著者
森田 健太郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.180-183, 2020-05-15 (Released:2020-05-29)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2
著者
森田 邦久
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1_1-1_14, 2009 (Released:2009-09-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

In this essay, I would like to show a demarcation between science and pseudo-science, from two approaches: theoretical and experimental/observational. Theoretical approach pays attention to revision pattern in theoretical explanation. Especially, when the elucidator introduces new unknown elements for explanation, pseudo-scientific explanation fails to satisfy some conditions. On the other hand, experimental/observational criterion says, pseudo-science claims doubtful phenomenological laws.
著者
森本岩 太郎
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.97, no.2, pp.169-187, 1989 (Released:2008-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2

早稲田大学古代エジプト調査隊の一員として,1983年から1986年までの3回にわたる野外調査において,エジプト•ルクソール市西岸クルナ村にあるいわゆる「貴族の墓」317号および178号両墓から発見された古代エジプト男性ミイラ18体(成人15•小児3)の外陰部を観察した。これらのミイラは新王国第18王朝時代からプトレマイオス朝時代まで,すなわち約1550~30B.C.のものであり,墓泥棒によってひそかに両墓に運び込まれ,身にまとう金銀宝飾を目当てに包帯を解かれ,ばらばらに解体されたものと思われる。18体のミイラのうち,成人3体の外陰部は布で包まれており観察できなかった。外陰部の包み方は,陰茎を他から独立させて布で覆う方法がとられていた。また成人1体の陰茎は墓泥棒により破壊されていた。外陰部を観察できた14体のうち,成人11体中3体(26.3%),小児3体中2体(66.7%)の外陰部が自然の状態に保存されていた。LECA (1980)によれば古代エジプトミイラの外陰部は保存するのが通例であるというから,今回の調査で得られた保存率は異常に低いものであると言える。小児の亀頭包皮の有無は確認できなかったが,成人3体では全例に包皮が存在しなかった。HERODOTUS(紀元前5世紀)の記載や,サソカラのアンク7ホール墓の壁画などに見られるように,エジプトではそのころ思春期の男子に広く割礼が行われたと思われる。成人5体では陰茎が切り取られていた。1体は完全切除,他の4体は部分的切除であった。成人3体と小児1体では陰茎が長く引き伸ばされていた。そのうちの2体(成人1•小児1)では陰嚢を引き伸ばして作った棒状の台の上に陰茎を乗せて支え,他の成人1体では陰嚢を圧延して作った薄板により陰茎を包んでいた.また成人1体では陰茎•陰嚢をかたどった小さな模型(樹脂製•金塗色)が外陰部の直下に置かれていた。ミイラ作りにおける陰茎切除の理由ないし起源について,LECA はどのような思案も浮かばないという。しかし,拙考によれば,ミイラ作りの際における上記の陰茎切除•陰嚢変形•外陰部模型使用などの男性外陰部に対する特別の配慮と処置は,古代エジプト神話において女神イシスが彼女の夫である男神オシリスの身体の復元を志した時,ナイル川に捨てられて蟹に食われてしまった夫の外陰部だけが発見できなかったこと,また夫の外陰部の代わりにその模型を用いて夫の身体の完全復元に成功し,ついにオシリスが永遠の生命を得た(ミイラ作りの起源と言えよう)という物語りに起因するものと思われる。
著者
齋藤 とも子 豊嶋 浩之 久保田 倍生 森 浩一 徳永 紗織 岩下 智之 安部 睦美
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.89-93, 2008 (Released:2019-08-05)
参考文献数
13

家庭でも汎用される防水スプレーは、直接吸入、さらには熱分解産物で毒性を増した成分の吸入により肺障害が引き起こされる。今回我々は、40+X 歳の男性が締め切った室内で防水スプレーを使用したところ呼吸困難を自覚し、約48 時間後に呼吸苦、咳嗽の悪化を認め防水スプレー吸入による化学性肺炎と診断した症例を経験した。その病態生理としては、撥水剤として用いられているフッ素樹脂により肺の表面活性物質が拮抗されて肺胞虚脱を生じ、一部が肺炎に移行する可能性が示唆されている。今回我々は暴露後数日たってから化学性肺炎を発症し、ステロイド、好中球エラスターゼ選択的阻害薬の投与、BiPAP(bi-level positive airway pressure)による呼吸管理を行うことで症状改善を得ることができた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。初発症状が軽微でも呼吸器症状の経過を詳細に観察することが重要であると考える。
著者
泉川 時 後藤 春彦 吉江 俊 森田 椋也
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.795, pp.842-853, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The purpose of this project is to examine the transformation of shrines that have progressed with re-urbanization and to discuss the issues of shrines at the turning point by clarifying the spatial change and development process through a survey of shrines that have been developed under the initiative of the private sector in Tokyo ward area. Through the research, it was clarified that the shrines have progressed due to the unique development, changes in visitors’ behavior, and the creation of new value. On the contrary, the relationship between the various powers surrounding the shrine was found to be unbalanced.
著者
森田 理仁
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.549-560, 2016 (Released:2016-12-28)
参考文献数
32

本論文は生態学の分野の中でも、ヒトの行動の進化に関する研究の事例に注目して、科学と社会の関係を考察したものである。科学コミュニケーションの課題が顕著に表れるヒトを対象とした事例をおもに取り上げるが、背景に存在する科学の性質や問題意識は、程度に違いはあるものの他の生物における研究とも広く共通している。ヒトの行動について生物学的な説明を与えることに対しては、これまでに多くの批判がなされてきた。その最も顕著な例が、社会生物学論争である。E・O・ウィルソンは1975年に『社会生物学』を出版し、ヒトの行動を生物学の理論をもとに説明することを試みた。これに対して、R・C・ルウォンティンやS・J・グールドらは、ウィルソンの試みは社会にとってのさまざまな危険をはらむと痛烈に批判し、その批判は大規模な論争に発展した。ここでルウォンティンらは、社会生物学を生物学的決定論や適応主義などの点から批判し、研究がもつ「社会的・倫理的リスク」を危惧した。彼らの批判において指摘された重要な問題は、社会生物学は現代社会の価値観や先入観が反映されたものであり、それがさらに社会の現状の正当化や変更不可能であるといった考え方をもたらすという「二重の過程」と、研究者の意図に関わらず成果が誤解されてしまうという「意図せずに起こる誤解」の二つである。J・オルコックは2001年に『社会生物学の勝利』を出版し、社会生物学に対する批判を退けたかのように見えるが、実際にはオルコックと批判者たちの主張にはかみ合っていない部分も存在する。本論文では、社会生物学論争の要点をまとめ、その現代的意義を明らかにする。そして論争に関連して、進化生物学の研究成果が社会的・政治的に誤解・誤用された近年の事例、および、著者自身の少子化についての研究例を踏まえた上で、現代におけるヒトの行動に関する進化生物学的研究をどのように進めていけばよいか、そして、研究成果をどのように発信していけばよいかについて考察する。具体的には、(1)仮説を検証するために十分な証拠を集めること、(2)主張の誤用ができる限り起こらないように注意して発表すること、(3)誤用が起きた場合にはそれを公に指摘すること、という三点(Alcock 2001, pp. 194-195, 邦訳pp. 298-300)の重要性を改めて指摘するとともに、学会が担う社会的役割にも言及する。
著者
森滝 望 井上 和生 山崎 英恵
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.133-139, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
22
被引用文献数
5 4

日本食の風味を支える出汁は, 心身への健康機能を有することが最近の研究により明らかにされてきているが, いずれの報告も長期摂取による効果に着目しており, 短期的な影響については知見が乏しい。本研究では, 出汁の単回摂取による効果を明らかにすることを目的とし, 鰹と昆布の合わせ出汁の摂取および香気の吸入が自律神経活動および精神的疲労に及ぼす影響について検討を行った。24名の健康で非喫煙のボランティアが本研究に参加した。被験者は, 9: 00に指定の朝食を摂取し, 10: 30—11: 30に実験を実施した。自律神経活動は心拍変動解析により評価し, 疲労の評価では, 一定の疲労負荷として単純な計算タスク (内田クレペリンテスト) を30分間課し, その前後でフリッカー試験を実施した。加えて, Visual Analogue Scale (VAS) を用い, 主観的な疲労度および試料に対する嗜好度を評価した。出汁の単回摂取では, 対照の水と比べて, 心拍数低下と副交感神経活動の一過性上昇が認められた。また, 出汁の香気吸入でも同様の効果がみられた。さらに, 出汁の単回摂取により, 計算タスク後のフリッカー値低下が抑制され, VASの結果より主観的な疲労度も軽減されていることが示された。これらの結果から, 出汁の摂取は副交感神経活動を上昇させる作用を介して, リラックスと抗疲労の効果を誘起する可能性が示唆され, その作用における香気成分の重要性が示された。
著者
元森絵里子
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.25-41, 2012-06-15 (Released:2013-06-17)
参考文献数
30

近年,行為と責任の主体としての「子ども」という問題系が浮上している。 しかし,これを,近代になって誕生した保護と教育の客体としての「子ども」という観念の揺らぎや「子ども期の消滅」と読み解くことは妥当だろうか。本稿は,明治以降の歴史にさかのぼって,教育を中心とする諸制度の連関の中で,「子ども」という制度がどう成立してきたか,少年司法ではどうであったかを整理し,「子ども」観の現代的な効果を考察する。 明治後半から大正後半にかけて,年少者を教育に囲い込み,こぼれ落ちた層に少年司法や児童福祉で対応していくという諸制度の連関が形成されていく。「子ども」は「大人」とは異なるものの自ら内省する主体とみなされ,そのような「子ども」を観察し導くのが教育とされ,尊重か統制か,保護か教育かといった議論が繰り返されるようになる。少年司法では,旧少年法以降,「大人」とは異なった,責任・処罰と保護・教育を両立させた「少年」の処遇が導入され,保護主義か責任主義かという議論が繰り返されるようになる。 近年,「子ども」をめぐる議論が高まっているにしても,少年法の改定は繰り返される議論の範囲内であるし,少年司法改革や教育改革は行われても,それ自体を解体する動きはない。したがって,社会の「子ども」への不安が,過剰な社会防衛意識につながったり,各現場の「大人」の息苦しさを帰結したりしない仕組みづくりこそが重要であろう。

18 0 0 0 OA 本邦大地震概説

著者
大森 房吉
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.68, pp.i-"180-1", 1913-03-31

付録30頁
著者
小森谷 武美 海老沢 功
出版者
日本熱帯医学会
雑誌
熱帯 (ISSN:2186179X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3-4, pp.147-152, 1973-03-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
34
著者
石川 徹夫 安岡 由美 長濱 裕幸 川田 祐介 大森 康孝 床次 眞司 志野木 正樹
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.253-267, 2008 (Released:2010-08-05)
参考文献数
70
被引用文献数
2 3

Before the 1995 Hyogoken-Nanbu earthquake, various geochemical precursors were observed in the aftershock area: chloride ion concentration, groundwater discharge rate, groundwater radon concentration and so on. Kobe Pharmaceutical University (KPU) is located about 25km northeast from the epicenter and within the aftershock area. Atmospheric radon concentration had been continuously measured from 1984 at KPU, using a flow-type ionization chamber. The radon concentration data were analyzed using the smoothed residual values which represent the daily minimum of radon concentration with the exclusion of normalized seasonal variation. The radon concentration (smoothed residual values) demonstrated an upward trend about two months before the Hyogoken-Nanbu earthquake. The trend can be well fitted to a log-periodic model related to earthquake fault dynamics. As a result of model fitting, a critical point was calculated to be between 13 and 27 January 1995, which was in good agreement with the occurrence date of earthquake (17 January 1995). The mechanism of radon anomaly before earthquakes is not fully understood. However, it might be possible to detect atmospheric radon anomaly as a precursor before a large earthquake, if (1) the measurement is conducted near the earthquake fault, (2) the monitoring station is located on granite (radon-rich) areas, and (3) the measurement is conducted for more than several years before the earthquake to obtain background data.
著者
岩元 辰篤 白井 達 森本 昌宏 岩崎 昌平 南 奈穂子 中尾 慎一
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.559-562, 2016 (Released:2016-11-04)
参考文献数
10

プレガバリン(PGB)を長期間継続投与中で,治療効果が不明瞭な症例において,投与中止が可能であるかにつき調査した.PGBを6カ月以上投与している11症例を対象とし,続行によってもさらなる改善がないと判断した場合,受診ごとに投与量を半減し,痛みが増強した場合には元の投与量に戻すこととして,25 mg/日まで減量が可能となった時点で中止とした.この結果,7例では減量後も痛みの程度に変化はなく中止が可能であったが,4例では減量あるいは中止により痛みが増強したために投与を継続した.以上,治療効果判定が不十分なままPGBを漫然と投与している症例があることが判明した.今後は,長期間投与を行っている症例では,漸減・中止を考慮すべきと考えられた.
著者
清水 忠 上田 昌宏 豊山 美琴 大森 志保 高垣 伸匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.8, pp.987-998, 2017 (Released:2017-08-01)
参考文献数
12
被引用文献数
3

This study evaluated the effect of an evidence-based medicine (EBM) educational program on EBM-related knowledge and skills of pharmacists and pharmacy students. Our preliminary educational program included the following four sessions: 1) ice breaker, 2) formulation of answerable clinical questions from virtual clinical scenario using the PICO criteria, 3) critical appraisal of the literature using a checklist, and 4) critical appraisal of the results and integrating the evidence with experience and patients values. Change in knowledge and skills related to EBM were evaluated using pre- and post-seminar 4-point scale questionnaires comprising of 14 questions. A total of 23 pharmacists, 1 care manager, and 5 pharmacy students participated in our EBM educational seminar. Knowledge and skills related to several variables improved significantly post-seminar (pre-seminar 2.80 versus 3.26 post-seminar; p<0.001). Specifically, the skills of formulating answerable clinical questions from virtual clinical scenario and critical appraisal of the literature using a checklist improved. Our findings suggested that EBM educational program using problem-based learning was effective in improving EBM-related knowledge and skills of pharmacists and pharmacy students.
著者
山森 邦夫
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

フグ毒(TTX)や麻痺性貝毒(STX)は強力な神経毒であるが, ヒトにとっては無味・無臭であるといわれている. 一方カナダ産のニジマスやキョクイワナの味覚器はTTXやSTXに応答し, しかも両毒に対する応答性は両魚種が近縁であるにもかかわらず, かなり異なった. このことは, 魚類が餌料中の毒の存在を味覚によって感知可能であり, しかもその感知能力は魚種によって異なることを示唆している. そこでサケ科の3魚種, ニジマス, イワナ, ヤマメおよび海産魚, クロソイの各味覚器のTTX, STXに対する応答性を調べた. また両毒の魚毒性や両毒を含有する餌料に対するこれらの魚種の摂餌行動を調べ, 味覚との関連性を検討した. 成果は以下の通りである. 1.サケ科3魚種の味覚器はTTXに応答した. TTXに対する応答閾濃度はイワナが最も低く(10^<-7>M), ついでヤマメ, ニジマスの順であった. 上記3魚種はSTXにも応答したが, 各魚種ともTTXの場合に比較して応答は小さく, また応答閾濃度も高かった. 一方, クロソイは5x10^<-4>MのTTXに応答しなかったが, 10^<-〓>M以上のSTXに応答した. 2.サケ科3魚種ともTTX含有餌料を忌避した. 半数が忌避する餌料中のTTX濃度は, 応答閾濃度の約100倍に相当し, イワナで最も低く(10^<-5>M), ついでヤマメ, ニジマスの順であった. 一方, 上記3魚種は, 10^<-4>M以下の濃度のSTXを含む餌料を忌避しなかった. 3.経口投与時の半数致死毒量はTTXの場合は, イワナ, ヤマメでは300MU/20g前後, ニジマスでは300〜600MU/20g以上と異なり, STXの場合は, 3魚種とも150MU/20g以上であったが, 決定まで至らなかった. 4.以上から, 毒に対する味覚応答性は魚種や系統によって異なることが示唆され, また毒に対する味覚や毒に対する抵抗性と忌避行動の生ずる濃度との間に相関性のみられることが示唆された.