著者
鵜飼 聡 石井 良平 岩瀬 真生 武田 雅俊 篠崎 和弘
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

統合失調症の治療には通常薬物療法が選択されるが、今後期待されるその他の治療法のひとつに反復的経頭蓋磁気刺激療法がある。この治療法は幻聴や陰性症状の改善に有効である可能性が指摘されているが、その作用機作は不明であり、個々の症例での有効性の予測の指標も確立されていない。本研究では脳磁図を用いた時間分解能の高い脳機能画像を得る手法を確立するとともに、それを用いて本治療法の作用機作や有効性予測の指標を確立することを最終目標として基礎的な研究をおこない、いくつかの重要な成果を得た。
著者
岡本 仁宏 荒木 勝 菊池 理夫 木部 尚志 古賀 敬太 杉田 敦 千葉 眞 寺島 俊穂 富沢 克 的射場 敬一 丸山 正次 山崎 望 山田 竜作 大澤 真幸 岡部 一明 遠藤 比呂通 ありむら 潜 大竹 弘二 立岩 真也 石井 良規 天野 晴華
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

冷戦後の世界において、多くの人びとは我々の政治理論・社会理論が動揺する世界秩序を把握する言葉や構想を持ちえていないことを感じているという現状認識のもとに、近代政治理論における政治主体の基本用語の可能性と限界を追求した。「人間、国民、市民」(ヒューマニティ、ナショナリティ、シティズンシップ)という基幹的主体用語を中心に、「市民社会、ナショナリズム、グローバリズム」という三つの政治思想との関連において、その妥当性を検証し、既存概念の限界を指摘すると同時に、それらに代わる政治主体の可能性を検討した。
著者
安達 靖代 岩田 徳和 足立 靖 中村 浩子 菊地 剛史 中村 正弘 見田 裕章 吉田 幸成 木下 一郎 石井 良文 遠藤 高夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.117, no.6, pp.532-541, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
30

IgG4関連自己免疫性肝炎と肝炎症性偽腫瘍の合併例を経験した.症例は80歳代女性.肝障害,IgG高値を認め自己免疫性肝炎を疑い肝生検施行,IgG4関連自己免疫性肝炎と診断された.その後肝腫瘤が出現,肝炎症性偽腫瘍と考えられた.IgG4関連自己免疫性肝炎はIgG4関連疾患の肝実質病変とされ,一方,炎症性偽腫瘍の一部もIgG4関連疾患と考えられている.両疾患の合併の報告はなく,貴重な症例と考えた.
著者
丸川 恵理子 吉田 文彦 宮崎 英隆 櫻井 仁亨 石井 良昌 小村 健
出版者
公益社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.323-327, 2010-05-20 (Released:2013-10-19)
参考文献数
17

The initial symptoms of leukemia include oral manifestations such as gingival hemorrhage and swelling. In patients with these symptoms, attention should be paid to the early diagnosis of acute leukemia. This report describes three cases of acute myelogenous leukemia (AML) with initial manifestations in the oral cavity.Patient 1: A 32-year-old woman. Ulcer lesions of the oral mucosa were diagnosed as decubital ulcers, and symptoms did not respond to the application of steroid ointment. She also had appetite loss, general malaise, and bloody stools. Blood examination showed a low white-cell count (1,600/μl).Patient 2: A 52-year-old man. He received anti-inflammatory treatment and had pain at the mandibular third molar region and gingival swelling, but the symptoms did not improve. At the initial visit, pericoronitis of the mandibular third molar with fever and general malaise were observed. Blood examination showed a low white-cell count (2,300/μl) and remarkably increased myeloblasts (20 %) .Patient 3: A 54-year-old woman. She received medication to treat full-mouth gingival swelling. However, fever and general malaise persisted. Blood examination showed a high white-cell count (47,000/μl).All three patients were given a diagnosis of AML on bone marrow biopsy.When the patients present with oral symptoms such as gingival swelling and ulcers accompanied by fever and general malaise, blood examinations should be promptly performed for the differential diagnosis of acute leukemia.
著者
嶋田 隆一 石井 良和 ボンジェ ペイター 塩路 理恵子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.581-590, 2021-10-15

要旨:作業療法士(以下,OTR)とクライエント(以下,CL)が,治療関係構築時の経験をどう意味づけているかを理解するために解釈学的現象学による質的研究を行った.回復期病棟入院中のCLとOTR 3組に参与観察と面接を実施した.その結果,治療関係構築の意味づけとして,CLでは6つ,OTRでは5つのテーマが明らかになった.OTRとCLの間には,関係構築のための関わり,経験の共有を通したOTRとCLの関わり,関係の帰結に向けての関わりがあると示唆された.治療関係構築についてOTRは〈思いを汲み取ろうという態度〉と意味づけており,CLは〈改善の兆候の実感〉や〈いまの自分を知ってくれている存在〉と意味づけていた.
著者
栁澤 琢史 畑 真弘 福間 良平 石井 良平 吉山 顕次 原田 達也 池田 学 貴島 晴彦
出版者
日本脳神経外科認知症学会
雑誌
日本脳神経外科認知症学会誌 (ISSN:24360937)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-6, 2021-02-26 (Released:2021-03-04)
参考文献数
23

認知症は世界的に増加傾向にあり、特に発展途上国での増加が目立つ。そこで、非侵襲的で安価な検査手法が望まれる。近年の深層学習の発展により、安静時脳波・脳磁図に深層学習を適用することで、旧来の脳波特徴に機械学習を用いた場合よりも高い精度で、安静時脳波・脳磁図を識別できるようになった。しかし、深層学習を医療応用する際には幾つかの注意点が挙げられる。本稿では我々が進めている認知症脳波の深層学習による識別を例にとり、安静時脳波・脳磁図を深層学習で識別する医療応用について概説する。
著者
石井 良助
出版者
東京帝国大学
巻号頁・発行日
1937

博士論文
著者
森山 信彰 浦辺 幸夫 前田 慶明 寺花 史朗 石井 良昌 芥川 孝志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】筆者らは理学療法士を中心としたグループで,中四国学生アメリカンフットボール連盟秋季リーグ戦の全試合に帯同し,メディカルサポートを行ってきた。本研究では,外傷発生状況の分析を行い,今後の安全対策の充実に向けた提言につなげたい。【方法】2012年度から2015年度の試合中に生じた全外傷を集計した。外傷発生状況は,日本アメリカンフットボール協会の外傷報告書の形式を用いて記録した。分析項目は外傷の発生時の状況,部位,種類,発生時間帯とした。【結果】本研究の調査期間にリーグ戦に参加したのは7校であり,登録選手数は延べ686名(2012年161名,2013年152名,2014年185名,2015年188名)であった。リーグ戦の開催時期は毎回8月下旬~11月上旬であった。調査対象試合数は57試合であった。調査期間中の外傷の総発生件数は249件(2012年72件,2013年60件,2014年52件,2015年65件)であり,1試合平均の外傷発生件数は4.4件(2012年4.8件,2013年4.3件,2014年3.5件,2015年5.0件)であった。4年間で外傷発生件数には大きな変化がなく推移した。外傷発生時の状況は「タックルされた時」が67件(27%)で最も多く,次いで「タックルした時」が59件(24%),「ブロックされた時」が39件(16%)の順であった。部位は,下腿が70件(28%)で最も多く,以下膝関節が27件(11%),腹部が20件(8%)の順であった。種類は打撲が87件(35%)で最も多く,以下筋痙攣が74件(30%),靭帯損傷が35件(14%)の順であった。時期は,第4クォーターが97件(39%)と最も多かった。【結論】関東地区の大学リーグ戦中に発生した1試合平均外傷発生件数は1.3件で,外傷の38%が靭帯損傷であり,次いで打撲が17%という報告がある(藤谷ら 2012)。本リーグ戦では,1試合平均外傷発生件数が4.4件と,先行研究の3.4倍となり明らかに多くなっている。また,外傷の種類別では,靭帯損傷の発生件数が少ないが,それに代わって打撲の発生が多いことが特徴であろう。打撲については,相手の下半身を狙うような低い姿勢のタックル動作を受ける際に主に大腿部や腹部に強いコンタクトを受けたケースで多く発生していた。近年,米国では「Heads up football」と称した,タックル動作に関する組織的な啓発活動が行われており,理想的なタックル動作として相手の上半身へコンタクトすることを推奨している。わが国においても最近の安全対策への見解を取り入れ,タックル動作を安全に行うための指導を継続して行っていくことが今後重要であると考える。一方で,本研究の解析期間中には,頸髄損傷などで後遺障がいを認めるような重大外傷は発生しなかった。これは,筆者らがリーグ戦への帯同に加えて,オフシーズンに講習会を実施し,安全な動作指導を行っていることが奏功したと考えられる。重大外傷の予防のために,この事業の継続が必要と考えている。
著者
横井 安芸 石井 良和
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.190-201, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
33

本研究では「高齢者の生活期リハビリテーションに携わる作業療法士のコンピテンシー項目(案)」の自己評価尺度を開発する目的で信頼性・妥当性を検討した.調査対象は,生活期リハビリテーションに従事する作業療法士とし,得られた363名の有効回答について,回答の偏りを確認後,探索的因子分析を行った.その結果,本尺度は30項目5因子構造であることが推察された.この予測をもとに共分散構造分析を実施したところ,適合度指標CFI=.921,RMSEA=.055で良好な構成概念妥当性を有していることが確認された.また,信頼性はCronbach’s α=.79〜.95で内的整合性が保たれていることが明らかとなり,本尺度は十分な信頼性・妥当性を有していることが示された.
著者
中沢 陽介 佐藤 敬 佐藤 征嗣 相馬 勤 出田 立郎 石井 良典 新山 史朗 坪井 良治 岸本 治郎
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.91-99, 2016 (Released:2016-02-05)
参考文献数
17

再生医療の実用化に向けては, 新たな法律を制定するなど, 国をあげての支援策によりその動きが加速している. 毛髪の再生に関しても, ヒト組織・細胞を利用した基礎研究の成果に基づいた, 脱毛症の自家移植による細胞治療に関する臨床研究が検討されている. 毛球部毛根鞘細胞 (DSCC) は毛包組織のなかで間葉系の細胞であり, 毛包誘導能を有すると考えられている. DSCCを用いた自家培養細胞移植による脱毛治療の臨床研究に関する最新の動向, および臨床応用に向けた, 再生医療関係の法整備や臨床試験に供する細胞を提供する細胞加工施設 (CPC) の要件について概説する.
著者
久保 富洋 米津 貴久 長尾 明典 蛭子 法子 木暮 信一 松田 芳樹 小松 光昭 石井 良夫 渡辺 一弘
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.18-25, 2008-04-15 (Released:2009-05-21)
参考文献数
25
被引用文献数
5 1

近年,低出力レーザーを用いた治療やその研究に対して大きな注目が寄せられている.おもに神経や筋,皮膚組織が対象とされ,その効果として鎮痛や再生・修復の促進というポジティブな報告がされている.しかし,多数の実験報告や臨床報告はあるものの,その作用機序や効果の最適条件については未だに不明な点が多い.われわれはアフリカツメガエル(♂)の坐骨神経-腓腹筋標本を用いて,その筋収縮への低出力レーザー照射(Nd:YVO4, 532 nm, 100 mW)には振幅の減衰を遅延させる効果があることを報告した.そこで今回は測定した筋の単収縮曲線を(1)潜時,(2)収縮期の長さ,(3)弛緩期の長さの三つの観点から波形解析し,低出力レーザー照射効果が筋収縮のどの部分に強く現れるのかを検討した.実験にはアフリカツメガエルの坐骨神経-腓腹筋標本を用いた.坐骨神経を極大刺激強度(1 ms pulse, 1Hz)で刺激し,誘発される腓腹筋の収縮を張力トランスデューサーを通して記録した.1匹の個体から取り出した2つの標本を用いて,10分間の連続刺激を同時に行い,一方をレーザー照射を加えた実験群とし,他方を非照射群とした.その結果,収縮期の変化において両群には有意差が観測され(p
著者
石井 良則
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.37, pp.31-58, 2014-05-31

父島扇村出身の島民が昭和15年(1940年)に書いた1 冊の日記帳の具体的な記述を通して、昭和10年代の島内の出来事について振り返り、戦災に遭う前の大村、主として東西両町の生活風景について推考した。また、当時の大村における水事情についても日記の記述から推察した。
著者
石井 良次 八木澤 壯一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.618, pp.33-40, 2007-08-30 (Released:2017-02-25)
参考文献数
3
被引用文献数
2

This study aims to clarify the transformation of crematoria and cremators. Below are the findings. 1) The Cremation Society of Great Britain was founded in 1874 and it promoted the cremation movement. consequently, the cremation became common. The cremation rate has remained stagnant at the 70% level since the 1990's. Religious and ethnic cultures may cause this phenomenon. 2) While the basic structure of the cremation institution has not changed, the Chapel of Remembrance was added and the design of crematorium changed. Also, the Book of Remembrance was introduced. 3) The basic structure of cremators has not changed, but the improvement was found in regard to economy, combustion efficiency, and environmental preservation.
著者
高野 郁郎 松 賢次郎 宇沢 充圭 石井 良章
雑誌
関東整形災害外科学会雑誌 (ISSN:03897087)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.173-176, 1995-04
参考文献数
10