著者
大倉 務 清水 伸幸 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.94, pp.1-6, 2007-09-25
被引用文献数
3

本論文では,ブログの著者属性推定問題を扱う.ブログを用いた流行分析が広がりつつあるが,その際に年齢・性別・居住域などの著者属性が分かればその有用性はさらに高まる.これまでに,いくつかのブログの著者属性推定手法が提案されてきたが,汎用的なものではなかった.本論文では著者属性推定問題を,個々の属性固有の性質を利用しない単純な多クラス文書分類問題ととらえ,χ2値による素性選択と Complement Naive Bayes を用いる方法を提案する.その上で提案手法を現実のブログデータに適用する実験を行い,汎用的であるにも関わらず高速かつ高精度に著者属性を推定できることを示す.We propose a general and scalable method to estimate bloggers' unstated profiles. Recently, trend analysis based on weblogs is gaining popularity, and blogger profiles provide us more detailed interpretation of data. None of previous studies proposed a method generally applicable to different attributes. In this paper, we reduce blogger profile estimation to text classification, using Complement Naive Bayes with feature selection based on χ2 value. We applied our proposed general method to real weblog data, and experimental results show the its effectiveness and scalability.
著者
村澤 昌崇 椿 美智子 松繁 寿和 清水 裕士 筒井 淳也 林 岳彦 宮田 弘一 中尾 走 樊 怡舟
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究は,因果推論の勃興を契機とし,社会科学の半ば慣習的な統計分析が再考を迫られると認識した.そこで,従来は因果分析とされたが,厳密には因果推論ではない分析を仮に“説明”とし,その再定義,モデル評価,係数の解釈に関する新たな理論を構築する.この取組について、社会科学の方法論について深遠な議論を展開している専門家、心理学、経済学、統計科学、データサイエンスを代表する専門家と共同し議論を深めていく。併せて、新たな実験的調査を実施し、得られた情報に関して、新たな"解釈"の可能性を検討する。
著者
岩田 義弘 長島 圭士郎 服部 忠夫 寺嶋 万成 清水 雅子 木原 彩子 三村 英也 堀部 晴司 岡田 達佳 加藤 久幸 櫻井 一生 内藤 健晴 大山 俊廣 戸田 均
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6Supplement2, pp.S128-S135, 2007-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9

誤嚥はみられないが、嚥下時に咽頭-喉頭に異常感を訴える4名の高齢者に、症状の改善を目的に、訓練を行った。咽頭食道透視にて訓練を行った前後の比較を行った。訓練は対象者に下顎を胸の方向に強く持続牽引してもらい、施術者が頤部に手を固定し用手的に、下顎を短時間伸展するように牽引した。この操作により、2名において造影剤の通過時間の短縮がみられた。またこの訓練により、4例とも安静時の甲状軟骨の位置が高くなった。また軟口蓋の咽頭閉鎖も改善がみられた。簡易な訓練ではあるが、低くなった喉頭の位置の改善とそれによる誤嚥抑制の効果が期待された。
著者
清水 諭
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.24-35,131, 2001-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
28
被引用文献数
4 1

本論文の目的は、この国のサポーターカルチャーズ研究に向けてのパースペクティヴを導き出すことである。まず、英国で行われてきたフーリガニズム研究について、レスター学派、テイラーの研究を批判的にレヴユーしている。そして、1990年代におけるフーリガンの変容をふまえたポピュラーカルチャーズ研究として、ジュリアノッティとレッドヘッドの研究を検討している。本論文では、これらの研究を基盤にしながらも、この国におけるサポーターの現実との往復運動によって研究を進めていくことが重要だと考える。浦和レッズサポーターへのフィールドワークによれば、表象とその記憶に加えて、「男らしさ」、「浦和の場所性」、そして「抵抗の契機」といった要素がそれぞれの歴史的堆積をふまえながら複雑に絡み合って、重層決定されていることがわかる。サポーターのさまざまなポピュラーカルチャーズの要素をふまえながら、その日常で瞬間瞬間にさまざまな要素が紡ぎ合わさって構成される現実を読み解くことが必要である。
著者
清水 麻子
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.169-186, 2019-01-31 (Released:2019-06-06)
参考文献数
9

This paper clarifies the relationship between solidarity activities by journalistnetworks in Japan and the possibility of supporting socially vulnerable people.The Japanese mainstream media, which is vast and bureaucratized, onlyexamines superficial aspects of the lives of socially vulnerable people, such aspoverty and violence. In recent years, however, the existence of a journalistnetwork which goes beyond the framework of companies and individuals hasbeen confirmed by the complexity of social structure and the increasing sophisticationof information. The organizational form of network is diverse andincludes NPOs, NGOs, and voluntary organizations, which work to solve thesame social problems. This article focuses on the relationship between the activity of the Baratogestudy group, an association of female journalists consisting of more than600 female journalists from Japanese TV stations and newspaper companies,and the relationship between this association and legislation. So far, the dominant discourse has been about “terrible mothers who abandontheir babies after giving birth” based on “motherhood” thinking. However,the network declared a new agenda of helping “suffering pregnant women andchildren who should be helped together.” Furthermore, they delivered a messageto policy makers through repeated coverage. In this study, I used discourseand agenda setting analysis to track the process. This showed the possibility that women’s solidarity together with empathy could mobilize politics andsociety, thereby supporting vulnerable people.
著者
清水 重人
出版者
日本衣服学会
雑誌
日本衣服学会誌 (ISSN:09105778)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-9, 2019 (Released:2023-02-08)
参考文献数
18
著者
清水 克哉 榮永 茉利 坂田 雅文 中尾 敏臣 石河 孝洋 河口 沙織 平尾 直久 大石 泰生
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.251-259, 2018 (Released:2018-12-28)
参考文献数
22

Since receiving a short email reporting the superconductor reaching 200 K, we have been working on the reproducing test and the crystal structural determination of the system. We have applied our high-pressure developments for the possible experiments on metallic hydrogen to these experiments. Here we report the progress in last 3+ years including the latest results and our prospective view.
著者
角藤 裕 清水 元気 山岡 傳一郎
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.161-167, 2018 (Released:2018-11-08)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

持続する吃逆は患者のQuality of Life を大きく損なうため速やかな治療が求められるが,時に治療に難渋する。 当院では,吃逆の治療に柿蔕湯を日常的に用いており効果を実感しているがその有効率についてのデータは無いままであった。そこで2014年2月1日~2016年2月28日までの25ヵ月間に,吃逆を主訴として当院漢方内科を受診し,第一選択薬として柿蔕湯が処方された患者について,カルテを後方視的に調査し検討した。対象患者は27名(女性3名),年齢65.4±15.1歳(24~89歳)であった。対象者の59.3%で奏効し,症状軽快例を含め全体の66.7%に効果が認められた。投与後2日以内に効果を確認できる例が多く,有効例の88.9%が投与開始4日以内に効果を確認できた。証によらず病名処方的に投与を行った例も多くあったにも関わらず有効率が高く,臨床的に非常に重要と考えられた。
著者
白井 康大 中村 知史 鈴木 麻美 大坂 友美子 大西 健太郎 栗原 顕 小野 裕一 澤田 三紀 清水 茂雄 大友 建一郎 坂本 保己 磯部 光章 内藤 滋人
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.SUPPL.3, pp.S3_61-S3_64, 2009 (Released:2015-01-23)
参考文献数
5

症例は32歳, 男性. 感冒様症状後の下腿浮腫を主訴に前医を受診し, 胸部X線上心拡大と肺うっ血を認め心エコーにてEF 18%と著明な低心機能を認めた. 冠動脈に有意狭窄は認めず, 生検の結果心筋炎の診断にてアンジオテンシンII受容体遮断薬 (ARB), β遮断薬, 利尿薬を投与され, 心不全は改善し退院後当院を紹介受診した. 初診時EFは25%, ホルター心電図にて非持続性心室類拍 (NSVT) を認めたが, β遮断薬増量にて1年後の心エコーではEF 71%まで改善を認めた. ホルター心電図にて不整脈は認めず, 加算平均心電図, T波オルタナンス検査はともに正常であった. ARB, β遮断薬のみ継続し外来フォローしていた. 心筋炎発症から2年後, 出張先の米国にて妻と電話中突然倒れ心肺停止となり救急隊の蘇生にても心拍再開せず永眠された. 急性心筋炎に伴う低心機能, 不整脈に関して著明な改善を認めるも, 遠隔期に心臓性と考えられる突然死をきたした1例を経験したので報告する.
著者
清水常太郎編
出版者
中村芳松
巻号頁・発行日
1895
著者
清水 裕士 小杉 考司
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.132-148, 2010 (Released:2010-02-20)
参考文献数
35

本論文の目的は,「人々が対人行動の適切性をいかにして判断しているのか」について,一つの仮説を提案することである。本論文では,人々が対人行動の適切性をある原則に基づいた演繹によって判断しているものと捉え,演算の依拠する原理として,パレート原理を採用する。次に,Kelley & Thibaut(1978)の相互依存性理論に基づいて,パレート解を満たす葛藤解決方略を導出した。さらに,これらの理論的帰結が社会現象においてどのように位置づけられるのかを,Luhmann(1984)のコミュニケーション・メディア論に照合しながら考察した。ここから,葛藤解決方略は,利他的方略・互恵方略・役割方略・受容方略という四つに分類されること,また,方略の選択は他者との関係性に依存することが示された。そして,このような「行動の適切性判断のための論理体系」をソシオロジックとして定式化し,社会的コンピテンス論や社会関係資本論などへの適用について議論した。
著者
田上 明日香 伊藤 大輔 清水 馨 大野 真由子 白井 麻理 嶋田 洋徳 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.11-22, 2012-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
6

本研究の目的は、うつ病休職者の職場復帰の困難感を測定する尺度を作成し、さらにその尺度をもとに職場復帰の困難感の特徴を明らかにすることであった。単極性のうつ病と診断された34名を対象に職場復帰の困難感について自由記述による回答を求め、項目案を作成した。次に、単極性のうつ病と診断された休職者60名を対象にその項目について探索的因子分析を行い、「職場で必要な体力面の困難」「職場復帰後の対人面の困難」「職務に必要な認知機能面での困難」の3因子10項目から構成されることが示され、十分な信頼性と内容的妥当性、併存的妥当性が確認された。そこで、職場復帰の困難感尺度を使用してタイプ分類を実施したところ、四つの類型を得た(全般困難型、復職後の対人関係困難型、体力・認知機能困難型、困難少型)。最後に、それぞれの類型にあわせた支援について議論がなされた。
著者
清水 伸隆
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.42-50, 2023-02-28 (Released:2023-03-08)
参考文献数
68

Small-angle X-ray scattering(SAXS)for solution samples of biological macromolecules, recently called BioSAXS, has been used to estimate the conformational state of flexible proteins and unstable protein complexes in solution. With the advent of a new technique called SEC-SAXS, it has become easier to obtain structural information derived only from the target molecule, and it is now possible to estimate the structural state in solution with higher accuracy than 10 years ago. In this article, I will introduce not only some characteristic examples of BioSAXS analysis, but also the recently developing technique of time-resolved measurement.
著者
坪木 和久 伊藤 耕介 山田 広幸 堀之内 武 篠田 太郎 高橋 暢宏 清水 慎吾 大東 忠保 南出 将志 辻野 智紀 山口 宗彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2021-07-05

台風は自然災害の最大要因であり、なかでも最強カテゴリーのスーパー台風は甚大な被害をもたらす。地球温暖化に伴い、日本本土へのスーパー台風の上陸が懸念されている。しかし台風強度の推定値と予測値の両方に大きな誤差があることが大きな問題となっている。その最大原因は台風が急速に発達する「急速強化」である。さらにそのとき眼の壁雲が二重となる構造がしばしばみられ、その力学的・熱力学的構造が未解明だからである。本研究課題では、スーパー台風が、なぜ、そしてどのように形成されるのか、それにおける急速強化と二重壁雲構造はどのような役割をしているのかを、航空機観測、地上観測、数値シミュレーションの三本柱で解明する。
著者
大道 公秀 橘田 規 椎野 博 清水 文雄 西念 幸江 小田 裕樹 三舟 隆之
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1.2, pp.57-62, 2023-01-05 (Released:2023-02-05)
参考文献数
16

考古学分野において,土器の内面に白色物質が付着した報告が散見される.これまでに土器内面付着白色物を対象に行った蛍光X線分析,FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)分析及びX線回折によって,白色物は水酸化アルミニウムの結晶と同定した報告がある.ただし,その起源については明らかにはなっていない.今般,平城京跡出土の奈良時代須恵器内面に白色付着物が見られた事例があった.そこで土器の用途について解明することを目的に,土器内面の白色物について蛍光X線分析,FTIR分析,X線回折を行ったところ,水酸化アルミニウムの結晶の一種であるバイヤライトと同定した.土器付着白色物質の同定例としてバイヤライトが同定されることは珍しい.バイヤライトの成因は土器の使用用途に関連していると考えられるが,そこに外部環境が関与した可能性がある.これまでの知見と考え合わせながら,白色物起源の解明を進めている.
著者
清水 優史 谷田 好通
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.48, no.434, pp.1936-1944, 1982-10-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
9

血圧測定のよりどころであるコロトコフ音の発生機構のうち最低血圧でのそれを, 実験及び理論計算により明らかにした. コロトコフ音は外圧によりいくぶん圧平された管部を圧力波が出播する際, 波の先頭部に形成される圧力不連続面(衝撃波面)が管を急激に膨張させることにより生ずる. この衝撃波面は管法則の非線形性に起因する波の追いつき現象により作られ, その強さは管の圧平の度合と圧平部長さにより決定される.