 武
出版者
日本電子顕微鏡学会
雑誌
電子顕微鏡 (ISSN:04170326)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.p52-57, 1991
被引用文献数
2
著者
谷井 司 加藤 順子 八代 典子 新藤 季佐 幸野 健 濱田 稔夫 山口 武津雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.155-163, 1991 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

乾燥性皮膚疾患に対するスクワランの有用性, 皮膚刺激性, 保湿性について検討した。貼布試験は73例全例陰性であった。使用試験では乾皮症, 手湿疹に有用で, 炎症を伴わないアトピー性皮膚炎にも有効であったが, 炎症を伴っている場合には慎重に使用することが望ましいと思われた。症状別では皮膚の乾燥に特に有効であった。この理由としては, 保湿能の検討より角層水分の貯留作用によるものと思われた。以上よりスクワランは, 適切に使用すれば安全性が高く, ベタつくという不快感がほとんどなく, 使用感も良好で, 乾燥性皮膚疾息の治療に有用と思われた。
著者
髙木 力 米山 和良 阿部 悟 鳥澤 眞介 竹原 幸生 山口 武治 浅海 茂
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.209-213, 2017 (Released:2018-12-03)
参考文献数
8

We developed an effective aquaculture production management system that can measure the body length, weight, and number of cultured fishes in a tank or cage in a non-contact manner. A threedimensional measuring system that employs two commercialized video cameras was produced to measure the body size of cultured fish, including their fork length, body height, and width. The distance between the video cameras and target fish was less than five meters to reduce the error ratio. In addition, an automatic counting system for cultured fish in a tank was developed to assist in efficient aquaculture management. Finally, an algorithm for fish counting was based on estimating the mobile vectors of individual fish, in which the particle tracking velocimetry (PTV) analytical method was applied. In some experimental cases, estimated numbers by the system were coincident with actual numbers.
著者
山口 武
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
電子顕微鏡 (ISSN:04170326)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.52-57, 1991-07-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
13
被引用文献数
2
著者
岩崎 秀樹 阿部 好貴 山口 武志
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.366-377, 2008-12-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1

The purpose of this research is to clarify the current issues of mathematical literacy and to propose its future perspective. In this paper, we firstly look at the historical and social development of the conception of literacy from the hunter-gatherer society through the agricultural society and the industrial society to the knowledge-based or information society. Secondly, we consider the asymmetrical relationship between the society and individuals, in terms of "mathematization". The point is that mathematics becomes implicit and invisible for the people, because it is embedded in technological tools such as calculators and computers in the society. This situation can be best summarized by the following words: "an increasing mathematization of our society is complemented by an increasing demathematization of its individual members" (Keitel, 1997:2). Because we are living in this mathematized society, we should develop mathematical literacy in order to encode and decode from the real world to the mathematical one. From this perspective, we discussed the fundamental principle of an alternative curriculum for mathematical literacy. In short, it means that mathematical thinking including modeling and critical thinking is emphasized increasingly as well as mathematical contents.
著者
木村 和美 矢坂 正弘 宮下 孟士 山口 武典
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.363-368, 1990-08-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
8

症例は68歳の心房細動を有する女性.上部脳底動脈の塞栓性閉塞に基づく特異な眼症候と無動性無言を呈した.両側性に垂直眼球運動障害があり, これに加えて, 左眼は外転位で内転障害が認められたが, 瞳孔異常はなかった.右眼はcorectopiaを呈し, 瞳孔は散大, 対光反射消失, 責任病巣として右Edinger-Westpha1核, 左動眼神経核, およびrostral interstitial nucleus of MLFが推測された.MRIで両側視床から中脳被蓋に連続した病巣を認め, 眼症候と無動性無言は, 傍正中視床動脈の閉塞に基づくものと考えられた.
著者
端 和夫 児玉 南海雄 福内 靖男 田中 隆一 齋藤 勇 吉峰 俊樹 小林 祥泰 永廣 信治 佐渡島 省三 峰松 一夫 山口 武典 篠原 幸人
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-11, 2010-01-25
被引用文献数
4 7

我が国における脳梗塞rt-PA静注療法の保険適用承認には,承認への要望の段階から日本脳卒中学会の医療向上委員会が緊密に関与してきた.適正使用講習会を実施することを前提として承認された後も,欧米諸国にも前例のない全国的な都道府県レベルでの適正使用講習会を実施し,rt-PA静注療法の実施担当者等を指導してきた.承認後3年間で講習会は189回,受講者は1万人を超え,結果として,約1万5千例の使用例のうち,非適応例への使用頻度は6% 程度に抑えられている.承認と講習会開催の過程と,3年を経過した時点での普及の現状を記載した.
著者
須藤 研太郎 山口 武人 中村 和貴 原 太郎 瀬座 勝志 廣中 秀一 傳田 忠道 三梨 桂子 鈴木 拓人 相馬 寧 中村 奈海 北川 善康 喜多 絵美里 稲垣 千晶 貝沼 修 趙 明浩 山本 宏 幡野 和男 宇野 隆 多田 素久 三方 林太郎 石原 武 横須賀 收
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.656-662, 2012 (Released:2012-11-28)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

近年,化学療法および化学放射線療法の進歩により局所進行膵癌の治療成績は向上している.切除不能症例を対象とした臨床試験で生存期間中央値15ヶ月を超えるものも報告される.また,非切除治療が奏効し根治切除可能となった局所進行例も報告され,conversion therapyとしての役割も注目される.一方,局所進行膵癌に対する治療はエビデンスの乏しい領域であり,化学放射線療法の意義についても未だcontroversialである.今回,われわれは化学放射線療法82例(S-1併用56例,その他26例)の成績を供覧し,非切除治療の現状と意義について考察を行う.全82例の生存期間中央値15.4ヶ月,3年生存率17.5%,5年生存率6.7%と化学放射線療法のみでの長期生存例も経験された.さらなる成績向上のためには外科切除との連携に期待されるが,本稿ではわれわれの経験を供覧し,今後の展望について考察を行う.
著者
渡邉 修 山口 武兼 橋本 圭司 猪口 雄二 菅原 誠
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.118-125, 2009-02-18
被引用文献数
1 11

厚生労働省は,2001年から2005年まで高次脳機能障害支次援モデル事業を実施した.そのなかで,都道府県の実態調査をもとに全国の高次脳機能障害者数をおよそ30万人と推定した.しかし,以後,高次脳機能障害者数を推計する報告は極めて少ない.そこで,東京都は,高次脳機能障害者支援施策を展開するうえで対象となる高次脳機能障害総数を把握する必要から,脳損傷者の発生数に関する調査および通院患者に関する調査を行った.方法:(1)年間の高次脳機能障害者発生数の推定:都内全病院(651病院)に対し調査票を配布し,調査期間(2008年1月7日〜20日)中に退院した都内在住の脳損傷者を調査し,性別年齢別に年間の高次脳機能障害者の発生数を推計した.(2)高次脳機能障害者総数推計:高次脳機能障害有病者数は,性別年齢別に平均余命に当該年齢の発生数を乗じ,これの合計を求めて都内の総数を算出した.結果:回収病院数は419で回収率は64.4%であった.東京都内の1年間の高次脳機能障害者の推計発生数は3,010人,都内の推定高次脳機能障害者総数は49,508人(男性33,936人,女性15,572人)であった.高次脳機能障害を引き起こす主な原因疾患は脳血管障害および頭部外傷であった.これらの疾患による高次脳機能障害の発生頻度を文献的に考察すると,本調査の結果は妥当な数値と考えられた.
著者
金 元淑 後藤 基寛 入江 満美 山口 武則 牛久保 明邦
出版者
システム農学会
雑誌
システム農学 (ISSN:09137548)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.175-182, 2008-07-10
参考文献数
16
被引用文献数
1

近年、中国経済の発展による都市規模の拡大や農村地域の都市化への加速に伴う人口密度の集中および生活水準の向上につれて、都市ごみ中の食品廃棄物の含有量が増加しつつある。このことは、都市ごみの無害化処理率が低く、野積みのごみに包まれ、環境汚染問題が顕在化している中国の都市ごみ処理に一層困難をもたらしている。食品廃棄物のコンポスト(堆肥)化は中国現状に適した有効な処理方法の一つである。しかし、食品廃棄物には油分や塩分が含まれており、これらの濃度も異なることから、食品廃棄物のコンポスト化過程にも影響を与えることやコンポストを土壌施用した際に植物障害を生じる可能性が考えられる。本研究では、食品廃棄物中の油分および塩分がコンポスト化過程に及ぼす影響ならびにコンポスト中の油分および塩分がコマツナの生育に及ぼす影響について、原材料にそれぞれ油分・塩分を添加してコンポスト化させ、その製造コンポストを用いて、化学分析・発芽試験並びに簡易幼植物栽培試験を用いて検討した。本研究により、食品廃棄物コンポストの原料に油分を36%まで含有してもコンポスト化が可能であり、作成したコンポストもコマツナへの生育抑制は見られず、コンポストとして使用可能であることが判明した。また、食品廃棄物コンポストの原料に塩分を8%まで含有してもコンポスト化は可能であり、作成したコンポストを用い、施用量を10a あたりに1tと仮定すると、コンポスト中の塩分含有量は乾物あたり8%以下であればコマツナの生育に影響はないことが判明された。
著者
津野 幸人 山口 武視 面地 理 甲斐 宏一
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.p475-483, 1991-12
被引用文献数
1

浸潤試薬で示される水稲葉の気孔開度(A)に関与する要因として, 葉色板示度(富士葉色カラースケール)による葉色(c), 日射強度(W), 飽差(d)の3要因を取り上げ, これらで圃場条件での気孔開度の日変化を総合的に説明しようとした. 1988年では慣行栽培の水稲(品種:ヤマビコ)の上位第1, 2葉の日変化を, 1989年には肥料条件を変えた試験区のヤマビコにつき上位第1〜4葉の日中の気孔開度と葉色との関係を, 幼穂形成期から登熟期にわたって調査した. 朝夕の日射強度が520Wm^<-2>以下の場合(d<6mmHg)は, AはWとcとの2要因の関数として示され, A=0.0108W (0.19c-0.40)という経験式を得た. 日中, 日射が520Wm^<-2>以上の条件下で飽差を一定にとれば, 全期間にわたってAとcとの間には高い正の相関関係が成立し, また, 葉色を一定にとれば, Aはdと負の相関関係が認められ, その回帰式の勾配は各葉色とも0.18で A=b-0.18d で示された. この式の切片(b)と葉色との関係はb=0.93cで近似できたので, 520Wm^<-2>以上の高日射条件下では, A=0.93c-0.18dの経験式が導かれた. これら2つの経験式より求めた計算値と実測値とは, 良好な適合を示し, Aの日変化とも合致した. 葉色示度3以下の葉身は, 日中ではわずかしか気孔が開かず, 光合成が著しく低下することが推察され, 葉色を濃く保つことの必要性を強調した. なお, 葉身N濃度が葉色に反映する程度は時期により異なり, 出穂後に高まる傾向を認めた.
著者
山口 武視 津野 幸人 中野 淳一 真野 玲子
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.703-708, 1995-12-05
被引用文献数
16

水稲茎基部からの出液は, 根の呼吸に関連する生理活性と関係していると考えられるが, 同一の齢でも出液速度が大きくばらつくことが指摘されている. そこで, 出液の測定条件を検討し, 出液に関与する要因を明らかにして, 出液速度で生理活性を把握できるかどうかを検討した. 同一個体内で出液を採取する茎以外の茎に葉が着生していると, それの蒸散のために出液量が減少した. したがって, 出液を採取する際には, 測定個体のすべての茎を切除する必要を認めた. 切断部の茎断面積と1茎当たり出液速度とは高い正の相関関係があり, 断面積の大きい茎, すなわち太い茎は茎断面積当たりの出液速度も高い値であった. 地温が7℃から29℃までの範囲では, 出液速度は地温に伴って指数関数的に増加し, その温度係数(Q_<10>)は2.2で, 根の呼吸速度の温度係数とほぼ同じ値であった. 上記の測定条件を考慮したうえで, 穂ばらみ期以降の根の呼吸速度と出液速度との関係を検討した結果, 両者の間には高い正の相関関係が認められた. これより, 根の生理活性が重要な問題となる登熟期では, 出液速度から根の生理活性を推定することができ, 出液速度の測定は, 根の診断のうえで有効で簡便な手法のひとつとしてあげることができる.
著者
李 忠烈 津野 幸人 中野 淳一 山口 武視
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.223-229, 1994-06-05
被引用文献数
4

土壌水分の減少に基因する萎れと枯死現象, 再給水による光合成速度の回復ならびに出液速度と根の呼吸速度との関係を明らかにしようとした. 韓国品種の黄金と短葉ならびに日本品種のエンレイを1991, 92年に同一のポットに播種し, 1本仕立てとして土壌水分がpF1.9になるよう灌水し, ガラス室内で生育させた. 出芽後56日から断水処埋を行い, 主茎葉の萎れと再給水による萎れの回復を観察した. 土壌水分の欠乏にともなって葉の萎れは下位葉より始まり上位葉に及び, 回復はこれとは逆の順序であった. 水分欠乏による主茎葉の枯死順位は萎れの傾向と同様であり, 土壌水分がpF3.5に達すると, 最下位葉より枯死が始まり, pF4.2で全ての主茎葉が枯死した. 断水処理後再給水し, その後3時間にわたって光合成速度の回復を経時的に測定したところ, 光合成の回復が良好な個体は, 根の呼吸速度が高く葉面積/根重比が小であった. 茎基部からの出液速度の経時的変化を調査した結果, 茎切断後2時間はほぼ一定値であった. 出液速度は細根呼吸速度と高い正の相関関係を認めた. また, 根のN%と細根呼吸速度との間には前報と同様に高い正の相関関係が得られた.
著者
山口 武彦 赤羽 歩 村山 淳 寺西 望 佐藤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.95, pp.33-37, 2005-09-30

計算機の処理性能の向上に伴い, 視覚, 聴覚情報に加え, 力触覚情報によるインタラクティブ手法が様々に研究されている.また, Webアプリケーションなどのマルチメディアコンテンツの作成が大衆化する中, より簡単に触覚を提示できるような開発環境が求められている.しかし, 現状の開発環境では, 視覚提示部と触覚提示部とで別々の開発環境が必要となる.本稿では, 現在ブラウザに標準プラグイン化されているMacromedia Flashを用いて, ハプティックインタラクションを実現するシステムを提案する.このシステムは, 力触覚呈示部に触覚アクチュエータ(富士通コンポーネント(FCL)製)を用い, 既存のFlashプラットフォームから直接, 力触覚呈示が出来るようにActionScriptを実装した.これにより, Flashユーザは気軽に触覚提示のできるアプリケーションの開発ができるという利点がある.また, いくつかのFlashムービーに触覚を実装した際の効果の評価を行った.