著者
立石 健二 福島 俊一 小林 のぞみ 高橋 哲朗 藤田 篤 乾 健太郎 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.93, pp.1-8, 2004-09-16
被引用文献数
14

本稿では、Web文書から意見を抽出し、それらをレーダーチャートの形式で要約/視覚化する意見抽出分類システムを提案する。Webの意見は、商品購入の際の情報収集、市場調査等のマーケティング、企業のリスク管理等、さまざまな目的での利用が考えられる。Webの意見の収集/分析に関する研究には2つの課題がある、対象とするWeb文書から意見に該当する箇所を抽出すること、抽出した意見を要約/視覚化することである。本システムは、この2つの課題を3つ組{対象物 属性 評価}のモデルと情報抽出の手法を用いて解決する。本システムを車に関するレビューサイトの100記事を対象として評価したところ抽出精度が適合率82% 再現率52%であり、システムが出力したレーダーチャートと人手で作成したレーダーチャートが類似することを確認した。This paper proposes an opinion extraction and classification system, which extracts people's opinions from Web documents and summarize/visualizes them in the form of "radar charts". People's opinions on the Internet are available for many purposes such as surveys before purchasing products, market research and risk management for enterprises. There are two issues on this area. One is to locate opinion sentences from Web documents, and the other is to summarize/visualize the extracted opinions. The proposed system solves them by employing an opinion model {object name, attribute expression, evaluative expression} and information extraction techniques. The experimental result conducted with 100 articles on the car domain showed that the system performed 82% on precision and 52% on recall, and that both radar charts created by the system and by the hand are similar to each other.
著者
早岡 英介 高橋 理 中村 奈穂子 小室 崇 村松 秀
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.15-31, 2013-12

A public recording of NHK educational TV “SciEnCer” which is a popular scientific entertainment program in Japan was held in school of engineering, Hokkaido University on January 22, 2013. Here, on-the-job training for students by the collaboration of NHK and Hokkaido University was carried out. The production technique of the TV program is suggestive for science communication education. In this report, we consider the opportunity of on-the-job training like this from a viewpoint of science communication.
著者
山本 さつき 鈴木 馨 松浦 友紀子 伊吾田 宏正 日野 貴文 高橋 裕史 東谷 宗光 池田 敬 吉田 剛司 鈴木 正嗣 梶 光一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.321-329, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
35

銃器捕殺の勢子による追い込み狙撃法(n=4),大型囲いワナ(銃)(n=6),出会いがしらに狙撃するストーキング(n=9),シャープシューティング(n=14),および麻酔薬を用いた不動化捕獲の移動式囲いワナのアルパインキャプチャー(n=14),大型囲いワナ(麻)(n=8),待ち伏せ狙撃するフリーレンジ(n=10)を用いてニホンジカ(Cervus nippon)を捕獲した.肉体的ストレスの指標として測定したクレアチンキナーゼは,追い込み狙撃法(2,057±1,178 IU/L)がシャープシューティング以外の全ての捕獲方法より,また交感神経興奮の影響を反映するアドレナリン,ノルアドレナリンは,追い込み狙撃法(アドレナリン:16.500±4.655 ng/ml,ノルアドレナリン:20.375±8.097 ng/ml)が他の全ての捕獲方法より有意に高かった(P<0.05).精神的ストレスの指標として測定したコルチゾルは,囲いワナ(アルパインキャプチャー:2.63±1.90 mg/dl),大型囲いワナ(銃:1.38±0.50 mg/dl)および大型囲いワナ(麻:3.10±1.79 mg/dl)が他の捕獲方法より高い傾向が見られたが,これらは全てGaspar-Lópezほか(2010)により報告されたアカシカ(Cervus elaphus)の正常変動範囲内(1.30~6.49 mg/dl)であった.以上の結果から,追い込み狙撃法は身体的負荷が大きいこと,囲いワナは他の方法に比較して著しいストレス反応を伴う捕獲方法ではないことが明らかになった.よって,大量捕獲が可能な囲いワナで生息密度を低下させることは,アニマルウェルフェアに配慮した適切な個体数管理の手法になりうると考えられた.
著者
高橋 弘太
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

人間の聴覚特性に基づいて,最も聞き取り易い再生速度で音声を再生する手法について研究した.この研究では,第一に,話速が聴覚にあたえる影響の定量的研究,第二にその研究成果に基づいた再生速度決定アルゴリズムの研究とそのアルゴリズムを実証するためのシステム実装と実験の2つが大きな柱である.さらに,第三の柱として,この研究のために自前で製作する話速バリエーション型音声データベースをインターネットで公開し、音声分野の研究者に利用してもらい話速推定研究を啓蒙することがあげられる.3年間の期間で,これらを計画どおり実施した.
著者
小柳 義夫 永井 美之 増田 貴夫 岡本 尚 塩田 達雄 志田 壽利 足立 昭夫 高橋 秀宗 生田 和良
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

小柳はウイルス感染個体内でCD4陽性T細胞がアポトーシスに陥るのに関わる細胞性因子であるアポトーシス誘導シグナルとしてFasLでなくTRAILが関与することをSCIDマウスにヒト細胞を移植した感染系を用いて明らかにした。さらに神経組織にウイルスが侵入すると同じTRAILが中枢神経細胞を殺すことを見出した。塩田はウイルスのコレセプターであるCCR5にアジア人特有の遺伝子変異をみつけ、この変異によりこの分子の細胞表面への輸送が低下しHIVに対する感受性が低下することを見つけた。さらにIL-4の遺伝子変異が起こるとエイズ発症が遅延することも見出した。岡本はHIVの転写に必須の細胞性因子としてNF-κB p65のトランス活性化領域に結合してコレプレッサーとして働くAES/TLEとコアクチベーターとして働くFUS/TLSを発見し、ウイルス発現調節機構の新たなメカニズムを明らかにした。増田はHIVインテグレースの細胞核内への移行シグナル部位が従来考えられていたものと異なることを見つけ、この分子移行に関与する細胞性因子の同定を目指している。志田はウイルスRNAの核内から核外へ移行に必須であるウイルス蛋白質Revに結合するCRM1の機能ドメインを明らかにし、Revの多量体化にCRAM1が必要であること、さらにマウス細胞内でも機能を発揮することを見つけ、マウス細胞へのヒトCRAM1遺伝子の導入は意義のあることがわかった。
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011-01-30
参考文献数
19
被引用文献数
2

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.<br>
著者
福田 育弘 神尾 達之 桑野 隆 後藤 雄介 高橋 順一 原 克
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

各人がそれぞれのフィールドにおいて近代の飲食行為を文化現象として考察した。福田は、おもにフランスと日本において、共に食べることに価値を見出す<共食の思想>の在り方を、歴史的な社会的背景をふくめ学際的に考察した。とくに、日仏の文学作品における共食の表象を研究し、それぞれの社会で、個人にとっての飲食の意味を重要視する<個食の快楽>が、<共食の思想>にあらがいながら形成されてきたことを明らかにした。ロアルド・ダール『チャーリーとチョコレート工場』(1964)は、2005年にティム・バートン監督によって映画化された。神尾は、子供向けのファンタジーとして読まれているダールの原作から表向きはいわば排除されていたチョコレートのセクシュアルな意味合いは、バートンの映画で回帰する。本研究では、この回帰のプロセスをチョコレートの表象の変化として考察した。桑野は、ロシア・アヴァンギャルドと社会主義リアリズムにおける飲食の表象を比較した結果、後者は豊かな飲食のイメージを捏造しているのに対し、前者では独特の日常生活観や革命観も関連して飲食の表象が乏しいことが改めて確認した。後藤は、ラテンアメリカの「喰人」表象が西欧とラテンアメリカの関係性において、今日のポストコロニアル的なものへと変化していったことを明らかにした。高橋は、わたしたちの社会の変容にとって重要なキー概念としての歓待の概念を研究した。歓待の概念は人類と生活世界(Lebenswelt)についての新たな視点の基礎となるものである。現在、高橋は歓待の哲学的な基礎について考察を行っている。原は、「お袋の味」言説を起点に、大量生産消費文化と家族制度イデオロギーという視点から20世紀米国の食をめぐる表象構造を批判的に分析した。以上の研究から、近代における飲食の問題性が学際的に浮き彫りになった。
著者
高橋 阿貴
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

攻撃行動に関わる神経伝達物質として、セロトニンは他のどの神経伝達物質よりも着目されている。一方で、実際に攻撃行動を示している最中に、セロトニン神経系がどのような制御を受けているかは明らかになっていない。本研究では光遺伝学的手法を用いて、背側縫線核セロトニン神経系の興奮、抑制が攻撃行動をどのように変化させるかを直接的に検証することを目指した。また、薬理学的手法を用いて背側縫線核がどのような入力を受けたときに攻撃行動が過剰になるかを解析し、グルタミン酸入力が攻撃行動の程度を決定することが明らかとなった。加えて、順遺伝学的手法を用いて、過剰な攻撃行動に関わる遺伝子座の1つを15番染色体上に同定した。
著者
津田 知春 高橋 登
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.95-106, 2014

日本語を母語とする日本人中学生の英語の音韻意識と英語語彙,スペルの知識との関係が実験的に調べられた。スペルの知識は,オンセット・ライムが実在の単語と共通の偽単語を聴覚呈示し,それを書き取らせた。また,音韻意識はStahl & Murray(1994)を参考にして,英単語からの音素の抽出,音素から単語の混成,および日本語の音節構造を持つ単語・偽単語の音素削除課題が用いられた。全体で73名の中学校1年生,2年生が実験に参加した。その結果,語彙課題は学年によって成績に差が見られたが,その他の課題では学年差は見られなかった。また,音韻意識課題の誤りの多くは音素の代わりにモーラを単位として答えるものであった。語彙を基準変数とした階層的重回帰分析の結果,語彙は学年とスペル課題の成績で分散の50%以上が説明されることが確かめられた。また,スペル課題を基準変数とした階層的重回帰分析では,学年は有意な偏回帰係数が得られず,音韻意識の中では混成課題で有意な偏回帰係数が得られた。このことから語彙力を上げるためには,スペル課題で測定される英単語の語形成に関する知識が必要であり,語形成知識は,日本語の基本的な音韻の単位であるモーラではなく,音素を単位とする音韻意識を持つことによって身につくと考えられた。最後に,本研究の今後の英語教育への示唆について議論した。
著者
岡本 依子 須田 治 菅野 幸恵 東海林 麗香 高橋 千枝 八木下(川田) 暁子 青木 弥生 石川 あゆち 亀井 美弥子 川田 学
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.23-37, 2014

親はまだしゃべらない乳児と,どのようにやりとりができるのだろうか。本研究は,前言語期の親子コミュニケーションにおける代弁の月齢変化とその機能について検討するため,生後0~15ヶ月の乳児と母親とのやりとりについて,代弁の量的および質的分析,および,非代弁についての質的分析を行った。その結果,代弁は,「促進」や「消極的な方向付け」,「時間埋め」,「親自身の場の認識化」といった12カテゴリーに該当する機能が見いだされた。それらは,「子どもに合わせた代弁」や「子どもを方向付ける代弁」,および,「状況へのはたらきかけとしての代弁」や「親の解釈補助としての代弁」としてまとめられ,そこから,代弁は子どものために用いられるだけでなく,親のためにも用いられていることがわかった。また,代弁の月齢変化についての考察から,(1)0~3ヶ月;代弁を試行錯誤しながら用いられ,徐々に増える期間,(2)6~9ヶ月;代弁が子どもの意図の発達に応じて機能が限られてくる期間,(3)12~15ヶ月;代弁が用いられることは減るが,特化された場面では用いられる期間の,3つで捉えられることが示唆された。そのうえで,代弁を介した文化的声の外化と内化のプロセスについて議論を試みた。
著者
楠田 理一 高橋 幸則
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.87-97, 1970-03-30 (Released:2010-02-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1

(1) コイ科魚類の立鱗病の原因として細菌が関係するか否かを確かめるために,病魚の細菌学的検査を行なったところ,復元性をもつ細菌を分離することができた。(2) 分離菌の形態学的,生化学的および生物学的性状を検討した結果Aeromonas属と同定され, EDDY,SCHUBERTおよび江草らの記載と比較してAeromonas liqnsfaciensとするのが妥当であると思われた。(3) 本菌の薬剤に対する感受性はクロラムフェニコール,ナリジキシックアシッドなどが強力であるが,薬剤によってかなりの差が認められた。
著者
高橋 由典 伊藤 公雄 新田 光子 吉田 純 河野 仁 植野 真澄 高橋 三郎 島田 真杉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

当初の計画に従って、戦友会関係者へのインタビュー調査を行うとともに、全国に散在する戦友会関係文献資料の収集・分析を行った。これらの調査結果と戦友会に関する統計調査(2005年、未公刊)の結果とを合わせ、戦友会に関する総合的研究の成果報告書として『戦友会研究ノート』(青弓社刊、2012年)を刊行した。同書によって戦友会をめぐる諸問題が網羅的に解説されるとともに、戦後日本社会における戦友会の意味も明らかにされた。
著者
鈴木 明宏 西平 直史 高橋 広雅 小川 一仁
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では携帯電話を用いた簡易経済実験システム「Easy Economic Experiment System (E3)」を開発した。また、E3を用いた教育実験を講義に取り入れたときの教育効果の検証、及びE3を利用した経済実験と伝統的に行われてきた紙実験との実験結果の比較を行った。分析の結果、教育効果については教育実験に参加あるいは見学した学生の方が小テストの成績が通常形式の講義のみよりも有意に高いことが示された。また、E3を用いても紙を用いた経済実験と同様の実験結果が得られることが示された。

1 0 0 0 パタパタ

著者
三崎 大地 五十嵐 浩也 高橋 紀元
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.15, no.15, pp.72-77, 2010-03-30

本作品は、帝国器材株式会社と筑波大学五十嵐研究室による、学校空間のための新しい木製家具の開発に関する共同プロジェクトの成果物である。日本の伝統的な玩具である「パタパタ」から着想を得た本作品の基本構造は、梯子状の四枚の板からなり、互いに帯で結合されている。この構造は、柔軟に変形し梯子の間に板を渡すことで、机や書棚、ベンチ、掲示板等の用途を持たせることができる。この変形可能な使用方法により、本作品は現在の学校環境に求められる様々な空間機能に、幅広く適用することを可能にする。
著者
高橋 政代 JIN Zi-Bing
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

網膜色素変性(RP)は網膜視細胞の機能が障害される遺伝性の疾患群であり、遺伝性失明、また、60歳以下視覚障害者の最大の原因である。原因となる遺伝子変異は多数解明されているものの遺伝子診断を一般的な臨床検査とするまでにはまだまだ多くの課題が残っている。まず、全身疾患を伴わないRPについてこれまでに原因遺伝子が判明しているのは少なくとも40個と多数ある。RP患者の半分以上は弧発や遺伝形式不明であり、遺伝子診断や遺伝カウンセリングはほぼできないのが現状であり、多数の患者が遺伝子診断及び遺伝カウンセリングを受けられないのである。そこで、我々は効率とコストの面を考えながらdHPLCを用いた方法で遺伝形式を問わず全てのRP患者における網羅的な変異解析を試みた。約15%の弧発例や遺伝形式不明の患者で原因と思われる遺伝子変異を検出。結果はその内、18個が新規変異であった(Journal of Medical Genetics,2008)。効果的な治療法が現れない現状では、世界の研究者はES細胞やiPS細胞からin vitro分化してきた視細胞あるいは前駆細胞などを網膜細胞移植の重要なソースと期待しており、我々は世界初マウス、サル及びヒトES細胞から網膜視細胞への分化を効率よくできた(小坂田、高橋らNat Biotech 2008)。この成果により、視細胞分化誘導法及び移植細胞源に関する問題を解決できた。しかし、胚性幹細胞の生命倫理学的な配慮と移植における免疫拒否などの問題は残っている。そこで最近、皮膚などの組織体細胞から再生医療の大きな武器である「多能性幹細胞」を人工的に作ることに成功した(山中)。我々はこのips細胞を用いて視細胞の前駆細胞及び視細胞への分化に取り組み、ヒトips細胞から視細胞の分化に成功した(Hirami et al.,unpublished)。更に小分子を用いて新たな分化方法を効率よくできた(OsaRada F,Jin ZB et al.,unpublished)。これらの研究結果から、網膜色素変性症患者に対して遺伝子診断の臨床応用をでき、また、網膜再生の移植ソースとして視細胞分化を効率よくできた。
著者
望月 寛 浅野 晃 佐野 実 高橋 聖 中村 英夫
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.126, no.3, pp.337-344, 2006-03-01
被引用文献数
8 1

Recently, QAM (Quadrature Amplitude Modulation) transmission is paid to attention in digital modulation method, and it has been used for wireless LAN and digital broadcasting. QAM is a modulation method that puts information on carrier amplitude and phase. So QAM can achieve high-capacity data transmission that the use efficiency of frequency band is good. But QAM has a bad characteristic that is weak to the noise and the interference because distance between each symbol is short. Then we propose the method that not transmission data but CDMA signal, obtained after transmission data is modulated by spread code and multiplexed, is given to each symbol of QAM. And we studied about railway signal system on track circuit as a sample to apply this method. As result of computer simulations, we verified to be able to achieve the improvement of signal to noise ratio by optimizing the constellation map of QAM. We report with the method of a synchronous acquisition.