著者
タタウロワ ナデジダ 伊藤 幸男 山本 信次 林 雅秀 滝沢 裕子
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.105, no.8, pp.284-290, 2023-08-01 (Released:2023-08-23)
参考文献数
10

本稿の課題は,ロシア連邦の自然保護制度の根拠法である,「特別自然保護地域法」(N33-FZ)の分析から国立公園の位置付け及びその制度の特徴を明らかにすることである。2000年代以降の変化は次の通りである。2013年の法改正により,国立公園の管理・運営は連邦予算機関が担うことになった。国立公園には私有地や先住民族等の住民が存在し,その権利に配慮する条文が追加され,それらを反映した六つのゾーニングに区分されている。近年,国立公園の条文には具体的な禁止事項が複数追加され,利用圧の高まりを反映したものと思われる。一方で,個人または法人への土地の賃貸が可能になるなど,より利用を助長する方向へと制度が改正された。

5 0 0 0 OA 艦船の科学

著者
伊藤科学研究所 編
出版者
宝雲舎
巻号頁・発行日
1944
著者
伊藤 武治 江崎 功二郎 小谷 二郎 酒井 敦
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.177-183, 2020 (Released:2021-09-15)
参考文献数
17

塩素酸系除草剤とグリホサート系除草剤を竹林に施用し,土壌や渓流水の残留量や残留期間を調査した.あわせて,竹林内および竹林伐採後に多く見られる植物種の種子発芽への影響,および除草剤使用後の下層植生への影響を調査した.塩素酸系除草剤は,散布後1ヶ月でほとんど分解された.グリホサート系除草剤では,落葉・土壌・細根からわずかな残留成分が検出された.一方,付近の渓流水からは検出されず,処理区外への流出の可能性は極めて低いと考えられた.種子発芽試験においては,塩素酸系除草剤処理区でカラスザンショウの発芽率が有意に低かった.グリホサート系除草剤を施用した試験では,下層植生の種数が約2倍に増え,植被率も急増し,先駆性樹種や草本が多く見られるようになった.竹林の皆伐後も同様な傾向が示されていることから,タケが枯れることにより皆伐と似たような効果が現れたと考えられた.これらのことから,竹林駆除に使用される除草剤の環境への影響は小さいものと考えられた.
著者
粕谷 昌宏 加藤 龍 高木 岳彦 伊藤 寿美夫 高山 真一郎 横井 浩史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.887-899, 2016-03-01 (Released:2016-03-01)
参考文献数
38
被引用文献数
2

本稿では,身体機能を補完する義手と,身体を拡張する義手について述べる。まず,身体機能を補完する義手として,これまでに用いられてきた義手の種類や構成要素,動作原理を解説する。特に,義手の中でも近年注目されている,筋電義手について詳しく記述する。筋電義手の歴史は半世紀以上前までさかのぼるが,その制御方法は長らく革新されてこなかった。そのため,近年登場してきた多自由度の筋電義手においては,制御が複雑で使用者の負担となっていた。これに対し,多自由度の筋電義手でも,直感的で簡便な制御を可能とする,新たな制御方法が実用化されつつある。その研究動向について解説し,そのうえで,この新たな制御方法が実用化されることにより,身体を拡張する義手として,今後社会がどのように変化していくかを述べる。本稿では,最新の筋電義手の動向を,研究段階のものから実用段階のものまで広く解説する。
著者
菅野 直之 藤井 健志 川本 亜紀 望月 小枝加 伊藤 聖 吉沼 直人
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.385-389, 2013-08-31 (Released:2017-04-28)

目的:歯周病は歯周病細菌により引き起こされる炎症性疾患であり,発症により唾液中の酸化ストレスマーカーが上昇,治療により減少することから,活性酸素が関与する疾患の一つと考えられている.本研究では,軽度から中等度の歯周病を有するボランティアを対象に,ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)の摂取が歯周組織の臨床症状,口臭,唾液の抗酸化能に及ぼす効果を検討することを目的とした.材料と方法:被験者を2群に割り付け,実験群には還元型コエンザイムQ10(50mg)を含むサプリメントを,対照群にはプラセボを毎食後摂取させ,4,8週後に口腔内診査,口臭検査および唾液の採取を行った.成績:投与前後での臨床症状では,実験群でプラークの付着程度およびプロービング時の出血点の割合,対照群でプロービング時の出血点の割合に有意な低下が認められた.抗酸化能は,実験群ではやや増加したが,対照群では有意な低下がみられた.口臭の評価では,実験群で低下する傾向がみられた.結論:本結果から,還元型コエンザイムQ10の服用は歯周病による口腔内の症状改善に有用である可能性が示唆された.
著者
伊藤・山谷 紘子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

植物に含有される、機能性含硫化合物を高めるためには、植物のイオウ吸収機構および代謝機構を解明することが重要である。そのためには、元来イオウ含有量が多く、機能性の高い植物(作物)を選抜して、代謝や遺伝子発現などを比較生理学的に調べる必要がある。そこで本研究では、機能性含硫化合物を高い濃度で含有している可能性の高いアブラナ科伝統野菜を供試作物として選び、根域イオウ濃度が生育、イオウ含量、イオウ吸収に関与する遺伝子発現量、イオウ同化に関わる酵素活性に及ぼす影響を調べた。研究結果はSoil Science and Plant Nutritionに掲載された。
著者
柿野 亘 竹内 基 伊藤 寿茂 成田 勝 中村 咲蓮 塩練 元輝 杉山 真言 岡田 あゆみ 筏井 宏実 眞家 永光 馬場 光久
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.23-35, 2023-02-28 (Released:2023-03-07)
参考文献数
109

In recent years, the classification system of Unionoida (Margaritiferidae, Unionidae) has undergone major changes from conventional methods by shell morphology, due to breakthroughs in approaches based on molecular phylogenetic analysis. We compared the classification system trends of the Margaritiferidae and Unionidae distributed in Japan, and pointed out that there is a time lag to the classification determinations of the latter. Although the scientific names have been changed, the existence, distribution, and ecological information (ex. host fish for glochidia) of two Japanese margaritiferids have been established, and conservation measures and regulations based on the Red List and laws can be expected. On the other hand, the Unionidae consisted of 3 subfamilies, 11 genera and 15 species has increased to 2 subfamilies, 13 genera and 26 species (excluding alien species) by the new classification system reported in 2020. Therefore, information on the distribution and ecology of many new species must be elucidated. A new classification system will be assumed the further revision, especially for the genus Sinanodonta, and the risk of some local populations extinction increase before clarifying the actual situation of species. We are now proceeding to clarify the early life stage of some Unionoida mussels (ex. parasitic stage, salinity tolerance), but insufficient knowledge of the life cycle of Unionoida has prevented the establishment of complete ex-situ conservation methods. Conversion project of numerous reservoirs are that the most important habitats for Unionidae species pressing forward in Japan. In light of this situation, it is hoped that the new classification system that can serve as a basis for on-site conservation will spread throughout as soon as possible to realize comprehensive conservation.
著者
伊藤 智彦 中里 秀則
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2021-IS-155, no.5, pp.1-8, 2021-03-01

愛情が暴走して他者を傷つけてしまったり,SNS で「死にたい」とツイートするような人は「メンヘラ」と呼ばれ,社会問題化している.このような人が自分自身や周囲の人を傷つけ,大きな問題になる前に適切にフォローする必要がある.本稿では,このメンヘラに該当する人を見つけることを目指し,ツイートデータの学習による探索を行った結果を報告する.特にメンヘラカルチャーを代表する「#病み垢さんと繋がりたい」というハッシュタグに注目し,このハッシュタグに投稿する人が,メンヘラの性向をもっていると仮定し,そのハッシュタグをもつツイートを学習データとして,一般のツイートから同様の性向を探索した.
著者
荒木 敦子 伊藤 佐智子 宮下 ちひろ 湊屋 街子 岸 玲子
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.313-321, 2018 (Released:2018-09-29)
参考文献数
60
被引用文献数
1 1

In recent years, the birthrate has been continuously declining in Japan. The main causes of the decline are social factors. On the other hand, there is increasing evidence that many environmental chemicals show endocrine disrupting properties. Thus, we hypothesized that exposure to these chemicals would also be a causal for the fertility crisis. In this review, we examined current evidence that focused on environmental chemical exposure in utero and its association with reproductive hormones in children. We have included the findings from a prospective birth cohorts, the Hokkaido Study on Environment and Children’s Health Sapporo cohort. According to the literature, environmental chemical levels in utero, such as polychlorinated biphenyl, dioxins, perfluorinated chemical substances, phthalates, and bisphenol A were somewhat associated with the levels of reproductive hormones, such as testosterone, estradiol, progesterone, inhibin B, and insulin-like factor-3 in cord blood, in early childhood and adolescence. The literature also suggests the association between exposure to these chemicals and brain-sexual differentiation or the anogenital distance, which suggests the disruption of androgen shower during the developmental stage in the fetal period. There are still knowledge gaps on whether these hormones at an early stage affect the pubertal development and reproductive functions in later life. In addition, alternative chemicals are produced after banning one type. The health effects of alternative chemicals should be evaluated. Effects of exposure to a mixture of the chemicals should also be examined in future studies. In conclusion, the prevention of environmental chemical hazards in relation to human reproductive function is important. It would be one of the countermeasures to the falling birthrate caused by fertility issues.
著者
矢久保 修嗣 並木 隆雄 伊藤 美千穂 星野 卓之 奥見 裕邦 天野 陽介 津田 篤太郎 東郷 俊宏 山口 孝二郎 和辻 直
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.167-174, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1

国際疾病分類(ICD)は疾病,傷害及び死因の統計を国際比較するため世界保健機関(WHO)から勧告される統計分類である。この国際疾病分類第11改訂(ICD-11)のimplementation version が2018年6月18日に全世界に向けてリリースされた。これに伝統医学分類が新たに加えられた。ICD の概要を示すとともにICD-11の改訂の過程やICD-11伝統医学分類の課題をまとめる。ICD-11は2019年5月の世界保健総会で採択される。我が国がICD-11を導入し,実際の発効までには,翻訳作業や周知期間なども必要であるためまだ猶予が必要となるが,国内で漢方医学の診断用語も分類のひとつとして使用できることが期待される。このICD-11伝統医学分類を活用することにより,漢方医学を含む伝統医学の有用性などが示されることも期待され,ICD に伝統医学が加わる意義は大きいものと考えられる。
著者
伊藤 理絵
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.19-37, 2020 (Released:2021-04-19)

幼児期後期における嘲笑理解の発達について、他者感情理解、心の理論および道徳性の観点から検討するため、2つの実験を行った。実験1では、年少時に調査した年長児7名(男児3名,女児4名,平均年齢6歳4か月)に対し、感情理解課題、心の理論課題、笑いの攻撃性理解課題および絵画語い発達検査(PVT-R)の追跡調査を行った。実験2では、実験1の7名を含む年長児10名(男児6名,女児4名,平均年齢6歳4か月)を対象に、笑いの攻撃性比較課題を実施した。その結果、幼児期後期の嘲笑理解の発達には、語い年齢、他者の感情理解や心の理論、失敗を笑うことに対する道徳的判断および相手を失敗させる行為か否かを判断する故意性の理解が相互に関連している可能性が示唆された。嘲笑を含む笑いの攻撃性の理解には、高次の心の理論や道徳性の発達が絡んでいることから、本研究で用いた「笑いの攻撃性理解課題」と「笑いの攻撃性比較課題」について、笑われたことが原因でネガティブな感情になることを説明することや攻撃の意図を判断することは、高度な心の理論(AToM)の観点から検討していく必要があることが示唆された。
著者
大橋 和明 小寺 宏平 伊藤 信一郎 原口 正史 入江 準二
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.260-264, 2016 (Released:2017-01-21)
参考文献数
8

Lipiodized oil has been widely used for hysterosalpingography because it has superior imaging capability. We report a case of prolonged retention of lipiodized oil suspicious for foreign material in the abdomen. A 34-year-old woman who had undergone hysterosalpingography for evaluation of primary infertility visited our hospital with complaints of lower abdominal pain. She was found to have a metal-like shadow in the right side of the pelvis that was present on abdominal radiography performed at another facility. Computed tomography showed a high absorption range with halation in the right side of the pelvis. We suspected retention of metallic material because she had a history of cesarean section in our hospital several years prior, but we did not consider the likelihood of prolonged retention of lipiodized oil. Laparoscopic surgery was performed for diagnosis. During the operation we did not find any metallic material in the pelvis; we confirmed the position of the mass by using X-ray imaging and resected a cystic mass from the right side of the pelvis. The cyst showed high absorption on radiography and contained a yellowish oily fluid. We carried out a combustion experiment and it was found that the oily fluid included iodine; we therefore concluded that the cystic mass was due to prolonged retention of lipiodized oil rather than metallic material. It is necessary to consider the possibility of prolonged retention of lipiodized oil in patients with a history of hysterosalpingography.
著者
伊藤 聖子 葛西 麻紀子 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.93-100, 2013-10-18

フィリピン産の高地栽培種(スウィーティオバナナ)および従来の低地栽培バナナ(レギュラーバナナ)を用い追熟過程および加熱(焼く、蒸す)調理過程それぞれでの糖度および糖組成の変化を調べた。高地栽培種、低地栽培種の可溶性糖質含有量は高地栽培種の方が多いことが確認された。また、両者ともその主成分はスクロース、グルコース、フルクトースであるが、追熟とともにスクロースが減少し、グルコースとフルクトースが増加することがわかった。また、微量に含まれるソルビトールは減少し、オリゴ糖は増加する傾向にあった。加熱調理(焼く:180℃のオーブンで20分、30分、40分処理、および蒸す:蒸し器で10分、20分、30分処理)では、いずれも、焼き調理より蒸し調理後の糖度が高くなる傾向がみられた。焼きは30分で最も高く40分では減少していた。また、蒸し調理では10~20分で最も高く、それ以上になると、かなり減少することがわかった。
著者
瀬尾 恵美子 小川 良子 伊藤 慎 讃岐 勝 前野 貴美 前野 哲博
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.71-77, 2017-04-25 (Released:2018-07-05)
参考文献数
14

目的 : 研修医の抑うつに関して, 臨床研修制度導入時と, 制度が広く周知された段階とで比較検討を行う.方法 : 全国の臨床研修病院250施設で, 2011年採用の研修医1,753名に対し, 研修開始時と開始3カ月後に, 抑うつ反応, 勤務時間, ストレス要因, ストレス緩和要因などに関するアンケート調査を行い, 2004年の同様の調査と比較した.結果 : 研修開始3カ月後, 抑うつ状態の研修医は30.5% (新規うつ状態率19.6%) で, 2004年より有意に減少していた. 一因として勤務時間の減少, ストレス要因, 緩和要因の改善が考えられた.考察 : 依然多くの研修医が抑うつ状態となっており, 研修環境の更なる改善が望まれる.
著者
田上 明日香 伊藤 大輔 清水 馨 大野 真由子 白井 麻理 嶋田 洋徳 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.11-22, 2012-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
6

本研究の目的は、うつ病休職者の職場復帰の困難感を測定する尺度を作成し、さらにその尺度をもとに職場復帰の困難感の特徴を明らかにすることであった。単極性のうつ病と診断された34名を対象に職場復帰の困難感について自由記述による回答を求め、項目案を作成した。次に、単極性のうつ病と診断された休職者60名を対象にその項目について探索的因子分析を行い、「職場で必要な体力面の困難」「職場復帰後の対人面の困難」「職務に必要な認知機能面での困難」の3因子10項目から構成されることが示され、十分な信頼性と内容的妥当性、併存的妥当性が確認された。そこで、職場復帰の困難感尺度を使用してタイプ分類を実施したところ、四つの類型を得た(全般困難型、復職後の対人関係困難型、体力・認知機能困難型、困難少型)。最後に、それぞれの類型にあわせた支援について議論がなされた。
著者
伊藤 聡
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.385-409, 2007-09-30

神仏習合の現象は、平安時代に至り本地垂迹説の成立を見るが、それが中世においてどのように変容していったかを跡づけようとするものである。中世における本地垂迹説の浸透によって、神観念はさまざまに変化したが、そのなかでも神が人間の心に内在すると考えられるようになったのが、最も大きい変化だった。即ち、本地垂迹とは、仏が内なる神=心として顕現することであり、しかも煩悩にまみれたわれわれの本源的姿たる蛇身としてあらわれると見なされたのだった。そこには、中世神道が罪業と救済の信仰を指向するものだったことを示す。ところが、中世後期以降、人間の内なる「悪」へのまなざしは薄れ、吉田神道にみられるように、楽天的・肯定的な観念へと変貌してしまう。そしてそれが、近世神道の基盤を形作ることになるのである。
著者
篠 力 伊藤 信一
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.309-318, 1979 (Released:2010-06-04)
参考文献数
9

非炎症性疾患の正常部位に2, 3の界面活性剤を生検, 切除前にclosed patch testを行い, 組織学的観察を行った。アニオン活性剤ラウリル硫酸ナトリウムはその強い角層親和性により, 低濃度では表皮, 真皮への影響は少いが, 5%の高濃度では細胞障害がおこる。ポリペプタイドヤシ脂肪酸力リウムは高濃度でも皮膚に影響がない。カチオン活性剤ベンザルコニウムクロライドは強い障害を皮膚にあたえる。非イオン活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテルは表皮細胞の障害は少いが, 真皮の血管に影響があり, その強い滲透性を暗示する。両性活性剤2ウンデシル1-ハイドロキシエチルイミダゾリンベタインは表皮表層に極めて軽度の影響をみるが, 炎症反応は見られなかった。以上反応にニュアンスの違いはあるが, いづれも一次刺激反応のカテゴリーに入るものであった。
著者
仲道 隆史 伊藤 毅志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回 (2014)
巻号頁・発行日
pp.1E5OS23b5i, 2014 (Released:2018-07-30)

現状の将棋AIの実力はプロ棋士に肉薄しているが,実力差の大きいエージェントの指し手は理解が困難でエージェンシーの認知を妨げることや対戦相手の実力が対等な時に楽しいと感じやすいことが指摘されている.本研究では局面の評価値を0に近づける着手を選ぶことでユーザの棋力に合わせる接待将棋AIを作成し,エージェンシーと対局の満足感に対する主観評価によって,インタラクティブエージェントとしての妥当性を検討した.