著者
森治子
雑誌
ヒューマンサイエンスリサーチ
巻号頁・発行日
vol.3, pp.43-58, 1994
被引用文献数
2
著者
酒井 哲 内野 修 森野 勇 永井 智広 赤穂 大河 川崎 健 奥村 浩 新井 康平 内山 明博 山崎 明宏 松永 恒雄 横田 達也
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.197-204, 2014-07-04 (Released:2015-01-27)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Volcanic ash particles originating from the eruptions of Mt. Sakurajima (31.59°N, 130.66°E) were observed with Mie lidar at an altitude of 1.6-2.3 km over Saga (33.24°N, 130.29°E) on 21 and 22 August, 2013. The lidar data showed a high depolarization ratio (10-15 %) and a moderately low backscatter wavelength exponent (0.6-0.7), indicating the presence of supermicrometer-sized nonspherical particles. The aerosol optical thicknesses at 500 nm derived from the skyradiometer were 0.12 on 21 August (13 : 50 LT) and 0.40 on 22 August (12 : 50 LT). The Ångström exponent was 0.16-0.49 and the single scattering albedo was 0.73-0.91, indicating the predominance of supermicrometer-sized and moderately absorbing particles.
著者
今井 玄哉 塩田 憲司 高岡 昌輝 大下 和徹 水野 忠雄 森澤 眞輔
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.192, 2010 (Released:2010-11-07)

本研究では廃棄物焼却炉から排出されるSPM、PM2.5の実態を明らかにすることを目的とし、実際に稼働している廃棄物焼却炉(4施設)における排ガス中のばいじんを集塵装置(バグフィルター)前と煙突前で粒径別に捕集してばいじん量の変化を測定し、また電気集塵機が使われていた同一施設における1998年の調査結果と今回の結果とを比較することで新旧集塵装置の評価を行った。4施設の煙突前の排ガス中ダスト濃度の平均値は1998年時点に比べ1/200以下に低減されていた。全粒径ダストの集塵効率はいずれの工場においても99.97%以上であり、設備更新前に比べ上昇した。PM2.5の集塵効率については99.93%以上であった。最新式の排ガス処理設備が導入された廃棄物焼却炉からは一次粒子としてのSPM、PM2.5の排出は極めて少ないと考えられ、また1998年の調査結果と比べダイオキシン類対策の効果が認められた。
著者
岡本 康秀 小渕 千絵 中市 健志 森本 隆司 神崎 晶 小川 郁
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.125, no.7, pp.1092-1103, 2022-07-20 (Released:2022-08-11)
参考文献数
36
被引用文献数
2

日常生活において, 複数人数での会話, 周囲に雑音がある中での会話, 電話での会話などで聞き取りが困難である場合, 難聴の自覚をもって耳鼻咽喉科を受診する. しかし聴覚検査で正常と診断される例では, 本人の聞こえの感じ方と検査結果に解離が見られ, 特にこのような聞こえの困難を自覚する例では聴覚情報処理障害が疑われる. しかし明確な診断基準がないためその診断には苦慮する. 今回そのような聞き取り困難例に対して聴覚心理・認知的検査の側面と背景要因の側面から検討を行った. 多くの聴覚心理検査がある中で今回, 両耳分離聴検査, 早口音声聴取検査, 方向感機能検査, 雑音下音声聴取検査である HINT-J が聞き取り困難の訴えを捉える有効な検査であることが分かった. 特に方向感機能検査や HINT-J は簡便な検査でありながらカクテルパーティー効果等実際の聞き取り困難さを評価できた. 一方,認知的側面では聴覚的注意検査や聴覚的記銘検査によって,注意機能やワーキングメモリが聞き取りに極めて密接に関係することが分かった. また, 背景要因としての ASD や ADHD 傾向のチェックも重要で, 潜在的なグレーゾーンを含めて聴覚に影響のあることを認識し, ほかの業種と連携しサポートも検討していく必要がある.
著者
森田 美里
出版者
日本フランス語教育学会
雑誌
Revue japonaise de didactique du français (ISSN:18805930)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1-2, pp.80-96, 2015-09-15 (Released:2017-10-13)

日仏コミュニケーションにおいて「舌打ち」(非肺気流子音の歯茎吸着音)は誤解を招く原因の一つである。本研究では,まず実例に基づき舌打ちを観察し,次に日本人学習者の知覚と評価に関するアンケート調査を行い,さらに日本人に対するフランス語教育での舌打ちの取り扱いに関する条件を考察する。一つ目の調査結果から,舌打ちが談話標識のように現れ,主に注意喚起機能を持っていることが明らかになった。また,二つ目のアンケート調査により,この音がフランス語文法の基礎が十分ではない,なおかつ外発的に動機づけられている学習者には「聞こえる」ことがわかった。これらの者が渡仏を控えている場合,日本語の舌打ちとフランス語のそれとが異なる用法を持っているということを教えることは有用であろう。一方,基礎力が十分あり,なおかつ内発的に動機づけられた学習者は,日本人フランス語教師も含め「聞こえていない」。よって,この知識は全ての学生に必要であるとは言えないが,教師はこの現象を把握し,機能および用法を知っておくべきである。
著者
森 龍丸 藤原 裕司 前田 浩二 神保 睦子 小林 正
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面科学学術講演会要旨集 2016年真空・表面科学合同講演会
巻号頁・発行日
pp.143, 2016 (Released:2016-11-29)

グラフェンは様々な分野で注目を集めているが,我々は磁気特性に注目している.本研究では,多層の酸化グラフェンを還元し,各種処理を施し,グラフェンの磁性の変化を調査した.アルゴン雰囲気600度で還元された試料は反強磁性であったが,水素含有雰囲気600度で還元された試料の一部は強磁性的特徴を示した.また,超音波処理を行うことで磁気モーメントの増大が観測されており,強磁性グラフェンの存在が示唆された.
著者
河合 広 本田 嘉秀 森嶋 弥重 古賀 妙子 木村 雄一郎 西脇 安
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.273-279, 1968 (Released:2010-03-15)
参考文献数
13

We have observed properties of radioactive fallout originated from the first, the second, the third, the fourth and the fifth Chinese nuclear explosions. The differences in gross beta-activities, activities per unit volume and their particle sizes of highly radioactive particles are discussed with relation to the differences in burst conditions among the five explosions from which they originated.It was found that radioactivities of the highly radioactive particles were roughly proportional to their volumes. The differences in the radioactive decay rates of highly radioactive fallout particles were found in connection with their colors.From the results of decay characteristics of gross beta-activities and γ-ray spectra of fallout samples, it was found that the contribution of radioactivities of 239Np in samples from the fifth Chinese explosion was larger than that from the third Chinese explosion.In comparison between the γ-ray spectra of highly radioactive fallout particles from the third and the fifth Chinese explosions, the particles from the third Chinese explosion were enriched in 95Zr+95Nb and impoverished in 103Ru, while on the particles from the fifth Chinese explosion, the reverse of phenomenon above mentioned was observed.
著者
大森 美佐
出版者
Japanese Council on Family Relations
雑誌
家族研究年報 (ISSN:02897415)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.109-127, 2014 (Released:2015-03-31)
参考文献数
19

日本では、晩婚・未婚化現象、それと連動して起こる少子化の傾向を問題視してか、人々に恋愛や結婚を意識させるような話題がメディアを媒介に世間を賑わせている。しかし、依然として結婚前の「恋愛」を中心的に扱った調査研究は少ない。本稿では、1983年から1993年生まれ、現在20歳代の未婚男女で異性愛者24名を対象にフォーカス・グループディスカッションと半構造化インタビュー調査を行い、若者たちが「恋愛」をどのように語るのかというレトリックに注目し、その論理構造をジェンダー視点から考察した。考察の結果、「付き合う」という契約関係は性関係を持つことの承認を意味するが、「付き合う」ことが必ずしも「恋愛」と同義ではないということがわかった。特に女性からは、結婚に結びつく恋愛を「恋愛」であるとする語りがみられ、ロマンティック・ラブを忠実に体現しようとすればするほど、「恋愛」から遠ざかるということが示唆された。
著者
柄松 章司 森 章悟 高木 憲生
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.35-38, 2002-05-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
9

1991年から当院の検診センターでは女性に対して超音波による甲状腺検診を行っている。対象は大半がトヨタ自動車従業員の妻で,40~50代が80%である。1991年から1995年までの5年間に15,190人が受診し976人が要精検となり,癌59人が発見された。うち33例はラテント癌と思われる微小癌であったため,1cm以下は敢えてチェックしない方針をとった。1996年から2000年までは15,540人が受診した。要精検は453人,癌発見も30人となり,微小癌も10例に減少した。
著者
高鳥毛 敏雄 逢坂 隆子 山本 繁 西森 琢 藤川 健弥 黒田 研二 磯 博康
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.19-25, 2007-01-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
36

〔目的〕ホームレス者の結核の実態とその対策方策を明らかにすることを目的とした。〔対象と方法〕平成15年から17年までの3年間ホームレス者を対象に公的就労事業にあわせて結核検診を実施した。各年の結核検診の受診者数は1,309人,1,545人,1,546人であった。〔結果〕各年の結核有所見者割合は約30%,要治療者割合は約2%とほぼ同様の状況であった。平成17年の要治療者30人中の過表に受検歴のあった者20人について胸部所見を調査したところすでに胸部結核有所見であった者が13人(65%)と高率であった。平成16年と平成17年両年連続受検者857人の分析では,胸部所見IV型の者20人の中から3人が発症,無所見の者597人からは8人が発症していた。つまり,IV型の者は無所見者に比べて11.2倍発症率が高かった。〔考察と結論〕ホームレス者は結核有所見者の割合が高いこと,有所見者からの発病率が高いこと,有症状受診が困難な者が多いことなどから,ホームレス者の結核検診実施にあたっては胸部所見が安定型の者に対してもQFTを活用するなど,何らかの治療基準を定めて対応することが必要と考えられた。
著者
大森 崇史 稲永 慶太 柏木 秀行
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.225-229, 2021 (Released:2021-07-06)
参考文献数
15

【緒言】腎不全を合併した不応性の末期心不全患者の呼吸困難に対し,フェンタニル注射剤を用いて良好にコントロールできた症例を経験したので報告する.【症例】76歳,男性,拡張型心筋症のため以前より入退院を繰り返していた.慢性心不全の急性増悪で入院し,実施可能なすべての心不全治療が行われていたが,呼吸困難は改善困難であった.緩和ケアチームが介入し,腎機能低下のためにモルヒネの代替薬としてフェンタニル注射剤を使用した.経過を通して心不全は改善しなかったが,フェンタニルの投与により呼吸困難は改善した.入院41病日に死亡した.【考察】末期心不全患者は腎機能低下を伴うことが多く,呼吸困難緩和目的のモルヒネ使用が困難であることが多い.慎重な観察下にフェンタニルを代替薬として使用することにより,末期心不全患者の呼吸困難を緩和することができる可能性がある.
著者
森田 泰彦
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.416-417, 1990-05-01 (Released:2009-11-13)

L-アスコルビン酸 (以下L-AsAと略す) は抗壊血病活性をもつ水溶性ビタミンで一般にはビタミンCとして知られている。AsAにはL-体とD-体とが存在するが, 抗壊血病作用をもつのはL-体でD-体はほとんど作用がない。1920年に抗壊血病作用を示す成分がビタミンCと〓命名された (Drummondにより) が, その後Szent-Gyorgyiらがウシの副じん (腎), オレンジ, キャベッ等から結晶として単離してヘキスロン酸と命名した物質がビタミンCと同一物質であることが確認され, 抗壊血病の意味からアスコルビン酸と命名された。天然にはかんきつ (柑橘) 類, そ (蔬) 菜類, 緑茶等に多く含まれているが, 純度の高い結晶が容易に大量生産されるので天然物から抽出, 単離することは行われていない。
著者
古川 聡子 河口 勝憲 岡崎 希美恵 森永 睦子 大久保 学 辻岡 貴之 通山 薫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.44-51, 2018-01-25 (Released:2018-01-27)
参考文献数
1

マイクロピペットは検体の分注・希釈,凍結乾燥タイプのキャリブレーターやコントロールの溶解・調整を行う際に使用されている。マイクロピペットは操作が簡単で,素早く指定量を採取できるが,分注精度を保つには基本的な操作方法に準じて使用する必要がある。今回,マイクロピペットの操作方法が分注精度に及ぼす影響の検証および各施設における操作方法の現状把握のためのアンケート調査を行った。マイクロピペット容量規格の選択については,採取する液量がマイクロピペットの全容量に近いマイクロピペットを選択した方が,正確性・再現性ともに良好であった。また,プレウェッティングを行うことで,分注精度が高まることが確認された。分注方法による正確性についてはフォワードピペッティングの方が良好であり,理論値に対してフォワードピペッティングは低め,リバースピペッティングは高めの傾向であった。また,再現性については水ではフォワードピペッティング,血清ではリバースピペッティングの方が良好な結果となった。したがって,基本的にはフォワードピペッティングとし,粘性のある試料で精密度を保ちたい場合はリバースピペッティングとするのが望ましいと考えられる。試料の温度が室温よりも極端に低い場合,分注精度に影響が出ることも確認された。アンケート調査では各施設で操作方法に違いがあることが明らかとなり,今後,各施設における基本的操作方法の順守が望まれる。
著者
上田 昌宏 高垣 伸匡 恩田 光子 荒川 行生 庄司 雅紀 大森 志保 清水 忠
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.301-312, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

In Japanese pharmaceutical education, the Model Core Curriculum was revised in 2013 to train pharmacists who can appropriately evaluate literature and use evidence-based medicine (EBM). However, in the investigation of EBM education at pharmaceutical universities in 2015, it was found that literature evaluation was hardly performed in the education of undergraduate students. One of the reason is the lack of EBM lecturers at each universities. Therefore, we adopted team-based learning (TBL) to educate more than 50 undergraduate students on the practical evaluation of literatures and the understanding of EBM concepts. The learning outcomes of this strategy were evaluated using the scores of individual tests before and after the class. As a result, the mean scores on the post-test significantly improved from 4.34 to 6.42 out of 10 total points (p<0.001). We further administered a questionnaire survey regarding the understanding of EBM (the mean score was 4.12). In conclusion, it was suggested that TBL for a large number was effective in EBM education for providing knowledge of literature evaluation and the understanding of fundamental concepts.
著者
荒牧 英治 増川 佐知子 森田 瑞樹 保田 祥
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-208, no.9, pp.1-8, 2012-08-26

これまで言語学で高い関心を集めている問題の1つに人間の語彙数がある.数々の調査がなされてきたが,その多くは,理解できる語彙(理解語彙)の調査にとどまり,実際に使用する語彙(使用語彙)についてはどのくらいのものか,いっこうにわからないとされてきた.本研究では,ウェブ上の発言データを利用し,10万人という大規模な人数で使用語彙調査を行った.調査の結果,使用語彙は平均8,000語であることが明らかになった.さらに,同データを用いて,語のユーザ数の調査を行った.この結果,ユーザに偏りがある語や偏りがない語のリストが得られた.このようなユーザ数にもとづいたリストは本研究で初めて得られたものである.
著者
川瀬 良美 森 和代 吉崎 晶子 和田 充弘 松本 清一
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.119-133, 2004
被引用文献数
12

本研究の目的は,成熟期の女性のPMSの実態について即時的な記録から明らかにしようとするものである.成熟期の25歳以上45歳以下の141名の388月経周期について月経前期と月経期に記録された身体症状,精神症状そして社会的症状の合計51症状について検討した.月経前症状の頻度,平均値,最大値からみた主症状は,精神症状のイライラする,怒りやすい,身体症状の乳房の張りの3症状といえた.また特定の人に強く経験されている症状も認められた.対象者の諸属性のうち,年齢グループ別,出産経験有無別,就労形態別で検討したところ,それぞれの属性で有意に高い平均値を示す症状群が認められた.月経前期から月経期への推移について検討したところ,月経前期から月経へ減少または消失するというPMSの特徴を統計的に有意に示す症状は15症状であった.それら症状の相互関連をクラスター分析によって検討した結果,イライラ,怒りやすい,そして食欲増加という選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)に反応するような脳レベルの問題と考えられる症状のクラスターAと,乳房の張り,ニキビができやすいなど卵巣ホルモンが直接発症に関与している症状のクラスターBが見いだされた.また,クラスター分析と属性別の結果から出産経験の有無による相違が認められ,出産経験が症状と特異的に関連していることが示唆された.また,月経前期から月経期へ統計的に有意な増加を示す症状は12症状で,クラスター分析の結果,下腹痛など子宮レベルの問題を背景とした症状と精神症状と社会的症状で構成されたクラスターCが見いだされ,成熟期女性にも周経期症候群(PEMS)の概念で説明できる月経前症状が認められた.以上の結果から,本邦における成熟期女性の月経前症状は,脳レベルの問題,卵巣レベルの問題,子宮レベルの問題を背景として,PMSとPEMSという特徴的な臨床像による2つの概念で説明できる.