著者
信国 陽二郎 松本 尚 平木 敬
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.95-96, 1996-09-04

分散メモリ環境では、メモリへのアクセスコストが距離によって異り、並列プロセスの効率的実行の実現には相対的にコストの高いアクセスを減らすことが求められる。複数のプロセスが動作する汎用的環境ではその実現方法として、メモリページなどの実資源の使用状況を考慮したスケジューリングを行ないシステム全体の性能を上げることが可能である。またアクセスコストの小さなメモリページから置換を行ない、再アクセス時のコストを抑えることも、全体の性能向上に寄与する。本稿ではメモリアクセスベースの確率モデル上で、具体的なメモリ管理方式/アクセス頻度/アクセスコストを付加したシミュレーションにより、並列プロセス毎に所有する実ページ情報を利用したスケジューリング法、及びメモリ置換方式の評価を行う。
著者
松本 充弘
出版者
The Japan Society of High Pressure Science and Technology
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.58-65, 1997-02-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1

Molecular dynamics computer simulation technique has been applied to investigate fluid phase change mechanisms near vapor-liquid interfaces. The simulation enables us to estimate the most relevant parameter, condensation coefficient αc, which is the ratio of condensation flux to vapor collision flux. We found: (i) αc is less than unity even for simple fluids, and αc of associating fluids is much less than that. (ii) There is a strong temperature dependence of αc. (iii) Under the nonequilibrium condition, αc depends also on the density (or pressure) and the temperature of the vapor. A simple evaporation model based on a transition state theory can explain this behavior to some extent. As related topics, molecular dynamics of nucleation processes is also described.
著者
三條場 千寿 Ozbel Yusuf 麻田 正仁 Sumbuu Gantuya 長田 康孝 宮城 一郎 松本 芳嗣
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第62回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2010 (Released:2010-10-12)

サシチョウバエは,パパタシ熱,バルトネラ症,リーシュマニア症などの人獣共通感染症を媒介する昆虫である.我が国における唯一のサシチョウバエとしてPhlebotomus squamirostris Newstead,1923が記載されている.1956年に青森県で9頭のサシチョウバエ採集が記録されて以来(緒方,1958),約50年間国内での報告はない.現在の我が国におけるサシチョウバエの棲息状況を明らかにするため,2008年秋田県,群馬県,鳥取県,沖縄県においてオイルトラップおよびCDCライトトラップを用いサシチョウバエの採集を試みた.その結果,秋田県で27頭(雄15頭,雌12頭),群馬県で491頭(雄369頭,雌122頭),鳥取県で3頭(雄1頭、雌2頭),沖縄県で192頭(雄157頭,雌35頭)を採集した.群馬県で採集したサシチョウバエの詳細な観察を行ったところ,形態学的特徴は1923年に記載されたP.squamirostrisと同じであった.さらに現在のサシチョウバエ同定に用いられているkeyによれば,Sergentomyia属サシチョウバエの特徴を有することが明らかになった.このため日本産サシチョウバエPhlebotomus squamirostrisをSergentomyia squamirostrisと再記載すべきである.国際化による地球規模でのヒト,動物,物資の移動,地球温暖化などの要因により,サシチョウバエの棲息域が拡大し,リーシュマニア症の流行地も拡大しつつある.我が国におけるサシチョウバエの棲息およびサシチョウバエが媒介する諸感染症に対する警戒を行う必要があると考える.
著者
藤原 美樹 石丸 進 松本 靜夫
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.201-212, 2010 (Released:2018-01-31)

本研究は,書院造の三要素である,床の間,付書院,違棚と中国古典様式家具との関連性を検証し,書院造の室内意匠の成立に起因する中国家具文化の受容と変容を探ることを目的としている。まず関連文献史料の収集,分析そして,中国寺院建築や伝統的民居,園林建築の室内意匠の実地調査を行い検証した。その結果日本では,留学僧(渡海僧)などによる文物交流により,請来された中国古典様式家具文化は家具として定着せず,独自の展開がみられ,建築の室内構成要素として日本的な家具文化を形成したものであることを明らかにすることができた。
著者
松本 直也 出村 慎一 松浦 義昌 内田 雄 長澤 吉則
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.192_1-192_1, 2017

<p> サッカー選手は、相手選手の巧みな動きに対する反応が遅れると、すぐに攻守が入れ替わるため、優れた敏捷能力が不可欠である。本研究は連続選択反応テスト(Tsubouchi et al. 2016)を利用し、大学サッカー選手の敏捷性のポジション間差を検討する。連続選択反応テストは連続的且つランダムに提示される方向指示に従って8方向の移動を繰り返すテストである。方向指示刺激は5パターン用意されており、被験者は全てのパターンを実施する。最大最小を除いた3パターンの動作時間の平均を評価変数とした。本研究では、関西学生サッカーリーグ1部校のM大学サッカー部員116名を被験者とし、連続選択反応テストを2試行(計10パターン分)実施した。試行間信頼性を検証するために級内相関係数(ICC)を算出した。また、対応のない1要因分散分により動作時間を4ポジション(ゴールキーパー13名、ディフェダー40名、ミッドフィールダー43名、フォワード20名)間で比較した。解析の結果、高いICC(0.815)が認められ、ポジション間の比較ではいずれも有意差は認められなかった。以上より、サッカー選手はポジション違いに関係なく敏捷性に差はない。</p>
著者
香川 実恵子 松本 美鈴 畑江 敬子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.699-708, 2000-08-15
参考文献数
18
被引用文献数
5

アオリイカ, スルメイカ, ヤリイカの生, 加熱肉を即殺後5日間貯蔵し, 官能検査, 物性分析を行った.生アオリイカは, ねっとり感が強く, 嗜好的にも好まれた.しかし, 加熱により伸び率が大きくなり, 歯切れが悪くなった.生スルメイカは, 最も硬く, ねっとり感が乏しく, 嗜好的にも好まれなかったが, 加熱すると, 歯切れが良くなり, 他のイカとの嗜好的な違いがみられなくなった.貯蔵による物性変化は生イカにおいて顕著であり, いずれのイカでも引っ張り強度が低下し, 付着性が増加し, 硬さが減少し, 貯蔵1日でイカ肉が軟化した.クラスター分析を行った結果, 生イカでは貯蔵の有無により, 加熱イカでは種類により, イカ肉のテクスチャーが大きく異なることが明確になった.
著者
松本 慶蔵 永武 毅 大石 和徳 天本 敏昭 浦江 隆次 入江 伸 仁位 泰樹 浦江 明憲
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.281-299, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
14

健康成人男子志願者を対象に, 新規β-lactamase阻害剤であるtazobactam (TAZ) にpiperacillin (PIPC) を1: 4 (力価比) に配合した注射用配合剤であるtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) の臨床第1相試験を実施した。試験は単回点滴静注 (TAZ/PIPC1.25g, 2.59, 5.0g, およびPIPC2.0g, TAZO.5g), 単回静注 (TAZ/PIPC1.25g, 2.5g) および9回反復点滴静注 (5.0g, 1日2回) を実施し, 安全性および体内動態を検討し, その成績を次に示した。1) 自他覚症状, 理学的検査および臨床検査において, 単回投与試験では本剤に起因する変化は認められなかった。9回反復投与試験において下痢および頭痛・倦怠感・胸部痛 (1例) を認めたが, 特に処置せずに消失した。2) TAZならびにPIPCはともに投与量に相関した血漿中濃度を示した。3) 血漿中濃度半減期 (T1/2β) は, TAZ, PIPCともに約0.6~0.8時間であった。また, TAZ, PIPCの定常状態の分布容積, 全身クリアランスは, ほぼ同じ値を示し, 両者はよく似た体内動態を示すことが明らかになった。4) 24時間までの尿中回収率はTAZが約67~77%, TAZの非活性代謝物M-1が約13~18%, PIPCが約54~68%であった。5) 5.0gの9回反復点滴静注後の血漿中濃度および尿中排泄には, 蓄積傾向は認められなかった。6) TAZの体内動態をTAZ/PIPC投与時とTAZ単独投与時で比較すると, 単独投与時に比べてTAZ/PIPC投与時にはTAZの血漿中からの消失の遅延が認められた。7) TAZの活性代謝物は血漿および尿中には認められなかったが, PIPCにはその活性代謝物が確認、され, PIPCの脱エチル体であることが確認された。以上の安全性および薬物動態についての検討成績からTAZ/PIPCは今後, 臨床評価を行うに値するものと考えられた。
著者
前島 英雄 松本 秀和 大沼 邦彦 喜田 祐三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.208-215, 1980-05-15
被引用文献数
1

本論文では 制御用16ビットマイクロコンピュータに関し 特に制御用として重要な高速演算性能および高信頼性を得るLSIアーキテクチャについて述べる.本マイクロコンピュータは 既存のミニコンピュータと同一の命令体系を維持しながらNチャネルMOSデバイスによって製造する2種のカスタムLSIを基本要素として構成される.LSIの論理方式は コンピュータ・アーキテクチャと同様にプロセッサの処理性能に大きな影響を与えるものである.そこで 高速演算の実現に対し プロセッサ全体の論理構造を命令フェッチ用LSI(IFCU)と命令実行用LSI(RALU)の2つの論理機能に分割するアーキテクチャを採った.また LSI内部では加算回路のキャリ高速伝播方法を提案し マイクロ・サイクル・レベルでの高速化も示す.これによりカスタムLSIが パイプライン制御(命令実行中に次の命令フェッチを並行して行う)機能を備え 300nsのマシン・サイクル時間で動作するための技術を示す.結果として このLSIを用いたマイクロコンピュータは レジスタ・メモリ間加算命令2.3μs ギブソン・ミックス6.8μs の高速性能を達成する.更に 高信頼性の実現に対しては カスタムLSIへRAS機能をオン・チップ化するアーキテクチャを提案する.これによりマイクロコンピュータの部品としてのLSI が単なるデータ処理に止らず 主記憶保護やシステム監視などのエラー検出・処理をも行うことで制御用としての特長を活かし得ることを示す.
著者
松本 文子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-2, 1995-03-15

先に開発したイオノグラム(電離層観測データ)小規模オブジェクト指向データベースシステムは、表示画像の全体を画像検索キーとする検索機能を備えている。ところで、表示画像を検索キーとする場合、画像全体をキーとするよりむしろ、注目する部分の画像を検索キーにしたいことが多い。そこで、今回は表示画像において指定した範囲を検索キーとする部分検索機能をこのシステムに追加した。また、今までの利用者インターフェース中心のオブジェクト構成を、環境観測データに共通の性質(時間と場所)に注目し、時間と検索の両面からオブジェクトクラスの構成を見直しを行った。以下で、部分検索機能の追加に伴う変更と、見直したオブジェクトクラスの構成について概要を報告する。
著者
松本 亜希子 宮坂 瑞穂 中川 光弘
出版者
北海道大学大学院理学研究院
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
no.78, pp.1-9, 2015-03

We examined the analysis method of the compositions of volcanic glass using WDS-EPMA, focusing on Na migration caused by electron-beam bombardment. As a result of the comparison among the beam current in 10 μm square area, it is concluded that Na migration occurs in any cases at 15 kV. During the first 30 seconds, Na decay is not observed, and therefore, the detection of Na must be finished within the first 30 seconds. Considering the variations of other elements, the 15 kV accelerating voltage and 7 nA beam current with raster scanning of 10 μm square area is the best condition for the determination of volcanic glass compositions. This can prevent "grow-in" of Si and Al, as well as can make smaller the deviations of the minor elements. Using this condition, we can discuss the variations of volcanic glass compositions (except for Na) without any corrections.
著者
福田 貴三郎 村瀬 健太郎 中村 覚 稗方 和夫 笈田 佳彰 松本 滋 岡田 伊策
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1240-1249, 2018-04-15

パッケージソフトや既存システムの仕様変更において,改修・カスタマイズの対象となる機能の規模の見積りや,それにともなう作業全貌の把握には,システムの全体構成や個々の機能の詳細に関する知識が不可欠であり,豊富な経験と高度なスキルを有するベテランSEのノウハウが必要である.また設計情報に加え,作業プロセス間の依存関係に基づく影響波及範囲の推定も求められる.本研究では,設計情報と作業プロセス間の暗黙的な依存関係を可視化し,パッケージソフトや既存システムの改修・カスタマイズによる影響波及範囲の特定を支援するシステムの開発を行った.また,実際の情報システム開発プロジェクトにおける事例を用いた評価実験により,従来の手法に比べドキュメントベースでより網羅的に影響波及範囲を抽出できることを確認した.