著者
吉田 祐一 河村 直洋 角田 陽平 大西 惟貴 大谷 隼一 裴 有安 久野木 順一
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.12, no.7, pp.984-988, 2021-07-20 (Released:2021-07-20)
参考文献数
9

45歳男性,高尿酸血症に対して入院治療中に背部痛に続いて両下肢筋力低下と痙性歩行を呈した.MRIで脊髄圧迫を呈した胸椎硬膜外腫瘤性病変はCTでは石灰化を伴っており,椎間関節発生の痛風結節が疑われた.胸椎後方除圧固定術を行い,切除標本では尿酸結晶が同定された.術後,下肢筋力は改善したが重度の痙性が遺残した.脊椎痛風結節はCTで検出されやすいため,背部痛時には精査することが望ましい.
著者
嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_319-I_324, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
6

沖縄諸島・奄美群島周辺において漂流漁船,タンカー事故による流出油が漂着した事例より,漂流物が沖縄諸島・奄美群島周辺へ移動する経路を調べた.気象庁提供の漂流型海洋気象ブイロボット(以下,ブイ)の観測データを解析した.南向きの風を受けたブイは黒潮流域から時計回りに奄美群島北部へ移動し,あるいは沖縄諸島・奄美群島の西側に沿って南下する傾向を示す.このブイの軌跡は上記の事例と対応する.伊豆・小笠原海嶺周辺を始点とするブイは,奄美群島周辺へ移動する軌跡が沖縄諸島周辺へ移動する軌跡よりもばらつきが小さい傾向を示す.
著者
冨田 陽子 Tomita Yoko トミタ ヨウコ
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2013

元資料の権利情報 : 許諾条件により要旨・本文は2014-10-03に公開
著者
嶋田 陽 能美 雄貴 近藤 圭一郎
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.134, no.1, pp.10-18, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3 7

An unbalanced input voltage three-level inverter can be applied to boost the input voltage by employing energy storage devices, such as the electric double layer capacitor (EDLC), in order to enhance the motor output performance. However, the unbalanced input DC voltage limits the output power and generates particular voltage harmonics. In this paper, the harmonic characteristics, a method to change the power distribution and the limit of the power distribution when the ratio of the DC source voltage to the EDLC voltage is changed are discussed.
著者
志茂 大輔 皆本 洋 福田 大介 岩田 陽明 松本 大典 旗生 篤宏 岡澤 寿史 辻 幸治 森永 真一
出版者
マツダ株式会社
雑誌
マツダ技報 (ISSN:02880601)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.21-27, 2022 (Released:2022-12-26)
参考文献数
7

カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー発電への移行期において,将来的な再生可能燃料の選択肢も考慮し,現実的なCO2削減のためには電動化とともに内燃機関の効率改善によるマルチソリューションが有効であると考えられる。その一つの答えとして新世代クリーンディーゼルエンジンSKYACTIV-D 3.3を開発した。排気量を従来の2.2Lから3.3Lに拡大することで高トルク・高出力化は元より,理想を追求したリーン予混合燃焼の拡大の手段としても大排気量化を用いることで,乗用車量産エンジン世界トップの実用域で広い熱効率,及び排気クリーン化を達成した。また低Pmax(最大燃焼圧)対応の構造系を進化させて摩擦抵抗を抑制し,更に直列6気筒による低振動と心地よいエンジン音を創り込んだ。これらの技術によって運転者が愉しく元気になる「走る歓び」,及び抜群の燃費とクリーン排気による「優れた環境性能」の両方をこれまでにない次元にまで高めた。
著者
原田 和宏 齋藤 圭介 津田 陽一郎 井上 優 佐藤 ゆかり 香川 幸次郎
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.B0742, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】中枢神経疾患に伴う易疲労(rapid fatigability)は臨床的に重要な症候であり、客観的評価と併せて主観的疲労の程度と質についても検討がなされている。脳血管障害(以下、脳卒中)既往者も疲労に悩まされることは理解されており、国外のレビューでは疲労の有訴率が発症1年前後から3~4割になり、機能的な予後に悪影響を及ぼすと指摘されている。有訴率の算出はうつ気分の者を除外した対象を用いて行われ、脳卒中既往者は対照群の2倍以上の有訴率となることが報告されている。脳卒中後の中枢性疲労や末梢性疲労に関する研究の中で、本邦では主観的疲労の実態資料が依然少ない。本研究は、脳卒中既往者における主観的疲労の実態を把握するために、地域高齢者の調査結果を基に疲労の有訴率について検討することを目的とした。【方法】調査対象は中国地方にある1町の住民で入院・入所中を除く65歳以上の在宅高齢者全員2,212名であった。調査は心身機能や活動状況を内容とし、2005年12月に留置方式で行った。当該調査は岡山県立大学倫理委員会にて了承され、対象には同意を得た。回収された1,864票から基本属性、ADL状況、関連質問の有効回答が確認できた者のうち、いつもうつ気分であるとした者を除外した1,229名を集計対象とした。主観的疲労はスエーデン脳卒中登録Risk-Strokeに従い、「日頃、しんどいと感じますか(4件法)」等で評価した。脳卒中既往者は「脳卒中既往の有無」と「加療中の病気」の質問から選定した。有訴率はクロス集計一元表にて求め、統計処理は多項確率の同時信頼区間に従い95%信頼区間(以下、95%CI)を推定後、脳卒中既往者以外の者と比較した。また脳卒中既往者において主観的疲労との関連変数を検討した。【結果】脳卒中既往者として選定できた者は51名(男性78.4%)で平均76.5歳、対照群と仮定したそれ以外の者は1,178名(同40.6%)で平均74.9歳であった。ADL状況では要介助者は脳卒中既往者の35.2%、対照群の11.8%であった。疲労の有訴率は脳卒中既往者が37.3%(95%CI: 22.0-53.4)で、対照群の16.0%(同: 13.6-18.5)と比し2.3倍高く、統計的に割合の差が認められた。脳卒中後にそれまでよりも早く疲れを感じるようになったとする回答者は67.4%(同: 48.4-81.9)であった。脳卒中既往者の主観的疲労と属性・ADLとの関連は認めなかった。【考察】今回は高齢者に限定された資料であったが、脳卒中既往者の疲労の特徴は有訴率において北欧での地域ベースの調査結果と類似し、対照群の2倍以上で、その程度は属性等との関連が少ないという知見に整合した。この結果から脳卒中後の易疲労は看過できないことが再認識され、障害の評価として重要でないかと考えられた。
著者
河村 和徳 三船 毅 篠澤 和久 堤 英敬 小川 芳樹 窪 俊一 善教 将大 湯淺 墾道 菊地 朗 和田 裕一 坂田 邦子 長野 明子 岡田 陽介 小林 哲郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東日本大震災では多くの被災者が生じ、彼らの多くは政治弱者となった。本研究は、彼らの視点から電子民主主義の可能性について検討を行った。とりわけ、彼らの投票参加を容易にする電子投票・インターネット投票について注目した。福島県民意識調査の結果から、回答者の多くは電子投票・インターネット投票に肯定的であることが明らかとなった。しかし、選管事務局職員は、こうしたICTを活用した取り組みに難色を示す傾向が見られた。ICTを利用した投票参加システムを整備するにあたっては、彼らが持つ懸念を払拭する必要があることが肝要であり、財源の担保に加えシステムの信頼を高める努力が必要であることが明らかになった。
著者
川瀬 純也 伊藤 史子 倉田 陽平
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-11, 2016-06-30 (Released:2019-02-28)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

Most of previous surveys of tourist activities using GPS devices have focused on where tourists visit and how long they stay, but not on what they actually do at each location. Thus, we have attempted to investigate the relations between the tourists' actual activities and their spatio-temporal data. In this paper, we conducted some experiments at a zoological park to build statistical methods for estimating whether a tourist is viewing an exhibition or not from his/her GPS logs. The result shows that their walking speed seems critical for the estimation, and, by considering additional parameters, we can estimate precisely whether 20s tourist is viewing or not.
著者
塚越 徳子 角田 明美 渡辺 恵 京田 亜由美 瀬沼 麻衣子 近藤 由香 北田 陽子 廣河原 陽子 一場 慶 金子 結花 関根 宏美 宮澤 純江 橋本 智美
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.95-103, 2023 (Released:2023-04-06)
参考文献数
34

【目的】群馬大学医学部附属病院のがん看護外来における相談内容に関連する要因を明らかにする.【方法】2019年度の相談1308件から欠損値を除く1084件を対象に後ろ向きに調査した.調査項目は年代,性別,相談者,利用回数,がんの治療状況,相談内容などとした.相談内容と利用者の属性とのχ2検定,二項ロジスティック回帰分析を実施した.【結果】治療に関する内容は,70歳代以上,家族・親族のみ,再発・転移あり,初めての利用,治療前,泌尿器,子宮・卵巣,原発不明と関連した.身体的な内容は,治療中,治療後,再発・転移なし,消化器と関連した.心理的な内容は,30歳代以下,40~60歳代,患者のみ,2回目以上の利用と関連した.社会的な内容は,患者のみ,家族・親族のみ,再発・転移なし,乳房と関連した.【結論】相談内容によって関連要因は異なり,関連要因に応じて相談の準備を整えることに活用することができる.
著者
山田 陽介 木村 みさか 中村 榮太郎 増尾 善久 小田 伸午
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.461-472, 2007-10-01 (Released:2007-11-22)
参考文献数
35
被引用文献数
17 12

Although skeletal muscle mass decreases with aging, its decrease rate may differ among parts of the body. There have been few studies examining the differences in the muscle mass decrease rate between proximal and distal parts of the limbs or between the left and right legs in a large population. Bioelectrical impedance (BI) index, calculated as the ratio of the square of segment length to impedance, is linearly correlated with the muscle mass calculated by MRI (r=0.902-0.976, p<0.05, Miyatani et al., 2001) in the limb segments. The purpose of this study was to examine differences in the decrease rate of muscle mass between the proximal and distal parts of the limbs and between the upper and lower limbs in healthy Japanese. The BI index was measured in the bilateral thighs, lower legs, upper arms, and forearms of 1006 healthy Japanese men and women (aged 15-97 years). While the BI index decreased with aging in all examined parts of the body, the decrease rate was larger in the lower limb than in the upper limb, and in the thigh than in the lower leg. The percentage of people who showed a difference of more than 10 % in the BI index between the left and right lower limbs was significantly higher in the elderly than in young subjects. These differences in the decrease rate of muscle mass between limbs may be associated with decreases in physical functions in the elderly.
著者
高田 陽介
雑誌
史論
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-21, 2003
著者
宇野 雄一 奈邉 健 新田 陽子 鶴田 宏樹
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

イチゴにより口腔アレルギー症候群を発症するケースがあり,生活の質の低下や,生産物の消費低迷が懸念されている.本研究では,イチゴに含まれるアレルゲンおよび抗アレルギー成分の解析を行い,誘発性評価システム開発のための基礎的知見を得た.IgE結合能の解析により,イチゴの主要アレルゲンはFra a 1であると考えられた.Fra a 1 の含量は,品種,栽培方法,生育段階,および部位の違いにより増減し,その構造は,60℃以上の加熱により変化した.また,イチゴの抗アレルギー成分にも品種間差がみられた。以上により,品種,栽培方法,調理方法などの適切な選択によりイチゴアレルギーが緩和できる可能性が示唆された.
著者
栗林 健太郎 三宅 悠介 力武 健次 篠田 陽一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.635-649, 2023-03-15

物理空間上のセンサやアクチュエータ等のデバイスとサイバー空間上の計算処理とを架橋するIoTシステムにおいては,双方向のデータフローの構成が重要な課題となる.本研究は,階層的なアーキテクチャからなるIoTシステム全体を,単一のプログラミング言語で統合的に構築することを可能とするデータフロー基盤を提案する.その実現のために解決すべき課題として,(1)IoTシステム全体を構築可能なプログラミング言語としてどの言語を選択するか,(2)選択したプログラミング言語によって多様かつ双方向性を持つデータ取得方式に対応できるか,(3)IoTシステムの階層的なアーキテクチャにおけるデータフローを見通し良く扱えるか,の3点を示した.各課題に対して,(1)各層の実装に用いるプログラミング言語としてElixirを選択する,(2)Elixirを用いて多様かつ双方向性を持つデータ取得方式に対応できる基盤としてPratipadを提案する,(3)Pratipadにおいて階層的なアーキテクチャにおけるデータフローを一望のもとに把握できる記法を提供する,という3点の提案手法により解決を図った.提案手法について,有効性および適用可能性について評価した.その結果,提案手法が本研究の目的を実現するとともに,実用的な機能および規模を持つIoTシステムの構築に適用可能であることを示した.
著者
大野 善隆 松井 佑樹 須田 陽平 伊藤 貴史 安藤 孝輝 横山 真吾 後藤 勝正
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.I-147_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】運動量に応じて骨格筋量は変化するが、その分子機構には不明な点が多く残されている。運動時に骨格筋は乳酸を産生し、分泌する。骨格筋には乳酸受容体が存在するため、乳酸は骨格筋にも作用すると考えられる。近年、培養骨格筋細胞を用いた実験において、乳酸によるタンパク合成シグナルの活性化ならびに筋細胞の肥大が報告されている。しかしながら、生体レベルでの骨格筋量に対する乳酸の影響は未解明である。そこで本研究では、乳酸がマウス骨格筋量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】実験には雄性マウス(C57BL/6J)を用い、足底筋とヒラメ筋を対象筋とした。マウスを実験1:対照群と乳酸投与群、実験2:対照群、筋萎縮群および筋萎縮+乳酸投与群、に分類した。筋萎縮群と筋萎縮+乳酸投与群のマウスには、2週間の後肢懸垂を負荷し、筋萎縮を惹起させた。乳酸投与群と筋萎縮+乳酸投与群のマウスには、乳酸ナトリウム(乳酸)の経口投与(1000mg/kg体重、5回/週)を行った。対照群と筋萎縮群には同量の水を投与した。全てのマウスは気温約23℃、明暗サイクル12時間の環境下で飼育された。なお、実験期間中マウスは自由に餌および水を摂取できるようにした。実験開始後2、3週目(実験1)および1、2週目(実験2)にマウスの体重を測定した後、足底筋とヒラメ筋を摘出した。筋重量測定後、体重あたりの筋重量を算出した。また、乳酸の経口投与が血中乳酸濃度に及ぼす影響を確認するために、乳酸の単回経口投与後にマウスの尾静脈から採血し、簡易血中乳酸測定器を用いて血中乳酸濃度を測定した。実験で得られた値の比較には、一元配置分散分析または二元配置分散分析および多重比較検定を用いた。 【結果】本研究で用いた乳酸の経口投与は、マウスの体重に影響を及ぼさなかった。また、乳酸の単回投与後に血中乳酸濃度の一過性の増加が認められた。実験1において、足底筋ならびにヒラメ筋の重量は乳酸投与により増加した。実験2では後肢懸垂により足底筋とヒラメ筋の重量は減少した。一方、乳酸投与は後肢懸垂による筋重量の減少を一部抑制した。 【考察】乳酸は筋肥大および筋萎縮予防の作用を有すると考えられた。細胞外乳酸濃度の増加が培養骨格筋細胞を肥大させることが報告されていることから、乳酸経口投与による血中乳酸濃度の増加が、筋重量の増加に関与していると考えられた。 【結論】血中乳酸濃度の増加は筋重量の増加に作用することが示唆された。本研究の一部は、日本学術振興会科学研究費(17K01762、18K10796、18H03160)、公益財団法人明治安田厚生事業団研究助成、日本私立学校振興・共済事業団「学術研究振興資金」、公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団「助成金」、豊橋創造大学大学院健康科学研究科「先端研究」を受けて実施された。 【倫理的配慮,説明と同意】本研究の動物実験は、所属機関における実験動物飼育管理研究施設動物実験実施指針に従い、所属機関の動物実験委員会による審査・承認を経て実施された。
著者
李 多晛 澤田 陽一 中村 光 徳地 亮 藤本 憲正
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.421-427, 2013-12-31 (Released:2015-01-05)
参考文献数
19
被引用文献数
2

普通名詞,固有名詞,動詞の3 種の言語流暢性課題を若年群と高齢群に実施し,品詞と加齢の影響を調べた。対象は健常の若年者(18 歳~ 23 歳)と高齢者(65 歳~ 79 歳),それぞれ35 名である。被検者には,60 秒間に以下の範疇に属する単語をできるだけ多く表出するよう求めた。(1)普通名詞:「動物」「野菜」,(2)固有名詞:「会社の名前」「有名人の名前」,(3)動詞:「人がすること」。その結果,高齢群は若年群に比べて,正反応数が有意に少なく,誤反応数が有意に多かった。動詞は普通名詞に比べて,正反応数が有意に少なかった。また,普通名詞,固有名詞に比べ動詞では,加齢による正反応数の減少と誤反応数の増加が有意であった。動詞において加齢による成績低下が強くみられたのは,高齢者における遂行機能の低下を反映したものだと考えた。
著者
樫田 陽子 町田 登 山本 剛 桐生 啓治
出版者
日本獣医循環器学会
雑誌
動物の循環器 (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.6-11, 1999 (Released:2005-11-11)
参考文献数
18

レースにおいて突然1着馬から大差で遅れて入線し,その直後の心電図(ECG)検査で発作性心房細動(AF)が認められた2例の所見について報告した。症例1ではレース終了10分後にAFが確認され,頻発性多源性心室性期外収縮(VPC)を伴っていた。本例は24時間後には正常洞調律に復帰していたが,その後の調教で状態不良のため競走馬から除籍された。症例2ではAF発症時にVPCは認められず,洞調律復帰後の成績は良好であった。運動直後に発作性AFが起こりVPCが併発した場合,予後は不良となる可能性が示唆された。