著者
西原 健司 山岸 功 安田 健一郎 石森 健一郎 田中 究 久野 剛彦 稲田 聡 後藤 雄一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-19, 2012 (Released:2012-02-15)
参考文献数
15
被引用文献数
30 35

After the severe accident in the Fukushima-1 nuclear power plant, a large amount of contaminated stagnant water has been produced in turbine buildings and surrounding areas. This rapid communication reports the calculation of the radionuclide inventory in the core, the collection of the measured inventory in the stagnant water, and the estimation of the radionuclide release ratios from the core to the stagnant water. The present evaluation is based on data obtained before June 3, 2011. It was revealed that the release ratios of tritium, iodine and cesium were several tens of percent, while those of strontium and barium were smaller by one or two orders of magnitude. These release ratios of the Fukushima accident were equivalent to those of the TMI-2 accident.
著者
河原 秀俊 森澤 豊 勝沼 俊雄 大矢 幸弘 斎藤 博久 赤澤 晃
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.559-564, 2002-07-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
7

卵白CAP-RAST陽性患児に対するインフルエンザワクチン接種の安全性について検討を行った.Sandwich ELISA法にて今回使用したワクチン中卵白蛋白(OVA)濃度測定を行い,2〜8ng/mlと微量であった.ハイリスク患児(卵白CAP-RASTクラス4以上または卵摂取により何らかの即時型反応の既往のある)36名(44.1±5.0カ月)に対しインフルエンザワクチン接種を行い,副反応として1患児で局所発赤を認めたが,即時型全身副反応をきたした患児は認められなかった.また卵白CAP-RAST陽性群(104患児)と陰性群(98患児)における即時型副反応の頻度は,局所反応が卵白CAP-RAST陽性群で0.5%,陰性群で2.2%であり,有意差は認められなかった.以上より,卵白CAP-RAST陽性患児に対するインフルエンザワクチン接種は,多くの有症状患児に対しても可能と思われる.
著者
長濱 澄 菅野 弘朗 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.345-362, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
38

本研究では,オンライン学習を想定した映像コンテンツの高速提示において,学習スタイル別の情報処理プロセスと学習効果の関連性を明らかにすることを目的とした.FELDER の学習スタイル尺度によって分類されたVisual 群20名とVerbal 群20名に対し,講師映像,スライド,字幕から構成された映像コンテンツを1倍速と2倍速の提示条件で提示した.その結果,映像コンテンツの高速提示による認知負荷は,二重チャンネルモデルにおける聴覚チャンネルの情報処理量が増大したことによるものである可能性が示唆された.映像コンテンツの高速提示における教育実践上の配慮として,(1)F-ILS におけるVisual 型学習者のように,視覚チャンネルを中心に情報処理を行う学習者には,聴覚チャンネルにおける情報処理量が過度に大きくならない程度の再生速度で提示する,(2)F-ILS におけるVerbal 型学習者のように,聴覚チャンネルを中心に情報処理を行う学習者には,内容が簡略化された視覚テキストを提示することが挙げられる.
著者
大塚 浩仁 田中 健作 斉藤 晃一 森田 泰弘 加藤 洋一 佐伯 孝尚 山本 高行 後藤 日当美 山本 一二三
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.148-154, 2015-05-05 (Released:2017-06-12)
被引用文献数
1

イプシロンロケットは2013年9月14日に惑星分光観測衛星「ひさき」の打上げに成功し,目標とした軌道投入精度を達成し,新規に開発した誘導制御系の性能を遺憾なく発揮した.イプシロン開発では,惑星探査機「はやぶさ」を投入したM-Vロケットの誘導制御系の性能を継承しつつ新たな技術革新にチャレンジし,M-Vの機能,性能をさらに向上させた誘導制御系を実現した.最終段には信頼性の高い低コストなスラスタを用いた液体推進系の小型ポストブースタ(PBS)を開発し,新たに導入した誘導則とともに軌道投入精度を飛躍的に向上させた.フライトソフトにはM-Vで蓄積した各種シーケンスや姿勢マヌーバ機能をユーティリティ化して搭載し,科学衛星ユーザ等の多様な要望に容易に対応できる機能を実現し運用性を高めた.
著者
森田 大介 Daisuke MORITA モリタ ダイスケ
出版者
総合研究大学院大学文化科学研究科 / 葉山町(神奈川県)
雑誌
総研大文化科学研究 (ISSN:1883096X)
巻号頁・発行日
no.16, 2020-03-31

十六世紀は、『中原康貞記』や『中原康雄記』などの古記録があるものの、地下官人に関する研究が停滞している。その理由は、『中原康貞記』と『中原康雄記』が全面的に翻刻されていないことや、当該期の六位外記史に関する職員録がない点にある。そこで、本稿は、基礎的な作業となるが、十六世紀に現われる外記局・弁官局の六位外記史の系統・官職・在職時期などの考証を行う。これによって、中世から近世に至る六位外記史や外記局・弁官局の実態を解明するための礎を築くものである。その結果を述べると、まず、十五世紀半ばの外記局の構成員一族は、隼人正流中原氏と「種」流清原氏となっていたが、長禄年間(一四五七~六〇)を境に「種」流清原氏は姿を消し、それに代わって「賢」流清原氏が出現する。そのため、十六世紀は、隼人正流中原氏と「賢」流清原氏が外記を本官として活動する。十七世紀初頭には、隼人正流中原氏の康政と、「賢」流清原氏の賢好が、出家・引退してしまうものの、蔵人方出納を輩出していた中原氏や、京近郊で郷士となっていた隼人正流中原氏の傍流から、新たに六位外記となる一族が現れる。弁官局では、十六世紀前半に三善氏が加わるが、同時期に高橋氏がいなくなる。しかし、高橋氏は後陽成天皇の在位期に再興されるので、十六世紀末から十七世紀初頭に史を本官とする一族は、安倍氏・高橋氏・虫鹿流小槻氏・三善氏の四氏構成となる。これらのことにより、両局ともその構成は、十五世紀半ばから十六世紀末に至るまでいまだ流動的な状況にあったと判断されるのである。十六世紀の六位外記史の多くが「両局兼帯」していたことも確認できる。この「両局兼帯」の一般化によって、両局は多数の構成員一族で運営されることになり、それぞれの局内にいる特定の構成員一族が六位の極臈となる官職を目指し、それ以下の官職を家業習得の場として請け負っていく「下級官史請負」の仕組みは崩れた様子がうかがえる。当該期は、家業習得や極臈になることを目的として下臈から上臈に昇っていく階梯を少数の構成員一族が独占し請け負っていくのではなく、行事運営を支えるためにそれぞれの局を構成する一族が、両局の枠を超えて外記と史の両方を請け負う状態となったと捉える方が妥当である。こうして両局は、「下級官史請負」の進行がもたらした人員不足と、それに伴う少数の構成員一族による局内運営という組織運営上の構造的欠陥を克服し、組織の統廃合や改編を経ることなく近世へと存続したと考えられるのである。Research on low-ranking officials in the 16th century has been stagnant due mainly to an absence of contemporaneous staff records.Accordingly, this paper examines the history, responsibilities, and terms of service at the Rokuishi and Rokuigeki that emerged in the 16th century with the hope of laying a foundation for elucidating the actual situation of the Gekikyoku and Benkankyoku.Our examination confirmed that during this period, members of the main lineage of the Nakahara Hayato family and Shu lineage of the Kiyohara family served as the Rokuigeki Secretariat.Nakahara Yasumasa of the main lineage of the Hayato Nakahara family, and Katayoshi Kiyohara, from the Ken lineage of the Kiyohara family, became priests and retired in the early 17th century. A new family of Rokuigeki Secretariat then appeared from a side lineage of the Nakahara family, which had produced Kurodo-shutsuno or brewers’ treasurers, and from another side lineage of the Nakahara family, which had become country samurai in the suburbs of Kyoto. From the end of the 16th century to the beginning of the 17th century, the Benkankyoku was served by four families; Abe, Takahashi, Mushiga lineage of Oduki, and Miyoshi. In other words, the organizational personnel of the two bureaus was still unstable during the period from the mid-15th century to the end of the 16th century.It can also be confirmed from the history of the 16th century that most of the time the secretariat served both bureaus. When the practice of serving both bureaus persisted, both bureaus were operated by a large number of specific family members who aspired to achieve the position of Gokuro, or head chamberlain. The structure of taking positions as lower-ranking officials as opportunities to learn about their family business eventually disintegrated. During this period, instead of a few members of the family monopolizing the echelons from the lower to the upper ranks, a large number of the family members who were in charge shared the responsibilities beyond the scopes of the bureaus to learn their family business and reach the top Gokuro post. In this way, the two bureaus were able to overcome their structural deficiencies, such as shortages of personnel from excessive taking of positions as lower-ranking officials resulting in management by a small number of family members. The two bureaus survived to early modern times without experiencing organizational elimination, consolidation or restructuring.
著者
森脇 真一
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.130, no.9, pp.2043-2046, 2020-08-20 (Released:2020-08-21)
参考文献数
20

太陽光に最も多く含まれる可視光線は,近年,皮膚アンチエイジング治療の有用なツールとしてLED,IPLが開発されたことから,臨床的,実験的にそれらの有用性が実証されてきた.その一方で,可視光線曝露がかえって酸化ストレスを生じさせて「光老化」を加速させる可能性も示唆されている.眼科領域では,可視光線による活性酸素を介した網膜障害が問題になってきている.紫外線同様,可視光線も生体にとっては「諸刃の剣」かもしれない.
著者
大森 絵美 西上 智彦 渡邉 晃久 脇 真由美 河田 健介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A3P3054, 2009 (Released:2009-04-25)

【はじめに】日常臨床上,気象の変化による痛みの増強を訴える症例をよく経験する.これまでに,佐藤らはモデルラットを用いて気圧・気温の低下が痛み閾値を低下させることを明らかにした.また,国内で実施された「健康と気候に関するアンケート」の調査結果において,一般生活者及び慢性疾患患者の約7割が天候や季節変化による体調への影響を経験していることが報告されている.しかし,臨床現場において,実際に,気圧・気温の変化が痛みを惹起しているかは明らかでない.そこで,本研究の目的は気圧や気温が痛みに関与するか検討することである.【方法】対象は本研究を理解し同意が得られ,調査期間中に他に痛みが増強する要因がなかったことを確認した本院外来通院患者21名(男性7名,女性14名,平均年齢68.3±13.0歳)とした.まず,調査初日に気象の変化が痛みに影響するかについて意識調査を行った.痛み,気圧,気温の調査は10月中旬から同年11月中旬の不連続な計10日間に行った.痛みの程度は毎回午前9時から午前10時の間にvisual analogue scale(以下:VAS)を用いて評価した.気圧・気温については気象庁ホームページより,本院から最も近い観測所のデータを参考にした.解析対象は,気圧については調査日の午前9時における気圧及び気圧変化量(午前8時の気圧から午前9時の気圧を引いた値)とした.気温については調査日の午前0時から午前8時までの間の最低気温及び気温変化量(調査前日の午後10時の気温から調査当日の午前6時における気温を引いた値)とした.統計処理はSPSS11.5Jを用いて行った.まず,VASと気圧・気圧変化量・気温・気温変化量のそれぞれの相関係数を求め,相関係数0.8をカットオフ値として2群に分割し,気象の変化が痛みに影響するかの有無とのFisherの正確確率検定を行った.また,VASを目的変数とし,気圧,気圧変化量,気温,気温変化量を説明変数としたStepwise法による重回帰分析を行った.なお,有意水準は5%未満とした.【結果】気象の変化が痛みに影響すると回答したのは21名中16名であった.Fisherの正確確率検定において有意な差は認めなかった.重回帰分析によりVASに影響を与える説明因子として21名中20名に気圧を認めた.【考察】気象の変化が痛みに影響を及ぼすかの意識と実際の気象と痛みの関係は乖離していた.また,佐藤らは人為的に起こした気圧低下・気温低下においてモデルラットの痛みの増強を確認しているが,自然な気象変化の中で行ったヒトにおける本研究では,気圧・気圧変化量・気温・気温変化量のうち,気圧がもっとも痛みに影響を与える因子であった.本研究から,気圧の低下が痛みを増強していることが明らかになり,理学療法実施時には十分考慮した上での評価,治療が必要と考えられる.
著者
吉安 京子 森本 元 千田 万里子 仲村 昇
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.21-48, 2020-06-30 (Released:2020-07-12)
参考文献数
2
被引用文献数
1

In 2002, the Japan Bird Migration Research Center compiled longevity records based on the research during 1961–1995. Subsequently, additional data have been updated in each issue of the Bird Banding Research Annual Report of Japan. However, no complete list has been published. Here, we report the top two longevity records of each species based on the Japan Bird Banding data during 1961–2017.
著者
三輪 聖 森田 達也 松本 禎久 上原 優子 加藤 雅志 小杉 寿文 曽根 美雪 中村 直樹 水嶋 章郎 宮下 光令 山口 拓洋 里見 絵理子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.281-287, 2021 (Released:2021-10-26)
参考文献数
18

【目的】緩和ケア医が苦痛の評価を行う上で知っておくことが必要と考える方言を収集する.【方法】2020年2月から4月に緩和医療専門医・認定医762名を対象とした全国質問紙調査を実施した.緩和ケア医が苦痛の評価を行う上で知っておくことが必要と考える方言とその意味を自由記述で質問し,症状別に分類した.【結果】有効回答492名(64.8%).233名(47.4%)が方言として116語を挙げ,苦痛を表現する方言は101語であった.「倦怠感・特定できない苦痛・全体的な調子の悪さ」(N=62),「疼痛」(N=13),「呼吸器・循環器症状」,「精神症状」(各N=8),「消化器症状」,「神経・筋・皮膚症状」(各N=5)であった.【結語】緩和ケア医が苦痛の評価を行う上で知っておくことが必要と考える方言とその意味が明らかになった.苦痛の適切な評価のために,苦痛を表す様々な方言があることを理解することが必要である.
著者
大森 賀乃
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.207-215, 2015

A great deal of studies on cognitive development of human being have been explored for decades, and the environment during infancy are gradually recognized as one of the most important terms to accelerate / decelerate human's development. The present paper aimed to summarize the determiner of cognition / emotion arose from infants from the " cultural context " point of view, following Bronfenbrenner's Ecological System Theory.
著者
森 浩一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.9, pp.1153-1160, 2020-09-20 (Released:2020-10-01)
参考文献数
39

吃音は, 呼吸と発声・構音器官に器質的な障害や可動制限が原則としてなく, 吃音中核症状 (繰り返し, 引き伸ばし, 阻止・ブロック) を生じる発話障害である. ほとんどは幼小児期に発症する発達性吃音である. 獲得性吃音としては成人後の心因性が多いが, まれに脳損傷 (神経原性) と薬剤性もある. 診断基準は, 吃音検査で中核症状が100文節あたり合計3以上あることである. しかし, 自分の名前のみ吃る症例等も見られ, 頻度は絶対基準ではない. 発話に際しての渋面や手足を動かすなどの随伴症状は, 吃音にかなり特異的である. 鑑別疾患として, 言語発達遅滞・異常, 構音障害, 発声障害, チック, 場面緘黙, 脳損傷等がある. 早口言語症 (クラタリング) は, 鑑別も必要であるが, 吃音との併発もある. 発達性吃音は3歳前後に好発し, 幼児の1割程度に発症する. 発症要因の7割以上が遺伝性であり, 育て方が原因という「診断原因説」は否定されている. 発吃から2~3年程度までの経過で7割以上が自然治癒する. したがって, 幼児期には楽に話せる環境を整えながら経過を追い, 発話に苦悶・努力や悪化傾向があるか, 就学1年前頃になっても改善傾向がない場合に言語治療を開始する. 幼児期の言語訓練は有効率が比較的高い. 8歳頃以降は自然治癒が少なくなる一方, 独り言ではほぼ吃らなくなり, 状況依存性が強くなる. 学齢期に約半数がいじめやからかいを経験するので, 対策が重要であり, 診断書等で対応する. 学齢後期以降には, 吃音を隠そうとして多彩な, しばしば不適切な対処行動を発達させ, 思春期以降は社交不安障害やうつ等の精神科的問題も併発しやすい. 言語訓練は単独では長期的な有効率が低く, 心理面・社会面のサポートも必要である. 就学・就労支援として, 診断書によって差別解消法に基づく合理的配慮を求めることができる. 発達性吃音であれば発達障害者支援法に基づき, 精神障害者保健福祉手帳の取得が可能である.
著者
森本 忠嗣
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.96-101, 2008 (Released:2008-12-22)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

SLRテスト陽性(以下,SLR(+))の定義が明記してある文献(和文32編,英文28編,整形外科教科書から20編)を調査した.SLRテストは手技により自動と他動に分類され,さらに使用目的により疼痛評価,筋力評価,柔軟性評価に細分類され,SLR(+)の定義は評価者によりさまざまであった.とりわけ,疼痛評価の場合,SLR(+)とする疼痛誘発部位は腰部,下肢,坐骨神経痛などであり,角度も70~80度以下と多様であった.本研究よりSLR(+)の定義は目的や疼痛部位によりさまざまであり教科書レベルでも統一された定義がないことが明らかになった.そのため,SLR(+)の定義を明確にしていない報告の解釈には注意が必要である.反面,SLR(+)の定義の多様性は,SLRテストが腰下肢痛の誘発テストとして感度が高く,幅広い病態評価が可能な手技であることの反映と思われた.
著者
山本 耕司 角谷 直哉 山本 敦史 鶴保 謙四郎 森 義明
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.137-144, 2005-03-25 (Released:2010-05-31)
参考文献数
25
被引用文献数
5 6

大阪市では2000年3月から全域で高度浄水処理水が給水されている。高度処理水をやかん, 電気ポットで加熱, 沸騰させたときのトリハロメタン, 全有機ハロゲン (TOX) の減少経過について検討した。トリハロメタンについては, これまでの水道水にみられた沸騰直前の急激な濃度上昇は見られず, 加熱に伴って減少し, 煮沸1分で消失した。蛇口水でのTOXに占めるTHMの割合は32%であった。TOXの加熱・煮沸に伴う減少経過から, TOXは揮発性と不揮発性のハロゲン化合物から構成されていた。高度処理水のTOXはやかんで沸騰時に17%, 電気ポットで40%しか減少されなかった。
著者
神田 睦月 徳田 献一 入部 正継 森田 成昭 齊藤 安貴子 八上 修一 小堀 亮
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2017 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.1A1-C02, 2017 (Released:2017-11-25)

In recent years, aging of agricultural workers has progressed, attention is paid to ICT conversion of agriculture and Functional food with health maintenance effect. Raspberry contains a large amount of compounds that have a high health maintenance effect, which takes time and labor for cultivation. The purpose of this research is to construct an image processing system that recognizes color and position information in order to check whether harvesting of raspberries is possible under an indoor environment. As research contents, RGB values of colors of berries at various stages were calculated from spectral analysis results of berries and compared with actual fruit photos. We also classified colors in the image using machine learning and verified its accuracy.