著者
横山 拓 鈴木 宏昭
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.2, pp.294-305, 2018-02-01

本論文は,不確実性が高く,事前のプランが立てにくい環境に置かれたマネジャーが,断片的で無計画に見える日常活動を送りながらも,周囲の職場環境が提供する様々な認知資源をたよりに組織運営にあたっていることを示す.具体的には,非定型的な業務に従事する2人のマネジャーに対して各3日間の観察調査を行い,時間配分,計画やコミュニケーションの特徴を分析した.その結果,マネジャーの日常活動が断片化していること,マネジャー自身と周囲の環境とに計画が分散されていること,周囲との偶発的かつ頻繁なコミュニケーションによって仕事が調整されていることが確認された.この結果を分散認知,拡張された心の観点から検討した.
著者
横山 正典 鈴木 啓太 木下 由貴 望月 崇由 山田 智広 櫻井 翔 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-5, 2015-05-07

異なる場所にいる人同士が同じ場所で対話しているかのような体験を実現する技術であるテレプレゼンスの研究が進められている.本稿では,人の非言語メディアを拡張することで F2F では生じ得ない心理効果を伴う遠隔コミュニケーションを実現する "超現実テレプレゼンス" を提案する.超現実テレプレゼンスの具体例として,視線の指向性の制御,Social Touch の心理効果の制御,Proxemics に基づく対面距離の制御を行うテレプレゼンスインタフェースを示し,今後の課題,想定される適用例,今後の展望について述べる.
著者
杉浦 惠子 横山 芳子
出版者
松本短期大学 紀要委員会
雑誌
松本短期大学研究紀要 (ISSN:09107746)
巻号頁・発行日
no.25, pp.73-78, 2016-03

妊婦の栄養管理は、出産する児の体重管理に大きく影響するだけでなく、低栄養傾向は、胎児の生活習慣病素因を形成する影響もあるため重要である。そのため非妊娠時BMI に基づいた推奨体重の保健指導が行われている。そこで本研究では、妊娠時の体重増加に影響を与えた要因を検討する。 A市の乳児4 か月健診を2013 年1 月~ 6 月に受診した児の母親に、無記名自記式質問紙調査を実施した。質問内容は母親の年齢、身長、出生児の順位、出産週数、児の出生時体重、妊娠中の体重増加に関してである。 研究対象者の平均年齢は31.9 ± 4.6 歳、非妊娠時BMI は、18.5 未満86 名(22.3%)、18.5 ~ 25 未満278名(72.2%)、25 以上21 名(5.5%)で、出産時までの平均体重増加量は9.9 ± 3.7kg であった。医療従事者から体重の指導あり214 名(55.2%)、指導なし174 名(44.8%)と約半々であり、全員に推奨体重・適正体重が周知されているわけではなかった。周囲の人から体重に関して言われたことがある105 名(27.1%)、言われたことがない279 名(71.9%)と言われない者が多かった。言われた相手は実母41 名、友人24 名、夫23 名、義母14 名の順であった。 児の出生時体重の平均は3,038 ± 366g であった。2,500g 未満の児の母の体重増加量は7.7 ± 4.2kg と、2,500g 以上の児の母の体重増加量10.0 ± 3.6kg より有意に少なかった。また、母のBMI とは有意差はなく、推奨体重と母自身の理想体重増加量との適否で有意差がみられた(p <0.05)。 妊婦に最も影響を与える医療従事者による適正体重の指導が重要である。また、周囲の言葉によっても、2割近い人が体重増加に影響を受けたとしているため、適正体重に関する知識についてのポピュレーションアプローチが必要である
著者
横山 賢介 伊藤 寛明 西宮 康治朗 長 秀雄
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.17-00213-17-00213, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
14

This study aims to evaluate strength of a diamond-like carbon (DLC) film on a metal for glass press molding at high temperature. Static and cyclic indentation tests at high temperature up to 300℃ with AE monitoring technique were performed. AE monitoring reveled crack generation load or cyclic number during the indentation tests. The static strength of the films at each temperature was determined from maximum stress in the film in the radial direction induced by sink-in deformation due to static indentation. The maximum stress at each temperature was estimated with indentation loads at first AE generation and FEM analysis. Thermal stress in DLC film was at each temperature also calculated. The film strength estimated by taking the thermal stresses into account was decreased with an increase of temperature. In cyclic indentation test, AE due to cracks in film was detected after 1.0×104 cycles at the load where no crack generated under one loading cycle. The cyclic number to crack initiation for the sample in 300℃ was 1/50 smaller than that in room temperature.

2 0 0 0 IR トピックス

著者
永原 裕子 佐藤 健太郎 五所 恵実子 川島 孝 横山 広美 邑田 仁
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.3-5, 2009-11

宇宙- 地球- 生命をつなぐGCOE "地球から地球たちへ"/理学部発の「うまみ」が,未来技術遺産に/「東大理学部で考える女子中高生の未来」が開催される/第24回理学系研究科・理学部技術シンポジウムを開催/きれい・楽しい!イメージ・コンテスト結果発表/第2回INAS-FID グローバル大会陸上競技に北村氏出場
著者
北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 箕輪 はるか 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 斎藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 阿部 善也 岩本 康弘 上杉 正樹 遠藤 暁 大河内 博 勝見 尚也 神田 晃充 久保 謙哉 小池 裕也 末岡 晃紀 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 高瀬 つぎ子 高橋 賢臣 張 子見 中井 泉 長尾 誠也 南部 明弘 藤田 将史 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇 渡邊 明
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【研究背景】 2011年3月に起こった、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県を中心とする陸域に大規模な放射能汚染が起こった。事故後の2011年6月には、日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした有志の研究グループが、汚染状況の把握のための土壌採取のフィールド実験を実施した。これにより初期の汚染状況が明らかとなったが、航空機サーベイ等による汚染状況の把握は継続して行われているものの、実際に土壌を採取して汚染状況の詳細を把握する大規模な調査はそれ以降行われていない。事故から5年以上が経過し、土壌に沈着した放射性核種(主に放射性セシウム:134Csおよび137Cs)は環境中でその化学形態等を変化させ、土壌の深部への浸透や流出により、初期とは異なる分布状況に変化していることが予想される。帰還困難区域の除染作業が開始されようという状況で、土壌の放射性核種の汚染状況を把握するのはきわめて重要である。そこで本研究では、福島県内の帰還困難区域を中心として土壌採取のフィールド実験を行い、その分析により現在の汚染状況の把握することを目的に実施した。【調査概要】 本研究プロジェクトは、2016年6月から9月にかけての9日間、のべ176名で実施した。福島県内の帰還困難区域を中心として、公共施設等を選定したうえで、各自治体との情報交換を行い、除染が行われていない地点全105か所を土壌採取場所として選択した。まずはNaIシンチレーターもしくは電離箱を用いて地面から1 mおよび5 cmの空間線量の測定を行い、専用の採土器を用いて表層より5 cmの土壌を採取した。試料採取場所におけるばらつきを評価するために、1地点ごとに5試料の採取を実施し、5年間の環境中での放射性核種の移動状況を評価するために、土壌は表層部の0.0-2.5 cmと、深部の2.5-5.0 cmに分けて採取した。また放射性核種の移行過程をより詳しく調べるために、4地点につき1地点程度、深さ30 cmのコア試料の採取も行った。本講演では、この調査について概要を説明し、事故直後と5年後の比較などいくつかの初期結果について簡単に紹介する。より詳細な結果については、別の講演にて報告が行われる。
著者
横山 博
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.100-103, 2013-06-30 (Released:2014-01-29)
参考文献数
19
被引用文献数
2 4
著者
横山 元紀 吉田 香
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-136, no.6, pp.1-8, 2010-01-15 (Released:2009-12-24)

近年の情報技術の発達により,インターネット上に多くの Web ページが存在するようになった.これに伴い,Webページを検索・ランキングする技術が発達してきたが,現在の Web ページ検索技術はレイアウトの良さや読みやすさに関する評価因子を考慮していない.本研究では人間の視覚モデルを用いて Web ページの評価因子を解析し,Web ページの順位付けに評価因子を用いた Web ページ検索・ランキングシステムを提案する.本稿では提案システムを構築するにあたり,提案システムの概要と提案システムに用いる評価因子に関する考察を行った.その結果,Web ページのコントラストだけではなく,メニューやタイトル,画像などの構造を考慮した特徴量および既存の類似画像検索などで用いられる特徴量などを用いることで提案システムを利用するユーザの評価因子の評価によく当てはまる評価関数を構築できる可能性が確認できた. Conventional web search by keyword gives us retrieval results according to similarity between keyword and web page content or importance. There are several ways to calculate similarity or importance such as PageRank and HITS. However, higher ranked web page is not always well understandable or readable. On this point, people are interested in usability to evaluate web page. On the other hand, human visual perception model is suggested by psychologists and computer vision researchers. They reported our impression to web page is occurred in instant. In this paper, we propose the web page design evaluation system based on human visual perception model to apply page ranking method which can sort web page retrieval results by understandable or readable order. The proposed system is constructed by (i) image capture module, which takes web page retrieved by keyword as an image, (ii) feature extraction module, which extract image feature based on human visual perception model, (iii) evaluation factor analysis module, and (iv) re-rank module. We report the experimental result of questionnaire for web page evaluation and show consideration of web page design factor.
著者
水川 葉月 前原 美咲 横山 望 市居 修 滝口 満喜 野見山 桂 西川 博之 池中 良徳 中山 翔太 高口 倖暉 田辺 信介 石塚 真由美
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.43, pp.P-6, 2016

ポリ塩化ビフェニル(PCBs)の水酸化代謝物であるOH-PCBsは、肝臓内で薬物代謝酵素より生成され、その後体外へ排泄される。しかしながら、一部の水酸化代謝物は甲状腺ホルモン(TH)と類似の構造をもつため、THの恒常性を撹乱することが危惧されている。これまでに、多様な陸棲哺乳類の血中OH-PCBsを分析したところ、種間でOH-PCBsの組成に差異が認められ、中でも、ネコのOH-PCBs残留パターンは他種と大きく異なることから、本種は特異な代謝機能を有することが示唆された。しかし、ネコの異物代謝能の研究は僅かであり、化学物質暴露による毒性影響も不明な点が多い。本研究では、ネコにおけるPCBs <i>in vivo</i>暴露試験を実施し、体内動態および代謝に関与する酵素活性や遺伝子を解析するとともに、化学物質の暴露評価に繋がる基盤的情報の収集を目的とした。<br>コーン油に溶解した12異性体のPCBsを腹腔内投与し、経時採血した血清中PCBsおよびOH-PCBs濃度について同条件で実施したイヌの<i>in vivo</i>試験と比較した結果、異性体の残留パターンや体内動態にイヌとネコで種差が観察された。とくにネコでは低塩素化体の残留が顕著であった。また、代謝酵素活性および遺伝子解析の結果、PCBs暴露によりEROD、MROD、PROD活性は上昇するものの、第2相抱合酵素(UGTやSULT)活性は変化せず、PCBs暴露による抱合酵素活性への影響もみられなかった。また、<i>CYP1A1</i>および<i>CYP1A2</i>遺伝子の発現量の上昇も認められた。<br> 本研究により、ネコのPCBs吸収・代謝・排泄能はイヌと異なることが示唆され、とくに低塩素化OH-PCBsの毒性リスクは高いことが予想された。低塩素化OH-PCBsは血中でTH輸送タンパクとの競合結合や、THの硫酸抱合排泄の阻害、TH起因性遺伝子の転写抑制などが報告されており、ネコの甲状腺機能障害が懸念される。
著者
横山 修一郎
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.37-46, 2009

ダンテ・アリギエーリは、『神曲』の「天国」第2歌において、月の表面にはなぜ斑状の模様(月の海)が見えるのか、という議論を展開する。そして、ダンテは、この「月の斑点」の理由説明をきっかけに、最終的には神から地上世界に至るまでの宇宙全体の組織図とその組織を動かすものが何か、ということを示す。ゆえに「天国」第2歌は、読者に論理的に思考することを求める言わば「学術的な」歌章であることは否定できないだろう。しかしながら、「天国」第2歌からは、知識という外在的な学術的要素と詩人ダンテの内在的な詩的発想とが、見事に調和する様を読み取れるのではないだろうか。

2 0 0 0 OA I 歴史研究

著者
臼井 勝美 安岡 昭男 池井 優 波多野 澄雄 増田 弘 宇野 重昭 横山 宏章 中見 立夫 植田 隆子 佐々木 雄太 油井 大三郎 福田 茂夫 草間 秀三郎 佐藤 信一
出版者
財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.1979, no.61-62, pp.2-107,L4, 1979-05-25 (Released:2010-09-01)

The Japan Association of International Relations, which was established in 1956, considers one of its main objectives to contribute to the progress of the study of the history of international relations, in paticular to research into the history of Japanese diplomacy. Japan's Road to the Pacific War is a representative example of what can be done by the joint endeavour of this association.We would like to point out, as a specific characteristics of recent research on the history of international relations, firstly, a tendency to remove the limitations which are encountered by a study of so called “diplomatic history” in isolation from everything else.We would like to examine the change from the move traditional approaches, which have emphasized only bilateral or multilateral relations between states, to the more modern, original approaches. The interest of researchers will be to cover a wide area of historical phenomena, such as the political decision-making process, public opinion, economic pressure groups and the process of communication amongst other things.The second characteristic has been the flowering of collaborative reserch between Japanese and foreign scholars, and we are now receiving the excellent results of their labours. For instance, the conference at Lake Kawaguchi in 1969, the result of which was, “The history of Japanese-American Relations, 1931-41” is a representative example of this trend. However, it is regrettable that the participants in these collaborative research projects have been mainly limited to Japanese and American scholars. It is to be hoped that, in future, there will be further opportunities for collaborative research and conferences not only with American scholars, but also with scholars from China, England, Korea, the Soviet Union and South East Asia.We hope the future tendency of research will be for the themes of the role and limitation of the individual in international affairs, as well as the problem of individual responsibility, to become the common interest of scholars.We hope that, in future, the increasing variety of scholarship will not become merely scattered and diffused.
著者
長谷川 千洋 博野 信次 小幡 哲史 宗佐 郁 田中 達也 横山 和正
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は情動の神経基盤を調べることを目的に,幸福情動を賦活させる手段として実験参加者に催眠暗示を行い,脳のどの部位で賦活化が生じているかについてfMRIを用いて測定した。予備実験として催眠感受性の高い実験参加者に対してfMRI環境下での情動賦活法としての催眠の有用性を確認した後,安定した幸福情動の産生が確認された実験参加者に対して聴覚提示による催眠誘導を行い幸福情動産生時と非幸福情動産生時の違いを調べた。この結果,幸福情動産生時での共通の賦活部位として補足運動野が示された。関連研究として,情動及び催眠に関する実験研究も行い,情動の脳内メカニズムの解明を試みた。
著者
野崎 浩成 横山 詔一 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.59-62, 2001-08-20

本研究では, 2字熟語に使用される漢字の頻度特性を分析した.その結果, 「牲」は, 漢字2字熟語の第2文字目でのみ使用されること, その用例はすべて「犠牲」であったこと, 同様な特性を持つ漢字は, 「娠」, 「剖」, 「騨」, 「惧」, 「綻」であったこと, が示された.すなわち, ある特定の熟語にしか使用されない特別な漢字が存在することが明らかになった.このような結果を考慮して教材作成を行えば, 有用な日本語教材が得られると考える.