著者
ダニエラチェ セバスティアン 吉川 知里 梶野 瑞王 伊藤 聡士 掛谷 航 吉田 尚弘 五十嵐 康人
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.62, 2017 (Released:2017-11-09)
被引用文献数
1

We present a numerical study carried out with a regional Eulerian-Lagrangian hybrid model to account for the transport, deposition and radioactive decay of 35S in Sulphur Dioxide and sulfate aerosols emitted into the atmosphere at the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant incident.
著者
龐 遠豊 伊藤 毅志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1286-1294, 2018-04-15

囲碁の認識や学習において,囲碁用語が果たしている役割は大きい.しかし初学者が囲碁用語を覚えるのには大きな負担がかかる.本研究では,局面に対応する囲碁用語を自動表示するシステムを提案する.囲碁用語には,石の「形」だけでなく,石の「勢い」を含む局面解析との組合せが必要なものもある.我々は,囲碁プログラム“Ray”の協力を得て,これらも実装した.先行研究を参考に比較的利用頻度の高い囲碁用語を自動的に視覚的表示するシステムを実現した.その性能をプロ棋士に評価してもらったところ,プロ棋士の判断と90%を超える高い一致率を示した.
著者
木村 祐哉 金井 一享 伊藤 直之 近澤 征史朗 堀 泰智 星 史雄 川畑 秀伸 前沢 政次
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-65, 2016

<p>ペット喪失に伴う深刻な心身の症状が2カ月を超えて持続する場合には,医師による対応が必要である可能性が高いと考えられる。東京および愛知の動物火葬施設で利用者に対して精神健康調査票(GHQ28)による追跡調査を実施したところ,死別直後で22/37名(59.5%),2カ月後で17/30名(56.7%),4カ月後で11/27名(40.7%)の遺族がリスク群と判定された。また,心身の症状に影響のある要因として,遺族の年齢,動物との関わり方,家族機能が挙げられた。ペット喪失後の問題を減らすためには,こうした要因をもつ飼育者に獣医療従事者が事前に気づき,予防的な対応をとることが重要と考えられる。</p>
著者
伊藤 良一 杉谷 政則 稲垣 宏之 瀬戸口 裕子 内田 裕子 伊藤 建比古
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.278-285, 2013-06-15 (Released:2013-07-31)
参考文献数
14
被引用文献数
1

低タンパク食の継続摂取により,コラーゲン合成が低下し老化状態に類似したモデル動物が得られることが報告されている.今回加齢モデル動物でのコラーゲンペプチドの有効性を検討するために,タンパク含有率6 % の低タンパク飼料を3週間与えたWistar系の雄ラットにホルマリン濾紙法により皮下肉芽組織形成を誘導し,コラーゲンペプチドの経口投与が肉芽組織コラーゲン量の増加に及ぼす影響を検討した.また,他の食品由来ペプチド,タンパクの作用とも比較した.次の結果が得られた.(1)低用量群0.2 g/k体重,中用量群1.0 g/kg体重,高用量群5.0 g/kg体重のコラーゲンペプチドおよび対照群として水を7日間経口投与した.その結果,肉芽組織湿重量の濃度依存的な増加がみられた.また肉芽組織中に含まれるHYP量は肉芽組織湿重量と正の相関(相関係数0.837)を示した.(2)コラーゲン線維を特異的に染色するシリウスレッド染色により組織画像解析を行った.画像デジタル処理により肉芽組織の量,コラーゲン線維の密度,コラーゲン線維の量を求めたところ肉芽組織の量,コラーゲン線維の密度はコラーゲンペプチド摂取によって増加傾向が見られ,同じくコラーゲン線維の量に関しては有意に増加が認められた.(3)コラーゲンペプチド,カゼインペプチド,大豆ペプチド,乳タンパクをタンパク濃度1.0 g/kg体重となるよう経口投与し対照群と比較した.タンパク源投与群全ての群で肉芽組織湿重量の増加が認められた.特に,肩甲骨の肉芽組織湿重量はコラーゲンペプチドおよびカゼインペプチドで有意な上昇がみられた.仙骨両側の肉芽組織湿重量も肩甲骨の肉芽組織と同じくタンパク源投与群全ての群で湿重量の増加傾向が示されたが,有意差はコラーゲンペプチドのみみられた.肉芽組織中の水分含率に差はみられなかった.肉芽組織中に含まれるHYP量については肉芽組織湿重量と同様の傾向を示し,コラーゲンペプチド摂取によるHYP量増加が有意差をもって確認された.その他のタンパク源についても増加が示されたが,対照群と比較して有意な差ではなかった.これらの結果より,加齢モデルラットにおけるコラーゲンペプチドの経口投与は肉芽組織でコラーゲン量を濃度依存的に増加することが示された.また,ペプチド,タンパクの投与は種類に関わらず肉芽組織湿重量を増加させたが,本実験においてHYP量の増加とあわせて有意差が認められたのはコラーゲンペプチドのみで,組織コラーゲン量の増加におけるコラーゲンペプチドの優位性が示唆された.
著者
及川 輝樹 筒井 正明 大學 康宏 伊藤 順一
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.199-218, 2012-12-28 (Released:2017-03-20)
参考文献数
65

Shinmoedake (Kyushu, Japan), which is one of the Kirishima Volcanoes, experienced several small eruptions in 2010, finally culminating in a sub-plinian eruption on January 26-27, 2011. After this sub-plinian phase, the eruption style shifts to the phase of vulcanian eruption or ash emission. This volcanic activity is still occurring. We here summarize the eruption history of Shinmoedake during the Edo period on the basis of historical records. The eruptions of Shinmoedake during the Edo period occurred in AD 1716-1717 (Kyoho eruption) and AD 1822 (the 4th year of Bunsei eruption). The Kyoho eruption, which was a large-scale (total amount of tephra: 2×1011 kg) eruption, is divided into the following seven stages. Stage 1 (Apr. 10, 1716 to May 7, 1716): small eruptions occurred over two months; Stage 2 (Sep. 26, 1716): falling ash first observed at the foot of Shinmoedake; Stage 3 (Nov. 9 to 10, 1716): the first large eruption was observed, with pumice falling over a wide area; Stage 4 (Dec. 4 to 6, 1716): small eruptions; Stage 5 (Feb. 9 to 20, 1717): the second pumice fall eruption, with an intermittent ash fall eruption thereafter; Stage 6 (Mar. 3, Mar. 8, Mar 13, Apr. 8, 1717): ash fall eruptions; Stage 7 (Sep. 9, 1717): the last ash fall eruption. These eruptions, which continued intermittently over 17 months, were characterized by multiple repetitions of a large eruption. Based on the results of a comparison between the Kyoho eruption and the 2011 eruption, the eruptions from March 30, 2010 to January 26, 2011, were similar to Stages 1 to 3 of the Kyoho eruption; the eruptions after January 26, 2011, were similar to Stages 5 to 6 of the Kyoho eruption. In addition, the relatively large eruption events of Stages 3 and 5 of the Kyoho eruption and the January 26-27, 2011, eruption began without any noticeable precursors. The eruption in the 4th year of Bunsei (AD 1822) was a small eruption that lasted less than a day. The recent eruption sequences, which were also similar to the Edo period eruptions, are divided into a small-scale eruption (the 1959 eruption) and a large-scale eruption (the 2011 eruption). The eruption duration time of the small-scale (total amount of tephra: < 1010 kg) eruption was less than a day. The eruption duration time of the large-scale (total amount of tephra: > 1010 kg) eruption could be a few months or years. Both eruption sequences began with a small eruption. A large-scale eruption can occur a few months after the start of the eruption sequence. This is an important turning point in the eruption sequence of Shinmoedake.
著者
酒井 美枝 伊藤 義徳 甲田 宗良 武藤 崇
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 = Japanese journal of behavior therapy (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-11, 2013-01-31
参考文献数
27

「創造的絶望(絶望から始めよう) : Creative Hopelessness(CH)」とは、不快な私的事象を制御することへの動機づけの低減を目的としたアクセプタンス&コミットメント・セラピーにおける治療段階、および、その介入によって獲得されたクライエントの姿勢を指す。CHの獲得の効果を検討した研究はなく、その理由としてその弁別法がない点が挙げられた。そこで、本研究では、行動分析学における「言行一致」を用いて、CHの獲得を弁別し、その効果を検討することを目的とした。社会的場面への回避傾向の高い大学生17名に対して、CH Rationale(講義とエクササイズ)を実施した。結果として、CHが獲得された言行一致群は他群と比べ、介入後のRationaleに関する習得度が最終的に高くなる傾向が示唆された。また、言行一致群では介入前後で社会的場面への苦痛度や精神的健康が改善することが示された。
著者
伊藤 勅子 小松 大介 小山 洋 坂井 威彦 藤田 知之 中田 岳成 熊木 俊成 青木 孝學 春日 好雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1853-1856, 2002-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15

甲状腺癌のほとんどを占める乳頭癌は分化度の高いものが多く,早期発見および適切な外科治療により治癒が期待できる.今回われわれは, 1997年4月から2002年3月までの5年間の当院人間ドックにおける触診での甲状腺癌検診の成績および外科治療を含めた臨床的検討を行った.発見率は総受診者25,139人中58人(0.23%)で,男性は17,443人中11人(0.06%),女性は7,696人中47人(0.61%)であった.最大腫瘍径が1cm以下のいわゆる微小癌は25例(43%)であった.組織型は乳頭癌は56例(96%)で,濾胞癌,髄様癌はそれぞれ1例(2%)であった.リンパ節転移陽性は27例(47%)に認められた.いずれも手術時合併症はなく現在再発を認めていない.人間ドックでの早期発見により侵襲,合併症が少ない治療が可能で患者のQOLは向上することが期待され,検診の意義は十分にあると考えられる.
著者
伊藤 美奈子 千勝 泰生 松本 明美
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.35-42, 2013 (Released:2013-09-30)
参考文献数
9

目的:生活をともにする夫婦の生活習慣と生活習慣病における類似性について分析した.方法:対象は2008年4月~2012年3月に当健診センターを受診した40~74歳の夫婦570組.夫と妻それぞれについて,6つの生活習慣(運動,朝食,間食,睡眠,喫煙,飲酒)のうち,保有する好ましくない生活習慣の数によって3群に分け,年齢,BMI,腹囲,体重変化,生活習慣病を比較した.上記で3群に分けた受診者の配偶者に関しても同様に3群比較を行った.夫婦の関連をみるために,夫が因子を有するときにその妻も有するオッズ比を求めた.結果:夫も妻も不良な生活習慣の数が多いほど,体重増加と腹囲が大きく,生活習慣病の保有率は高い傾向にあった.配偶者の比較でも同様の結果を得た.好ましくない生活習慣の数が多い受診者ほど配偶者の好ましくない生活習慣保有数も多かった.夫が不良な生活習慣を有するときにその妻も有するオッズ比は,6つの習慣すべてにおいて2以上となり有意差を認めた.夫が60歳以上の夫婦の方が60歳未満の夫婦に比べオッズ比が高かった.結論:夫婦の生活習慣は関連があり類似していることが示唆された.好ましくない生活習慣を有する受診者については,配偶者からの影響の可能性を意識した保健指導を早期に行うこと,また,単独受診者に対しては,次回から夫婦での受診を促し,夫婦単位で保健指導を行うことで効果的な習慣改善につながると思われる.
著者
伊藤 亜紗
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-12, 2011-06-30

The aim of this paper is to investigate Paul Valery's criticism of description in literature and to clarify his ideal of poetry. Description is a technique to represent an object visually. Though an author chooses arbitrarily what he/she describes, he/she expects his/her reader to abstain the self and to obey him/her. Valery criticized this passiveness of reader and dominance of author. For Valery both reader and author have productive roles and they are completely separated two systems just like a producer and a consumer in a market economy. Through an act of reading, a reader finds abilities of his/her body which were unknown to himself/herself. This focusing on a reader's body is an ideal effect of poetry for Valery. While description involves a false reality, a pure poetry explores a reality of body. A work is not a messenger of feelings or thoughts of an author but a machine to make a reader's body act. A comparison with Breton's solution will make points of Valery's discussion more clear.

4 0 0 0 OA 味噌のにおい

著者
伊藤 寛
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.500-504, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
37

われわれ日本人は味噌のにおいに郷愁を覚え, これを香りとして受容する。外国人は味噌のにおいを嫌うようだが, においのない味噌はその名に価しないものであろう。しかし,「味噌の臭きは喰われず」という諺にも注意しなければなるまい。それはともかく, 味噌のにおいの究明は本質的な研究課題の一つであり, 最近は新しい機器分析法によって追々成果をあげている。本稿は著者らの研究を基にして化学成分の面から味噌のにおいについて解説していただいた。香味の醸成技術に役立てて欲しいと思う。
著者
若生 豊 伊藤 由加里
出版者
八戸工業大学
雑誌
八戸工業大学エネルギー環境システム研究所紀要 (ISSN:21866015)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2011-03-24

表紙に表示のISSNはタイトル変更に伴い、21866015に変更 第8巻までのタイトル「八戸工業大学異分野融合科学研究所紀要」
著者
住 斉 宇津巻 竜也 伊藤 繁 石浦 正寛 針原 伸二
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.901-909, 2009
参考文献数
20

住は2006年春の定年後は故郷のためになることをしたいと思い,專門の理論物理から離れ,故郷の飛騨で人々のルーツをDNA解析により探る研究を始めた.大学勤務最後の十年間は光合成を研究していた縁で,住物を専門とする宇津巻,伊藤,石浦と連携でぎた.光合成の逆反応は呼吸で,呼吸を司る細胞内小器官ミトコンドリアは独自のDNAを持つ.その解折により,この15年程の間に現代人のルーツが根本的に書き換えられたことにも注且していた.この縁で,針原からDNA解析を教えて貰うことができた.この研究は,日本各地の縄文系対弥生系人口比率の決定につながった.それは太古以来の日本人成立過程を記録していることが明らかになった.
著者
岡田 裕美 渡辺 賢治 鈴木 幸男 鈴木 邦彦 伊藤 剛 村主 明彦 倉持 茂 土本 寛二 石野 尚吾 花輪 壽彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.57-65, 1999-07-20
参考文献数
19
被引用文献数
5 4

症例は60歳男性で平成9年6月3日腹部不快感を主訴に北里研究所東洋医学総合研究所を受診した。半夏瀉心湯の投与により腹部症状は軽減したが, 半夏瀉心湯の服用は6月より8月まで継続した。同年8月3日より悪寒, 発熱, 倦怠感が出現した。肝機能障害を指摘されたため, 半夏瀉心湯を中止し小柴胡湯を投与した。14日当院漢方科入院となり, 抗生剤, 強力ミノファーゲンCにて経過観察した。入院時の胸部レントゲンにて左上肺野にスリガラス状陰影を認めたため, 小柴胡湯を中止した。肝機能障害は改善したが, 呼吸困難が顕著となり, 捻髪音を聴取するようになった。胸部レントゲン, 胸部CTにて間質性変化を確認し, 9月5日よりPSLの投与を開始した。経過は良好で症状, 画像所見, 検査所見とも改善を認めた。DLSTは小柴胡湯, 柴胡, 黄苓で陽性だった。当初小柴胡湯による間質性肺炎を疑ったが, 小柴胡湯投与前の他院での胸部レントゲン写真でも左上肺野のスリガラス上陰影を認めたため, 本例は半夏瀉心湯が主でさらに小柴胡湯の投与により薬剤性の肝障害ならびに間質性肺炎を発症したものと考えられた。
著者
伊藤 康男 阿部 達哉 富岳 亮 小森 哲夫 荒木 信夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.103-107, 2010 (Released:2010-03-03)
参考文献数
11
被引用文献数
9 23

症例は19歳女性である.急性の異常行動と変動する意識障害で発症した.入院時妊娠17週で児の発育に問題はなかった.髄液検査で単核球優位の細胞数増多,抗NMDA受容体抗体陽性,頭部MRIで明らかな異常所見なく,非ヘルペス性辺縁系脳炎が考えられた.妊娠26週目より意識障害は徐々に改善し,妊娠37週で自然分娩した.骨盤MRIで卵巣奇形腫をみとめず,分娩後の抗NMDA受容体抗体が陰性化したことより,本症例の発症に妊娠との関連が示唆された.妊娠中に発症した抗NMDA受容体抗体陽性の非ヘルペス性辺縁系脳炎の報告例はまだなく,貴重な症例と考えたので報告する.
著者
伊藤 康弘 木原 実 宮 章博 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.155-159, 2016 (Released:2016-11-24)
参考文献数
12

甲状腺分化癌,髄様癌,未分化癌に対するTKIを用いた分子標的薬剤治療が認可され,進行再発甲状腺癌の治療はかなり変化してきている。しかし実臨床の場ではなかなか教科書通りにはいかず,担当医を悩ます場面があることも事実である。ある程度は自分自身の経験や聞知した知識で乗り切れるものの,未だに誰も答えをもっていない問題があることも事実である。TKIをはじめるべき時期,逆にやめるべき時期,癌の生物学的態度とTKIの効果との関連など臨床側が知りたい点はまだまだある。本稿では外科と腫瘍内科の中間地点の立場からこれらについて問題を提起してみた。
著者
菊地 光一 伊藤 惇 吉村 昇
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.80-98, 1985-03

筆者らは寒冷地における風力エネルギーの利用に関心を持ち, ここ数年来, 秋田工業高等専門学校屋上での風況調査および小型風車の試作, 実用運転などを行ってきた。秋田県は夏を除き, 移動性の高, 低気圧群が通過する緯度帯にあり, 冬は特に大陸高気圧の影響を強く受け, 西風が強く雪が多い。また, 日本海側にある本県は他都道府県, 特に太平洋側と比較して概して風が強いので, 筆者らは風力エネルギーの利用を強く念願していた。1982年11月, 風速7m/sで1kWのプロペラ型風力発電装置を設置する機会を得, 現在実用運転中であるが, 次のような項目について得られた成果を報告するとともに, 極地で風力発電を実施する場合の留意事項について述べる。(1)風車の安全性確認のための試験運転, (2)生活的環境への影響, (3)発生エネルギーの屋根雪処理への利用。