著者
鈴木 淳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 文学研究篇 = The Bulletin of The National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.46, pp.203-301, 2020-03-16

フランスの自然文学者で美術批評家のエドモン・ド・ゴンクールの『北斎』は、前人未踏の研究成果である。本書は、北斎を、優れたデッサン画家として捉え、十八世紀のフランスに輩出した画家たちの延長上に位置づけ、その絵本、版画、摺り物、肉筆に渉る全作品を網羅的に叙述したものである。近時、本書は、木々康子、鈴木重三、小山ブリジットらの研究によって、パリの骨董商で、ジャポニズムの火付け役を演じた林忠正とS・ビングとの協力、確執といった側面から論及することによって、研究の進展が図られてきた。本稿では、ブラックモンやゴンクールらがいかに北斎に辿り着き、その研究を達成させたかの追求を試みると同時に、ゴンスやデュレなどのジャポニザン、フェノロサ、ラファージらの米国の美術批評家との北斎評価をめぐる対立を振り返ることで、北斎を見出したのが、グラビア美術作家らの愛好と探求心の賜物であることを明らかにした。また、ゴンクールの他の著述で注目すべきこととして、『ある芸術家の家』上下巻の北斎に関する記述を論じた。そこで、ゴンクールは、英国のディキンズによる、北斎の略伝と『北斎漫画』初編を初めとする序文の翻訳の敷き写しを試みているが、『北斎』では、ディキンズの影は払拭され、序文の翻訳は、林との協同作業であることが強調されている。その矛盾点の解明を試み、北斎研究に対するゴンクールの功名心のなせるわざという結論に達した。
著者
鈴木 泰平
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.293-363, 1961-04

史學科開設五十周年記念序論 史料解説およびデムーラン略傅本論 (一) 「ヴュウ・コルドリエ」研究 (一) 「ヴュウ・コルドリエ」發行の背景 (二) 「ヴュウ・コルドリエ」一號,二號 (三) 「ヴュウ・コルドリエ」三號,四號 (四) 「ヴュウ・コルドリエ」五號,六號 (五) 「ヴュウ・コルドリエ」の史料的價値と問題提起 (二) ダントン,エベール兩派の研究 (一) アルフォンス・オーラールの所論 (二) アルベェール・マティエの所論 (三) ジョルジュ・ルフェーブルの所論 (四) 史學史的研究に於る問題の所在 (三) ブーショット大佐の研究 (一) ブーショットに於る問題提起およびエベール派とダントン派 (二) ブーショットとエベール派(一) (三) ブーショットとエベール派(二)結論 陸軍長官ブーショットあとがき 補註"Vieux Cordelier", the paper published by Camille Desmoulins, tell's us not only about political assertion of Dauton's party, but aboutcomplicated matters of Revolutionary France from the end of 1793 to early 1794. Colonel Bouchotte, the name of which is put as the title was one of the characters through those matters. He was attacked violently by Danton's party through Desmoulins's paper. Colonel Boucotte was nothing but the director of Military Committee belonged to Temporary Administration Committee, an excutive body of Revolutinary Government of Robespierrian party, but the matter in why he came to be attacked. About details of this attack, we found little accounts in materials so the problem why he was attacked was left unsolved. But after exermining the Collection of Historical Materials of Comite du salut public" by Bouchez et Roux and Aulard, we found the facts that Hebert's party, as well as well as Danton's, moved serching for some profit to the Government and especially, the conflict between the two about military supply, was severe and then resulted in Desmonlins's attack against Bouchotte.
著者
鈴木 俊幸
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

1. 書籍の流通業者について(a) 貸本屋に関するデータの収集図書館・文庫、また個人蔵書から貸本印のデータ収集を行い、また引札等から本屋の貸本営業に関する記事を収集した。(b) 仕入印データの収集図書館・文庫、また個人蔵書から、そこに押捺してある仕入印のデータを収集した。その成果の一部として、日本近世文学会平成10年秋季大会において「仕入印と符牒」と題する研究発表を行った。(c) 売弘書肆データの収集主として明治初期刊本に備わる売弘書肆一覧記事を収集し、データ化した。(d) 上記収集データの総合地域ごとに配列した書商の名寄せの形で上記データを総合し、冊子体の報告書とした。2. 書籍の享受についての調査・研究松本市安西家・上松町武居家・小千谷市高橋家・同田中家・同大滝家の蔵書調査を行った。その内武居家の蔵書についての研究は「木曽上松宿武居家の蔵書」と題して『中央大学国文』第42号に発表した。3. 近世日本を中心とする書籍・摺物の出版・流通・享受に関する文献目録の作成研究成果公開促進費(一般学術研究)の交付を受け、『近世書籍研究文献目録』と題し、ペりかん社より刊行、収集データを公開した。
著者
鈴木 圭輔
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001490, (Released:2020-08-08)
参考文献数
59
被引用文献数
4

新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019; COVID-19)の大流行に伴い,その対策や感染拡大防止に加え我々の社会的状況も激変しつつある.近年COVID-19に伴う神経症状は稀ではなく,頭痛は主な神経症状として注目されつつある.COVID-19に伴う頭痛の頻度は21臨床研究,8メタアナリシスにより5.6%~70.3%に認めた.一方COVID-19に罹患していない医療従事者などにおける頭痛は11.1%~81.0%にみられた.頭痛の詳細を記載した報告は少なかったが,本稿ではCOVID-19と頭痛の関連においてその頻度,特徴や病態について議論したい.
著者
鈴木 たね子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.182-187, 1976-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
50
被引用文献数
3
著者
小西 有美子 佐藤 寿晃 佐藤 孝史 長沼 誠 鈴木 克彦 成田 亜矢 藤井 浩美 橋爪 和足 内藤 輝
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.65-69, 2011 (Released:2015-11-18)
参考文献数
15

健常男性8名(20-45歳)の右上肢を対象に、肘屈曲角度による前腕回外力の変化について調べた。被験者は、肩外転90°、屈伸0°、内外旋0°、前腕中間位にして上腕と前腕を台の上に載せ、肘を伸展位(0°)から10°毎に130°まで屈曲した状態で、等尺性収縮による最大の回外を行い、その回外力を計測した。回外力は、伸展位で3.9±1.2(平均±標準偏差)kg、10°位で4.5±1.2 kg、20°位で5.1±1.1 kg、30°位で6.2±1.1 kg、40°位で6.8±0.9 kg、50°位で7.7±1.1 kg、60°位で8.5±1.2 kg、70°位で8.3±1.4 kg、80°位で7.7±1.3 kg、90°位で7.3±0.9 kg、100°位で6.5±1.6 kg、110°位で6.0±1.7 kg、120°位で5.4±1.5 kg、130°位で4.8±1.2 kgとなった。回外力は伸展位から60°位までの屈曲で増加、70位°以上の屈曲では減少すること、肘の屈曲角度により回外力は2倍以上変化することが示された。この要因として、肘屈曲に伴う上腕二頭筋の筋線維の長さの変化や停止腱の角度の変化が考えられた。
著者
鈴木 祐介 富野 康日己
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.115-120, 2014-06-10 (Released:2014-08-20)
参考文献数
36

これまでの多くの臨床研究や IgA 腎症動物モデルからの知見, およびそれを基にしたトランスレーショナルリサーチなどから IgA 腎症の病因の本態は, 腎臓の固有細胞ではなく, 全身の複雑な免疫ネットワークにあることが想定されている. 特に, 「Mucosa-Bone Marrow Axis」 における免疫学的異常が議論され, 「粘膜型 IgA がなぜ骨髄で産生されるのか」 について長年研究されてきた. しかし, 免疫学の進歩にともないケモカイン・ホーミングレセプターが急速に解明され, 粘膜型B細胞が, 実効組織として骨髄や全身のリンパ組織に展開しうる具体的なメカニズムが明らかになり, IgA 腎症における Mucosa-Bone Marrow Axis の関与がにわかに現実味を帯びてきた. 一方, 以前より IgA 腎症患者では IgA ヒンジ部に糖鎖異常があることが指摘されてきた. 近年糖鎖異常 IgA の定量的解析が可能となり, IgA 腎症の病態が IgA 分子の側からも検討されるようになった. それにより, 糖鎖異常 IgA ばかりかその異常糖鎖を認識する内因性抗体による免疫複合体形成も, IgA 腎症の病態進展に深く関与することが明らかになった. さらに最近の研究では, 糖鎖異常 IgA および内因性自抗体産生の主座が扁桃であることが強く示唆されている. IgA 腎症患者の扁桃において, APRIL や BAFF といった B 細胞分化誘導因子の過剰発現も確認され, IgA 腎症患者の扁桃 B 細胞の分化異常が病態に関わっている可能性も高い. 本稿では, IgA 腎症の粘膜異常および糖鎖異常 IgA 産生機序に触れながら, 扁桃 B 細胞の IgA 腎症の病態における役割を概説する.
著者
鈴木 栄樹
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文学報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.104, pp.1-36, 2013

幕末安政期に,日本海側の敦賀と琵琶湖北部の塩津など3カ村との間に通船路の開鑿と道路の整備とからなる事業 (以下,湖北通線路開鑿事業) が計画,実施された。極秘裡に進められたこの湖北通船路開鑿事業についての従来の研究は,主として「井伊家史料」中の「堀割一件」史料にもとづいて,次のような通説を作りあげてきた。それは,(1) この事業が,表面上「京都御備」を理由にしてはいるものの,実際は,小浜藩主で元京都所司代の酒井忠義が敦賀 (敦賀藩は小浜藩の支藩) の繁栄を意図したものであるとみなし,様々な点で自藩に不利になるとしてあくまでその阻止を企てながらも果たしえなかった彦根藩・井伊直弼側との対立構図を描き,(2) これを安政の大獄の前史として位置づけるというものである。しかしながら,この通説 (1) については,小浜藩側の関連史料をほとんど欠き,その実態があいまいであり,通説 (2) についても,彦根藩・井伊直弼側と対立した酒井忠義が,通船路完成の翌安政5年,大老に就任した井伊直弼のもとで京都所司代に再任され,安政の大獄の指揮をとったことと整合性をなさない。本稿では,「井伊家史料」を読みなおすとともに,新たな史料に基づいて次のことを明らかにした。すなわち,従来の研究が彦根藩・井伊直弼側の誤解・邪推に囚われたものであること,通船路開鑿事業が,内陸部に位置する京都の米穀運送の便を改善することで,米価高に苦しむことの多い京都の賑恤と繁栄を図るとともに,その公式の理由どおり,当時の対外的な危機のもとでの「京都御備 (米)」を目的とした国防的な意味をもつものであり,朝廷側の意向を受けたものであるとした。また,それを計画・実施した真の主体が,嘉永5年に西町奉行に就任した浅野長祚とすでに天保期に通船路事業を構想した元京都町奉行与力平塚飄斎であり,中央では老中阿部正弘と勘定奉行川路聖謨らが,当時の朝幕関係が重要視されるなかで,彦根藩側からの妨害を警戒しつつその事業を推進したことも明らかにした。さらに,彦根藩・井伊直弼側の誤解・邪推の背景として,通船路事業が彦根藩の財政的窮迫からする危機感を刺激したこと,嘉永7年に命じられた京都守護についての過剰な自負心,それにともなう在京陣屋地問題,所司代や町奉行ほか他の諸藩も含めた京都警衛問題などがあり,そうしたなかで小浜藩・酒井忠義側への疑心暗鬼が強められたが,徐々に真相を理解するに至ったとした。
著者
竹島 伸生 小林 章雄 田中 喜代次 新畑 茂充 渡辺 丈真 鷲見 勝博 鈴木 雅裕 小村 堯 宮原 満男 上田 一博 加藤 孝之
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.197-207, 1989-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
33
被引用文献数
3 1

本研究は, 中高年ランナーに対して自転車エルゴメーター作業を負荷することにより, LTおよびall-out時でのVo2, HR, SBP, DBPを測定し, これらの加齢変化やトレーニング内容などとの関係について検討した.その結果は, 次のように要約できる.1.身長, 体重, %fat, 体格指数は, 年代間で有意な差は認められず, すべての年代のランナーは類似の痩身体型であった.週当りの走行距離時間, 頻度などは個人差が大きいが, 平均値でみると年代間に有意な差は認められなかった.ランナーとしての経験年数も年代間に有意な差は認めちれなかった.しかし, 加齢に伴い走パフォーマンスは著明に低下した.2.年齢とVo2@LTとの間には有意な相関 (r=-0.686) がみられた.しかし, %Vo2max@LTは, 各年代でほぼ同値であり, 年齢との間に一定の関係は認められなかった.3.年齢とHR@LTとの間には有意な相関がみられたが, %HRmax@LTは%Vo2max@LTと同様に年齢とは無関係であった.4.SBP@LT, DBP@LTについては年代間に有意な差は認められず, 年齢との関係は明らかでなかった.5.加齢による変化は, Vo2@LT (0.5ml/kg/min/yr) よりもVo2max (0.7ml/kg/min/yr) の方が大きかった.6.Vo2maxの加齢による変化は, 既報の一般人やランナーと比べて大きかった.しかし, 各年代でのVo2maxは, 一般人に比べ平均で50~60%高く, 例えば70歳代ランナーのVo2maxは一般人の40歳代に相当した.7.Vo2maxとトレーニングの経験年数との間には有意な関係はみられなかったが, ランナーとしてのトレーニング開始年齢とVo2maxとの間には, 有意な相関が認められた.8.HRmaxは, Vo2maxと同様に加齢による低下を示し, 同性同年代の一般人と比べて有意差はみられなかった.9.推定HRmaxと実測したHRmaxとの間には, 有意な相関 (r=0.600) がみられたものの, 個人差が大きく±10拍/分以上の誤差を生じた者が約32%いた.10.SBPmax, DBPmaxは, 年代間で有意な差はみられず, 中高年ランナーにおいては年齢と血圧の関係は明らかでなかった.
著者
鈴木 孝夫
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1956, no.30, pp.30-45, 1956-09-30 (Released:2010-11-26)
参考文献数
34

Though numerous references have so far been made to the song of bird, no systematic treatment ever appeared with a view to incorporating it intothe theory of ‘phylogenesis’ of human language.The author stresses, in this article, the significance of this kind of approachin elucidating the structural relationship between human languageand vocal communication in bird. In this connexion, he pays special attentionto the habit of sound learning commonly possessed by man and bird.After presenting a sketchy review of vocal behaviour in Ayes, of whichthree types are to be distinguished, namely, 1) call-note, 2) song par excellenceincluding love and territory song and 3) joy song, he tries to showthe configurational nature of stimuli birds react to in the visual as well asin the auditory field.For example, gallinaceous birds usually react to flying birds of prey bygiving alarm call. Tests using models of flying birds showed that ‘as longas a model had a short-neck, the experimental birds would show alarm.’Further experiments revealed that ‘it is not the shape as such that actedas a sign stimulus, but shape in relation to direction of movement.’ Suchstrict dependence of an innate reaction on a certain set of sign stimulimakes us postulate, in the mind of animals, the Innate Releasing Mechanismwhich is, to use the metaphor of Konrad Lorenz, the appropriate key-hole matched to the shape of a key.When this concept of ‘key’ is applied to the interspecific reactions, theset of essential stimuli above explained is just what we now call a (social) releaser.The author then introduces the idea of ‘reaction chain’ which consistsof ‘a chain of separate reactions each of which is dependent on a specialset of sign stimuli.’ And each of these stands in a special causal relationto the preceding one. Thus the reaction chain can be looked upon as ahighly specialized combination of releasers. Here he points out that sincereleasers used in reaction chain do elicit appropriate responses only whenused in a definite order peculiar to each species of animals, we mightrecognize here a sort of ‘syntax’ existing between these signs (i.e.releasers). In other words, these signs do not behave as signs unless theyare put in a structural order.Descriptions of mating behaviour in bird abound in the so-called ‘rituals’performed by male and female. These precoital rituals, in whichsong also plays an important role, are nothing but the sort of syntacticcombination of signs just referred to.As compared with song proper just analysed, call-note, which seemsabout the only vocal activity most students in this field take into consideration, presents quite a different picture. In the author's opinion, a callnote is a vocal sign used empractically, to use the terminology of KarlBuhler. It is employed, as it were, in the capacity of diakritikon andrequires no specific structural context of its own. On the other hand, closer examination of joy song reveals that vocal behaviour in general is, by its very nature, apt to free itself from strict dependence on the situationalconditions. This tendency observed in bird, together with the capacityto learn diverse sounds, is, the author maintains, perhaps countedupon as one of the prerequisites needed for the emancipation of sign from‘concrete things’.From these considerations, the author concludes that semiotic analysisof bird song discloses striking similarity obtaining between vocal communicationin bird and human language, and thus helps us to open a new perspective in the theory of signs.
著者
鈴木 宏昭 開 一夫
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.211-232, 2003 (Released:2019-04-12)
被引用文献数
7
著者
鈴木 博之
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.226, pp.85-94,105, 1974-12-30 (Released:2017-08-22)

Christopher Dresser (1834-1904) was an unique designer in the history of modern design. Many art historians, for example, Sir Nikolaus Pevsner in his "Pioneers of Modern Design" and Robert Schmutzler in his "Art Nouveau-Jugendstil", highly appreciated him as a revolutional designer. Dresser's design seems very functional and "modern". But it was not only the result of functional study but also the result of looking into fundamental form. It is true that he studied function of the shape of the pot, but it was only one of his interests. At the same time, he was deeply interested in the study of natural form and of an artistic arrangement of decorative forms. In 1873, he published "the Principles of Decorative Design", which had close relation to Owen Jones' "The Grammer of Ornament" and even to A.W.N. Pugin's "The True Principles of Pointed or Christian Architecture" in 1841. These authors were inquiring into fundamental form and arrangement of decoration. Pugin's principles were based on the Catholic religion, Owen Jones' principles were based on the natural forms. And Dresser found the Energy and the Force as his basic principles for design. Dresser's principles, however, were not completely abstruct ones. He, then, caught a chance to visit Japan. His travelling through Japan from 1877 to 1878 shows characteristics of the principles of his design. He visited Yokohama, Kobe, Osaka, Nara, Kyoto, Nikko, Tokyo and many other places. He was interested in many of Japanese designs, especially, in such decorative designs as mausolea at Nikko and Shiba. It seems that the decorative arrangement in Japanese Art greatly inspired him, and that he had confidence that his principles were true. After returning to Britain, he created many revolutional designs. In these designs, however, we could not find any Japanese motives. But he must have been greatly inspired by Japanese Art. He was inspired not by forms but by the method of convention and arrangement of them. Contents of the thesis are as follows. I. Introduction II. Chronology III. Dresser and Cole's Circle and the South Kensington IV. Travelling to Japan in 1877 V. Controversies on "Japanese Village" and against J. Conder VI. Dresser's Principles
著者
鈴木 富之
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.120, no.3, pp.466-485, 2011-06-25 (Released:2011-09-06)
参考文献数
42
被引用文献数
2 5

Many business travelers often stay in large cities because of the concentration of various urban functions. The number of foreign tourists visiting Japan has increased in recent years. The main destinations are metropolitan areas such as Tokyo and Osaka. Given this situation, it is necessary to develop cheaper accommodations for foreign and business travellers who want to stay in those areas for long periods. The purpose of this study is to examine the characteristics and factors behind the evolution of accommodations in the Sanya district, which is located in an “inner-city” in Tokyo. Cheap lodging houses in Sanya have been in decline since the collapse of Japan's asset inflation-led economic bubble in the early 1990s. Managers of accommodations started to accept foreign and business guests. These accommodations have attempted to differentiate themselves from hotels located in central Tokyo in terms of service and lower tariffs. The following three reasons, which this study clarifies, help explain why accommodations in the Sanya district have evolved. First, Sanya was traditionally developed as a “Yoseba”, a place in which day laborers lived. In addition, Sanya is located close to central Tokyo. Secondly, due to a decreasing number of day laborers, cheap lodging houses had empty rooms. Therefore, their managers started to accept foreign tourists and business travellers. In addition, various mass media started to report favorably on Sanya during the World Cup Football games in 2002, although the Sanya district previously had a negative image. Lastly, many foreign tourists began to stay in the area after the World Cup.
著者
鈴木 俊二
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.10, pp.658-663, 2016 (Released:2018-08-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1

ワイン用のブドウを夜間に収穫(ナイトハーベスト)すると,より優れた品質のワインが醸造できることが経験的に知られている。ブドウの温度が低いうちに収穫することで低温での原料処理が可能となり,酸化や微生物汚染のリスクを低減できるのがナイトハーベストのメリットだと考えられていた。しかし,筆者らのグループは,近年甲州の香気成分の一つとしても注目されているチオール系香気成分の前駆体に着目し,早朝に前駆体量がピークになることを明らかにしている。ナイトハーベストの意義を香気成分の面から明らかにした興味深い研究成果を解説していただいた。
著者
坊農 真弓 鈴木 紀子 片桐 恭弘
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.214-227, 2004 (Released:2007-04-13)
参考文献数
17
被引用文献数
2

A series of analyses on the dynamics of participation in face-to-face multi-party conversations were conducted to demonstrate that the centrality of participation in a conversation is correlated with participants' interest in objects discussed as the topics of the conversation. The correlation can be exploited for Social Navigation in real world human interactive situations.Exploitation of behavioral histories of others is an important strategy for effective problem solving. By accumulating a volume of ‘word of mouth’ information, a number of recommendation systems have been developed and deployed on the basis of this idea to facilitate searching on the Web for objects that match with people's personal tastes. Furthermore, recent advance in ubiquitous computing technologies is making it possible to collect the same types of information in real world settings.This paper focuses its attention on the possible cues for Social Navigation which are available from human interactive conversational behaviors. Based on a dynamic transition model of participation roles in conversations, a hypothesis was presented that the more central a role one plays in a conversation, the more highly interested she is in the topic of conversation. The hypothesis was then tested and confirmed through analyses of human interaction behaviors in experimental poster presentation sessions. The analyses revealed that (a) the frequency of interaction with exhibitors was a good indicator of visitors' interest in the corresponding posters, (b) interest in the posters was proportionate with the time visitors spent being directly addressed by exhibitors rather than as side-participants, and (c) addressee-hood of visitors manifested itself in the coordinated production of verbal backchannel responses.These results suggest that interactional cues for conversational participation structures can effectively be utilized as a measure of human interest. Since collection of conversational behavior cues does not incur any additional burden on users, it has a wide application possibilities for Social Navigation in the ubiquitous society.